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理学療法士の年収はいくら?年収の増やし方についても紹介します。

16分で読めます
江藤 圭一 監修

理学療法士の年収を見て、自分の年収が気になった方へ

同じスキル・経験でも、会社によって年収は大きく異なります。 たった5分で、あなたの「本当の市場価値」がわかります。

理学療法士はリハビリのスペシャリストであり、近年取得者が増えてきた医療系の資格です。 理学療法士を志望する人が増えるなか、気になるのは、理学療法士になることでどれくらい収入を得られるかです。 資格取得に専門学校など通う時間を必要とするため、給与が低いとモチベーションの維持も難しいですよね。 そこで今回は、理学療法士が得られる収入と、その増やし方を紹介します。

理学療法士の年収はいくら?

出典:https://midori-hp.or.jp/rehabilitation-blog/web20220923/

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、理学療法士の平均年収は以下の通りです。 また、比較対象として全産業の平均年収も参考として記載します。
毎月の支給額 (固定給):円年間賞与など 特別賞与額:円平均年齢:歳
理学療法士300,700698,40034.7
全産業311,800884,50043.7
理学療法士の平均年収は約431万円、全産業の平均年収は約463万円となり、理学療法士の平均年収は全産業よりも少し少ない事が分かります。 月収は大差ありませんが、大きく異なる特別賞与の約20万円が年収に影響しています。

理学療法士の年収は男女差があるのか

理学療法士の平均年収において気になる、男女差を比較してみましょう。
平均年齢:歳毎月の支給額:円特別賞与等:円
20~24249,200254,600290,700358,500
25~29277,200266,600649,200666,200
30~34305,100277,200731,600658,000
35~39333,200298,100819,900655,700
40~44362,500312,600835,500943,000
45~49375,200328,700926,800927,500
50~54343,900348,700910,7001,070,100
55~59395,000380,700948,1001,147,900
60~64343,700260,800720,600541,500

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査

理学療法士は年功序列の傾向にあり、収入は50代がピークです。 男性は年齢が上がるにつれて収入の上り幅が大きい一方、女性は緩やかな傾向にありますが、初任給に該当する20~24歳に限っては、女性の方が収入が高いです。

ほかの医療・福祉と比較するとどうなるの

理学療法士は医療・福祉事業に該当しますが、ほかの医療・福祉系の職種の年収がいくらか気になりませんか。 そこで何職種かピックアップして、理学療法士の年収と比較します。
職種年収:円
薬剤師5,830,000
診療放射線技師5,440,000
臨床検査技師5,090,000
看護師5,080,000
理学療法士4,310,000
介護福祉士3,630,000

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査

理学療法士の年収は、医療・福祉事業の中ではあまり高いとは言えませんが福祉施設でも活躍する看護師や介護福祉士との比較であれば、ちょうど中間だと分かります。 しかし、両者とは労働する時間帯に違いがあり、理学療法士には基本的に夜勤が存在しません。 一見すると収入は低く感じられますが、夜勤がない点で考えると高いといえます。

基本給以外の福利厚生も要チェック

住宅手当や通勤手当など、基本給以外の手当の有無は重要です。 とくに医療・福祉関係では清潔さが求められるため、身だしなみに関する制服貸与などの補助がないと厳しいです。 また、キャリアアップ制度の充実も給与面と同様に大事で、手当も含む福利厚生は細部までを把握しておく必要があります。

理学療法士は将来的に給与があがるか

理学療法士になりたい人は、年々増加傾向にあり、理学療法士の数も増えてきたため、理学療法士自体の数は充足状態となり、いずれ職の奪い合いになる可能性もあります。 人が足りていれば、給与をあげてまで人材確保をする必要もないことから、収入が大幅にアップするとは言えなくなっています。 また、理学療法士の診療報酬は時間単位で点数が振られており、8時間労働では24単位が限界です。 リハビリの種類によって単位数の上限があり、上限を超えてしまうと指導の対象となるため避けなくてはいけません。 さらに、経験やスキルによって診療報酬があがるわけでもない点も、給与に対する不満となります。 市場への供給量の多さが、給与アップの妨げともいえるでしょう。

理学療法士収入をあげるためには

出典:https://ksmcs.jp/krh/news/reha-newface2022/

先ほども述べたように、理学療法士になりたい人は増加傾向にあり、需要量を上回っている状態です。 そのため給与の伸び率もあまり期待が持てません。 この状況を受け入れるか、収入を増やしたいかは人それぞれです。 ここでは収入を増やしたい人に向けて、収入を増やすにはどうすればよいのかをみていきます。

今働いている場所で昇進する

現状働いている場所にもよりますが、スキルアップや昇進、昇格などによって給与をアップする方法があります。 病院の場合はチーフなどの管理職になることで手当を増額でき、結果として収入アップにつながります。 しかし、管理職に就くことは簡単な事ではありません。 技術や知識だけでなく、部下を管理するマネジメント能力も求められます。 また、勤務場所によって昇進や昇格に規定があるため、勤め先で昇進基準などを確認しましょう。

別の資格も積極的に取得する

理学療法士以外の資格を取得することでスキルアップができ、その結果給与アップへとつながることもあります。 ここでは、理学療法士としてスキルアップが見込める資格を2つ紹介します。

認定理学療法士

認定理学療法士は、専門性の高い知識を身につけるほか、理学療法の発展に貢献できるような研究能力が求められる資格です。 日本理学療法士協会により、7つの専門分野が設けられ、そのうち1つ以上の専門分野を選択し、選択した分野のスペシャリストとなれる資格です。

専門理学療法士

専門理学療法士は、専門分野の知識を深めた人物が取得できる資格となり、認定理学療法士同様に7つの専門分野から1つ以上を選択することが求められます。 なお、専門理学療法士は認定理学療法士の資格取得者が次に目指す資格となります。

ほかの職種の資格を取得する

自身の理学療法士としての仕事の幅を広げたいのなら、ほかの職種の資格を取得するのもおすすめです。 特に理学療法士は介護施設での需要が増えてきているため、介護に関する資格を取得するとよいでしょう。 そうすることで資格手当などの加算を受けることができます。 介護の資格でおすすめなのは、ケアマネージャー(介護支援専門員)です。 ケアマネージャーの需要は高いだけではなく、身体的な負担を減らした働き方が可能です。

独立する

理学療法士として独立することは、今の日本では難しいのが現状のため、独立のために資格を取ることが多いです。 独立のために取得する資格でよく取得されているのが、柔道整復師です。 柔道整復師を取得してから独立・開業となります。 理学療法士は医師の指示のもと、患者さんの施術を行うのに対し、柔道整復師は医師の判断なしで骨折・脱臼・ねん挫などの治療を施せます。 柔道整復師のほかに鍼灸師の資格を取得することで、整骨院や接骨院を開業できます。 将来的に独立を考えている場合は、柔道整復師や鍼灸師の資格を目指しましょう。 また、無資格でも施術ができる整体院を開業することで、独立も可能です。

セミナーを開催する

理学療法士や作業療法士向けのセミナーを開催することも一つの手です。 新型コロナウイルスにより、対面式だけでなくオンラインセミナーの需要も増えてきました。 オンラインセミナーであれば、通常の業務に支障を与えることなく開催できるため、負担も少ないです。 集客方法としてはSNSを利用するのが早いです。 それ以外の方法としてはセミナー講師を探している企業と契約するという手もあります。 SNSに慣れている人はSNSで、慣れていない人は企業と契約しセミナーを開くとよいでしょう。

副業をする

理学療法士としての知識や経験を活かし、副業で収入を増やすのもおすすめです。 知識を活かせる副業は以下の通りです。
  • スポーツトレーナー
  • インストラクター
  • ライター
まずスポーツトレーナーは、スポーツ選手のけがのリハビリや予防、身体動作の指導などを担当します。 プロのスポーツチームや地域のスポーツチームなどと、個人契約を結ぶことで活動できます。 次に、ジムのインストラクターとして働くこともできます。 プライベート空間でパーソナルトレーニングを行うジムが増えたことから、インストラクターの需要は増加傾向にあります。 最後のライターは、文章を書くのが好きであれば知識を活かし記事を書くほか、記事の監修をするなど自宅での空き時間を利用して行える副業です。 ライターは未経験でも行えるため、気軽に副業を始めたいときにおすすめです。 このように理学療法士としての知識と経験を活かし、副収入を得られます。

転職をする

収入をアップするために独立などをしたいと思っても、新たに資格を取得する必要があるなど、手間がかかってしまいます。 しかし、収入は多いに越したことはありません。 そんな時は思い切って、転職を視野に入れてもよいでしょう。 転職であれば働きながらでも次の仕事先を見つけられます。 収入アップの仕事先でおすすめなのは、訪問リハビリです。 訪問リハビリであれば1訪問に対しての単価が高いほか、インセンティブで稼ぐこともできます。 そのため、訪問先が多いほど収入を得ることができます。 しかし、訪問リハビリは1人で全ての作業を行わなくてはいけないため、負担が増します。 給与は良くても長く働けないとなったら、転職する意味がありません。 転職の際は、待遇や職場環境などをしっかりとリサーチしたうえで、進めていくとよいでしょう。

まとめ

理学療法士の年収は、全産業の中では若干低いものの似たような水準にありますが、ほかの医療系資格と比較すると決して高い水準ではありません。 収入を増やしたいのであれば、独立開業や副業をするなどの工夫が必要で、転職するのも一つの手です。 自分の将来に向けて資格を取得するなど、工夫して年収アップを目指しましょう。

理学療法士の年収・給料に関するFAQ

最終更新:2025-10-14

理学療法士の平均年収はいくらですか?
厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2024年)」によると、理学療法士の平均年収は約420万円です。月給換算でおよそ27〜30万円、賞与を含めてこの水準になります。
年齢別・経験年数別の年収はどのくらい?
  • 20代:300〜380万円
  • 30代:400〜460万円
  • 40代:450〜500万円
  • 50代以上:500万円前後
経験を積んでも大幅に昇給しにくい傾向があり、管理職や主任クラスになると年収550万円を超えるケースもあります。
勤務先によって年収は変わりますか?
はい。勤務する施設や雇用形態によって大きく異なります。
  • 病院(公立・総合): 400〜500万円
  • リハビリ専門病院: 380〜450万円
  • 介護施設・デイサービス: 350〜430万円
  • 訪問リハビリ・在宅: 450〜600万円(歩合制あり)
近年はフリーランス理学療法士や副業を行うケースも増え、年収700万円以上を目指す人もいます。
地域による年収差はありますか?
あります。都市部と地方では平均年収に約50〜80万円の差が見られます。
  • 関東・関西:420〜480万円
  • 中部:400〜440万円
  • 地方圏:360〜420万円
物価や人材需給の違いが影響しています。
年収を上げるにはどうすればいいですか?
資格取得・専門性の強化・独立が主な手段です。
  • 認定理学療法士(専門分野別)を取得
  • 管理職(主任・科長)への昇進
  • 訪問リハ・開業・フリーランス化
  • 教育・セミナー・コンサル活動
スキルの差がそのまま収入格差に反映される傾向が強い職種です。
男女で収入差はありますか?
平均的には男性がやや高めですが、差はほとんどありません(約20万円以内)。役職や勤務時間の違いによる部分が大きいです。
フリーランス理学療法士の年収は?
案件単価や稼働時間によりますが、年間600〜1000万円も可能です。特に訪問リハやトレーナー契約、SNS発信を通じた教育・顧客獲得により収入を伸ばす人も増えています。 ただし、安定性・保険制度・営業力が課題になります。
理学療法士の給与はどのように課税されますか?
一般の会社員・医療従事者と同様に所得税・住民税が課されます。フリーランスの場合は確定申告が必要です。
今後、理学療法士の年収は上がりますか?
医療報酬改定や高齢化の影響で全体的な年収は横ばい傾向ですが、地域包括ケアや予防医療、スポーツ分野など新領域での需要拡大が見込まれます。
まとめ(要点)
  • 理学療法士の平均年収は約420万円
  • 経験・地域・職場で差が出る
  • 専門資格・独立で年収アップ可能
  • 今後は訪問リハ・スポーツ・教育分野が鍵
安定性の高い国家資格職でありながら、スキル次第で高収入も目指せる職種です。
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監修

江藤 圭一

合同会社Radineer マーケティング支援事業部

2017年に合同会社Radineerにジョインし、未経験者向けITエンジニア転職支援サービス「I am IT engineer」の責任者として、20代・第二新卒のIT業界転職を多数支援。現在はマーケティング支援事業部でWebマーケティング事業の統括・ディレクションを担当。

保有資格

未経験エンジニア転職支援「I am IT engineer」元責任者Webマーケティングディレクターオウンドメディア運営7年以上

専門領域

未経験からのIT転職エンジニア転職転職サイト・エージェント活用20代・第二新卒の転職

監修方針:本記事は、江藤 圭一が専門的知見に基づき、内容の正確性と実用性を確認しています。 情報は定期的に見直しを行い、最新の転職市場動向を反映しています。

CB
監修

CareerBoost編集部

転職・キャリア領域の専門メディア。人材業界経験者、キャリアコンサルタント資格保有者が在籍。 累計1,000記事以上の転職コンテンツを制作・監修。

編集部の専門性

  • 人材業界での実務経験5年以上
  • キャリアコンサルタント資格保有
  • 転職支援実績1,000名以上