どんな職種への転職でも役立つビジネススキルを示す資格5選!
転職を目指すときには、企業から自分のビジネス経験やビジネススキルを高く評価してもらう必要があります。
そういったビジネススキル等は面接や履歴書・職務経歴書でアピールするのが基本です。
しかし、ある意味それは客観的ではありません。
加えて、「証明」をすることもできません。
転職者の採用は、それなりの金額レベルの年収という人件費コストが新たに発生することになります。
そのため、人事としてもできるだけ確かな基準で判断したいと考えています。
その時に判断の根拠となるものが「資格」です。
公的な資格や知名度のある資格であれば、その人物のスキルもある程度客観的に判断できます。
また、候補者が複数いる場合にはその資格の点数や難易度によって優劣をつけることもできます。
ですから、転職する場合には自分のビジネススキルを客観的に証明してくれる資格を持っていたほうがより有利なのです。
しかし、転職で求められる資格には二種類あります。
一つ目は、目指す職種や企業によって証明が必要なスキルが変わってくる場合です。
二つ目は、どの職種にも共通して必要なスキルで、それを証明する資格を取得していれば一定の評価をされる場合です。
この記事では、二つ目のどんな職種に転職する場合でも役に立ち、評価される資格を5つに絞って見ていきます。
記事の最後には、こうした資格を通勤時間に勉強して取得するための講座も紹介してますので最後までご覧になってください!
そもそも転職で「役立つ」とはどういうことか?
冒頭で「転職に役立つ」と書きましたが、実はそれにはいろいろな意味があります。
まず、その「役立つ」とはどういうことかを簡単に見ていきましょう。
職種によっては必須の資格もある
まず、目指す仕事によっては必須の資格があります。
特に、医療事務を含む医療系の仕事への転職を考えている方は、専門的な資格を求められることが多いと言えます。
たとえば、ドラッグストアで販売の仕事する時には、薬剤師や登録販売者、調剤事務管理士の資格が必須です。
また、ルート営業の仕事の場合は、自動車運転免許がやはり必須でしょう。
転職をする際には、希望の職種に資格取得が必須であるかどうかをきちんと確認しておきましょう。
即戦力であることの証明
また、必須ではなくても必要なスキルがあります。
ExcelやPowerPointなどパソコンソフトスキルもそれです。
そのスキルがあることを資格で証明できれば、入社してすぐに現任教育(OJT)なしで現場に投入できる即戦力であることの証になります。
特に、事務アシスタント系の職種への転職を考えている方は、実務経験をアピールするべく資格を取得しておくことをオススメします。
入社後に幅広く活躍できる可能性の証明にも
また、募集している職種とは直接関係がなくても、採用後に人事異動でほかの仕事に配属する可能性があります。
そういう時に、その部署で生かせる資格を持っていると、人事としてはある意味「使い勝手がいい人材」と評価し、転職が成功に近づくと言えます。
努力できる人材の証明
また、取得が難しい資格を持っていることは、客観的には証明しにくい「努力家」という人間性を「資格取得の勉強期間」が間接的に証明してくれます。
業績向上に寄与できるスキルの証明
転職者の中途採用は、その人材が業績の向上や業務の効率化に寄与することで、企業の売上と利益が好転することを期待して行われます。
したがって、企業活動を前に進めることのできる資格を持っていれば、売上と利益の好転に寄与できる、という証明になります。
経験が浅い、未経験であることの補完
第二新卒やキャリアアップ、キャリアチェンジの場合、その仕事をする上で必要な経験値が不足している場合が多いです。
しかし、それを補う資格を持っていれば、経験はなくても知識と技術は入社後も仕事ができるだけのレベルであると評価され、転職における市場価値が高まります
知名度の低い、点数や級数が低い、ビジネスに関係ない資格は意味がない
ここまで見てきたように、転職において資格はあくまで「実務経験やビジネススキルの客観証明」という意味合いが強いです。
したがって、人事の採用担当者が知らない資格や、取得していてもそのレベルが求める水準に達していない資格は転職の上では役に立たない、ということです。
資格を持っていれば採用されるわけではない⁉
ただし、ここで気を付けたいのは
「資格を持っていることがその人材の最大の魅力にはならない」
ということです。
つまり、資格があれば採用されるわけではないのです。
なぜそう言い切れるのかを見ていきましょう。
資格の有無を問わない求人が77%
ある調査によると、転職者の採用条件として
- 企業側が「資格を必須」としている求人は全体の15%
- 企業側が「資格があるとなお良い」の求人は8%
- 企業側が「資格の有無を問わない」求人が77%
ということでした。
また、「資格があるとなお良い」の求人も、建築系や土木系、金融系、不動産系など専門職が多くなっていました。
反面、IT系、クリエイティブ系、事務系、企画系はほとんど資格は問われない結果となりました。
ビジネス経験が重要
では、転職においては何が重視されるのでしょうか。
求人情報全体の85%で必須としていたのが、その業務に関係する経験でした。
確かに、新卒での就職や第二新卒においては、ポテンシャルを評価してくれるかもしれません。
しかし、ジョブチェンジ、キャリアチェンジなどの転職の場合は、経験がない部分を資格で補う必要があります。
いずれにしても、資格を取ることだけに熱心になるのでは駄目だということです。
経験の蓄積や、実務経験者であることを証明できるだけの面接力、説得力のある職務経歴書の作成などへの努力も怠らないようにしましょう。
転職でどんな職種でも役立つ資格5選‼
それでは以上を前提に、どのような職種を目指す場合でも役に立つ資格を5つご紹介します。
1:日商簿記検定2級
簿記とは、「複式簿記」のルールに沿って、売上、仕入れ、原価、支払い、経費などを分類し、記録するという、経理業務をする上では必須のスキルです。
クラスは1級から初級まであります。
3級は商業高校卒業程度の「簿記の基礎知識がある」レベル、2級になると「企業の財務担当者として必要な知識があり、株式会社の経営管理に役立つ」レベルとして企業から評価されます。
ですので、転職に役立たせるには2級が必須です。
また、試験を行う団体は3種類あります。
しかし、その中で1番知名度が高く、おすすめなのは日本商工会議所が行う「日商簿記検定」です。
経理だけではなく、企業活動においては、営業部門の管理職やあるいは役職がない営業職でも、お金の動きを理解し把握するスキルは求められます。
したがって、この資格を持っている人材は
「仕事に対してコスト意識を持ち、業務の損益管理ができ、黒字化を目指せる人材」
だと判断され、他の候補者よりも優位に立てます。
また、実際に入社後も、部門損益の管理やM&Aの初歩的な業務などの、より高度な仕事に携われます。
加えて、1級の合格者は税理士試験の受験資格が与えられるなど、その後のキャリアアップにも有利に働きます。
実際にこの資格試験を経て、税理士や公認会計士などにキャリアアップしていく人は大勢います。
試験内容としては以下の通りです。
- 受験資格:なし(全ての級において)
- 試験日程:2月、6月、11月
試験時間は
- 初級:40分
- 3級:商業簿記120分
- 2級:商業簿記+工業簿記120分
- 1級:商業簿記+会計学90分、工業簿記+原価計算90分
となっています。
級ごとの試験内容は以下のようになっています。
合格基準と受験料は
- 初級:100点満点で70点以上・2,160円
- 3級:100点満点で70点以上・2,800円
- 2級:100点満点で70点以上・4,630円
- 1級:2科目で70%以上、1科目で40%以上の得点率・7,710円
となっています。
合格率は
- 初級:52.0% (平成29年4月1日~7月31日実施回)
- 3級:50.9% (平成29年6月11日実施回)
- 2級:47.5% (平成29年6月11日実施回)
- 1級:8.8% (平成29年6月11日実施回)
となっています。
2:宅地建物取引主任者
宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法に基づき定められている国家資格者です。
不動産売買や貸借の取引に対して重要事項の説明などを行う専門家です。
不動産業界を目指すのであれば、やはり持っていて有利なのは、この宅地建物取引士、いわゆる「宅建」です。
不動産業者は従業員5人につき1人の宅建士の設置義務がありますので、大企業ほど取得者の採用の窓口は広くなります。
また、不動産業界に限らず、たとえば大企業ならたいがい多くの自社不動産を所有して、その資産管理、運用をしています。
また、信託銀行などは顧客の不動産の管理、運用業務も受託しています。
そのいずれの場合においても、宅地建物取引主任者の知識は幅広く活用できます。
試験概要としては以下の通りです。
- 受験資格:なし
- 試験日:10月の第三日曜日(13時~15時)
- 試験形式:50問 四肢択一式による筆記試験
試験内容は
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別
- 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令
- 土地及び建物についての法令上の制限
- 宅地及び建物についての税に関する法令
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務
- 宅地及び建物の価格の評定
- 宅地建物取引業法及び同法の関係法令
となっています。
合格率は15.4%、受験手数料は7,000円となっています。
3:TOEIC
TOEIC(トーイックまたはトイック)は英語を母国語としない人を対象にした、英語のコミュニケーションスキルを判定する世界共通のテストです。
その中でも、一般的に評価の対象となるのは「TOEIC Listening&Reading Test」です。
ビジネス英語の能力を測るテストとしては、日本では1番ポピュラーな資格です。
英検は、1級から5級までのランクごとの試験によって合否判定が出ます。
しかし、TOEICの場合は、全員が990点満点の同じテストを受け、5点刻みのスコアで評価されます。
内容はリスニングとリーディングのみで、英会話や英作文は含まれません。
TOEICはスコアで結果が出るので、人事としては候補者同士の英語スキルを比較する上でも都合がよいと考えています。
国内の企業が転職候補者の英語スキルを測るうえで最も重視しているのは、実は英検ではなくTOEICです。
ある調査では、上場企業の約7割が
「採用時にTOEICのスコアを参考にする」
と答えています。
国際化が大きく進んでいる現在においては、外資系企業だけでなく理系の技術者までもが英語の能力を要求されていると言えます。
ただし、一定以上のスコアをとっていなければ評価されません。
具体的には
- 英語を使わない仕事の場合でも600点以上
- 日常的に英語を使う仕事の場合は、750点以上または800点以上
が目安です。
ちなみに、スコアを100点アップさせるためには、500~600時間の勉強が必要と言われています。
「TOEIC Listening&Reading Test」の試験概要としては以下の通りです。
- 試験時間:リスニング約45分+リーディング75分
- 試験日程:年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)
- 受験地:全国約80都市で開催
- 試験形式:マークシート方式の一斉客観テスト(リスニング・リーディング共に100問ずつ)
- 受験料:5,725円
転職時に役立つ英語の資格についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もチェック!
4:ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識の習得を証明する国家試験です。
セキュリティ、ネットワーク、プロジェクトマネジメントの知識などのITの技術的な側面の知識はもちろん網羅しています。
しかし、それだけでなく、経営戦略、マーケティング、財務、法務など経営全般に至るまで幅広い分野の知識を含んでいます。
現代においては、あらゆる企業活動のベースにITがインフラとして存在しています。
そのため、IT技術系だけではなく、営業系、事務系、生産系など、どのような仕事をする上でもITに関する基礎知識は必要不可欠になっています。
例えば、経理であれば、経理システムだけではなくデータ・セキュリティの概要も知っておく必要があります。
また、営業であればインターネットや物流システムについての知識が必要です。
ITパスポートは、入社後にそのような広い範囲の仕事ができるビジネススキルを持っているという証明になりますので、転職上有利になります。
もちろん入社後も、実務経験を買われてすぐに実戦的な業務に携われます。
試験概要としては以下の通りです。
- 受験資格:なし
- 試験時間:120分
- 試験形式:100問の四肢択一式、CBT方式
- 試験会場:全国47都道府県 (試験会場一覧はコチラ)
- 受験手数料:5,700円
出題分野としては
- ストラテジ系(経営全般):35問程度
- マネジメント系(IT管理):20問程度
- テクノロジ系(IT技術):45問程度
となっています。
合格基準は
- 総合評価点が60%以上(1,000点中600点)
- 分野別評価点が全分野で30%以上(1,000点中300点)
をすべて満たすことです。
出題分野は以下の表のようになっています。
分野 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
ストラテジ系 | 企業と法務 | 企業活動 |
法務 | ||
経営戦略 | 経営戦略マネジメント | |
技術戦略マネジメント | ||
ビジネスインダストリ | ||
システム戦略 | システム戦略 | |
システム企画 | ||
マネジメント系 | 開発技術 | システム開発技術 |
ソフトウェア開発管理技術 | ||
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント | |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | |
システム監査 | ||
テクノロジ系 | 基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | ||
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 | |
システム構成要素 | ||
ソフトウェア | ||
ハードウェア | ||
技術要素 | ヒューマンインタフェース | |
マルチメディア | ||
データベース | ||
ネットワーク | ||
セキュリティ |
平成29年4月~8月における合格率は
- 社会人:60.3%
- 学生:36.5%
- 合計:50.8%
となっています。
5:普通自動車免許第一種
普通自動車免許とは、よくご存じの通り日本の公道で自動車や原動機付自転車を運転するために必要な免許です。
一種は一般の自動車を運転する免許、二種はタクシーやハイヤーなどの旅客車両を運転する免許です。
かつては18歳になると運転する機会がなくても、自動車運転免許だけは取得しておくことが普通でした。
しかし、最近は若者の車離れから、社会人になっても取得していないケースが多く見られます。
特に、女性の場合は取得していない方が非常に多いと思います。
ところが、実際に企業に入った場合自動車を運転する機会は非常に増えます。
金融業界、特に保険業界の営業で取引先を回る場合や、顧客を案内する場合などが一番多いケースです。
また、それ以外にも免許を持っていないと多々困ることがあります。
ですので、所持していることで選考時にプラスに「評価」されることはありませんが、所持していないことがマイナス点になる場合は大いにあり得ます。
試験概要としては以下の通りです。
受験資格としては、年齢が満18歳以上であることが求められます。
取得方法は
- 指定自動車教習所に通って技能卒業検定に合格する方法
- 運転免許試験場で技能試験を直接受験する方法
の二つがあります。
試験科目としては
- 適性検査(視力・色彩能力・聴力・運動能力)
- 学科試験(マークシート形式、文章問題90問+イラスト問題5問の95問)
- 技能試験
となっています。
合格率としては、指定自動車教習所経由の場合は80%前後となっています。
ただし、一度の試験での合格者は全体の6~7割前後、合格までの平均受験回数は1~3回となっています。
また、技能試験の直接受験の場合は5%前後です。
まとめ
いかがでしたか。
上で挙げた5つの資格は、いずれもビジネスパーソンとして仕事をしていくうえで、どのような職種でも必要となってきます。
つまり、IT面、経理面、英語面などに関する基礎的なスキルの習得の証明になるものです。
また、これらを取得したうえで、今度は自分の目指す職種や業種に合わせた上級の資格を取得することで、さらに転職活動上は有利になります。
まずは、ここで挙げた資格の取得を目指してきっちり試験対策をしましょう!
こちらの「通勤講座」を活用すると通勤時間を利用して今まで紹介してきた資格の勉強が出来ますので、ぜひ活用してみてください!
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