IT社会が加速度的に増しているため、転職市場ではクラウド型のサービスを取り扱うSaaS業界の求人も増加傾向にあります。
そのため、求職者からの人気も集めています。
中でもSaaS企業が導入する組織とされるインサイドセールスやカスタマーサクセス職などが注目され、異業種からの転職者も多くなっています。
ここではSaaSについてやSaaS企業への転職のメリット・デメリット、求められる資格やスキルなども詳しく紹介していきます。
SaaSとは
SaaSは「Software as a Service」の略で、従来のオンプレミス型と呼ばれる自社専用のシステムと違いクラウド上で提供されるソフトウェアのことを指します。
オンプレミス型やパッケージソフトと違い、独自にサーバを立てたり、PCにCD-ROMを用いてアプリやデータをインストールしたりすることなく、インターネット経由でアプリケーションを使う形です。
SaaSの代表的なサービスとしては、Microsoft 365(旧Office365)やAdobeのソフトウェア郡、Salesforce、Zoom、Slackなどが挙げられます。
グループウェアのサイボウズや人事労務のSmartHR、名刺管理のSansanなどは、国内企業が展開するSaaSです。
SaaS業界の動向
SaaS業界が一気に加速化した背景に、新型コロナウイルス感染症の拡大が要因として挙げられます。
コロナの拡大により、リモートワークという働き方が広がり、自宅での業務効率化を図るためにクラウドサービスの導入が促進されました。
世界的に見ると、2019年のSaaS市場規模は約1,020億ドルになり、2024年には、約1兆1,200億円までにも成長すると予測されています。
将来的に伸びるとされている業界のため、早めに転職することは自身のキャリアアップにもつながることでしょう。
現在、市場は成長過程であることから、SaaS業界の求人欄には未経験での転職も可能となっています。
SaaS系企業の営業は未経験でも転職できる
SaaS系の企業を含めてIT業界での転職市場の状況ですがキャリア層は業界経験者を求める傾向が強いです。
だから20代であれば未経験からの勝負が十分出来ると考えます。
特に30代以上になるとIT業界経験者ではなければ営業職としては書類選考もなかなか通過しない状態になってきます。
つまり、年齢が上がると業界を知らない方の転職は苦しくなるという現状があります。だからこそ動くとしたら20代でチャレンジすることをおすすめします。
特に無形商材での営業経験があれば可能性があるからです。
例えば、広告メディアの営業、人材業界での営業など。この辺りは親和性があるという事で可能性はございます。
大きな企業では無くてもベンチャー企業であれば営業力を活かして会社を大きくしたなどの実績も評価されるので十分可能性はあります。(0→1の起ち上げやベンチャーで急成長のタイミングで関わった経験など)
企業規模は関係なく、営業力、実績を見て可能性を感じる事が出来れば書類選考も通過していきます。
当社からの支援実績イメージで言えば、20代前半、20代後半は未経験から転職されていますし30代前半になりますと業界経験者という形になります。
SaaSの特徴・メリット
まずはSaaSというものがどんなものなのかを知る必要があるでしょう。ここではSaaSの特徴やメリットを解説していきます。
今SaaS系企業への転職が盛んになりつつある理由が見えてきます。
必要なものは、パソコンとインターネット環境だけ
従来のオンプレミス型と違い、パソコンやスマートフォンなどのデバイスとインターネットがあれば場所や時間を問わずに利用できます。
また、無料で使えるフリーミアムのツール、完全無料のツールも出てきておりサービスによっては選択肢の幅も広いです。
安いランニングコストで、常に最新のソフトが使える
オンプレミス型のソフトウェアの場合は、サーバの保守・管理、セキュリティのための費用を自社で支払う必要がありますが、SaaSで提供されているツールの場合は、提供会社がセキュリティ管理やバージョンアップを行います。
ユーザーは高額な保守費用を払うことなく、いつでも最新バージョンでソフトを利用できます。
導入コストが安く、すぐに利用できる
サブスクリプション型は月額課金のため、導入コストはオンプレミス型より低い傾向で、モノによっては毎月数千から数万円程度の安価なプランを提供している企業も多いです。
またブラウザ上ですぐに利用できるソフトであれば機能をすぐ使いたいといった要望も満たしてくれます。
データ共有だけでなく、同時に編集・管理できる
データをメンバー同士で共有できるだけでなく、リアルタイムで同時に作業を進めることができるため、距離が離れたメンバーとも共同で編集作業やチェックなどができます。
ドキュメントのチェックや修正、クリエイティブのアイデア出し、修正などをスムーズに行うことができるようになりました。
SaaS系企業の営業職への転職がおすすめな理由
SaaS市場が成長中
SaaS系企業への転職が注目されている一つ目が、SaaS市場が著しく成長しているという点です。
SaaS市場は年間平均13%の伸び率で推移しており、2020年から2050年までの30年間で10倍成長するといわれています。
SaaSは今後ますます成長が見込まれる領域のため、スタートアップ企業も多く参入しています。
資金調達の約7割がSaaSとなっていることからも、世間からの注目度が高いことがわかるでしょう。
それに加えて、コロナ禍により企業がデジタル化を進めていることも背景にあります。
比較的導入が簡単で、一からシステム開発をする手間やコストがかからないSaaS製品は、コロナ禍で危急のデジタル化が必要な企業との親和性が高かったのです。
これらの背景からSaaS系企業の売上が好調で、それに伴い求人案件も増加しています。
多くの経験を積むチャンスがある
SaaS系企業への転職が注目されている二つ目の背景には、SaaS系企業の営業は多くの経験を積める環境のため、スキルアップやキャリアアップがしやすい、ということが挙げられます。
SaaSはシンプルなビジネスモデルなので、リードタイムも比較的短い傾向です。そのため従来のような「足で稼ぐ」「お客様の懐に入る」といった営業スタイルよりは、ベネフィットをロジカルに説明してスムーズに購買につなげる営業スタイルが好まれます。
短いリードタイムで効果的な営業をしていくためには、数字に基づいた仮説・検証をする必要があるので、データドリブンな営業スキルが身につくでしょう。
また多くのSaaS系企業は、「The MODEL(ザ・モデル)型」という分業型のマーケティングセールスプロセスを取り入れています。
集客から商談・クローズ、カスタマーサクセスに至るまでの各段階で情報を可視化・数値化し、部門を越えた連携を軸に売上の増大を図っていく、セールスフォース・ドットコム社が提唱し、世界中で広く普及しつつある手法です。
さらに顧客も中小企業から大企業まで幅広いため、SMB営業(中堅・中小企業向け)もエンタープライズ営業も経験できる点も魅力です。
このようにSaaS系企業の営業職はさまざまな経験を積めるため、スキルアップに最適の環境といえます。
またSaaS系企業はベンチャーが多く、入社後の昇給や昇進のスピードも速いので、キャリアアップを見据えた転職にも向いています。
SaaS企業の職種
SaaS企業では、営業組織や職種を、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスと分けていることが多く、求人では「インサイドセールス募集」などといった打ち出し方をしています。
ここでは、SaaS企業の特徴である営業・マーケティング職と開発職について紹介していきます。
インサイドセールス
商談・クロージングする営業活動ではなく、見込みのある顧客の発掘とニーズの醸成が主な業務で、営業にパスするための商談創出が重要な目標となります。
顧客との初期の接点を担当し、多くの企業に自社をアピールしていく側面にやりがいを感じている方も多いです。
フィールドセールス
インサイドセールスが獲得した商談から受注につなげていくのがフィールドセールスの役目です。
顧客へ訪問して商談・クロージングするため、“フィールド”セールスと呼ばれていますが、昨今は訪問せず、オンライン会議だけで受注まで進めることも珍しくありません。
カスタマーサクセス
SaaSの導入支援から活用支援を行うのがカスタマーサクセスです。継続的にサービスを利用してもらうために、先手先手で顧客のツール活用促進や課題解決を行います。
SaaS企業はサービス継続率が売上に響いてくるため、全社的にカスタマーサクセス=顧客の成功を重要視しています。
マーケティング
インサイドセールスへリード(見込み顧客)を供給するのがマーケティングの役割です。
マーケティングは営業組織の中に組み込まれている場合と独立している場合とがあります。
具体的には、セミナー、展示会、Webサイト、オウンドメディア、SNSなど多くのチャネルでリードを集めていきます。
開発
サービスの根幹を担うのが開発部門のエンジニアです。SaaS企業では、ソフトウェアの使い勝手、いわゆるUI/UXがサービス継続率にもつながるため、開発の質やスピードが重要です。
営業から顧客のフィードバックを開発チームに伝えてアップデートすることも多いため連携が重要となってきます。
SaaS企業の営業の年収相場
大手転職サイトdodaによる2021年の調査では、営業職の平均年収は435万円と発表されていますが、
SaaS企業の営業職の年収は、400万~600万ほどと比較的高い傾向にあります。
職種・役職 | 平均年収 |
---|---|
インサイドセールス | 400万~700万円 |
フィールドセールス | 400万~700万円 |
カスタマーサクセス | 400~800万円 |
マネジメント層 | 600万〜1,000万円 |
なお、フィールドセールスの場合、企業によっては上限800万〜1,200万円も珍しくありません。
成果への責任が強く求められる職種や役職になるにしたがって、平均年収も上がっていく傾向にあります。
業種・業界ごとのSaaS営業の仕事内容
大手SaaS企業の営業の場合
スタートアップに比べると人員も増え、体制としても形になっていて、業務ツールもかなり整備されているところが多いでしょう。
マーケティングとセールスの機能分化が確立されており、ほとんどの企業でカスタマーサクセス部隊が組成されています。
営業個々の生産性がしっかりと計測され、成果にばらつきも生まれており、「ザ・モデル」の更なる精度アップが課題になります。
また、役割に集中して業務ができるため、成果を上げるためのポイントを把握しやすいことが特徴です。
カスタマーサクセス部門も、この時期増員しているケースが多いでしょう。
顧客のサービス体験の良化、という側面もこの時期、特に重要になります。そういった経験も積める可能性があります。
個々の生産性向上に対する取り組みとして注目されています。
営業職としてのノウハウをいかして、人材育成を行うことができるので、キャリアとしても注目されています。
外資系SaaS企業の営業の場合
本企業より、「ザ・モデル」の営業体制がしっかりしていることを踏まえて、得られる経験としては、
- 最先端の営業の考え方が身に付く
- フロント営業以外のキャリアの選択肢が豊富
- 営業職というより企画職としての考え方が身に付く
上記の3点が挙げられます。
外資系は営業の生産性向上に真剣に考えている企業が多く、社内にあらゆるナレッジが蓄積していることが多いことが挙げられます。
個人の能力に依存しない標準化が進んでいるため、その内容を深く理解することで、応用可能性の高い知識を深めることができるでしょう。
マーケティングを含む前工程からカスタマーサクセスの後工程まで分業されているところが多いため、通常の「営業職」のイメージよりははるかに多くの選択肢があります。仮に全行程経験すれば、かなりの経験値となるでしょう。
また、顧客接点部署だけではなく、顧客接点部隊をバックアップする育成部門や営業戦略部門もあり、ローテーションの機会を意図的に設けている企業もあると思いますので、チャンスが広がる可能性があります。
外資系SaaS企業においては、ザ・モデルを実践しようとする企業が多いのですが、インサイドセールスであれ、フィールドセールスであれ、マーケット全体、あるいはリード全体を見る、という観点が必然的に強化されると思います。
SaaS企業への転職に必要なスキル・経験
変化への対応力
SaaS企業で、デジタルセールスと呼ばれるインサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスなどの職種に就きたい場合、重要とされるスキルが変化への対応力です。
その理由は、会社の規模感や、仕事内容が、経営状況により、SaaS業界は大きく変化する可能性が高い市場でもあるからです。
SaaS業界が国内で注目され始めたのは2013年のことで、まだまだ歴史が浅く、これからも変革し続ける市場です。
これまでのビジネスモデルとは異なることから、営業手法も当然のこと変えていく必要があります。そのため、自身も変わる意識が必要でしょう。
これまで行ってきた方法を取り除き、新しい環境に順応し、スピード感を持って成長し続けていく意識が必要です。
問題解決能力
SaaS業界に転職する場合には、問題解決能力が必要です。まずは、問題がどこかを分析をし、見極められるようにしましょう。
次に、問題を選別します。ポイントとされる問題を解決するには何が必要か、あれもこれも、と幅広い提案ではなく、解決にマッチした最適な提案が必要です。
最後に、即座に問題解決のために行動する、この全てを行うことが問題解決力であると表現しており、SaaS業界では必要なスキルと言えます。
面接官との面接時には、問題解決能力が高い、とだけ伝えても響きません。
どういった課題や悩みを持った顧客に対し、どのようなアプローチを行い、どのような結果となったのかまでの具体例を出して伝えられると良いでしょう。
自走力・スピード
SaaS業界に転職する場合には、自走力が重要になります。
SaaS企業内でよく出る組織課題で、「知見が深い人がいない」「時間や人的なリソースに限りがあるため、丁寧な研修に期待できない」などがあります。
このような課題に対し、自力で解決の糸口をつかめる人に適性があると言えます。
SaaS業界の歴史はまだ浅いことを前述しましたが、成熟していないからこそ、これまでの経験では通用できないことが多く、また新しい課題が発生しやすいものです。
このような環境では、失敗しても行動をし続け、チャレンジを繰り返し学ぶ、ことが重要です。主体的に自分自身で学び、自分で行動するスキル、いわゆる「自走力」が非常に重要になります。
さらのSaaS領域は成長中のため新規参入も多く、早くグロースして広げていかなければ競合に遅れを取ってしまいます。
そして、事業を早く進めるためには、営業一人ひとりのスピードも求められます。スピード感をもって動ける人ほど、面接で評価されるでしょう。
SaaSへ転職し活躍するためのコツ
転職後のギャップを作らない
SaaS企業はスタートアップが多いため、ハードワークになる可能性があったり、成果を求められたりとシビアな世界です。面接では働き方や求められる成果を確認し、入社後のギャップを作らないようにしましょう。
本当に共感できる会社を探す
SaaS企業は、チームでの協業・カスタマーサクセス文化があるため、カルチャーフィットを重視します。
面接で無理に話を合わせても、入社後にカルチャーの不一致が露呈してしまい離職となってしまえば、お互いのためになりませんので、本当に自分と価値観が合う会社を探しましょう。
企業のフェーズを見極める
営業組織の立ち上げ段階なのか、それとも営業組織の仕組みができあがっている段階なのかで業務は大きく変わります。
営業組織の仕組みができあがっている組織であれば、業務の定型度も高く、マニュアルに沿った働き方でスキルを高められます。
一方で、ゼロスタートの事業作りを経験したい場合は、立ち上げから携われる企業がよいでしょう。
明確なキャリアプランを持つ
入社を目標にするのではなく、入社後に活躍しどのようなキャリアを描きたいかまでを考えておきましょう。
たとえ仕事が困難で行き詰まったとしても、通過点として持ちこたえるためには、目指すキャリアのためと捉えることが必要です。
SaaS業界への転職が「やめとけ」といわれる理由
理由①スタートアップがハード
SaaS企業の多くがスタートアップ、ベンチャーの風土を持っています。スタートアップ企業の場合、組織や仕組みを一から作っていくため、次のようなハードな面があります。
- スタートしたばかりだと、人手も少なく仕組みも作っていく必要があるため即戦力が求められ、ハードワークになる場合もある。
- 大手からベンチャーに転職して仕組みもこれから作っていく場合、今までの環境、福利厚生と比べるとギャップがある。
- 事業を成長させるため、主体性を持って課題解決をすることが必要で、さらにスピード感を持って実行していくことが求められる。
- 変化が多いため、ルーティンな仕事は少なく新しい状況を楽しむポジティブな姿勢が求められる。
- 成長市場のため優秀な人材が多く集まる人気の業界だが、一方で、成果をシビアに求められる。
理由②SaaS特有の営業文化
SaaS企業の多くが採用している分業型の営業組織は、従来型の営業スタイルとは一線を画すものです。
- SaaS企業の営業組織は、KPIの数値管理が明確なことが多く、日次や週次で目標を追うため、 活動管理や達成度合いを日々問われます。
- 営業組織は分業型が多く、一つの職種にとどまっていると営業としての経験が部分的になる可能性がある(ずっとインサイドセールスを担当して商談化までしか担当しない場合は、商談・クロージングの経験が薄くなる)。
- 分業型の営業組織では、自分のチームだけでなく、他部門との連携も必要となりますが、各部門が自分のチームの成果だけを追い求めてしまっている場合、ギスギスした組織となりメンバーも働きづらい。
向いていない人の特徴
- 変化に対応できない、したくない。ルーティン業務が好き
- チームより個人プレーが好き
- 成長意欲がない
その他にも、SaaS企業は解約率が売上に直結してしまうため、解約を防ぐカスタマーサクセスが活躍しており顧客志向の文化があります。
お客様の成功を第一に考えるカスタマーサクセス志向がなく、売れさえすればよいと考える方は向いていないと言えるでしょう。
SaaS企業に転職後、年収を上げるには
昇格・昇進で年収を上げる
SaaS営業として成果を出して評価されれば、給与アップ、ひいては管理職の昇進も難しくないでしょう。
- 商材は自分が売れる、売りやすいものなのか?
- 営業難易度が高い場合、1件の受注で評価されるのか?
- 営業組織が成熟しているか? 優秀な管理職がいるか?
商材に関してですが、商材が課題解決型なのか価値提案型で、導入の障壁が変わってきます。
バックオフィス系の会計や電子署名システムなどのツールであれば、企業も必要性を理解していますが、モチベーション管理など、新しい価値観を提示するようなツールであれば、企業が必要性を認識していないケースもあり、営業の難易度は高くなるでしょう。
また、営業組織が成熟している状況であれば教育や評価制度も整っていますので、属人的な営業スタイルにならず、誰もが成長し昇格できる可能性が高まります。
転職して年収を上げる
SaaS企業で、数年間働いて成果を出してから転職する方法もあります。
この時点で、SaaS業界経験者として一定のキャリアを積んでいるため、SaaS経験者を積極的に採用したい企業へ転職できる可能性が高くなっています。
そこでさらに年収を上げるためには、「インサイドセールスからマネージャー候補へ」「インサイドセールスからフィールドセールスへ」などとポジションや職種を変える転職があります。
また、外資系ではインセンティブ制度が充実していることもあり、営業職の平均年収が1,000万円というSaaS企業もありますので大幅な年収アップのチャンスがあります。
SaaS企業の営業の仕事内容とSIerの営業の仕事内容の違い
SaaS系企業と同じようにSler系企業も耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。この2つはビジネスモデルの違いから成果の出し方も大きく異なります。
SaaS営業の営業スタイル
スタートアップも多く、企業数がどんどん増えていて、資金調達が盛んに行われていることからみても、まさにこれから伸びる、あるいは伸ばしたい企業が多く、事業成長を積極的に行っている業態であるといえます。
継続課金モデル(サブスクリプション)での提供
既に世間で浸透しているところしては、Googleの「G suite」、Amazonの「AWS」、ビデオ会議システムの「Zoom」、microsoftの「Office365」、営業支援システムの「Salesforce」などです。
SaaSとは、その名の通り、ソフトウェアを、サブスクリプション(継続課金モデル)として、提供する形態となります。
顧客満足度がカギ
また、そのビジネスモデルから「売るだけ」を考えて営業活動をしていては、パフォーマンスを上げることは難しいという点です。
サービスを解約されると、売り上げが消滅するので、いかに継続して使用してもらうかが重要なのです。そのため、使用していただいてからの顧客満足度を高めることが、とても重要になります。
営業としては、顧客の使用を確認しながら、適切な使用を促すための対応、場合によってはクレームに対する対応を行います。
SaaS企業での営業は、プロダクトそのものの価値を高める働きかけを行うことが重要です。企業のサイズにもよりますが、スタートアップに近い状態であれば、プロダクトを一緒に開発する、という感覚も得られます。
個々の顧客に合わせて、大きくカスタマイズすることも、基本的には無いと言えるでしょう。
そのため、自社サービスにおいて、解決が可能な顧客へのニーズに対して、いかに営業するか、が重要であると言えます。
SIer営業の営業スタイル
「アカウント営業」と「ソリューション営業」
「アカウント営業」は、特定の大口顧客を担当し、その顧客の経営や事業の課題に対して自社のありとあらゆる商材を使って、提案を課題解決を主導します。
提案数や顧客数というより、プロジェクト規模を追いかけます。
常時、顧客にコンタクトをしつつ、コンタクトを広げ、課題提起を行っていき、本格的に提案の段階になると、SE等を含めてプロジェクトチームを組成し、提案内容を詰め、プレゼンテーションを行います。
プロジェクト稼働後は、状況を確認しつつ、各調整を行い、納品までフォローします。
「ソリューション営業」とは、顧客問わず、特定のソリューションを広く提案し、ソリューションの受注数を伸ばします。
SIerの営業でも「アカウント営業」に比べ、SaaS営業と近いところがあります。
このように、SIerでの営業は、大きく2種類存在し、目標や業務内容に違いがあります。
まとめ
SaaS企業への転職は、経験者のキャリアアップだけでなく未経験から挑戦することも十分できる職種です。
2021年9月1日に発足したデジタル庁では、国や行政がSaaSの導入を行うことを推進しています。
またデジタル化が遅れている飲食業界等にアプローチ先を広げていることもあり、SaaS業界は今後ますますの市場拡大と将来性を期待することができると言えるのです。
なおSaaS営業の中でも、インサイドセールスとカスタマーサクセスはどちらも特定の営業業務に特化した専門職で、求職者からのニーズが急拡大している状況にあります。
市場の伸びしろ自体がまだまだ大きくなっていくことが予想されるため、転職を検討している人はなるべく早く行動・リサーチすることをお勧めします。
もし、自力でのリサーチや転職活動が難しいという場合には、エージェントを利用するのもいいでしょう。
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