日本最大の広告代理店として知られる電通(株式会社電通グループ)。広告業界を志す方や転職を検討している方にとって、電通の年収水準は非常に気になるポイントではないでしょうか。
本記事では、有価証券報告書や口コミサイト(OpenWork・転職会議)、各種転職サイトのデータをもとに、電通の平均年収・職種別・年代別・役職別の給与水準を徹底的に解説します。競合他社との比較や福利厚生、転職難易度まで網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
【結論】電通の平均年収は約1,520万円|業界トップクラスの給与水準
まず結論からお伝えすると、電通の平均年収は日本の上場企業の中でもトップクラスの水準です。有価証券報告書(2025年3月期)に記載されている平均年間給与をもとに、業界平均と比較してみましょう。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 電通グループ 平均年収(有報) | 約1,520万円 |
| 平均年齢 | 45.8歳 |
| 平均勤続年数 | 19.2年 |
| 従業員数(単体) | 約920人(持株会社) |
| 広告業界 平均年収 | 約530万円 |
| 業界平均との差 | +約990万円 |
※電通グループは2020年に持株会社体制へ移行しており、有価証券報告書の数値は持株会社(株式会社電通グループ)の従業員が対象です。事業会社である株式会社電通(国内事業)の従業員も含めた実態としては、平均年収は約1,300〜1,400万円程度と推定されます。それでも広告業界平均の約2.5倍と、圧倒的な高水準であることに変わりありません。
口コミサイトOpenWorkに寄せられた回答者の平均年収は約930万円(回答者の平均年齢32.5歳)となっており、若手社員が多く回答していることを考慮すると、全世代を通じた実態年収はさらに高い水準であることが伺えます。
電通の職種別年収|営業・クリエイティブ・デジタルなど
電通にはさまざまな職種が存在し、職種によって年収レンジにも違いがあります。OpenWorkや転職会議の口コミ、転職エージェントの公開情報を参考に、主要職種ごとの推定年収レンジをまとめました。
| 職種 | 推定年収レンジ | 特徴 |
|---|---|---|
| 営業(ビジネスプロデューサー) | 600万〜1,800万円 | クライアントとの折衝が中心。担当案件の規模で大きく変動 |
| クリエイティブ(コピーライター・CMプランナー等) | 550万〜1,600万円 | 受賞歴や実績で評価が上がりやすい |
| デジタルマーケティング | 600万〜1,700万円 | 近年の注力領域。データサイエンス人材は高年収傾向 |
| メディア(メディアプランナー・バイヤー) | 550万〜1,500万円 | テレビ・デジタル媒体の買付・プランニング |
| ストラテジックプランナー | 650万〜1,800万円 | 戦略立案を担当。コンサル出身者も多い |
| コーポレート(経理・人事・法務等) | 500万〜1,300万円 | 管理部門でも業界平均を大きく上回る |
| エンジニア・IT | 600万〜1,600万円 | DX推進に伴い採用強化中。専門性が高い人材は優遇 |
電通では2021年から「ビジネスプロデューサー」という職種名称を導入しており、従来の営業職がより幅広い業務領域をカバーする形に変化しています。クライアントの課題解決をトータルでプロデュースする役割を担い、大型案件を担当するビジネスプロデューサーは30代で年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
また、近年はデジタル領域やデータサイエンス分野の人材を積極的に採用しており、専門スキルを持つ中途入社者にはキャリア採用枠で高い年収が提示される傾向にあります。
電通の年代別年収|20代・30代・40代・50代の給与推移
電通は年功序列の要素と実力評価を組み合わせた給与制度を採用しています。OpenWorkや転職会議の口コミデータ、dodaなどの転職サイト情報を参考に、年代別の推定年収をまとめました。
| 年代 | 推定年収 | 月収目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 20代前半(新卒〜3年目) | 450万〜650万円 | 約32万〜45万円 | 初任給は約28.5万円。賞与込みで1年目から高水準 |
| 20代後半(4〜7年目) | 650万〜900万円 | 約45万〜62万円 | 早い人は主任クラスに昇格。評価次第で大きく差が出始める |
| 30代 | 900万〜1,400万円 | 約62万〜97万円 | 30代前半で年収1,000万円到達も。管理職候補として重要案件を担当 |
| 40代 | 1,200万〜1,800万円 | 約83万〜125万円 | 課長〜部長クラス。管理職手当が加算される |
| 50代 | 1,400万〜2,200万円 | 約97万〜153万円 | 部長以上の幹部クラス。役員級は3,000万円超も |
電通の特徴として、20代のうちから同業他社と比較して高い給与水準が維持される点が挙げられます。新卒入社の初任給は約28.5万円(大卒・2025年実績)で、これに各種手当と賞与(年2回)が加わり、1年目から年収450万円を超える水準となります。
30代前半で年収1,000万円に到達する社員も多く、これは日本企業全体で見ても非常に早い段階での大台突破といえるでしょう。OpenWorkの口コミでは「30歳で1,000万円は普通に届く」「評価が高ければ20代後半で到達する人もいる」といった声が見られます。
40代以降は管理職への昇進状況によって年収に大きな差が生まれます。部長クラスでは年収1,500万円〜2,000万円レンジとなり、局長・役員クラスになると2,500万円〜3,000万円以上も視野に入ってきます。
電通の役職別年収|一般社員から部長まで
電通の給与は役職に応じた等級制度に基づいて決定されます。口コミや公開情報から推定される役職別の年収は以下の通りです。
| 役職 | 推定年収 | 昇進の目安年次 |
|---|---|---|
| 一般社員(スタッフ) | 450万〜750万円 | 入社1〜4年目 |
| 主任(シニアスタッフ) | 750万〜1,000万円 | 入社4〜7年目 |
| 係長(マネージャー候補) | 1,000万〜1,300万円 | 入社7〜12年目 |
| 課長(マネージャー) | 1,300万〜1,600万円 | 入社10〜15年目 |
| 部長(シニアマネージャー) | 1,600万〜2,200万円 | 入社15〜20年目以上 |
| 局長・執行役員 | 2,200万〜3,500万円以上 | 選抜(40代後半〜) |
電通の等級制度では、一定のグレードまでは比較的安定した昇進が見込めます。ただし、課長以上の管理職ポジションは競争が激しくなり、実績と評価の両方が求められます。
注目すべきは、電通では管理職にならなくても「専門職」として高い報酬を得られるキャリアパスが用意されている点です。クリエイティブディレクターやデータサイエンティストなど、専門性の高いスキルを持つ人材は管理職と同等以上の待遇を受けることも可能です。
なお、電通では2023年度から新たな人事制度を導入し、従来の年功要素をさらに薄め、「ジョブ型」に近い形で職務内容と成果に基づく評価・報酬体系へとシフトしています。これにより、若手でも高い専門性や成果を発揮すれば、早期に高年収帯に到達しやすくなっています。
電通 vs 競合企業の年収比較|博報堂・サイバーエージェント・ADKなど
電通の年収が高いことはわかりましたが、競合の広告代理店や関連企業と比べるとどうなのでしょうか。有価証券報告書および口コミサイトの情報をもとに比較します。
| 企業名 | 平均年収(有報) | 口コミ平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|
| 電通グループ | 約1,520万円 | 約930万円 | 45.8歳 |
| 博報堂DYホールディングス | 約1,140万円 | 約850万円 | 43.6歳 |
| サイバーエージェント | 約817万円 | 約570万円 | 34.2歳 |
| ADKホールディングス | 非上場のため非公開 | 約680万円 | — |
| 東急エージェンシー | 非上場のため非公開 | 約620万円 | — |
| セプテーニホールディングス | 約580万円 | 約480万円 | 32.1歳 |
上記の比較からわかるように、電通の年収は広告業界の中で頭一つ抜けた水準です。最大のライバルである博報堂DYホールディングスと比較しても、有報ベースで約380万円の差があります。
ただし注意点として、有価証券報告書の数値は持株会社の従業員のみが対象であるため、事業会社単体の実態とは乖離する場合があります。口コミベースの平均年収も参考にすると、より実態に近い比較ができるでしょう。
また、サイバーエージェントは平均年齢が若く、ストックオプションや子会社社長輩出などの金銭以外のインセンティブも充実しているため、単純な年収比較だけでは判断しきれない部分があります。キャリアの方向性に合わせて総合的に検討することが重要です。
電通の福利厚生・ボーナス情報
電通の高い年収を支えているのは、基本給だけでなく充実した賞与と福利厚生です。ここでは電通の待遇面について詳しく見ていきましょう。
ボーナス(賞与)
電通のボーナスは年2回(6月・12月)支給されます。口コミサイトの情報を総合すると、ボーナスの支給額は以下の通りです。
- 若手(入社1〜5年目):年間約120万〜200万円(月給の約4〜5ヶ月分)
- 中堅(入社6〜15年目):年間約200万〜400万円(月給の約5〜6ヶ月分)
- 管理職:年間約300万〜600万円以上(業績連動の割合が大きい)
電通のボーナスは業績連動型の要素が強く、会社全体の業績と個人評価の両方が反映されます。好業績の年は月給の6ヶ月分を超える賞与が支給されたという口コミもあります。
主な福利厚生制度
電通は大手企業ならではの手厚い福利厚生を提供しています。主な制度は以下の通りです。
- 住宅関連:借上社宅制度、住宅手当(条件あり)
- 健康・医療:電通健康保険組合、定期健康診断、メンタルヘルスサポート、社内カウンセラー
- 育児・介護:育児休業制度、介護休業制度、時短勤務制度、ベビーシッター補助
- 資産形成:従業員持株会、確定拠出年金(DC)、財形貯蓄
- 休暇制度:有給休暇(入社初年度から年間20日付与)、リフレッシュ休暇、連続休暇制度
- 自己啓発:社内研修プログラム、資格取得支援、海外留学制度
- その他:社員食堂、フィットネスジム利用補助、団体保険
特筆すべきは、2017年以降の働き方改革により、労働環境が大幅に改善されている点です。電通では「労働環境改革」を全社的なプロジェクトとして推進しており、22時以降の残業原則禁止、インターバル勤務制度の導入、リモートワーク制度の拡充など、ワークライフバランスの向上に積極的に取り組んでいます。
OpenWorkの口コミでも「以前と比べて格段に働きやすくなった」「有給が取りやすくなった」「残業時間が大幅に減った」といった声が多く見られ、かつての「激務」のイメージとは異なる実態が浮かび上がります。
電通への転職難易度と選考フロー
電通は高い年収と知名度から、転職市場でも非常に人気の高い企業です。ここでは転職難易度と選考プロセスについて解説します。
転職難易度:かなり高い
電通のキャリア採用(中途採用)の難易度は、日本企業の中でもトップクラスに高いとされています。その理由は以下の通りです。
- 応募倍率が非常に高い:人気企業のため、1つのポジションに数十〜数百名の応募がある
- 即戦力が求められる:中途採用では特定領域でのプロフェッショナル人材が求められる
- 選考が厳格:書類選考から複数回の面接まで、各段階での通過率が低い
- 非公開求人が多い:電通の求人の多くは転職エージェント経由の非公開求人
特に近年はデジタルマーケティング、データサイエンス、コンサルティングなどの領域で積極的に中途採用を行っており、これらの分野での実務経験があると有利です。
選考フロー
電通のキャリア採用における一般的な選考フローは以下の通りです。
- 書類選考:履歴書・職務経歴書の提出。ポートフォリオの提出が求められる場合も
- 一次面接:現場マネージャーとの面接。専門性や経験の深掘り
- 二次面接:部長クラスとの面接。組織適合性やビジョンの確認
- 最終面接:役員クラスとの面接。人物像やカルチャーフィットの最終確認
- オファー面談:年収条件の提示・交渉
選考期間は通常1〜2ヶ月程度ですが、ポジションによってはさらに時間がかかる場合もあります。面接ではケーススタディやプレゼンテーションを求められることもあるため、事前準備が重要です。
転職成功のポイント
- 転職エージェントの活用:電通の非公開求人を扱うエージェントを利用することで、応募できるポジションの幅が広がる
- 業界経験のアピール:広告・マーケティング・コンサルティングなど関連業界での実績を具体的に示す
- デジタルスキルの強調:デジタル領域のスキルや実績は大きなアドバンテージ
- 「なぜ電通なのか」の明確化:博報堂やコンサルファームではなく電通を選ぶ理由を論理的に語れるようにする
電通の年収に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 電通の新卒初任給はいくらですか?
電通の新卒初任給は、大卒で約28.5万円、院卒で約30万円です(2025年実績)。これに各種手当と年2回の賞与が加わり、新卒1年目の年収は約450万〜500万円となります。日本企業の新卒初任給の中央値が約22万円程度であることを考えると、入社時点からかなりの高水準であるといえます。また、電通は2024年に初任給の引き上げを実施しており、人材獲得競争に積極的に対応しています。
Q2. 電通で年収1,000万円に到達するのは何歳くらいですか?
口コミサイトの情報を総合すると、電通では概ね30歳前後で年収1,000万円に到達する社員が多いようです。評価が高い社員であれば20代後半で到達するケースもあります。これは日本の上場企業の中でもかなり早い到達年齢であり、コンサルティングファームや外資系金融に並ぶ水準です。ただし、配属先の部署や個人の評価によってばらつきがあるため、あくまで目安として捉えてください。
Q3. 電通グループの持株会社化で年収に変化はありましたか?
電通は2020年1月に持株会社体制へ移行し、「株式会社電通グループ」を持株会社、国内事業を「株式会社電通」が担う体制となりました。有価証券報告書上の平均年収は持株会社の従業員(主にグループ経営管理を担う少数精鋭の社員)が対象となるため、見かけ上の数値は非常に高くなっています。事業会社である株式会社電通の社員の実態年収は、有報の数値よりはやや下がりますが、それでも広告業界でトップの水準を維持しています。給与体系や福利厚生は持株会社化後も基本的に維持されており、大きな不利益変更はありません。
まとめ|電通の年収は広告業界で圧倒的トップ水準
本記事では、電通の年収について有価証券報告書や口コミサイトのデータをもとに詳しく解説しました。最後にポイントを整理します。
- 電通グループの有報記載の平均年収は約1,520万円で、広告業界で圧倒的トップ
- 事業会社の実態ベースでも平均1,300万〜1,400万円と推定され、業界平均の約2.5倍
- 30歳前後で年収1,000万円に到達する社員が多い
- 職種別ではストラテジックプランナーや営業が高年収帯
- デジタル領域やデータサイエンス人材の採用を強化中
- 働き方改革が進み、労働環境は大幅に改善されている
- 転職難易度は非常に高く、転職エージェントの活用が有効
電通は年収・福利厚生の面で日本企業の中でもトップクラスの待遇を誇ります。広告・マーケティング業界でのキャリアアップを目指す方にとって、目標とする企業の一つとなるでしょう。まずは自分の市場価値を把握し、電通の年収水準と比較してみてはいかがでしょうか。





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