AWS資格とは？全11種類の認定資格を難易度・分野別に徹底解説【2024年11月最新】

AWS資格とは、Amazon Web Services（AWS）のクラウドコンピューティングプラットフォームのスキルと知識を証明するための認定資格です。

そのため、AWSの資格試験を受けようか検討している人も多いのではないでしょうか。

ここではAWSの資格試験について詳しく紹介していきます。

資格の種類や試験勉強方法・難易度などについて解説するのでぜひお役立て下さい。

AWSの資格とは？

AWS資格とは、Amazon Web Services（AWS）は、AWSのクラウド専門家として信頼性を高めてくれるだけでなく、AWSクラウドサービスを設計、デプロイ、および管理のためのスキルを持っていると証明するためにも有効な資格の1つです。

昨今、AWSは多くの企業に導入されており、ビジネスシーンにおけるAWSの知識の必要性も増しています。

AWS資格の種類概要

AWS資格試験は合計12種類あり、以下のような4つのレベルに分かれています。

資格の種類や難易度は異なりますが、全ての資格において、AWSのクラウドサービスのスキルと知識を証明することが目的となっています。

出典：AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS

AWSの資格を取得するメリット

AWSに関する正しい知識が可能

AWSはクラウドサービス事業者最大手であり、認定取得により能力・スキルを客観的に証明することができます。

さらに、AWSでは認定資格取得者に対して多くの特典を用意しています。

例えば、資格を証明するデジタルバッジの発行や、認定技術者専用のグローバルコミュニティへの参加特典が得られます。

それだけでなく、試験割引サービスやノベルティ販売等を利用することもできます。

AWSのスキルと知識が証明できる

自分のスキルや知識を他人に証明するのは難しいものですが、AWS認定資格を受けることで、対外的にAWSのスキルを持つことを証明することが容易になります。

AWS認定試験に合格すると、各試験のデジタルバッジを授与され、転職の時や、社内での評価アップに役立てることができるでしょう。

AWS認定資格には有効期限がある

AWS認定資格の有効期間は「取得から3年間」となっています。

これは、定期的にAWSの最新知識を学び直すことで資格保持者のレベルを担保するためです。

有効期限が切れてしまう前に、同じ試験を受験し直して再度認定を受けるか、より上位の資格を取得することで有効期限の延長が可能です。

なお、有効期限が失効する前にAWSから再受験案内が送られてくるため、知らずに失効してしまう恐れはありません。

AWS資格試験の難易度：レベルごと

FOUNDATIONAL（基礎コース）

AWSの資格試験の中で最も低いレベルのものが基礎コースで、このコースには「AWS 認定クラウドプラクティショナー」のみが用意されています。

数か月程度のAWSの利用経験があれば十分受けられるので、AWSをこれから本格的に勉強したいという人にもおすすめです。

AWSの経験がない場合でも、AWS公式ドキュメントやトレーニング資料を使用して勉強することができます。

AWS 認定クラウドプラクティショナーは初心者向けの資格であり、AWSのクラウドに関する基本的な知識があれば、試験に合格することができます。

しかし、AWSに関する経験がない場合は、AWS公式ドキュメントやトレーニング資料を使用して十分に準備することが重要です。

アソシエイトレベル

AWSアソシエイトレベルの資格は３つあり、それぞれこれらの資格は、AWSのクラウドサービスを使用してアプリケーションを開発、設計、および運用するためのスキルを証明するためのもので、中級レベルの資格とされています。

AWSアソシエイトレベルの試験は、複数の選択肢による形式で実施されます。

試験の難易度は中程度からやや高めで、AWSクラウドに関する中級レベルのスキルが必要とされます。

試験には、AWSクラウドサービスの設計、デプロイメント、および運用に関する高度なスキルと知識が含まれます。

また、AWSのクラウドサービスに関する実践的な経験があることも役立ちます。

AWSアソシエイトレベルの資格は、AWSのクラウドサービスを使用してアプリケーションを開発、設計、および運用するためのスキルを証明するための重要な資格です。

このレベルの資格を持つことは、AWSのクラウドに関する中級レベルのスキルと知識を証明することができます。

プロフェッショナルレベル

AWSクラウドを活用したソリューションの設計から運用、トラブルシューティングに至るまでの包括的なスキルを証明するレベルがプロフェッショナルレベルとなります。

およそ2～3年程度のAWSの実地経験があれば得られるレベルとされています。プロフェッショナルレベルは以下の2種類があります。

なおAWSの資格試験の中では最も難しいレベルとされ、試験問題のボリュームも多いのが特徴です。

AWSプロフェッショナルレベルの試験は、複数の選択肢による形式で実施されます。試験の難易度は高く、AWSのクラウドに関する高度なスキルと知識が必要とされます。

試験には、高度なアーキテクチャ設計、大規模で複雑なアプリケーションのデプロイメント、およびAWSのクラウドサービスに関する深い理解が必須です。

そしてAWSのクラウドサービスに関する実践的な経験があることも役立ちます。

専門知識レベル

AWSの資格試験は大まかに3つのレベルに分かれていますが、各種の専門的なスキルを証明するための資格試験も存在します。

全般的に経験者向けの資格なので、難易度はプロフェッショナルと同等くらいのレベルとなっています。

AWSの専門知識認定には、以下の6種類の資格が存在します。

AWSには、多数のサービスやテクノロジーがあります。AWS資格試験の専門知識認定には、これらの中から特定のサービスやテクノロジーに関する知識が求められます。

例えば、AWS認定セキュリティスペシャリティは、AWSのセキュリティに関する専門知識を証明するための資格試験です。

AWS認定データベーススペシャリティは、AWSのデータベースに関する専門知識を証明するための資格試験です。

そのため、特定の専門分野での就職・転職を有利に進めたい方や実務でのスキルをブラッシュアップしたいという方におすすめです。

AWS資格試験の試験内容・勉強方法：FOUNDATIONAL（基礎コース）

基礎コースには「AWS 認定クラウドプラクティショナー」のみが用意されているので、ここではAWS 認定クラウドプラクティショナーの勉強法について詳しく紹介していきます。試験概要は以下の通りです。

名称	AWS認定クラウドプラクティショナー
認定団体	Amazon
受験資格	18歳以上であること
科目	・クラウドの概念 ・セキュリティ ・テクノロジー ・請求と料金
出題形式	65問択一選択または複数選択形式
受験料	11,000円（税抜）
試験日程	任意
試験会場	テストセンターまたは自宅 (オンライン)
試験時間	90分

早い人だと40分以内で見直しまで終わり試験を完了することができるので、時間的には十分余裕があると言えます。

試験内容

試験では、下記4つの内容についての知識が問われます。

クラウドとは何か？といった概念的な内容から、データ保管やセキュリティなどの、実際によく使われる機能についての内容となっています。

特に、テクノロジー分野ではAWSの代表的なサービスについての知識も多く問われます。

主だったサービスの特徴や選び方、それぞれのサービスでどんなことができるのか、といった内容についてしっかり理解しておきましょう。

試験は、多肢選択式の形式で実施されます。合格点は、試験の難易度によって異なりますが、一般的には65％以上のスコアを獲得する必要があります。

受験申込スケジュール

AWS認定資格は、いずれも受験者の好きな日時で受験することができます。ただし受験申込には「AWS認定アカウント」が必要になります。

これは、AWS認定試験やトレーニングを受けるための専用のアカウントです。買い物などで使うAmazonアカウントと紐付けが必要なので注意しましょう。

テストセンターで受験する場合は、受験の24時間前までに申込みを完了する必要があります。

オンライン受験の場合は、当日申し込みも可能です。

AWS資格試験の試験内容・勉強方法：アソシエイトレベル

AWS 認定ソリューションアーキテクト

認定団体	Amazon
受験資格	18歳以上であること
出題形式	65問択一選択または複数選択形式
受験料	150ドル（約19,000円）、模擬試験：20ドル（約2,000円）
試験日程	任意
試験会場	テストセンターまたは自宅 (オンライン)
試験時間	130分

AWS認定でアソシエイトに合格された方は、概ね20時間から50時間程度の試験対策勉強をしています。

公式ドキュメントの学習のほかに、AWSのトレーニング・オンラインコミュニティへ参加する、その他にはAWS認定ソリューションアーキテクトのプラクティステスト（模擬試験）を受験することで、試験のフォーマットや難易度に慣れることができます。

また、プラクティステスト（模擬試験）は自己評価のための優れたツールです。

なおアソシエイト向け模擬試験は税別2,000円で受験可能です。

AWS 認定デベロッパー

認定団体	Amazon
受験資格	18歳以上であること
出題形式	65問択一選択または複数選択形式
受験料	150ドル（約19,000円）、模擬試験：20ドル（約2,000円）
試験日程	任意
試験会場	テストセンターまたは自宅 (オンライン)
試験時間	130分

デベロッパーはAWSベースのアプリケーションの開発・保守に関する知識や技能を証明する資格です。以下の分野に関する出題がなされます。

コストや拡張性のことも考えたシステム構築を実現するための手法や実装方法などが学べるため、開発者としてのスキルアップ・レベルアップを狙う方におすすめです。

AWS 認定SysOpsアドミニストレーター

認定SysOpsアドミニストレーターの資格試験では、AWS上でのワークロードのデプロイ、管理、そしてオペレーション、およびセキュリティコントロールとコンプライアンス要件の実装の経験や知識などが求められます。

さらに、SysOpsは選択問題だけでなく、試験ラボがあり実際にAWSマネジメントコンソールを触ったりなど実技が含まれます。

認定団体	Amazon
受験資格	18歳以上であること
出題形式	65問択一選択または複数選択形式
受験料	150ドル（約19,000円）、模擬試験：20ドル（約2,000円）
試験日程	任意
試験会場	テストセンターまたは自宅 (オンライン)
試験時間	180分

試験ラボのイメージを掴むために、公式の試験ガイドと公式の試験問題サンプルは必見です。

勉強期間は、その人が勉強に充てられる時間やAWSに関するスキルによっても異なりますが、おおよそ3か月程度必要とされています。

普段からAWSの運用を携わっている人であれば、1か月以内での合格も十分視野に入れられます。

参考書のほかに、ラボ対策のために動画を視聴するのも有効でしょう。また参考書・問題集の問題が9割以上理解できていれば、十分合格ラインに達していると考えていいです。

効率アップする勉強法

参考書を用いて勉強する際に、ノートにまとめる等をする方もいると思いますが、非効率なためおすすめしません。

何度も読む方が効率的にインプットできるのでお勧めです。

AWS資格試験の試験内容・勉強方法：プロフェッショナルレベル

AWS 認定ソリューションアーキテクト

ソリューションアーキテクト-プロフェッショナルは、ソリューションアーキテクト-アソシエイトの上位に位置する試験です。

問題形式	複数の選択肢と複数の答えがある問題（全て選択問題）
試験時間	180 分間
受験料金	30,000円（税別）
問題数	75 問
合格点数	1000点満点中、750点以上
難易度	上級者向け

公式サイトによると、2年間のAWS クラウドを使用したソリューションの設計、運用、およびトラブルシューティングに関する包括的な経験を持っている人が対象の試験とのことです。

多様で複雑な条件下でAWSアプリケーションを設計・デプロイ・評価することができる能力を認定するものです。

AWS認定の中でも難しい方と言われており、180分で75問(１問あたり2.4分)かつ長文問題が多い試験になります。
試験範囲もアカウント管理やオンプレとのハイブリッド構成、マイグレーション等幅広い分野から出題されます。

AWS 認定 DevOps エンジニア

AWS認定DevOpsプロフェッショナル(DOP)は難易度が高い分、ソリューションアーキテクト-プロフェッショナルと比較してキャリアパスや転職において有利になることも。

問題形式	複数の選択肢と複数の答えがある問題（全て選択問題）
試験時間	180 分間
受験料金	30,000円（税別）
問題数	75 問
合格点数	1000点満点中、750点以上
難易度	上級者向け

AWS Skill Builderで無料で提供されている「AWS認定DevOpsエンジニア–プロフェッショナル試験」対策のAWS公式トレーニング、練習問題を使って試験範囲を網羅することがおすすめ。

その他オンライン問題集を使っての勉強もおすすめです。最新バージョンの問題が用意されているので、自分のペースでコツコツとすすめられます。

AWS資格試験の試験内容・勉強方法：専門知識レベル

専門知識レベルは、その名の通りそれぞれ専門性に特化した内容のため、試験の内容が狭くより深い知識と理解が求められます。

SAP on AWS

AWS(Amazon Web Services)とは、Amazon社が提供するクラウドコンピューティングサービスのことです。

AWSクラウド上で、AWS Well-Architected Frameworkに準拠したSAPのソリューション設計、SAP ワークロードの実装・移行および運用を想定しています。

広く使用されているSAPのシステムをオンプレミスからクラウドに移行する企業が増えており、今後、一層価値の高まる可能性のある認定試験の1つです。

機械学習

AWSの開発あるいはデータサイエンスの業務担当を対象とした資格であり、機械学習アルゴリズムの知識や、深層学習フレームワークの使用スキルなどを証明出来る資格です。

機械学習の一般的知識だけでなく、機械学習モデルである「Amazon Sage Maker」や、データ統合ソリューションである「AWS Glue」等の知識を問われる試験です。

AWSクラウドでのML/深層学習ワークロードの開発、設計、実行における、最低二年の実務経験が求められます。

高度なネットワーキング

アドバンスネットワーキングは、複雑なネットワークタスクに関する専門知識を認定する試験です。以下の分野から出題がなされます。

高度なネットワーク技術のついての専門知識が必要になるので、知識だけでなく経験も求められる高難易度な試験となっています。

ただし一方でアーキテクチャの設計・実装に関する実務に携わる方であれば、比較的対策はしやすいでしょう。

実務経験5年以上に相当する専門知識を証明できるので、高みを目指したい人にもおすすめのレベルといえるでしょう。

セキュリティ

セキュリティではAWSのワークロードのセキュリティに関する専門知識が問われます。出題分野は以下の通りです。

AWS上のセキュリティに関する2年以上の実務経験を有するセキュリティ担当者を対象とする試験なので、セキュリティ業務に関するスキルアップを目指す方におすすめできます。

データベース

AWSのデータベース技術者対象の資格であり、AWSのデータベースサービスを幅広く網羅した専門的知識を検証する資格です。

最低でも五年間以上のリレーショナルデータベースやNoSQL等のデータベースに関する実務経験、二年間以上のAWS実務経験が求められます。

データアナリティクス

AWSのデータ分析テクノロジー専門エンジニア対象の資格です。

ビッグデータの分析や可視化といった、様々なケースに対応出来るようなソリューションの設計・保守等のスキルを持つことを証明できます。

まとめ

AWSの資格試験・勉強方法・難易度などについて詳しく紹介していきました。

AWSはWeb系エンジニアとしてもぜひ取得してほしい資格の1つです。

基礎コースであれば、AWS初心者の人でも公式の問題集やテキストを使えば十分独学で合格が目指せるレベルです。

さらに実際に業務で普段からAWSを利用している人であれば、それ以上のレベルの試験であっても十分に合格が目指せます。

AWSの資格を持っているとキャリアパスや転職の際に強みとなることもあるので、ステップアップを目指すのであればぜひ検討してみましょう。