建設業界への転職に必要な資格とは? 試験形態や合格率も徹底解説!

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目次

建設業界で資格を持っていると今後の転職はどう変わるのか?

転職 資格 建設業界

現在、オリンピック等による土木工事の需要が増加したことによって建設業界は未曽有の人材不足であると言えます。

しかし、建設業界で転職するにあたって、気になるのは資格ではないでしょうか?

やはり資格の有無は、就職活動と同様に、転職の採用にも大きな影響を与えていると言っていいでしょう。

この記事では建設業界への転職を目指す方に、どんな資格があり、その資格によってどのようなことに有利なのか紹介していきます。

建築設計事務所に務めるのなら建築王道資格

建築業界で一番よく知られている資格と言えば、やはり『建築士』ではないでしょうか?

転職 資格 建設業界

建築設計を目指す方には一番必要とされている資格とも言えます。

『建築士』にはそれぞれ一級、二級と種類があり、階級によって建築設計や監理において役割などの制限があります。

また、試験には「学科」と「設計製図」の二つがあり、両方に合格することが求められます。

二級建築士

『二級建築士』は、木造建築やコンクリート造(無筋・鉄筋)、鉄骨造などの建築設計及び監理を、延べ面積が300㎡以内、かつ建築高さ13mまたは、軒高さが9m以内までの建物においてできるというものです。

更に、公共施設では、学校や病院、映画館、また集会所や公会堂などの延べ床面積500㎡未満のものも設計及び監理をすることができます。

『二級建築士』の受験資格には

  • 実務経験7年以上(学歴問わず)
  • 高校の建築・土木科卒業
  • 大学・短大・高専の土木科卒業
  • 大学・短大・高専の建築学科卒業

のいずれかを満たしていることが求められます。

試験日程は、学科が7月上旬、設計製図が9月中旬となっています。

試験科目は「建築計画」「建築法親」「建築構造」「建築施工」の4つです。

昨年度(平成28年度)の学科の合格者数が受験者数20,057人に対して8,488人(合格率42.3%)、製図の合格者数が受験者数11,159人に対して5,920人(合格率53.1%)となっています。

受講料は16,900円です。

一級建築士

一方『一級建築士』は、『二級建築士』の役割のすべてを担い、なおかつ制限なく建築設計及び監理をすることができるという優れた資格です。

もし、大きな公共施設やマンションなどの建築設計を目指す方ならぜひ、『一級建築士』の資格を取得することをオススメします。

『一級建築士』の受験資格には

  • 二級建築士(or木造建築士)を取得後、実務経験を4年以上
  • 大学・短大・高専の建築学科卒業後、実務経験を2年以上(短大の場合は3~4年、高専の場合は4年以上)

のいずれかを満たしていることが求められます。

試験日程は、学科が7月下旬、設計製図が10月となっています。

試験科目は、「計画」「環境・設備」「法規」「構造」「施工」からなっています。

昨年度(平成28年度)の学科の合格者数は受験者数26,096人に対して4,213人(合格率16.1%)、製図の合格者数は受験者数8,653人に対して3,673人(合格率42.4%)となっており、取得難易度は高いと言えます。

受講料は19,700円です。

木造建築士

そして、『建築士』には一級建築士と二級建築士の他に、「木造建築士」というものがあります。

この木造建築士は1階または2階建てで延べ面積300㎡以下の木造建築物の設計や工事管理を行うことができる資格です。

試験日程や試験科目は二級建築士と同じですが、「小規模な木造建築物に関する基礎知識と応用」に関しても問われることになります。

免許の登録

各試験に合格した合格者は、免許申請を行い、一級建築士名簿・二級建築士名簿・木造建築士名簿にそれぞれ登録することによって、建築士となることができます。

一級建築士の場合

  • 免許証交付:申請後、約3か月
  • 申請用紙:都道府県建築士会にあります
  • 申請窓口:住所地の建築士会または都道府県建築士主務課
  • 申請者本人が申請
  • 登録免許税:60,000円

二級建築士の場合

  • 免許証交付:申請後、約1~2か月
  • 申請手続き方法等は都道府県によって異なるため、都道府県建築士主務課へ問い合わせ
  • 登録手数料:都道府県により異なる(概ね19,200円)

建築現場に興味がある方に

建築に携わっていく上で、建築設計とは違う建築現場に興味がある方もおられるでしょう。

建築現場を管理するには、規模によっては資格も必要となります。

先ほどの『建築士』の資格でももちろん建築現場を管理することは可能です。

しかし、建築現場を管理する上で主任技術者及び監理技術者に必要とされる『建築施工管理技士』という資格があります。

こちらに合格すると、建設業法で定められた専任技術者(建設業許可)、主任技術者・監理技術者(現場常駐)としての資格が付与されます。

対象者としては

  • 建築工事
  • 大工工事
  • 左官工事
  • とび・土工・コンクリート
  • 石工事
  • 屋根工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 鋼構造物工事
  • 鉄筋工事
  • 板金工事
  • ガラス工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 内装仕上工事
  • 熱絶縁工事
  • 建具工事

と幅広くなっています。

こちらの資格にも『建築士』と同じく一級、二級と区分されており、階級によって同じように制限があります。

また、学科試験と実地試験の二つがあります。

二級建築施工管理技士

『二級建築施工管理技士』には建築と躯体、仕上げと3区分にそれぞれ分かれています。

建築は建築工事に携わる工事であり、躯体は大工工事、とび・土工工事などの躯体に関する工事ということです。

そして仕上げは屋根、塗装、内装などの仕上げに関する工事になります。

二級は一級と違い監理技術者にはなれませんが、主任技術者として建築工事現場における施工計画、安全管理、品質管理、工程管理を予定の工期内で完成できるように高度な技術を求められます。

学科試験は、四肢択一式での出題となり、解答はマークシート方式です。

合計で65問出題され、40問を選択して解答する形式です。

合格の目安としては例年6割以上となっています。

実地試験は記述式で5問が出題され、5問すべてを解答する形式です。

平成29年における二級建築施工管理技術検定は、学科試験が6月11日、学科・実地試験が11月12日となっています。

昨年度(平成28年度)においては、学科試験では受験者数31,466人に対して合格者数16,331人(合格率51.9%)、実地試験では受験者数26,816人に対して合格者数10,437人(合格率38.9%)となっています。

一級建築施工管理技士

一方、『一級建築施工管理技士』は建築施工管理において制限なく建築、躯体、仕上げのすべての役割を担い、主任技術者としてだけでなく公共において監理技術者を必要とされる建築現場で監理技術者として現場を監理することができます。

こちらも建築施工管理をする上で取得しておきたい資格とも言えます。

また、『建築士』と同じく大規模工事などに興味がある方は『一級建築施工管理技士』を目指すことをオススメします。

『一級建築施工管理技士』も『建築士』と同じく毎年1度の学科と実施の試験があります。

同じく学科試験を合格した方が実施試験の受験資格をもち、更に実施試験を合格した方のみが『一級建築施工管理技士』の資格を取得できるということです。

学科試験は択一式のマークシート方式です。

実地試験は、施行管理法について記述式による筆記試験です。

平成29年における一級建築施工管理技術検定は、学科試験が6月11日、実地試験が10月15日となっています。

昨年度(平成28年度)においては学科試験では受験者数25,638人に対して合格者数12,675人(合格率49.4%)、実地試験では受験者数19,045人に対して合格者数8,687人(合格率45.6%)となっています。

その他にも…

ここまで紹介してきた資格以外にも建設業界で有用な資格は数多く存在しています。

以下で紹介する「土木施工管理技士」と「電気工事施工管理技士」以外にも、「管工事施工管理技士」や「造園施工管理技士」、「建設機械施工技士」、「給水装置工事主任技術者」などがあります。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、建設業法で定められた一般・特定建設業許可基準の一つである営業所ごとに置く専任の技術者、建設工事の現場に置く主任技術者及び管理技術者の有資格者として認められるものです。

また、経営事項審査制度における技術力の評価において、一級ならば5点、二級ならば2点と技術職員数にカウントされるなど施工技術の指導的技術者として社会的に高い評価を受けることが可能です。

学科試験と実地試験が存在しています。

平成29年における一級土木施工管理技術検定は、学科試験が7月2日、実地試験が10月1日です。

同様に二級土木施工管理技術検定は、学科・実地試験が10月1日となっています。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、近年の電気設備の高度化、大型化の傾向の下で、電気工事の適正な施行の確保を目的に、建設業法施行令が改正され、昭和63年度より「電気工事施行管理技術検定」制度が発足しこの検定合格者に付与される大臣資格です。

他の資格と同様に、学科試験と実地試験が存在しています。

平成29年における一級電気工事施工管理技術検定は、学科試験が6月11日、実地試験が10月15日となっています。

また、二級電気工事施工管理技術検定は、学科・実地試験が11月12日に行われます。

建設業界で資格を必要とする意味は?

転職 資格 建設業界

建築設計事務所やゼネコン、または工務店などの様々な建設会社に転職するにあたり、転職求人広告などで【応募資格】という欄に「『二級施工管理技士』以上や『二級建築士』以上」といった記載事項をよく見かけることはないでしょうか?

やはり、どの企業でも転職者に求めることは『即戦力』ということでしょう。

しかし、必ずしも資格を取得しているから企業が求める『即戦力』とは限りません。

企業が求める『即戦力』には現場のノウハウをどれだけ持っており、どんな状況においても迅速にかつ、臨機応変に業務に対応できる人材を求めています。

そういった方を『即戦力』と言えるでしょう。

しかし、大きな規模の建築現場を扱う建設会社によっては資格を絶対条件で求めるところもあるのも事実です。

それは先ほどの簡単な説明にもありました、公共工事や大規模な土木工事などを扱う建設会社は資格者でないと設計や監理といった仕事ができないからです。

もし、公共施設や大規模な建築に興味があり、そういった会社に転職を希望しているのであれば、それぞれが求める『建築士』や『建築施工管理技士』の資格を取得しておくと今後の転職にも有利になります。

資格がないと建設業界では転職ができない?

転職 資格 建設業界

確かに、資格が有るなしでは建設会社に転職するにあたり、不利な部分にもなります。

しかし、先ほども話したように建設会社で求める部分は『即戦力』ではないでしょうか?

資格は法律上などの規定部分では『即戦力』とも言えますが、個々に求める人材の部分での『即戦力』は『建築士』や『建築施工管理技士』の資格だけでは表せない部分があります。

また、『建築士』や『建築施工管理技士』の資格を取得するに当たり、受験資格というものがあります。

それは建築に関する実務経験が、それぞれの資格ごとに年数で決められており、その経験年数が達していないと受験資格がないということです。

それは『建築士』や『建築施工管理技士』を目指すにあたり、建築の知識だけでなく経験も必要とされるからですが、年数さえ経てばどんなに経験が浅くても受験資格があるということにもなります。

資格の盲点ともいえる部分でもあります。

そういった方もおられる中で、いかに資格にとらわれることなく自分自身を企業に目を向けてもらうことが重要になります。

それは、やはり資格には表せない経験値ではないでしょうか?

自身が持つ設計経験や現場監督経験があればあるほど企業の目に止まります。

その経験を目に見えて表すには【職務経歴】で経験したことをしっかりと事実を記載しておくことです。

それにより、企業は『即戦力』として判断します。

皆さんがきちんと経験したことは積み重ねた無駄ではないということです。

まとめ

転職 資格 建設業界

建設業界では企業によっては求める人材は当然、それぞれ違いがあります。

自身が目指す企業に資格を必須となっていれば当然、資格が必要となります。

ただ、資格を取得することにとらわれるだけでなく企業が何を求めているかを企業の事業内容をしっかり把握しおくことも大切です。

例えば、施工管理アシスタントとして働く場合、現場での実務経験が重要視されることが多いです。

施工管理アシスタントは、主任技術者や監理技術者をサポートし、工程管理、品質管理、安全管理などの業務を担当します。

このため、建設現場の基本的な知識や、コミュニケーション能力、問題解決能力が求められます。

資格取得を目指しながらも、現場での経験を積むことで、より総合的なスキルを身につけることができます。

最終的には、資格と実務経験のバランスを取りながら、自身の強みを活かせる職場や建築分野を見つけることが、建設業界でのキャリア成功につながるでしょう。

施工管理アシスタントとしての働き方について、より詳細に知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
施工管理アシスタントの仕事がきつい7つの理由|きつい仕事を乗り切る対処法も解説

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