今回は講談社へ転職したい人向けに、選考難易度、年収、評判・口コミ、待遇・社内制度などを徹底的に解説していきます。
本気で選考対策をしたい人は、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
講談社の転職難易度
講談社は国内大手の総合出版社であり、転職希望者も多く、その転職難易度はかなり高いと言えるでしょう。
講談社が転職者に求めること
講談社では、今ある事業だけでなく、新事業にも多く挑戦しているところに特徴があります。
そのため、積極性のある人や、変化に柔軟に対応できる人が求められているようです。
また、個人の裁量で働くことができる社風のため、「自己管理ができる」というところも一つのポイントとなっているようです。
ちなみに、講談社が掲げる経営理念は以下の通りです。
企業理念(創業理念)
出版という事業を通し、人々の暮らしの役に立ち、心の豊かさに資する。
社会の繁栄と人類の平和に貢献する。
創業の原点
「本を創る喜び」
コーポレートメッセージ
おもしろくて、ためになる
こうした講談社の経営理念を仕事をしていく中でどう達成していくか、という点も重要になるでしょう。
面接ではどういったことを聞かれるのか?
上でも述べた通り、講談社のような出版社では、その人の人となりよりも実績が重視される傾向があります。
そのため、面接においても「仕事でどんな経験を積んできたか」、「どんな考えで取り組んで成果を得たのか」をしっかりとアピールすることが大切でしょう。
また、出版社は国内に複数あるため、その中でも「なぜ講談社に入りたいのか」という理由についてもきちんと説明できるよう準備しておく必要があります。
講談社の採用情報
講談社では現時点(2021年6月)では公式ホームページにおいて中途採用を募集している職種はありません。
講談社で中途採用を行う可能性のある職種は、大きく分けて4つあります。
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つくる(編集)
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支える(技術)
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届ける(ライツ・販売・広告)
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活かす(経営・人事・経理)
それぞれ詳しく説明していきます。
つくる(編集)
つくる、という役割を担う編集部門は、講談社の中でも最も花形の職種と言えます。
講談社では「コミック」、「文芸」、「ファッション」、「報道」、「学術」などさまざまな分野で出版を行っており、経験者採用では『編集(文芸)』というように、それぞれの分野に絞った募集がかけられるようです。
また、講談社の経験者採用では、同業や同職種での経験が必須となっています。
そのため、未経験の状態では講談社に応募しても書類選考で落とされてしまうことになるため注意が必要です。
提出書類や面接では講談社で「即戦力」になれることを意識して、スキルや経験をアピールするとより良いでしょう。
支える(技術)
講談社などの出版社では、出版前に内容の誤りを訂正する「校閲」や著作権や商標などの契約や法務についてサポートを行う「法務処理」など、出版社ならではの専門的な技術を持った人材を必要としています。
また、デジタルなどの最新テクノロジーをいち早く取り入れるためのデジタル分野についても近年強化を進めているようです。
この分野も経験者採用として募集されることがあるため、上記のような技術を持った人は講談社に転職できるチャンスがあります。
技術系の職種での転職を成功させるためには、やはりこれまでの経験や持っている技術をしっかりとアピールすることが重要になってくるでしょう。
届ける(ライツ・販売・広告)
とどける、という役割を担うこの部門では、出版物を実際にユーザーに届けるために、編集者や企業と連携をとりながら企画やプロモーションを行います。
自分の働きが売り上げに直結するという点で、非常にやりがいのある分野です。
企画や営業の経験はもちろん、コミュニケーション能力なども重視されることになります。
また、講談社の読者・ユーザーは世界中にいるため、英語力なども大きなアピールポイントになるかと思います。
活かす(経営・人事・経理)
組織や人、お金を管理サポートする部門です。
出版物に直接携わることはありませんが、組織のためになくてはならないポジションであり、『経理・財務』、『総務・人事』、『経営企画』での経験やスキルを活かすことのできる職種です。
新卒の登用や未経験者の採用は行っていないため、即戦力としてのスキルが求められることになるでしょう。
講談社の選考フロー
講談社の中途採用の選考フローは以下のようになっています。
- 書類選考
- 筆記試験
- 1次面接
- 2次、3次、総務、最終面接
- 内定
面接の回数は職種などによって異なるようですが、少なくとも3回以上は面接を行うようです。
多くの面接を行うことで、転職後のミスマッチを防ぐ狙いもあるのではないでしょうか。
面接は15分から30分程度の短い時間で行われるため、短時間でいかに自分をアピールできるか、が重要になってきます。
特に最終面接では社長自ら面接を行い、「社長を驚かせる」というような柔軟な発想力を問われるような質問が行われるようです。
講談社の待遇・労働環境
講談社における労働環境について、以下の順に解説していきます。
- 勤務地
- 年収
- 社内制度・福利厚生
- 文化事業
勤務地
講談社は、東京都に文京区に自社ビルがあり、転職後はここで勤務することになります。
所在地 |
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年収
有価証券報告書調べでは、講談社の平均年収は1,085万円でした。
同じ出版業界であるS社の平均年収は620万円(有価証券報告書調べ)なので、講談社は業界の中でも給与水準が高いと言えます。
社内制度・福利厚生
講談社には充実した社内制度・福利厚生があります。
特徴的なものをいくつか紹介していきます。
内容 | |
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研修 |
社員の持ち家取得の促進を目的とし、賃貸住宅への家賃補助制度があります |
社宅 |
東京・千駄木に既婚者用の社宅があります(入居には一定の条件あり) |
社員食堂(カフェテリア) |
本社には社員食堂(カフェテリア)があり、さまざまなメニューを提供しています |
社内診療室 |
社内に診療室があり、内科・歯科の診療を受けることができます |
海外研修制度 |
一定年数勤務した社員であれば誰でも、自分の希望する国・地域において自分が学びたいことを提案し、会社承認のうえ一定期間行ける制度です |
契約保養所 |
音羽健保直営の保養所(那須)をはじめ全国各地にあるさまざまな保養所を通常より割安な宿泊費で利用可能 |
ちなみに、新卒の場合は2ヶ月程度の新入社員研修を行いますが、経験者採用では、入社後数週間、座学と現場実習を中心とした研修が行われます。
文化事業
講談社では、次の時代を担う子供たちへの読書推進事業や出版文化を担う優れた才能を顕彰するさまざまな表彰制度を通じて、豊かな社会の発展に寄与しています。
代表的なものをいくつか紹介していきます。
内容 | |
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おはなし隊 |
講談社の90周年事業として企画された「本とあそぼう 全国訪問 おはなし隊」 たくさんの絵本を積んだキャラバンカーで各都道府県を巡回、幼稚園や保育所、小学校、図書館、書店などを訪問します。 1999年にスタートし、22,000回以上の訪問、190万人以上が参加しました。 2018年には、優れたメセナ活動(芸術・文化振興による社会創造)を表彰する「メセナ大賞」を受賞しました。 |
野間文芸翻訳賞 |
この賞は、日本の文学作品(戦後1945年以降)を外国語に翻訳、発表した作品の中から、最も優れた作品をした者に贈られるものです。 |
江戸川乱歩賞 |
江戸川乱歩氏の業績を記念して設けられた賞。推理作家の登竜門として歴史と権威を誇り、数々の「人気作家」を輩出しています。 |
読者が選ぶ・講談社広告賞 |
雑誌広告の質の向上に寄与することを目的に、本社発行の雑誌に掲載された純広告の中から読者投票により賞が選ばれています。 |
講談社の評判・口コミ
元社員や現在も働いている社員から、講談社の評判を集めてみました。
ぜひ、転職するかどうかの参考にしてみてください。
良い評判・口コミ
講談社は、風通しの良い社風であり、自由度の高い働き方ができる職場のようです。
また、制度や福利厚生なども充実しており、長く働きやすい体制になっているという意見が多かったです。
収入面についても満足している口コミが多数ありました。
社員を家族のように包み込みつつ、寛容さで個性と自由を認めてくれる、業界ナンバーワンの名に恥じない懐の広い会社。給与は業界最高水準。もちろんそれだけの労働時間や努力、忍耐を要求されるが、この水準の給与を得られてしかも大きな世界の中で仕事をできることを考えれば、総合的に考えて苦痛とまでは言えない。評価制度は明確ではないものの、明確な実績を上げれば人間関係の問題で評価されない、昇進できない、というケースは皆無。そもそも、会社でのポジションは仕事の面白味とあまり関係がない業界かもしれない。
出版という業界であることから、比較的女性でも管理職に就くやすい環境であるように感じた。
実際に経験したわけではないが、周りで産休を取っている女性社員も多いように見受けられたので、女性の労働環境は整っているのだと思う。
所属していた部署でも、過半数が女性が占めていたが、女性特有の人間関係の煩わしさ等は感じられなかった。
雑誌の場合は、ある程度ルートが決まっているのでキャリア構成しやすい。マンガ誌なら、マンガ誌の間での移動が多い。ある程度年齢をいくと、書籍部も充実しているので他社のようにある程度年齢をいくと、管理部に異動するということは少ない。
最初に希望じゃないジャンルに配属されるとなかなか抜け出せない。でもある程度希望が通るのは、この規模ならでは。
悪い評判・口コミ
一方で悪い評判・口コミですが、残業が多いということを挙げている人が多いように感じました。
個人に判断などを任せてもらえるという自由な部分が多い一方で、チームでのコミュニケーション不足を不満に思う声もありました。
退職理由は体調を崩したため。終電で帰ることができるのはよほど調子がいい時で基本的に徹夜残業の毎日。働いた分の給料はしっかりもらえるのはさすが出版社だが、身体がついていかなかった。過労で倒れたのをきっかけに転職を考えるに至った。しかしまぁ単純に自分の時間管理が甘かっただけでふつーのサラリーマンと同じような勤務時間で働いている上司も多くいた
仕事量がかなり多くなることが多々あるため、もう少しチームでのコミュニケーションがあればいいと感じることが多々ありました。
労働時間が長い。組織文化が古い。正社員と非正規の社員の間が少しギスギスしている。部署によるが、下世話な話などに耐えられない場合にはやめた方がいいと思う。また激務なことが多いので、結婚をしない社員、離婚をするも多い。
講談社って何をしている会社?
講談社は、明治42年に「大日本雄辯會」(だいにっぽんゆうべんかい)として創業した、集英社・小学館などと並ぶ総合出版社の大手です。
「出版という事業を通して、人々の暮らしの役に立ち、心の豊かさに資すること。」を目指し、コミックや小説、ジャーナリズム、ファッション、絵本、アニメ、ゲームなどさまざまなジャンルで出版事業を展開しています。
代表的なものを挙げると、報道・芸能の『FRIDAY』、ファッションの『ViVi』、幼児向け雑誌の『たのしい幼稚園』、『おともだち』、少女雑誌の『なかよし』、少年雑誌の『週刊少年マガジン』、純文学の『群像』、他にも講談社文庫という文庫レーベルも刊行しています。
講談社でこれから求められる人材とは
現在、講談社は出版業界において売上トップですが、そんな講談社でも近年のデジタル化進展によってさまざまな変化が起きています。
講談社は、ストーリーをつくり、世界中の人々へ感動を与える会社です。
「雑誌王国」と謳われた戦前からこれまで、その手段は主に「紙」でした。
紙媒体をベースに企画・編集・販売する力で、業界を牽引してきたのです。
しかし、創業110年を迎えた今、世の中の大きな変化とともに、出版界も激変しています。
近年我々は、紙だけではなく、デジタルや映像、ゲームなどコンテンツを様々な形にして、
世界各国へ展開していくことを推進しています。
つまり、企画全体の価値を最大化するために、紙という枠にとらわれない「企画力と展開力」が必要なのです。
上の社長メッセージにもあるように、これから求められる人材は変化に対応できる「企画力」のある人材、世界で活躍できるスキルのある人材、デジタルの分野で活躍できる人材だと言えるでしょう。
まとめ
ここまで、講談社へ転職したい人向けに、選考難易度、年収、評判・口コミ、待遇・社内制度などを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今の出版業界をけん引する存在である講談社は、年収は高収入かつ社内制度も充実しており、業務に集中できる環境が整っているようです。
裁量労働制またはフレックスタイム制が採用されているため、自由度が高い一方でしっかりとした自己管理が求められます。
また、ネット上の口コミからは、残業が多い傾向が伺えるため、体力に自信のない人や、ワークライフバランスに重きをおく人にはあまりおすすめできないかもしれません。
残業が多いといった点を踏まえても、講談社は人気が高く、その分転職するにはかなりの競争率の中を勝ち抜く必要があるでしょう。
講談社のキャリア採用は毎年行われているとは限らないため、募集が開始された際に通知が欲しい場合は公式ホームページより「経験者採用マイページ」に登録しておくことをおすすめします。
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