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PMが向いてないと感じて開発に戻りたいなら、原因が適性・スキル・環境のどれかを分けてから動くと、遠回りを減らせます。原因が「その会社のPMの体制」なら社内異動や役割分担の違う会社への転職、原因が「人を動かす仕事そのもの」ならエンジニア職への転職で戻るのが筋です。どちらでも、年収の変わり方と、入社後に再びPMへ回される可能性を、求人票と労働条件の書面で先に確かめてください。
進捗会議と調整で一日が終わり、最後にコードを書いた日を思い出せない。そんな状態で「PMは向いてない、エンジニアに戻りたい」と転職を調べている人に向けて、判断の順番と数字をまとめます。
PMが向いてないのか、エンジニアに戻りたいだけなのかを分ける
優秀なエンジニアほどPMで「役に立っていない」と感じやすい
エンジニアの頃は、書いたコードが動けば成果がその日に見えました。PMの成果はチームの進み具合でしか見えず、自分の手で作った実感が薄くなります。
PMで悩みやすいエンジニアには、次のような傾向があると考えられます。
- 自分で書いた方が早いと感じ、メンバーに任せきれない
- 成果を「自分が作ったもの」で測ってきた
- 調整や交渉の時間を「仕事をしていない時間」と感じる
「役に立っていない」という感覚は成果の見え方が変わったことから来る面があり、それだけで向いてないとは決められません。
向いてない原因は「適性・スキル・環境」のどれか
同じ「PMが向いてない」でも、原因によってエンジニアに戻るべきかが変わります。まず自分のつらさがどの行に近いかを見てください。
| 原因 | よくある状態 | 戻り方の候補 |
|---|---|---|
| 適性 | 人を動かす・調整する仕事そのものに力が出ない | エンジニア職への転職、ITスペシャリスト |
| スキル | 見積もりや課題管理の進め方を知らないだけ | 他のPMのやり方を真似る、資格の勉強 |
| 環境 | PMが営業・顧客対応・開発管理を一人で兼ねている | 社内異動、役割分担がはっきりした会社への転職 |
スキルや環境が原因なら、エンジニアに戻る転職をしなくても解決する余地があります。
心や体が限界なら、転職の判断より先に止まる
眠れない、休日も通知が気になる、朝に体が動かない。こうした状態が続いているなら、PMに向いてないかを考える段階ではありません。
心や体の不調が続いているときに転職活動を進めると、求人票の条件や面接での確認を見落としやすくなります。
先に産業医・社内の相談窓口・医療機関に相談し、休むか業務を減らすかを決めてから、エンジニアに戻る転職を考えてください。
限界のサインが出ているときは、転職活動より先に業務を減らす手続きを進めてください。
PMからエンジニアに戻る転職で、年収はどう変わるか
統計で見るPMに近い職種と開発職の給与
厚生労働省の賃金統計に「PM」という区分はありません。上流の設計や提案を担う「システムコンサルタント・設計者」と、開発を担う「ソフトウェア作成者」を並べると目安が見えます。
- システムコンサルタント・設計者(10人以上の企業): 平均38.3歳、月の給与54万2,100円、年間賞与238万5,200円
- ソフトウェア作成者(役職者を除く): 平均34.7歳、月の給与36万1,600円、年間賞与85万4,900円
- ソフトウェア作成者(役職者を含む全体): 月の給与39万800円、年間賞与109万5,100円
PMに近い区分から開発の区分へ移ると、統計の上では月給も賞与も低い区分に入ることになります。
ただし平均年齢も企業規模の条件も揃っていないため、この差がそのまま一人の下がり幅になるわけではありません。PMの仕事がどの区分に数えられているかも、会社によって違うと考えられます。
20代後半〜30代前半なら、開発職の水準を年代別に見られる
役職者を含むソフトウェア作成者の給与を年代別に見ると、次のとおりです。
- 25〜29歳: 月の給与33万2,100円、年間賞与86万1,900円
- 30〜34歳: 月の給与38万4,500円、年間賞与98万1,200円
2024年に転職した人の賃金は、25〜29歳で増加46.3%・減少29.2%、30〜34歳で増加46.1%・減少24.2%でした。転職全体の数字なので、PMから開発職に移る人だけの割合ではありません。
この年代の転職全体では、賃金が下がった人より増えた人の方が多くいました。
戻ったあとの年収は、会社の給与水準でも変わる
同じ開発職でも、どの会社に移るかで給与は変わります。CareerBoost 年収データベースでは、上場の情報・通信業96社の平均年収の中央値は約791万円、真ん中の半分は約682万〜923万円でした。
これは有価証券報告書の平均年間給与で、営業や管理部門も含む全職種の数字です。エンジニアだけの数字ではない点に注意してください。
- 求人票の想定年収の下限と上限、どの等級で入るか
- 固定残業代が含まれているか
- 賞与が業績連動か固定か
「職種を戻す」と「給与水準の高い会社を選ぶ」を分けて考えると、年収の下がり幅を抑えられると考えられます。
PMで得たもの・失ったものを並べて、戻る価値を測る
PMからエンジニアに戻るかどうかは、PMの間に何を得て何を失ったかを並べると判断しやすくなります。
- 得たもの: 見積もりと優先順位の判断、顧客や他部署との調整、障害時の意思決定
- 失いやすいもの: コードを書く時間、新しい技術への追従、レビューを細かく見る時間
- 年収: 役職手当が付いているなら、戻ると減ると考えられる
失ったものの多くは「時間」なので取り戻せ、得たものはエンジニアに戻ったあとも評価の材料になります。
PMをやめてエンジニアに戻るなら、転職か社内異動か
社内で戻る道と転職で戻る道の損得
開発職に戻る方法は、転職だけではありません。社内異動や、役職を下げる申し出で戻る道もあります。
| 比べる点 | 社内異動・役職を下げる申し出 | 転職でエンジニア職へ |
|---|---|---|
| 年収 | 役職手当が外れる分、下がりやすい | 会社の給与水準次第で上がる場合も下がる場合もある |
| 技術のブランク | 社内のコードや仕組みを知っているので戻りやすい | 技術面接で今の実力を問われる |
| 周りの見られ方 | 「PMを降りた人」と見られる心配がある | 最初からエンジニアとして扱われる |
| やり直し | 合わなければ再度相談できる | 合わなければ再び転職になる |
| 再びPMに回される可能性 | 人手が足りないと戻されやすい | 労働条件の書面で範囲を確かめられる |
社内で戻る道は、年収よりも「技術のブランクを小さく戻れる」点に強みがあります。
役職を下げる申し出は「役割の変更」として出す
上司に「PMが向いてないので降りたい」とだけ伝えると、投げ出しと受け取られやすくなります。次の順番で準備すると、配置の相談として進めやすくなります。
担当した案件の中で、技術判断に関わった場面を書き出します。
「テックリード」「バックエンド担当」など、名前の付いた役割で伝えます。
今のPM業務を誰にどう渡すかの案を、先に用意します。
いつまでに異動の可否が分かるかを確かめ、転職と並べて判断します。
引き継ぎの案まで持っていくと、申し出が「投げ出し」でなく「配置の提案」として受け取られやすくなります。
社内で戻れないときは、断られた理由を転職の材料にする
異動を断られた場合も、断られた理由がそのまま転職の判断材料になります。
- 「人がいないから無理」: 体制の問題で、転職で解決しやすい
- 「評価制度の上でできない」: 開発職の評価が低い会社の作りと考えられる
- 「半年後なら」: 約束をメールなど記録に残してもらう
断られた理由が体制や制度にあるなら、PMが向いてない問題は会社を変えた方が早く片付くと考えられます。
「PMが向いてない」でエンジニア職に転職できるか、企業の見方
「マネジメントが嫌だから」だけでは、採用側に不安が残る
採用する企業は、PMから戻る人に「またすぐ嫌になって辞めないか」「技術は今も通用するか」を確かめたいと考えられます。理由が「マネジメントが嫌」で止まっていると、どちらの不安にも答えていません。
「嫌だから離れる」でなく「技術でこう貢献したいから戻る」と言い換えられるかが、転職で通るかどうかの分かれ目になります。
自社開発の会社に移っても、コードだけ書けるとは限らない
自社開発の会社でも、経験者には要件の整理やメンバーの育成を期待することがあります。PM経験があると分かれば、入社後にPM寄りの役割を頼まれる流れも考えられます。
2024年4月から、会社は労働条件の書面で、業務や就業場所の「変更の範囲」を示すことになりました。
厚生労働省はこれを、入社直後だけでなく将来の配置転換の見込みも含めた、契約期間中の変更の範囲と説明しています。内定時の書面で、業務の変更の範囲にプロジェクト管理が含まれていないかを確かめてください。
面接で「入社後しばらくはどの役割を期待していますか」と聞き、書面の変更の範囲と食い違いがないかを見ておくと、再びPMに回される事態を避けやすくなります。
PM経験は「エンジニアとしての強み」に言い換えてアピールする
採用側が見たいのは、PM経験がエンジニアの仕事にどう効くかです。職務経歴書と面接では、次のように書き分けます。
- 見積もりのずれを減らすため、設計の段階で技術的な不確定要素を洗い出した
- 障害対応で影響範囲を判断し、修正の優先順位を決めた
- 非エンジニアの要望を、実装できる仕様に落として開発メンバーに渡した
- 「メンバーを管理していた」とだけ書く
- 「マネジメントは向いてないと分かった」で終える
- 管理ツールの名前を並べるだけで、技術判断に触れない
PM経験は「人を管理した話」ではなく「技術判断の質が上がった話」として語ると、評価されやすいと考えられます。
面接で「エンジニアに戻りたい」転職理由を、逃げに見せず伝える
転職理由は「何を活かしたいか」から組み立てる
厚生労働省の調査では、転職者が今の勤め先を選んだ一番の理由は「自分の技能・能力が活かせるから」が17.7%で最も多く、次いで「仕事の内容・職種に満足がいくから」が16.5%でした。PMから戻る人の「技術を活かしたい」は、転職理由としてごく普通のものです。
理由は次の順で組み立てると、話が前を向きます。
- PMの仕事の中で、技術を使って成果が出た場面
- PMをやって分かった、自分が力を出せる仕事
- 応募先でその力をどう使うか
「PMから逃げる」でなく「技術を活かせる場所を選ぶ」と組み立てれば、転職理由の不自然さは消えます。
直す前と直した後の例文
次の例文は架空のものです。PMが向いてないと感じた気持ちを、どう言い換えるかを比べてください。
面接で「PMはもうやりたくないですか」と聞かれたら、「技術の立場からならプロジェクトに関わりたい」と線を引いて答えると誤解されにくくなります。
PMの間に開いた技術のブランクを埋める
IPAの調査では、従業員の学び直しに取り組む企業は、米国企業の8割弱に対し日本企業は19.2%にとどまりました。会社の研修を待つより、業務の外で自分から技術に触れる時間を作る方が早いと考えられます。
エンジニアに戻る転職の前に、次を確かめてください。
- 応募先の技術スタックで、小さなアプリを最後まで作って公開した
- しばらく使っていない言語の書き方を、公式ドキュメントで見直した
- コーディングテストの問題を、制限時間を決めて解いた
- PM時代に関わった設計を、図と言葉で説明できるようにした
- 今のチームのコードレビューに、レビュアーとして入れてもらった
技術面接では「最近何を作ったか」を聞かれやすいので、見せられる成果物を1つ用意しておきます。
30代後半・40代でPMからエンジニアに戻りたい人の転職
年齢別の数字で分かること・分からないこと
ここで示せる公的な年代別の数字は、開発職の給与も転職時の賃金変動も、25〜34歳までです。30代後半〜40代の開発職の求人数や、PMから戻った人の割合を示す統計は、この記事では用意できていません。
数字が無い分は、次の方法で自分で確かめられます。
- 転職サイトで開発職の求人を、年齢や経験年数の条件で絞って数える
- 応募先の採用ページに、30代後半以降で入社した開発者の紹介があるかを見る
- 転職支援サービスに、同じ年代で開発職に決まった例があるかを聞く
上場の情報・通信業96社では、平均年齢の中央値が38.7歳、平均勤続年数の中央値が9.2年でした。全職種の数字ですが、30代後半が社員の真ん中にあたる会社が多いと読めます。
30代後半は情報・通信業の会社で真ん中にあたる年齢で、それだけで不利と決めつける根拠にはなりません。
年齢が上がるほど、PM経験を半分残す戻り先も選べる
PMをやめたあとの道は、開発専任だけではありません。コードとの距離で並べると次のとおりです。
| 選べる道 | コードを書く量 | PM経験の使い方 | 合いそうな人 |
|---|---|---|---|
| エンジニア職(開発専任) | 多い | レビューや要件のすり合わせ | 実装に戻りたい気持ちが強い人 |
| プレイングマネージャー | 中くらい | 小さなチームの進行 | 人を動かすこと自体は嫌でない人 |
| ITアーキテクト | 少なめ〜中くらい | 全体設計と技術選定 | 設計の判断が好きな人 |
| ITスペシャリスト | 分野による | 特定技術の相談役 | 一つの技術を深めたい人 |
| PMO | ほぼない | 複数案件の管理の仕組みづくり | 調整は苦でないが現場の責任が重い人 |
| ITコンサルタント | ほぼない | 顧客の課題整理と提案 | 技術より課題解決に関心がある人 |
開発専任にこだわらずITアーキテクトやプレイングマネージャーまで広げると、30代後半以降でも技術に近い仕事に戻る道が増えると考えられます。
転職支援サービスが合う人・合わない人
20〜30代でエンジニア経験があり、PMから開発職に戻る転職を一人で進めるのが不安な人には、明光キャリアパートナーズがあります。明光ネットワークジャパンのグループ会社が運営する、エンジニア経験者向けの転職支援です。
- 対象は20〜30代のエンジニア経験者
- 大手からスタートアップまで、幅広い会社の紹介実績がある
- 経験・希望・価値観に沿って、業種や会社を提案する
- 履歴書や面接対策まで支援する
このサービスが合う人は次のとおりです。
- 20〜30代で、PMになる前に開発の実務経験がある人
- PM経験の伝え方や転職理由の言い換えを、面接の前に練習したい人
- どの業種や会社なら開発に戻りやすいかを、自分の希望と合わせて相談したい人
合わない人と、別の進め方は次のとおりです。
- エンジニアの実務経験がなく、PMだけを担ってきた人: 対象外のため、社内で開発に関わる役割を得るか、個人開発で実績を作るところから始める
- 40代以上の人: 対象外のため、社内異動の申し出を先に試し、PMOやITアーキテクトも扱う年齢層の広い転職支援を探す
- 心や体の不調が続いている人: 転職活動より先に、休む手続きを進める
20〜30代でエンジニア経験がある人は、転職理由の言い換えと面接対策をまとめて相談できます。
PMが向いてないエンジニアが、戻りたい転職を決める順番
続ける・環境を変える・PMから離れるを分ける
PMを続けるか、エンジニアに戻る転職をするかは、次の基準で分けられます。
- PMを続ける: 原因がスキルで、真似できる先輩PMが社内にいる
- 環境を変える: 原因が体制で、役割分担がはっきりした部署や会社ならPMを続けられそう
- PMから離れる: 原因が適性で、調整の仕事そのものに力が出ない
どれを選ぶかは「PMの何がつらいか」で決まり、PMという肩書きで決める必要はありません。
今の職場で先に試せる対処
エンジニアに戻る転職を決める前に、今の職場で試せることもあります。
- 社内でうまく回しているPMの会議の進め方や資料を真似る
- PMの進め方を学べる資格の勉強で、型を手に入れる
- 業務外で小さくコードを書き続け、技術の感覚を保つ
今の職場で試した対処の結果は、転職の面接でも「試したうえで決めた」根拠になります。
PMからエンジニアに戻るまでの動き方
ここまでの判断を、動く順番に並べます。
- 心や体の状態を確かめ、限界なら先に休む
- 向いてない原因を適性・スキル・環境に分ける
- 社内異動や役職を下げる申し出ができるかを確かめる
- 求人票と労働条件の書面で、年収と変更の範囲を見る
- 転職理由を「技術を活かす」に組み立てて面接に臨む
この順番で進めれば、PMが向いてないという気持ちだけで転職を決めて後悔する事態を避けやすくなります。
執筆・編集:CareerBoost 編集部(運営:合同会社Radineer)/更新日:2026年10月15日




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