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前職のSES企業から源泉徴収票が届かないと、転職先は前職分を合わせた年末調整ができません。まず前職の総務・経理へメールで催促します。転職先の締切に間に合わなければ「今年は自分で確定申告します」と伝え、翌年1月1日以降に自分で申告すれば、納め過ぎた税金は戻ってきます。
SES3年目で客先常駐を抜けて自社開発の会社に入った直後に、総務から「前職の源泉徴収票を出してください」と言われて困っている人に向けた記事です。前職への頼み方から、間に合わなかったときの確定申告まで、順番に書きます。
SESから自社開発へ転職した年、源泉徴収票なしで年末調整は受けられるか
前職の源泉徴収票がないと、転職先は年末調整ができない
年の途中で転職した人も、12月の年末調整の対象です。ただし、前の会社の源泉徴収票が必要です。
前職の源泉徴収票を出せないと、転職先はSES時代の給与と税金を合わせて計算できず、年末調整ができません。
SES3年目まで同じ会社にいた人は、毎年12月に会社が年末調整をしていたはずです。転職した年だけは、2社分の数字をそろえる役目が自分に回ってきます。
間に合わなくても、自分で確定申告すれば精算できる
年末調整に間に合わなくても、税金を取り戻せなくなるわけではありません。 年の途中で退職して年末調整を受けていない人は、翌年1月1日から還付申告ができます。
| 比べる点 | 転職先で年末調整 | 自分で確定申告 |
|---|---|---|
| 要る書類 | 前職の源泉徴収票を転職先へ出す | 前職と転職先、両方の源泉徴収票 |
| 時期 | 12月 | 還付申告は2027年1月1日から。確定申告期間は2027年2月16日〜3月15日 |
| 手間 | 書類を出すだけ | e-Taxか税務署で申告書を作る |
| 還付の受け取り方 | 給与と一緒に精算されるのが一般的 | 申告した後、指定した口座へ振り込まれる |
還付申告は確定申告期間とは関係なく、翌年1月1日から5年間出せます。
源泉徴収票が出なくて正常な場合と、申告が要る場合
前職から源泉徴収票が出ないのが正常な場合もあります。次に当てはまるかを先に確かめます。
- SES企業と雇用契約でなく業務委託契約だった(給与ではなく報酬なので、源泉徴収票は出ないと考えられます)
- その年に前職から給与を一度も受け取っていない
- 12月入社で、年内に転職先から給与が出ない(転職先で年末調整の対象にならず、前職分を自分で申告することになると考えられます)
反対に、転職していても確定申告が必要になる人がいます。給与と退職所得以外の所得が合わせて20万円を超える人、たとえば副業の所得がある人です。2か所以上から給与を受けていて、年末調整されなかった給与の収入と各種の所得の合計が20万円を超える人も申告が必要です。
自分がどれに当たるか分からないときは、前職の契約書と最後の給与明細で「給与」として支払われていたかを見ます。
SESの前職から源泉徴収票が遅れやすい理由と、年末調整に間に合う催促の時期
最後の給与が退職の翌月以降になると、源泉徴収票も遅れやすい
途中で退職した人への源泉徴収票の交付期限は、退職後1か月以内です。ただ、月末締め・翌月払いのように締め日と支払日がずれている会社では、最後の給与の支払いが退職のかなり後になります。
最後の給与の金額が決まるまで源泉徴収票を作れないため、SES企業を辞めた人の源泉徴収票は期限ぎりぎりに届きやすいと考えられます。
- 客先での稼働時間が月初に確定してから給与を計算する
- 残業代の精算が最後の給与にまとめて入る
- 本社の総務・経理と直接やり取りしたことがなく、窓口を知らない
SES3年目まで、客先の現場と営業担当とのやり取りが中心だった人には、最後の項目が特に当てはまると考えられます。
退職月と入社月から、催促の時期を逆算する
月末締め・翌月払いの会社を例にした目安です。転職先の社内締切は会社ごとに違うので、入社時の書類の案内で日付を確かめます。
| 退職と入社 | 前職の最後の給与 | 前職へ最初に頼む時期 | 届かないときの動き |
|---|---|---|---|
| 8月末退職・9月入社 | 9月 | 退職の手続きをするとき | 10月中に再び催促し、社内締切の前に転職先へ相談する |
| 10月末退職・11月入社 | 11月 | 入社した直後 | 社内締切に間に合わなければ確定申告に切り替える |
| 11月末退職・12月入社 | 12月 | 退職の手続きをするとき | 年内に転職先から給与が出なければ、確定申告に回す |
退職を申し出た日に、前職へ「源泉徴収票の送り先と時期」を確かめておくと、催促を始める日がはっきりします。
SESの前職に源泉徴収票を催促する手順と依頼文
前職には退職後1か月以内に出す義務がある
源泉徴収票は頼まれて出す書類ではなく、会社が退職後1か月以内に出さなければならない書類です。
期限を過ぎていれば、催促を遠慮する理由はありません。SES企業の営業担当に気まずさを感じていても、総務・経理への事務の依頼として進められます。
連絡先は営業担当ではなく総務・経理、手段は記録が残るメール
- 本社の総務・経理の窓口あてにメールで頼む
- 退職日・社員番号・送り先の住所を書く
- 送ったメールと返信を保存しておく
- 現場で付き合いのあった営業担当にチャットで頼むだけにする
- 電話だけで頼み、日時や相手の名前を控えない
- 「お手すきのときに」と書き、期限を伝えない
営業担当を通した依頼は、総務に伝わらないまま止まることがあります。窓口が分からなければ、給与明細や退職時の書類に書かれた部署名を見ます。
やり取りをメールで残しておけば、後で税務署に届け出るときに「交付を求めたことが分かる書類」として使えます。
依頼文には期限と送り先を書く
依頼文に返事の期日を書いておき、期日を過ぎたら同じメールに返信する形で送り直します。
源泉徴収票が届かないとき:不交付の届出書・前職の倒産・紛失
不交付の届出書を出すと、税務署から前職に指導が入る
源泉徴収票が届かないときは、交付期限(途中で退職した人は退職後1か月)を過ぎた後なら、いつでも税務署長に「源泉徴収票不交付の届出書」を出せます。添付するのは、給与明細の写し(保存していれば)と、勤務先に交付を求めたことが分かる書類です。
退職後1か月を過ぎているかを確認する
総務・経理あてのメールと返信を保存する
給与明細の写しと、交付を求めたことが分かる書類を用意する
源泉徴収票不交付の届出書を税務署へ出す
届くのを待つ間に、確定申告の準備を進める
届出書を出しても、税務署が源泉徴収票を代わりに発行してくれるわけではなく、税務署から前職へ出すよう指導が入る流れと考えられます。 交付しない会社は罰則の対象にもなり得るため、届出をきっかけに送ってくる会社もあるという見方もできます。
前職が倒産したり連絡がつかなかったりする場合
倒産・廃業で総務の窓口がなくなっている場合や、何度連絡しても返事がない場合もあります。そのときは、給与明細の数字を手元にそろえて税務署に相談する進め方が考えられます。
- その年の1月から退職した月までの給与明細
- 賞与の明細
- 退職時に受け取った書類
SES時代のその年の給与明細を全部そろえておくと、源泉徴収票が届かないときに支給額と所得税を確かめる手がかりになります。
一度受け取った源泉徴収票を失くした場合
不交付の届出書は、会社から交付されないときのための手続きです。一度受け取った源泉徴収票を失くしたときは不交付の届出の対象外となり、前職に再発行を頼むことになると考えられます。
再発行にかかる日数は会社によって違うので、頼むときに発送予定日を聞きます。届いたら、すぐにスキャンして保存しておきます。
自社開発の転職先に「今年は自分で確定申告します」と伝えてよいか
伝えても変ではなく、評価とは別の事務の話
年末調整は、会社が給与を払っている人の税金を精算する事務です。本人が確定申告に回しても、税金を精算する場所が変わるだけと考えられます。
「前職の源泉徴収票が届かないため、今年は自分で確定申告します」という連絡は、総務の担当者にとって珍しいものではないと考えられます。
- 前職に催促していることと、催促した日
- 分かる範囲で、届きそうな時期
- 間に合わなければ自分で確定申告すること
自社開発の会社でエンジニアの評価に関わるのは開発の成果で、年末調整の書類の出し方が人事評価に入ることは考えにくいです。
社内締切を過ぎたら、いつまで待ってもらえるか
社内締切は、12月の給与計算に間に合うように決められていると考えられます。転職先があなたに自社の源泉徴収票を渡す期限は1月31日なので、待ってもらえるとしてもそこまでが目安と考えられます。
締切を過ぎてから届いたら、まず転職先の総務に「今からでも年末調整に入れてもらえるか」を聞きます。 翌年1月の給与で年末調整をやり直す会社もありますが、応じるかどうかは会社の事務の都合で決まると考えられます。
転職先にやり直しを断られても、2社分の源泉徴収票をそろえて自分で申告すれば、同じように精算できます。
SESの前職分を確定申告するとき:時期・還付・住民税・ふるさと納税・iDeCo
いつ・どこで・何を用意するか
令和8年分の確定申告期間は2027年2月16日〜3月15日です。税金が戻るだけの還付申告なら、2027年1月1日から出せます。
- 前職(SES企業)の源泉徴収票
- 転職先の源泉徴収票(1月31日までに受け取る)
- 還付金を受け取る本人名義の口座
- e-Taxで出す場合はマイナンバーカード
- 当てはまる人は、ふるさと納税の受領証明書とiDeCoの掛金の証明書
転職先の源泉徴収票が1月に届けば、その日のうちにe-Taxで還付申告を出せます。 出し忘れても、翌年1月1日から5年間は出せます。
還付はいくらで、いつ振り込まれるか
還付される額は、2社の源泉徴収票に書かれた「源泉徴収税額」の合計から、申告書で計算した1年分の税額を引いた差です。
- 2社の源泉徴収票の「源泉徴収税額」を足す
- e-Taxの作成画面に2社分の給与と控除を入れる
- 画面に出る還付額と、足した額を見比べる
年の途中で辞めた人は、前職で天引きされた所得税が多めになっていることがあると考えられます。 振込は税務署が申告を処理した後になるので、時期は申告後に国税庁のサイトの案内で確かめます。
住民税・ふるさと納税・iDeCoへの影響
確定申告の内容は市区町村に回り、翌年度の住民税の計算に使われると考えられます。住民税の決定通知は2027年5月31日までに会社経由で届き、6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされます。
ふるさと納税でワンストップ特例を申請していても、確定申告をする年は寄附した分も申告書に書く必要があると考えられます。書き忘れると寄附の控除が住民税に反映されないおそれがあるため、寄附先の受領証明書を手元に用意します。iDeCoの掛金も、転職先の年末調整で出していなければ申告書に書きます。
ふるさと納税とiDeCoは、年末調整で出せなかった分を確定申告の申告書に書けば控除を受けられると考えられます。
申告しないと損をする場合
- 納め過ぎた税金は、還付申告をしない限り戻ってこない
- 副業の所得が20万円を超えるなど申告が必要な人は、申告しないまま納め不足になると、遅れて納めるときに延滞税がかかる
- ふるさと納税・iDeCoの控除が住民税に反映されない
SES3年目で初めて転職した年は、税金を戻すための申告を自分から出すまで、還付金は振り込まれません。
SES3年目から自社開発へ転職する人が内定時に確かめることと、転職支援サービス
内定時に労働条件通知書の「変更の範囲」を見る
2024年4月から、求人企業は募集の段階で「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業場所の変更の範囲」を示すことになりました。労働契約を結ぶときの労働条件通知書などにも、変更の範囲を書くことが義務になっています。
SESから自社開発へ移る人は、労働条件通知書の就業場所の変更の範囲に「客先」が含まれていないかを内定時に確かめます。
あわせて、入社書類の案内で前職の源泉徴収票の提出締切を見ておけば、退職前に前職へ催促する日を決められます。
明光キャリアパートナーズが合う人・合わない人
- 明光ネットワークジャパンのグループ会社が運営している
- 20〜30代のエンジニア経験者が対象
- 大手からスタートアップまで、幅広い会社の紹介実績がある
- 経験・希望・価値観に合う業種や会社を提案する
- 履歴書や面接の対策まで支援する
合う人と合わない人は次のとおりです。
- 合う人:SES3年目前後の20〜30代で、客先常駐から自社開発へ移りたいエンジニア経験者
- 合う人:大手かスタートアップか、どちらの自社開発が合うかを比べながら決めたい人
- 合わない人:エンジニアの実務経験がない人。この場合は、未経験者向けの支援や職業訓練から始める進め方が考えられます
- 合わない人:40代以上の人。ミドル層向けの転職支援や、企業への直接応募を使う進め方が考えられます
すでに自社開発へ転職して次の転職を考えていない人は、サービスを使わず、この記事の手順で源泉徴収票と確定申告を片づければ十分です。
執筆・編集:CareerBoost 編集部(運営:合同会社Radineer)/更新日:2026年10月15日




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