事務職への転職ならこれ!転職上有利な資格ランキング
営業職や、販売などの現場での仕事がきついと思う場合は、事務職への転職がおすすめです。
もちろん、どんな仕事でもそれぞれに大変な部分はありますが、少なくとも事務職はノルマなどのプレッシャーもなく、また単純事務ならば体力もそれほど使わず、一般的には残業時間も少なめです。
どの企業にも事務員のポジションはありますので、求人件数自体も非常に多いです。そのため、未経験OKの求人も数多く存在し、非常に門戸の広い業界となっています。
ただし、より大きな企業、より高くて安定した収入などを目指すキャリアアップを考えているのであれば、自身の事務職における市場価値を高める必要があります。人気のある職種の一つであることから、求人情報の数が多い分、応募者の数も多くなっています。
そこで、1つの武器になるのが就職活動の時同様、資格です。
この記事では、事務職への転職をする上で有利になる資格をランキング形式でご紹介します。
事務職ってそもそもどういう仕事?
「事務職への転職を考えてはいるけど、未経験だから仕事内容もよく分かんないんだよなぁ…」
という方も多いのではないでしょうか。
そこで、まずは事務職という仕事について簡単に見ていきましょう。
事務職の仕事内容は?
以前は、いわゆる総合職に対して一般職に就いている女性社員を事務職と言っていました。
事務職と言えば、「オフィスワークや事務仕事をする女性」というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、現在では総務や経理、営業事務、貿易事務などの、会社が売上を上げるために間接的に関わる事務系の仕事全般のことを指しています。
ですので、仕事内容としては非常に幅広くなっています。
資料作成や整理などをする一般事務、商品の受発注や在庫管理をする営業事務、商品の輸入や輸出の手続きを行う貿易事務、会社の経理に関わる経理事務などがあります。
また、会社の社長や役員といった管理職の補佐をする秘書も事務職に分類されます。
事務職につくやりがいとメリットは?
「会社内で様々な部署の社員と関わり、人の仕事をサポートして会社の成果を支える」
これが、総合職などとはまた違った事務職のやりがいです。
メリットとしては、事務職の求人は育児やライフワークバランスといった個人の事情にも寛容で、ほかの職種よりは勤務地などの点で柔軟な勤務体系となっている場合が多いことです。
そのため、フルタイムにこだわらずパートタイムで働ける企業も多数あります。
また、この記事で挙げるような資格を取得している場合、事業所の規模にこだわらなければ、かなりの求人数があります。
そのため、転職に困るということも少ないでしょう。
未経験でも転職が可能なの?
もちろん、事務職への転職においても事務職の実務経験者が有利であることは間違いありません。
しかし、事務職無くして会社は運営していけません。
特に営業職が多い業種は、必然的に営業職に対するサポート要員も必要となります。
そのため、事務職求人の件数が多いという特徴があります。
具体的には
- 休日も営業し、顧客を案内する営業マンが多い不動産業界
- 企業に正社員や派遣社員などの斡旋をする営業マンが多い派遣会社などの人材業界
などです。
そういった業界を転職先の対象とすれば、未経験者でも十分に転職が可能でしょう。
事務職に有利な資格の条件って?
ここまで見てきたように、確かに未経験者であっても事務職への転職は可能です。
とは言え、できるだけ安定した大きな企業を目指し、かつ高い収入がほしければ、経験者の事務経験を補って余りある「何か」が必要です。
それには、やはり「資格の取得」が一番だと言えます。
ただし、その業界で事務職をするために役に立つ資格、評価される資格でなければ意味がありません。
例えば、「漢検」を持っていて、それが仮に1級だとしても事務職への転職上は全く評価されません。
転職上評価される資格には以下の条件を満たしていることが必要です。
汎用性(どの業界でも通用する)
ある特定の業界でのみ重要視される資格は、その業界に絞って転職活動をするのでない限り、転職の可能性を狭めてしまいます。
特に、事務作業を中心とする事務職への転職においては汎用性の高い資格が重視されると言えます。
基本的には、「とある分野の専門家」のような資格ではなく、どの会社でも必要とされるスキルの証明になる資格を取得しましょう。
トレンド(時代の流れ)
資格には事務関連のコンピュータ化などのトレンドが存在しています。このトレンドによっては、重要性が変わる資格もあります。
一時期は医療医務がかなりの人気を誇っていました。
しかし、今では電子レセプトがほとんどの総合病院に整備され、医療事務の資格がなくても入力作業と簡単なコンピュータ作業でレセプト業務ができるようになっています。
したがって、今や、医療事務検定などの医療事務の資格を取ることにあまりメリットはありません。
逆に、グローバル展開が増えてきたことによって、事務職には必要ないと考えられていた英語の資格が転職には俄然有利になってきています。
合格難易度
資格取得の難易度と取得時に保証される年収はやはり比例します。
しかし資格取得のために、多大な勉強期間を費やした場合はどうでしょうか。
たとえば1日8時間以上を何年も必要とするような場合、費やした勉強時間と労力の「元を取る」ためには、相当長期間仕事を続ける必要があります。
生涯現役で働くつもりがあれば、それでも構いません。
しかし、そうでなければ、できるだけ合格しやすい資格を狙ったほうがよいでしょう。
知名度が高い
いくら取得の難しい資格でも、応募した企業側の採用担当者がそれを知っていなければ評価されません。
面接時も、面接官がその資格について知らなかった場合、質問することが出来ませんよね。
したがって、いくら資格を取得していても、知名度の低い資格では転職上有利になりません。
ですので、誰でも知っているような知名度の高い資格を選びましょう。
事務職への転職で有利な資格ランキングBEST5
それでは上記の条件に該当し、事務職への転職に有利な資格をランキングで5つご紹介します。
第1位 簿記3級
簿記とは、経理業務において、毎日の売上、仕入れ、支払いなどを「複式簿記」のルールに沿って分類し、記録していく手法です。
この資格は、金融業界だけでなく事務職への転職においても有利に働きます。
1級から初級までありますが、3級を取得すれば簿記の基礎は身についていることになります。
そのため、中小企業の経理事務といった求人であれば評価されるでしょう。
ただし、商業高校卒業程度で取得できますので、それより大きな企業や事業所を狙う場合は、2級に挑戦したいところです。
簿記は、試験を行う団体によって種類がありますが1番知名度が高いのは、日本商工会議所が行う「日商簿記検定」です。
どうせ取得するなら、これを取得するのがよいでしょう。
日商簿記検定3級の概要は以下の通りです。
- 受験資格:なし
- 試験日程:2月・6月・11月
- 合格率:42.3%
- 合格基準:70%以上
- 受験料:2,800円
3級の基準としては、ビジネスパーソンに必須の基本知識が身につき、商店や中小企業の経理事務に役立つ程度です。
また、経理関連書類の読み取りが可能となり、取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになります。
こうしたことから、営業・管理業務部門に必要な知識として企業は評価しています。
試験内容としては
- 仕訳
- 帳簿関係
- 試算表の作成や、損益計算書の作成、また貸借対照表の作成
- 伝票会計
- 精算表
の範囲の中から5問出題されます。
転職における日商簿記の重要性についてより詳しく知りたい方は、コチラの記事も参考にしてみてください!
第2位 秘書検定2級
会社の社長や役員などの仕事をサポートするために必要なスキルを証明するのが秘書検定です。
事務職の仕事内容は、スケジュール調整、電話応対、来客対応などです。しかしながら、重要顧客との対応も多くなってきます。そのため、社会人としてのビジネスマナーの知識が必須となります。
検定は1級、準1級、2級、3級と4段階ありますが、即戦力として評価されるのは準1級以上です。しかし転職上は、2級を取得していれば、一般的な秘書業務を行うためのスキルはあるとして評価されます。
まずは、2級から取得を目指しましょう。
秘書検定2級の概要は以下の通りです。
- 受験資格:なし
- 試験日程:2月、6月、11月
- 合格率:57.6%
- 合格基準:「理論」と「実技」の領域でともに60%以上
- 受験料:3,800円
- 試験形式:選択問題(マークシート方式)31問、記述問題4問の合計35問
試験内容としては
- 秘書の資質:秘書として備えるべき要件/要求される人柄
- 職務知識:秘書の役割と機能
- 一般知識:社会常識/経営学/一般会計、財務
- マナー、接遇:人間関係/マナー/話し方、接遇/交際
- 技能:会議の準備/文書の作成/文書の取り扱い/事務機器/ファイリング/資料管理/スケジュール管理/環境の整備/事務用備品、事務用品
となります。
第3位 MOS Excelスペシャリスト、MOS Wordスペシャリスト
MOSとは、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」の略称で、マイクロソフト社の認定する国際資格です。
資格は、表計算のExcel、文書作成のWordがそれぞれ別の資格となっています。
加えて、それぞれがスペシャリストレベル(一般)とエキスパートレベル(上級)の2段階に分けられています。
WordとExcelだけでなく、PowerPointやAccess、Outlookの試験も存在します。
また、試験は「Excel2013」や「Excel2010」のように、バージョンごとになります。
そのため、新しいバージョンの資格を取得したい場合は、再度受験する必要があります。
現在はほぼ100%の企業が「Microsoft office」を使用し、ExcelとWordを社内公用文書の作成ソフトにしています。
ですので、この資格の取得者はパソコンスキルの高い即戦力として転職上は有利になります。
転職をする上では、まずはスペシャリストがあれば、日常業務には十分ですのでプラスに評価されます。
余裕があれば、エキスパートレベルを取得しておくとなおよいでしょう。
スペシャリストレベルの取得であれば、普段からExcel、Wordを使用している場合には、市販の問題集で1~2週間ほどの勉強で取得が可能だと言われています。
その2つを使用したことがなければ、少なくとも1ヵ月程度の勉強が必要です。
また、試験形式として「全国一斉試験」と「随時試験」が用意されています。
随時試験の場合は、会場ごとに指定された日程ならいつでも受けることが出来ます。
何かと忙しい求職者にはうれしい試験形式ですよね。
MOS Excel・MOS Wordの概要は以下の通りです。
- 受験資格:なし(最初からエキスパートでの受験も可能)
- 試験日程:毎月1~2回(全国一斉試験)・各試験会場が設定した日程(随時試験)
- 合格率:非公開
- 合格基準:1,000点満点中550~850点(目安)
- 試験形式:CBT試験(コンピューターを使って出題から回答まで行う実技試験)
- 受験料:10,584円(スペシャリスト)、12,744円(エキスパート)
試験内容としては
Wordスペシャリストは
文書の作成と管理 | ・文書の作成 ・文書内の移動 ・文書の書式設定 ・文書のオプションと表示のカスタマイズ ・文書の印刷、保存 |
文字・段落・セクションの書式設定 | ・文字列や段落の挿入 ・文字列や段落の書式の設定 ・文字列や段落の並べ替え、グループ化 |
表やリストの作成 | ・表の作成 ・表の変更 ・リストの作成・変更 |
参考資料の作成と管理 | ・参照のための情報や記号の作成、管理 ・標準の作成資料の作成、管理 |
グラフィック要素の挿入と書式設定 | ・グラフィック要素の挿入 ・グラフィック要素の書式設定 ・SmartArtの挿入、書式設定 |
Wordエキスパートは
文書のオプションと設定の管理 | ・文書とテンプレートの管理 ・校閲用の文書の準備 ・文書の変更の管理 |
高度な機能を使用した文書のデザイン | ・高度な編集や書式設定 ・スタイルの作成 |
高度な機能を使用した参考資料の作成 | ・索引の作成・管理 ・参考資料の作成・管理 ・フォーム、フィールド、差し込み印刷の管理 |
ユーザー設定のWord要素の作成 | ・文書パーツ、マクロ、コントロールの作成・変更 ・ユーザー設定のスタイルセットとテンプレートの作成 ・ほかの言語やユーザー補助機能に対応した文書の準備 |
となります。
また、Excelスペシャリストは
ワークシートやブックの作成と管理 | ・ワークシートやブックの作成 ・ワークシートやブック内の移動 ・ワークシートやブックの書式の設定 ・ワークシートやブックのオプションと表示のカスタマイズ ・配布するためのワークシートやブックの設定 |
セルやセル範囲のデータの管理 | ・セルやセル範囲へのデータの挿入 ・セルやセル範囲の書式設定 ・データのまとめ、整理 |
テーブルの作成 | ・テーブルの作成、管理 ・テーブルのスタイルと設定オプションの管理 ・テーブルのフィルター、並び替え |
数式や関数を使用した演算の実行 | ・関数を使用したデータの集計 ・関数を使用した条件付きの計算の実行 ・関数を使用した書式の設定、文字列の変更 |
グラフやオブジェクトの作成 | ・グラフの作成 ・グラフの書式設定 ・オブジェクトの挿入、書式設定 |
Excelエキスパートは
ブックのオプションと設定の管理 | ・ブックの管理 ・ブックの校閲の管理 |
ユーザー定義のデータ表示形式やレイアウトの適用 | ・ユーザー定義の表示形式と入力規則のデータの適用 ・詳細な条件付き書式やフィルターの適用 ・ユーザー設定のブックの要素の作成、変更 ・ほかの言語に対応したブックの準備 |
高度な機能を使用した数式の作成 | ・数式への関数の適用 ・関数を使用したデータの検索 ・高度な日付と時刻の関数の適用 ・データ分析、ビジネス分析 ・数式のトラブルシューティング ・名前付き範囲とオブジェクトの定義 |
高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成 | ・高度な機能を使用したグラフの作成 ・ピボットテーブルの作成、管理 ・ピボットグラフの作成、管理 |
となります。
MOS Word・MOS Excelについて詳しく知りたい方は公式サイトへ!
WordやExcelに関する試験のあれこれ
また、ExcelとWordについては、べつの団体の設けている
「Excel表計算処理技能検定試験」
「Word文書処理技能検定試験」
という資格もあります。
一般的な知名度はMOSの方が上ですが、こちらの資格の方が実戦的だとして、評価する企業も多いです。
資格は1~3級に分かれていて、3級は初級レベル、2級は実践レベル、1級は高度な処理ができるレベルですので、目指すのであれば2級がよいでしょう。
合格率は、Excel表計算処理技能検定試験全体では83.6%、Word文書処理技能検定試験全体では78.8%とされています。
Excel表計算処理技能検定試験、Word文書処理技能検定試験について詳しく知りたい方は公式サイトへ!
第4位 TOEIC
TOEICは英語でのリスニング力(英会話を聞き取る力)、リーディング力(英文の読解力)を評価する世界共通のテストです。
結果は点数のみで、合格、不合格などはありません。
求人している仕事内容によって、企業が採用の際に「TOEIC600点以上」などと応募条件にするケースもあります。
今はどの企業も海外企業と何らかのビジネスをしています。
そのため、TOEICスコアによっては、高く評価されます。
TOEICの概要は以下の通りです。
- 受験資格:なし
- 試験日程:基本は毎月だが地区により異なる
- 試験内容:都度異なる
- 受験料:5,725円
だいたい目安としては、以下の点数別に英語スキルがあると判断されます。
500点台
アシスタントとして事務処理に携わり、海外からの電話取次ぎや定型的な英文書類ができる。
職種としてはOA事務、部内アシスタント、秘書アシスタントなどが挙げられます。
600点台
海外取引に関する受注データ入力、管理、作成、貿易関連書類の作成ができる。
職種としては英文事務、貿易事務、海外営業事務などが挙げられます。
700点台
貿易書類の作成、船積書類読解、出荷指示、海外の取引先や海外本社と電話やメールで連絡、英文資料からの情報の収集、収集データの分析、資料作成などができる。
職種としては、秘書、英文事務、貿易事務、海外営業事務などが挙げられます。
また、転職におけるTOEICの重要性について詳しく知りたい方はコチラの記事もチェックしてみてくださいね!
TOEICの点数を短期間で爆上げしたい方は、こちらの記事を参考にしてください!
第5位 ビジネス・キャリア検定試験3級
ビジネス・キャリア検定試験は、事務職が行う様々なスキルを全て網羅し、それをレベルに応じて体系化した8分野42試験の区分ごとに、それぞれを実務に応用できるレベルで習得しているかを認定するものです。
試験分野としては
- 人事・人材開発・労務管理
- 経理・財務管理
- 営業・マーケティング
- 生産管理
- 企業法務・総務
- ロジスティクス
- 経営情報システム
- 経営戦略
であり、等級は
- 1級
- 2級
- 3級
- BASIC級
となります。
3級は担当者レベル、係長やリーダーを目指すレベルとして、上司の指示を踏まえ定型業務を確実に行えるかが基準です。
2級になると、課長、マネージャーを目指すレベルになります。
事務職としての転職をする上では、まずは3級の取得で十分に評価されます。
ビジネス・キャリア検定試験3級の概要は以下の通りです。
- 受験資格:なし
- 試験日程:10月、2月
- 合格率:50%前後(分野ごとに異なる)
- 合格基準:出題数の概ね60%以上
- 試験形式:40問(4肢択一)
- 受験料:5,660円
ビジネス・キャリア検定試験に関して詳しく知りたい方は公式サイトへ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
事務職への転職は比較的求人数も多く、また以上の資格を取得すれば有利な条件で挑戦できる分野です。
また、こうした資格を取得することで履歴書や職務経歴書の内容も充実してきます。
自分の得意、不得意も考えながら、いずれか1つ、できれば2つ以上の取得を目指しましょう。
是非、この記事を参考にして資格取得を実現し、事務職への転職を成功させてください!
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