日立製作所は、売上高10兆円を超える日本最大級の総合電機メーカーです。ITシステム・社会インフラ・エネルギーなど幅広い事業を展開し、2021年からはジョブ型人事制度を全社導入するなど、日本の大企業改革をリードしています。
この記事では、日立製作所の平均年収・役職別年収・年代別年収に加え、ジョブ型制度の実態や福利厚生、転職難易度まで詳しく解説します。日立への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
日立製作所の企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社日立製作所 |
| 設立 | 1920年2月1日 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-6-6 |
| 代表者 | 小島啓二(取締役 代表執行役 執行役社長兼CEO) |
| 資本金 | 4,609億円 |
| 従業員数 | 約28,000名(単体)/約268,000名(連結) |
| 売上高 | 約9兆7,287億円(2025年3月期・連結) |
| 営業利益 | 約8,233億円(2025年3月期・連結) |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:6501) |
日立製作所は1910年に茨城県日立市で創業した日本を代表する総合電機メーカーです。ITプラットフォーム「Lumada」を中核に据え、DX・グリーン・コネクティブの3分野で成長戦略を推進しています。近年はGlobalLogicの買収などでデジタル事業を強化し、海外売上比率は60%を超えています。
日立製作所の平均年収
2025年3月期の有価証券報告書によると、日立製作所の平均年収は961万円(平均年齢42.6歳)です(出典:有価証券報告書)。
| 年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 2025年3月期 | 961万円 | 42.6歳 |
| 2024年3月期 | 936万円 | 42.3歳 |
| 2023年3月期 | 916万円 | 42.0歳 |
| 2022年3月期 | 897万円 | 42.1歳 |
| 2021年3月期 | 890万円 | 42.0歳 |
出典:各年度の有価証券報告書
過去5年間で約70万円の昇給があり、安定した右肩上がりです。口コミサイトのデータも確認します。
| 出典 | 平均年収 | 年収レンジ | 回答数 |
|---|---|---|---|
| 有価証券報告書 | 961万円 | — | 公式データ |
| OpenWork | 約820万円 | 350万〜1,500万円 | 約5,000件 |
| エン カイシャの評判 | 約790万円 | 300万〜1,400万円 | 約1,000件 |
口コミサイトの平均が有価証券報告書より低いのは、若手社員や退職者の回答比率が高いためです。在籍者全体の公式平均は961万円です。
年代別の平均年収
| 年代 | 年収レンジ(推定) | 補足 |
|---|---|---|
| 20代前半 | 400万〜500万円 | 新卒入社1〜3年目。研修とOJTで基礎を固める時期 |
| 20代後半 | 500万〜650万円 | 主任への昇進が視野に入る。住宅手当を含むと実質的な収入は高い |
| 30代前半 | 650万〜800万円 | 主任(S6)クラス。年収700万円前後が中央値 |
| 30代後半 | 800万〜1,000万円 | 上級主任(S5)に昇進すれば年収900万円超 |
| 40代 | 950万〜1,300万円 | 課長クラス(F/E等級)で年収1,000万円超が一般的 |
| 50代 | 1,050万〜1,500万円 | 部長クラス(D/C等級)。事業部の経営に関与 |
出典:有価証券報告書・OpenWorkの口コミデータを基に作成(推定値)
職種別の平均年収
日立製作所はジョブ型人事制度を導入しており、給与は役職グレードに紐づいているため、職種間の年収差は比較的小さいのが特徴です。
| 職種 | 年収レンジ(推定) | 概要 |
|---|---|---|
| SE・ITエンジニア | 500万〜1,200万円 | Lumada関連やシステム構築を担当。日立の中核職種 |
| 研究開発 | 550万〜1,300万円 | 基礎研究から応用開発まで。博士号保持者も多い |
| 営業 | 500万〜1,100万円 | 官公庁・金融・製造業など業界別の法人営業 |
| 企画・経営管理 | 550万〜1,300万円 | 事業戦略の策定・予算管理・M&A推進を担当 |
| 設計・生産技術 | 500万〜1,100万円 | 製品設計・生産ラインの最適化を担当 |
| コンサルタント(Lumada関連) | 600万〜1,400万円 | DXコンサルティング。近年採用を強化中 |
出典:OpenWork・エン カイシャの評判の口コミデータを基に作成(推定値)
賞与・ボーナスの仕組み
日立製作所の賞与は年2回(6月・12月)に支給されます。支給額は基本給の約5〜6ヶ月分で、年間200万〜300万円が目安です(出典:OpenWork)。
賞与は会社全体の業績と個人の評価によって変動します。2025年春闘ではベア月額1万7,000円の満額回答を出しており、従業員への還元姿勢が強まっています。
日立製作所の福利厚生
| カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に完備加入 |
| 住宅補助 | 住宅手当あり。独身寮・社宅も完備。若手には特に手厚い |
| 退職金制度 | 確定給付企業年金・確定拠出年金(DC)の併用 |
| カフェテリアプラン | 年間数万円分のポイントを自由に利用可能 |
| 財形貯蓄 | 一般財形・住宅財形・年金財形の各種制度あり |
| 持株会 | 日立グループ従業員持株会。奨励金あり |
| リモートワーク | 在宅勤務制度が整備。部署により週2〜3日在宅が一般的 |
| 休暇制度 | 年間休日125日、有給休暇22〜24日。取得率も高い |
| 育児支援 | 育児休業制度、時短勤務制度、事業所内保育施設あり |
| 自己啓発 | 資格取得支援、社内研修、大学院留学制度 |
日立製作所の福利厚生は日本の大企業の中でもトップクラスに充実しています。特に住宅補助・独身寮は若手にとって実質的な年収アップとなり、福利厚生込みで考えると額面以上の待遇です(出典:OpenWork)。
日立製作所のキャリアパス
日立製作所は2021年からジョブ型人事制度を全社導入しています。役職体系は以下のとおりです。
総合職研修員 → 総合職企画員 → 主任(S6)→ 上級主任(S5)→ 課長(F/E等級)→ 部長(D/C等級)→ 事業部長(B/A等級)
| 役職 | 年収レンジ(推定) | 主な役割 | 昇進目安 |
|---|---|---|---|
| 総合職研修員・企画員 | 400万〜600万円 | 実務を通じて基礎スキルを習得。配属部署でのOJTが中心 | 入社〜5年目 |
| 主任(S6) | 700万〜750万円 | チームのリーダー補佐。後輩指導も担う | 5年目〜10年目 |
| 上級主任(S5) | 900万〜950万円 | プロジェクトリーダー。実務の中核を担う | 10年目〜15年目 |
| 課長(F/E等級) | 1,200万〜1,250万円 | 組織マネジメント。予算管理・人材育成の責任者 | 15年目〜20年目 |
| 部長(D/C等級) | 1,400万〜1,500万円 | 事業部の経営判断。大型案件の意思決定者 | 20年目以降 |
出典:OpenWork・転職サイト各社の公開情報を基に作成(推定値)
ジョブ型人事制度の特徴
日立製作所は日本企業のジョブ型導入をリードする存在です。全職種・階層別に450種類の標準ジョブディスクリプション(JD)を作成し、全社員に公開しています(出典:内閣官房資料)。
- ジョブディスクリプションに基づく評価:各ポジションの職務内容・求めるスキルが明文化されている
- GPM(Global Performance Management):プロセス・パフォーマンス・コンピテンシーの3軸で評価
- 社内公募制度:希望するポジションに自ら応募できる。キャリアの自律性が高い
- 2026年度から新卒もジョブ型:新卒採用もジョブ型に完全移行予定
研修制度の特徴
- 階層別研修:新入社員研修・主任研修・管理職研修など、役職に応じた教育プログラム
- キャリア開発プログラム:30代の技術職・事務職を対象とした自己分析・キャリア設計研修。累計16,000人が参加
- 日立アカデミー:グループ共通の研修機関。技術・ビジネス・マネジメントの各分野を体系的に学べる
- キャリア相談室:専門カウンセラーによる個別キャリア相談を提供
- グローバル研修:海外拠点への派遣研修や語学研修。グローバル人材の育成に注力
日立製作所の転職難易度
日立製作所の転職難易度はSランク(最高レベル)です。国内最大級の総合電機メーカーとして転職市場での人気が非常に高く、選考倍率は30倍以上になることもあります(出典:タレントスクエア)。
ただし、中途採用比率は約47%と積極的に採用しています。ジョブ型制度の導入に伴い、専門性の高い即戦力人材の採用ニーズが高まっています。
| 職種 | 転職難易度 | 求められるもの |
|---|---|---|
| SE・ITエンジニア | 高い | 大規模SI案件の経験3年以上。上流工程の実績 |
| 研究開発 | 非常に高い | 理系修士以上。専門分野での研究実績・論文・特許 |
| コンサルタント(Lumada) | 高い | DXコンサルまたはIT企画の経験3年以上 |
| 営業 | やや高い | 法人営業経験3年以上。業界知識があると有利 |
| 経営企画 | 非常に高い | 事業戦略・M&A・IR等の経験5年以上 |
選考フロー
- Webエントリー・書類選考:履歴書・職務経歴書の提出。ジョブディスクリプションに沿ったスキルの記載が重要
- 適性検査:SPI形式のWebテスト。言語・計数・性格検査
- 一次面接:人事担当者と現場社員(課長級)の2名。技術スキルとプロジェクト経験を確認
- 二次面接(最終):部長級との面接。キャリアビジョンと日立のカルチャーへの適合性を確認
選考期間は約1〜2ヶ月です。面接は2〜3回が基本で、いずれも人事担当者と現場社員の2名体制で行われます。
面接で聞かれること
- これまでのキャリアで最も大きな成果を教えてください
- 日立製作所で実現したいことは何ですか
- ジョブ型の働き方についてどう考えますか
- 専門分野における最新の技術トレンドについて見解を聞かせてください
- チームで働く際に大切にしていることは何ですか
日立製作所の評判・口コミ
良い評判
- 安定した経営基盤:売上高10兆円規模の巨大企業。景気変動に強く、長期的な雇用安定性が高い(出典:OpenWork)
- 福利厚生が充実:住宅補助・独身寮・企業年金など、日系大手ならではの手厚い待遇(出典:エン カイシャの評判)
- ジョブ型で成果が報われる:年功序列から脱却し、能力・成果に応じた昇進・昇給が進んでいる(出典:OpenWork)
- 社会インフラに携われる:鉄道・電力・水処理など、社会を支えるプロジェクトにやりがいを感じる(出典:OpenWork)
- グローバルな機会:海外売上比率60%超。海外駐在やグローバルプロジェクトへの参画機会が豊富(出典:OpenWork)
注意すべき点
- 組織が大きく意思決定が遅い:大企業特有の稟議文化があり、スピード感に欠けることがある(出典:OpenWork)
- 部署による当たり外れ:成長事業の部署と縮小事業の部署で待遇・雰囲気に差がある(出典:エン カイシャの評判)
- ジョブ型の過渡期:制度の浸透にはまだ時間がかかり、実質的に年功序列が残る部署もある(出典:OpenWork)
- 残業時間の部署差:全社平均は適正だが、プロジェクトによっては繁忙期に長時間労働になることも(出典:OpenWork)
- 管理職の壁:主任から上級主任、課長への昇進には明確なハードルがあり、昇進できない場合は給与が頭打ちになる(出典:転職会議)
日立製作所と競合企業の年収比較
| 企業名 | 平均年収 | 特徴 |
|---|---|---|
| ソニーグループ | 約1,113万円 | 電機業界トップの年収。エンタメ・半導体・金融の多角経営 |
| 日立製作所 | 約961万円 | 売上高国内最大。Lumada事業でDX領域を強化中 |
| 富士通 | 約965万円 | IT企業への転換を推進。DX需要で業績拡大中 |
| パナソニックHD | 約930万円 | 家電・車載電池・住宅設備の総合メーカー |
| 三菱電機 | 約830万円 | FA機器・空調・宇宙分野に強み。安定した収益基盤 |
出典:各社有価証券報告書(2024〜2025年度)
日立製作所はソニーグループに次ぐ年収水準で、富士通とほぼ同レベルです。ただし、日立は福利厚生(住宅補助・企業年金)が非常に充実しているため、実質的な待遇では業界トップクラスと言えます。
日立製作所への転職を成功させるポイント
ジョブディスクリプションを理解する
日立製作所はジョブ型人事を導入しています。応募するポジションのジョブディスクリプション(JD)を事前に確認し、求められるスキル・経験と自分の強みを結びつけて語れるよう準備しましょう。日立の採用サイトにJDの概要が公開されています。
専門性を具体的にアピールする
ジョブ型の選考では「何ができるか」が最も重視されます。担当プロジェクトの規模・役割・成果を数字で示し、応募ポジションで即戦力として活躍できることを具体的に伝えましょう。
転職エージェントを活用する
日立製作所の中途採用は部門ごとに求人が出るため、自分のスキルに合ったポジションを見つけることが重要です。大手メーカーに強い転職エージェントを活用し、非公開求人の紹介や面接対策のサポートを受けましょう。
よくある質問(FAQ)
日立製作所の平均年収はいくらですか?
2025年3月期の有価証券報告書によると、日立製作所の平均年収は961万円(平均年齢42.6歳)です。過去5年間で約70万円上昇しています(出典:有価証券報告書)。
日立製作所で年収1,000万円に到達できる年齢は?
一般的には40代前半(課長クラス・F/E等級)で年収1,000万円を超えます。上級主任(S5)でも950万円前後に達するため、30代後半でほぼ1,000万円に届く水準です。
日立のジョブ型人事制度とは何ですか?
各ポジションの職務内容を明文化した「ジョブディスクリプション」に基づいて評価・報酬を決定する制度です。2021年に管理職、2022年に一般社員にも導入されました。450種類のJDが全社員に公開されています(出典:内閣官房資料)。
日立製作所の中途採用は難しいですか?
転職難易度はSランクと高いですが、中途採用比率は約47%と積極的に採用しています。ジョブ型制度の導入により、専門性の高い即戦力人材の需要が高まっています。
日立製作所の残業時間はどのくらいですか?
全社平均では月20〜30時間程度です。年間休日125日、有給休暇22〜24日と休暇制度も充実しています。ただし、プロジェクトや部署によって差があります(出典:OpenWork)。
まとめ
- 日立製作所の平均年収は961万円(有価証券報告書)で、総合電機メーカーではソニーに次ぐ水準
- 役職別では主任700万円、課長1,200万円、部長1,400万円以上。ジョブ型制度で成果に応じた昇進が可能
- 福利厚生は日系大手トップクラス。住宅補助・独身寮・企業年金が充実し、実質待遇は額面以上
- 転職難易度はSランクだが中途採用比率47%と門戸は広い。専門性のアピールが選考の鍵
- 450種類のジョブディスクリプションに基づくジョブ型制度で、キャリアの自律性が高い
日立製作所は安定した経営基盤と充実した福利厚生を兼ね備えた、日本を代表する総合電機メーカーです。ジョブ型制度の導入で専門性が正当に評価される環境が整いつつあり、即戦力人材にとって魅力的な転職先と言えるでしょう。





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