税理士の年収はどれくらい?年齢別、合格科目別で解説

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税理士法で定められている国家資格の「税理士」

難関資格ということもあり、年収も高いイメージがありますが、実際税理士の平均年収というのは働き方や年齢、個人のスキル面で大きく変わってきます。

また、すでに税理士として働いている方は、管理職や独立開業などでさらなるキャリアアップを考えている方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな税理士の年収について、年齢別、合格科目別で詳しく解説していきますので、税理士としてさらなるレベルアップを考えている方はぜひ最後までお付き合いください。

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目次

税理士の年収は何で変わってくる?

税理士の年収は300万円台~1000万円超えなどとても幅広い範囲で変動します。
さらには独立開業をすることで年収2000万円を超える税理士というのも実在します。

ではなぜこのような年収の差が生まれるのでしょうか。

税理士の年収は大きく分けて以下の3つの理由から変わってきます。

1.合格科目

2.年齢

3.働き方

ではそれぞれの項目について詳しく解説していきます。

税理士の年収の違い:合格科目

まず税理士になるために必要になってくるのが「税理士資格」です。
税理士資格はとても難関な国家資格であり、合格までの勉強時間は平均して3000時間~5000時間を有すると言われています。

以下は合格科目数別で見た平均年収です。

税理士資格合格数 年収
1科目 約370万円
2科目 約375万円
3科目 約384万円
4科目 約445万円
5科目 約640万円

参照:HUREX 税理士の年収は高い?地方でも高収入が見込める存在感ある仕事は

税理士免許を取得するには全5科目の試験を合格しなければならなく、20代で全5科目を取得している割合は全体の1%ほどと言われています。

多くの場合、そのうちの何科目かを取得した時点で税理士事務所に就職し、残りの科目は働きながら取得するというケースがほとんどです。
そのため、資格の勉強をしながらお金ももらえるという意味ではとても理にかなった働き方と言えるでしょう。

また、無資格の場合だと平均年収が250万円~350万円ほどが相場で、税理士の年収にばらつきがあるのはこういったことが理由としてあります。

税理士の資格を取得することによりもらえる年収も増えていくため、ボーナスの取得額も大きく変わってくるでしょう。

税理士資格取得方法

税理士試験の受験科目は大きく分けて「会計科目」「税法科目」の2つがあります。

2023年の4月から受験資格が緩和され、会計科目は誰でも受験が可能となりました。
税法科目は、学職や資格、職歴などによって受験資格を取得する必要があります。

無事に税理士試験に合格したら、「日本税理士会連合会」に登録を終え、税理士を名乗ることができるようになります。
税理士を目指す際には、税理士資格が必須になってくるため、しっかりと対策を行ったうえで受験することをおすすめします。

税理士の年収の違い:年齢

税理士の年収は年齢によっても大きく差が生まれます。

20代

先ほど説明した通り、税理士になるのは税理士免許が必要なため、20代での取得はとても困難とされています。
そのため税理士の20代での平均年収は約250万円~350万円ほどとされており、資格の有無によってかなり変わってきます。

ですが、20代では経験が浅いため、企業側も即戦力として雇うことは少なく、その人の能力やポテンシャルを買われることがほとんどなので、逆に言えば税理士への転職が狙いやすい年代だと言えます。

一方で、2023年から税理士免許の取得が大きく緩和されるため、20代でも税理士免許の取得ハードルが低くなり、平均年収が上がることが予想されます。
20代での税理士資格取得者はかなり少ないため、税理士免許を取得できた際には企業側からしても貴重な存在として需要が高まることは間違いないでしょう。

また、税理士は高齢化が進んでいるため、たとえ未経験であっても若い世代の需要は今度さらに高まっていくことでしょう。

30代

30代は税理士としてのキャリアをスタートする人が多い年代であり、後半になっていくにつれてBIG4と呼ばれる大手税理士法人への転職や、独立開業を行う人も増えてくる年代です。

30代前半はキャリアをスタートさせることが一番多い年代ということもあり、実務経験がなく税理士資格を取得していない場合でも、2~3科目ほど取得していれば問題なく転職できます。
30代後半は経験を活かしたマーケティングや営業力でさらに市場価値が高まってくる年代であり、転職を考える際にはちょうどいい年代だと言えます。

独立開業をする人やBIG4などが平均年収を上げているため、平均年収としては700万円前後となりますが、300万円~500万円くらいが妥当といえるでしょう。

しかし、大きな違いとしては税理士免許を取得し始めるのが一番多い年代ということ。
しっかりと税理士としての経験を積んでキャリアを築きあげていくことによって、今の環境に固執することなく自由な選択肢が増えてくると言えるでしょう。

40代

税理士の年収のピークは40代とされており、税理士としてのキャリア変動が一番激しいのがこの年代と言えるでしょう。

平均年収は1000万円ほどで、税理士としての経験やスキルなどが評価されるため、より責任の伴う業務を請け負うことも増えてきます。

40代では税理士としての実績はもちろんのこと、管理職を目指すとなるとチームをまとめるスキルも求められるようになるため、新たなキャリアアップを狙うことも可能となってきます。
多くの職業では40代での転職や独立は厳しいことが多いですが、税理士は一番年収の変動が激しい年代で、自分のキャリアアップを狙うのにもってこいの年代と言えるでしょう。

ですが40代での転職となると、リスクもつきものです。
大手税理士法人から中小企業での管理職などに就職する方もいらっしゃいますが、やはり最初は年収がガクンと下がることがほとんどです。
40代では家族を持っている方も多いと思います。

新しい環境へのチャレンジや労働環境の改善を目的に転職をする際には、しっかりと会社の経営状況や待遇を調べたうえで判断することが大切です。

税理士の年収の違い:働き方

税理士の平均年収は、働き方によっても大きく変わってきます。

例えば20代での無資格と税理士免許の取得者とでは任される仕事が変わってきますし、税理士としてキャリアアップを狙う方、管理職としてマネジメント方向に力を入れる方、独立開業をして新たなキャリア形成を計る方など、多岐にわたって働き方が変わってきます。

税理士としてキャリアアップを狙うためには、自分に合った働き方を見つけて行動することが大切です。

若いうちから業績を狙うのか、税理士としての経験を積むことを優先するのか、それぞれのニーズにあった働き方を様々な方向から取捨選択できることは税理士としての強みと言えるでしょう。

税理士として年収アップを狙うには?

税理士としての年収を上げるには様々な方法があります。

一貫して言えることは、税理士としての経験やスキルなどでどの年代でも好きなようにキャリア形成ができるため、自分の努力次第で年収アップを狙うことが十分可能な職業であるということです。

ここでは年収アップを狙うための方法として4つ挙げさせていただきます。

1.BIG4に入社する
2.管理職に就く
3.独立開業する
4.マイナーな税務分野を狙う

年収アップを狙う方法:BIG4に入社する

4大税理士法人と呼ばれるKPMG税理士法人とPwC税理士法人、EY税理士法人、デロイトトーマツ税理士法人の4つがBIG4に該当します。

BIG4では記帳代行や決算業務などは行わず、外形標準課税や過少資本税制など、一般の中小会計事務所では取り扱わないような業務などを経験できるため、それだけ高度な技術が求められます。

また、BIG4のクライアントは外資系の企業やグローバル企業などが多いため、税理士としての技術に加えて英語のスキルも求められるようになります。
一般的にはTOEIC800点以上が基準となり、語学が長けていれば経験が浅くても採用してくれるチャンスは十分にあるでしょう。

そんなBIG4ですが、税理士法人の正確な平均年収は公表されていません。
ですが、事業規模等から考えてBIG4の平均年収は800万円~900万円ほどになるため、企業税理士としてはかなり年収が高いと言えます。

加えて、BIG4では税理士免許を取得してない方でも、会計事務所で経験を積んだ方や、税理士免許の科目合格などの採用も行っているため、5科目取得していない場合でも十分狙えると言えるでしょう。

年収アップを狙う方法:管理職に就く

税理士としての経験を積んだ後は、マネージャーなどの管理職に就いて年収アップを狙うこともできます。
目安として一般的にはスタッフとして3~4年、シニアスタッフとして4~6年程度の勤務実績があればマネージャーを狙えると言われています。

管理職は主に、一般職スタッフとシニアスタッフを合わせたチームを管理する役職で、マネジメント能力やチームを引っ張っていく責任感などが重視されます。
主にチームのマネジメントや部下の案件レビュー、新案件の獲得など、税理士としての役割プラスαでの活躍が期待されます。

ですが給料面でも評価を受けることができ、企業によっては年収800万円~1200万円ほどを狙うことも十分可能でしょう。

管理職を目指すのであれば、それなりの実績や経験、コミュニケーション能力や営業力なども必要になってくるため、日々の業務内容以外に会社へ貢献できるところを伸ばしていくことをおすすめします。

年収アップを狙う方法:独立開業する

税理士として年収アップを狙う方法として、独立開業する方法があります。
独立開業を行えば必ず稼げるというわけではありませんが、年収1000万円以上を狙うならぜひとも視野に入れておきたい方法の1つと言えるでしょう。

税理士として独立開業すると、顧客や働き方など、自分で好きなように決められるというメリットがあります。
実績やスキルさえあれば年齢問わず独立開業ができるため、自分の好きな働き方をしたいという方にはとてもおすすめです。

一方で、税理士の独立開業は年々ライバルも増えつつあり、競争の激化も問題視されているため、独立開業を考える際には自分の強みや、営業力なども鍛えていく必要があります。

年収アップを狙う方法:マイナーな税務分野を狙う

税理士と言っても業務内容は様々で、関わる分野によってそれぞれ専門的な知識を求められます。

税理士としての年収アップを考えるなら、マイナーな税務分野を狙うのもありでしょう。
例えば相続税申告業務や専門業種対応などは、あまり税理士の競争が激しくなく、クライアントからの需要が高まる分野でもあります。

マイナーなだけあり実績を積むには企業を選ばなくてはいけないことも出てきますが、一度習得してしまえば需要が衰退しずらいためとても狙い目な分野だと言えるでしょう。

女性でも税理士を目指せる?

結論から言いますと、女性でも税理士を目指すことは十分に可能です。

統計調査によると、女性の公認税理士の平均年収は約730万円ほどで、税理士はクライアントと直接かかわるパートナー的な存在のため、女性の方が相談しやすいといった需要も確かにあります。

ですが、女性には出産や育児休暇などの大きなイベントごとがたくさんあるため、そういった福利厚生の面で自分に合った企業選びも大切になってきます。

再就職がしやすい職業ということもあるため、しっかりと下調べをしながら税理士を目指すことをおすすめします。

税理士としてのキャリアアップを目指そう!

今回は、税理士の平均年収は分野別で大きく変わってくるということ、税理士としての分野別キャリアアップ方法を解説しました。

年収アップの近道としては、年代にとらわれず常に実績と経験を積み上げていく覚悟を持つことです。
自分の年齢ややりたいことにあった働き方を選ぶことが長くキャリアを築いていくうえで一番大切になってきます。

また、税理士の高齢化が進む一方で、税理士資格の取得ハードルも下がりつつあるため、税理士としてどういった働き方をしたいか今一度見直し、若いうちからキャリアアップを目指していきましょう!

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