2023年の5月場所で、突如電撃引退を発表した「逸ノ城」。
力士として活躍していた逸ノ城ですが、気になる年収・退職金はいくらなのでしょうか?
年収の内訳についても調査しました。
逸ノ城とは?
逸ノ城のプロフィールは以下のとおりです。
- 氏名:三浦駿(みうらたかし)
- 出身地:モンゴル(アルハンガイ県)
- 生年月日:1993年4月7日
- 年齢:30歳(2023年現在)
- 所属部屋:湊部屋
- 身長:194cm
- 体重:219kg
- 得意技:右四からの寄り
逸ノ城はモンゴルの遊牧民の出身で羊や山羊を飼いながら生活していたそうです。
幼い頃からモンゴル相撲をしていて、14歳の時にアルハンガイ県で優勝。
柔道の経験もあるといいます。
ちなみに、遊牧民出身の力士は逸ノ城が初とのこと!
逸ノ城と相撲の出会い
鳥取城北高校の相撲部監督に見出されて相撲留学したため、高校生になってから相撲を始められたとのこと。
照ノ富士とは、来日した飛行機と高校の寮が同じ仲だったそうですよ!
高校生の時のあだ名は「イチコ」で、女子部員にも勝てないほど弱かったそう。
しかし、不調で稽古が出来ない時も四股を踏み続けて強くなったのだとか!
高校卒業後から入幕まで
高校卒業後は日本語の能力を高めるため、鳥取県体育協会に所属し、2013年に全日本実業団相撲選手権大会で実業団横綱を獲得。
その後、幕下の資格を取得し湊部屋に所属しました。
「逸ノ城」という名前は、逸材の「逸」と、鳥取城北高校の「城」から名づけられたといいます。
ちなみにモンゴルでの名前は「アルタンホヤグ・イチンノロブ」。
現在は日本に帰化し、湊親方から「三浦」姓をもらい、三浦駿(みうらたかし)という名前をお持ちです。
初土俵2014年の1月場所では勝利。
3月場所は6勝1負けの好成績で十両に昇進しました。
幕下から4場所で入幕の速さは、相撲界で史上2位なのだそうです!
華々しい活躍
9月場所では6連勝し、大関・稀勢の里と豪栄道、横綱・鶴龍に勝利。
白鵬と優勝争いをしました。
幕下デビューから5ヵ月で関取と横綱に勝利するのは最速記録。
殊勲賞と敢闘賞を受賞しました。
11月場所ではついに関脇に昇進。
相撲界のファンからは横綱への期待の声も多かったそうですが、本来、逸ノ城は目立たず優しく大人しい性格。
短期間で大きな注目を浴びたストレスから帯状疱疹を発症してしまいます。
さらに、持病の腰痛や椎間板ヘルニアも発症。
2022年7月場所では横綱・照ノ富士と大関の貴景勝に勝利し、幕内優勝しました。
しかし、2023年5月場所で突如引退を発表。
電撃引退にはファンから驚きの声も多かったとのこと。
引退理由は、腰痛がひどくなり歩くのも痛くなってしまったからだそうです。
電撃引退
逸ノ城は「今後について未定」と話しています。
断髪式も未定とのこと。
引退を決めたのは発表の2日前で、急な出来事だったようです。
逸ノ城の引退は酒癖の悪さも関係しているとも推測されています。
普段は穏やかな逸ノ城ですが、お酒を飲むと横暴になってしまうのだとか。
アルコール依存症や女将への暴力も噂されています。
そのため湊親方と確執が生まれてしまい話し合いもできず、逸ノ城は「弁護士を通してください」と関係はギスギスしているようでした。
力士の花道ともされる断髪式をすると、大きな収益が生まれます。
断髪式は通常の場合、親方や相撲部屋の関係者がしてくれるそう。
しかし逸ノ城は引退後、一人で後援者であるタニマチへ挨拶回りをしているのだとか。
逸ノ城の今後は不安定な状況ですね。
力士の年収は?
力士の平均年収は2000万円以上と言われていますが、他のプロスポーツ選手と同様、活躍によって金額は大きく違います。
力士の収入は番付によって大きく変動します。
相撲界の格付けは以下のようなピラミッド型で約800名の大人数で構成されています。
力士全体の90%を占める幕下以下には給料が支払われていません。
関取は番付による固定給が日本相撲協会から毎月支給され、手当、褒賞金、懸賞、補助金、出張手当、力士補助金なども貰えます。
逸ノ城の年収
逸ノ城は2022年7月まで「前頭」でしたが、優勝して「小結」に昇進しました。
幕内力士の月収は、以下のとおりです。
- 横綱:300万円
- 大関:250万円
- 関脇、小結:180万円
- 前頭:140万円
- 十両:110万円
年収に換算するとこちら。
- 横綱:3600万円
- 大関:3000万円
- 関脇、小結:2160万円
- 前頭:1680万円
- 十両:1320万円
関取70人だけ給料があるので、相撲界は限られた人のみ高額な年収であるのが分かりますね。
その他、「タニマチ」とよばれる支援者からのご祝儀、CMや各種イベントへの出演料などを含めると、総収入は十両で年間約2000万円、人気力士であれば1億円を超えるといわれています!
力士の収入の特徴
力士の特徴として、人気と実力があればどんどん収入が増えますが、一人前とされる十両以上の番付までは収入がかなり少ないです。
しかし、幕下力士は相撲部屋で共同生活をしているので家賃や食費はかかっていません。
力士は公益財団法人の職員という立場になるため、健康保険や厚生年金の被保険者になり、番付の低い力士であっても社会保険の恩恵を受けられるんですよ。
大多数をしめる幕下以下の力士には固定給がなく、収入は年6回開催される本場所ごとに支払われる手当のみ。
場所手当は以下のとおりです。
- 幕下:16万5千円
- 三段目:11万円
- 序二段:8万8千円
- 序ノ口:7万7千円
年収に換算するとこちら。
- 幕下:90万円
- 三段目:60万円
- 序二段:48万円
- 序ノ口:42万円
そのほか、奨励金も本場所での成績により支払われます。
幕下以下の番付でも優勝賞金は10万円~50万円ほどもらえます。
優勝すると様々な賞を獲得でき、副賞によりお金を貰えます!
相撲界では本場所で優勝する以外に、殊勲賞・敢闘賞・技能賞があり、それぞれ200万円の賞金が貰えます。
また、食べ物や講演会の関係者からご祝儀をもらえることも。
関取になると、化粧まわしや新しい締め込み、明け荷が必要になりますが、それに十分足りるご祝儀も貰えるとのこと。
さらに、所属部屋が大部屋から個室になり付き人がつくそうです。
懸賞金とは?
取組ごとに懸賞があり、広告の懸賞旗が土俵の周りをまわりますよね。
1本の懸賞旗には7万円の広告費が支払われていて、力士は3万円を現金で受け取っています。
懸賞金のうち1万円は相撲協会の運営費に充てられ、3万円は納税分として力士名義の預かり金となり天引きされるとのこと。
天引きされた余剰金は引退時に支払われるため、6万円は力士のものになります。
人気の力士には多くの懸賞旗が出るので、懸賞だけでかなりの金額を貰えます。
逸ノ城の年収の内訳は?
優勝賞金や引退金を含めるとかなりの金額になることが予想されますね。
逸ノ城は幕下で初土俵を踏み、2位の4場所で幕入を果たしました。
幕内では優勝争いにも加わっており、まさに逸材。
3月場所では十両で優勝し「前頭」に昇進して再入幕しました。
初土俵の2014年以降順調に上り詰め、2017年の11月場所で関脇まで昇進したものの、怪我や体調不良により幕内と十両を往復しました。
2022年3月場所で十両優勝を果たし2場所ぶりに幕内復帰するも、2022年7月場所では負け越し。
2022年7月場所で逸ノ城の番付は「小結」でした。
小結の月収は180万円、年収は2160万円。
それまでの階級は「前頭」でした。
前頭の年収は1680万円。
そして優勝賞金や懸賞金もプラスされます。
逸ノ城は幕内優勝が1回、十両優勝が2回、殊勲賞を3回獲得。
殊勲賞は200万円と言われていますので、合計で3600万円貰っていることになります。
具体的な懸賞金は不明ですが、懸賞金も沢山もらっていることでしょう。
逸ノ城の退職金は?
力士には退職金がありません。
しかし、力士が引退する時には退職金・引退金に相当する「養老金」制度が存在します。
養老金には「基本金」と「勤続加算金」があり、それぞれ十両以上の力士の引退時に支給されます。
養老金は番付や場所数によっても変わり、幕内として連続20場所以上、通算25場所以上の力士にのみ支給される制度です。
十両以上の実績があれば一定の金額が支給されます。
養老金の基本金は以下のとおりです。
- 横綱:1500万円
- 大関:1000万円
- 関脇、小結、前頭:763万円
- 十両:475万円
1場所ごとの「勤続加算金」はこちら。
- 横綱:50万円
- 大関:40万円
- 関脇、小結:25万円
- 前頭:20万円
- 十両:15万円
横綱として10場所勤続した場合は500万円で、大関であれば10場所勤続は400万円になります。
最終的には十両以上の番付で出場した場所全てを換算します。
出典:https://www.daily.co.jp/sumo/2016/09/12/0009481138.shtml
他には「特別功労金」も貰えます。
特別功労金の支給額は、引退時に理事会の決議によって現役時代の実績から決められます。
具体的な金額は不明ですが、横綱として活躍した貴乃花は1億3千万円、朝青龍は1億2千万円と予想されています。
引退金は階級や在位期間によって変動しますが、逸ノ城の引退金は約6000万円と言われています。
逸ノ城の引退後のキャリア
相撲力士の平均引退年齢は32歳とのこと。
結構若い年齢で力士を辞める方が多いのですね。
勝ち続けなければいけないメンタル面や体力面で消耗が早く、力士の活躍時期は長くはないのかもしれません。
しかし力士として稼いだお金でその後暮らすこともできます。
引退後は親方になったり相撲関係の仕事に就職したりする方、格闘家に転身したり相撲教室を開いたりする方もいます。
3億円ほどで親方株を買って相撲協会に残る場合、親方として高額な給料を貰えますが、親方株は数が限られていますので競争は激しいそうです。
親方の給料は月収50万円と言われているため、親方の年収は600万円になります。
親方への道は?
逸ノ城は親方株(力士が親方になるための資格)を持っていません。
逸ノ城には親方になるキャリアパスがないということです。
相撲は日本の国技で歴史が長く、相撲独自の文化もあります。
年寄株というものを取得すると日本相撲協会で年寄名を襲名でき、相撲協会でも優位に立てるそうです。
役員に選出されて運営にも携われるとのこと。
そして、年寄株を持っていないと親方にもなれません。
今後、逸ノ城が日本でどのような活動をしていくかは不明です。
モンゴルの遊牧民出身の逸ノ城は、相撲界や日本独自の風習を理解するのが難しかったのかもしれません。
相撲界で仕事ができるかは、師弟関係を改善し湊親方と和解できるかがポイントになりそうですね。
まとめ
逸ノ城の年収の内訳や退職金について説明しました。
- 逸ノ城はモンゴルの遊牧民出身、湊部屋の力士
- 逸ノ城は2022年7月場所では「小結」で、年収は2160万円だと予想される
- 幕内力士には固定給、手当、褒賞金、懸賞金、補助金、出張手当、力士補助金などがある
- 幕内力士には退職金に相当する養老金があり、逸ノ城の退職金は約6000万円と言われている
最後までご覧いただきありがとうございました!
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