鳶職の年収はいくら?やりがいや仕事内容について紹介!

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危険と隣り合わせ常に現場で働いている鳶職

日本の安全を守り、社会に貢献している仕事の1つですね。

とてもやりがいも多い一方で、体力を使う作業も多く、大変なイメージはつきますが、「それに見合う年収をもらえるのか?」「実際の鳶職の年収はどのくらいなのか?」が気になる方もいるのではないでしょうか。

ここでは建設業の平均年収地域別の比較鳶職の生涯年収ややりがい年収アップの方法まで詳しくご紹介します。

鳶職を検討している方はぜひご覧ください。
すでに鳶職として働いている方もご自身と比較をしてみてくださいね。

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目次

鳶職(とびしょく)とは?

鳶職(とびしょく)とは、主に建設現場での高所作業に従事する専門職のことを指します。

空を飛ぶ鳥のように高い場所で働くことから、日本では「鳶」という言葉が用いられ、鳶職と呼ばれるようになりました。

日本の鳶職は、足場の組立て、建物の構造物の設置など、高所での危険を伴う作業をし、その後解体まで行っております。

建設現場の安全と作業効率の確保に必要不可欠であり、重要な役割を担っていると言えますね。

鳶職の仕事は、高い技術力と体力を要求され、作業中の安全管理にも細心の注意を払う必要があります

そのため、専門的な訓練を受け、さまざまな安全対策や技術の習得が求められます

ではまず鳶職の種類について見ていきましょう。

鳶職の具体的な職種について

鳶職の種類

鳶職の種類は大きく「鉄骨鳶」、「橋梁鳶」、「足場鳶」、「重量鳶」の4種類に分けることができます。

それぞれの内容をご紹介します。

1.鉄骨鳶(てっこつとび)

  • 鉄骨鳶は、建築物の鉄骨構造を組み立てる仕事です。
  • クレーンで運ばれた鉄骨を所定の位置に設置し、ボルトや溶接で固定します。
  • 高所作業が多いことから、バランス感覚と体力が求められる職種です。

2.橋梁鳶(きょうりょうとび)

  • 橋梁鳶は、名前の通り橋や高速道路等を組み立てる仕事です。
  • 他の鳶職は縦方向に組み立てるのに対し、橋梁鳶は横方向へ組み立てていきます
  • 現場付近は川や海、鉄道なども多いことから、より高度な技術が求められる職種です。

3.足場鳶(あしばとび)

  • 足場鳶は、必要な材料を調達し、建築現場や修繕現場で足場を組み立てる仕事です。
  • 安全かつ効率的に作業ができるように足場を設計し、組み立てます。建築はこの足場鳶から始まります。
  • 基礎となる部分を作ることから、安全管理に関する知識が求められる職種です。

4.重量鳶(じゅうりょうとび)

  • 重量鳶は、設備工事の際、定められた場所に大型機械をクレーンなどで搬入する仕事です。
  • 図面に従って大きな機械を操作することから、繊細な技術が求められる職種です。

 

鳶職といっても様々な種類があることが分かりましたね。
高い所でリスクを伴う作業が多く、安全意識を常に持つことが大切です。

鳶職に就くまでには、専門学校での学習や、現場での実務経験を通じて、必要な技術や知識を身につける必要があるでしょう。

鳶職の平均年収はどのくらい?

いくつかの業種があり高い技術力と体力が求められる鳶職ですが、それに見合った給料が貰えるのか気になるところですよね。
ここでは鳶職の平均年収について解説していきます。

日本の平均年収は?

鳶職の平均年収も気になるところではあると思いますが、まずは日本の平均年収についてみていきましょう。

国税庁の令和4年分(2022年分)「民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は458万円。

また男女で詳しく比較してみてみると男性は563万円、女性は314万円のようです。

正社員の平均給与は523万円、正社員以外の平均給与は201万円と報告されています​。

建設業界の平均年収は?

鳶職の年収も気になるところですが、まずは建設業界の年収をみていきましょう。

建設業界の平均年収について

令和5年(2023年)厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると建設業界全体の平均年収は約533万円

月給平均は36万円、年間ボーナス平均は97万円とされています。

企業規模別では、10人~99人規模の企業の平均年収が463.3万円、100人~999人規模の企業では585.4万円、1000人以上の企業では698.6万円です。

建設業とひとくくりにいっても企業規模によって大きく異なることがわかりますね。

建設業と他業種の給与比較

ここでは建設業の給与は他業種と比較するとどうなのかをみてみましょう。

令和5年(2023年)の厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」のデータを基に比較していきます。

業種 平均月給 (万円) 年間ボーナス平均 (万円) 平均年収 (万円)
建設業 36 97 533
全業種平均 34 88 496
製造業 33 100 503
運輸業、郵便業 34 56 464
金融業、保険業 40 144 627
宿泊業、飲食サービス業 27 34 369

全業種の平均年収と比較すると、建設業の平均年収約37万円高いことがわかりますね。

地域別にみた建設業の年収比較

建設業の平均年収はわかりました。

ここでさらに地域別でも建設業の平均年収を比較してみましょう。

地域 年収
北海道地方 444.5
東北地方 451.1
関東地方 540.4
中部地方 503.0
関西地方 560.2
中国地方 473.3
四国地方 497.5
九州地方 465.6
沖縄地方 496.9

これらをみると関西地方、関東地方の平均年収が高いことが分かりますね。

多少の地域差はありますが、全体的に大きなばらつきはないようです。

建設躯体工事に従事する職種(型枠大工、鳶職、鉄筋作業従事者などを含む)の平均年収は?

前述の建設業界はさまざまな業種が含まれているので、その中でも鳶職についてさらに比較していきましょう。

建設業界の中でも、建設躯体工事に従事する職種(型枠大工、鳶職、鉄筋作業従事者などを含む)の平均年収は約435万円とされています。

建設業全体での平均年収はやや高いですが、中でも鳶職を含んだ建設躯体工事に従事する職種でみてみるとやや低いと言えますね。

男女別の平均年収について

鳶職含め、建設業界は力仕事がメインであることから男性が多いイメージもありますが、男女別の平均年収はどのくらいなのでしょうか?

令和5年(2023年)厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると日本の建設業界における男女別の平均年収は次の通りです。

建設業界の男性の平均年収は562万円、女性の平均年収は379万円。

建設業界では女性の平均年収が男性に比べて約3割低いことが分かります​​ね。

女性の平均年収が男性よりも低い要因は、結婚や出産による早期退職役職の差が考えられます。

特に建設業は体力が求められる仕事ですから、長く勤めるのが難しいのかもしれません。

厚生労働省では職種全体の年収結果は出ておりますが、鳶職単体の平均年収結果はでていません。

そこで鳶職単体での平均年収はどのくらいか推察していきましょう。

鳶職の平均年収について

鳶職の求人情報をみると、鳶職の平均年収は約419万円
月給換算すると35万円、初任給は21万円程度が相場のようです。

また派遣社員の平均時給1,197円アルバイト・パートの平均時給1,199円となっています。

日本の平均年収の458万円と比較するとやや低い傾向にあるようです。

業界・業種の中でも低いように思えますね。

常に危険と隣り合わせの仕事と考えると“危険度の割には意外と低い”と思ってしまいます。

そんな中で働く鳶職の方のやりがいとはいったい何なのでしょうか。

鳶職の生涯年収は?

「賃金構造基本統計調査」の年齢別データを加算した鳶職の生涯年収はこのようになっております。

男性の生涯年収は約1億5608万円、女性の生涯年収は7687万円。

生涯でみてもやや低いように感じますが、理由としては他の業種と比べて退職が早いことが考えられます。

体力仕事がメインであることから、一定の年齢を超えると収入が下がったり、引退する等で、現役でバリバリ働ける期間はどうしても短くなってしまいます

鳶職のやりがいとは?

鳶職は高い所での作業や重い材料の運搬、組立てなど重要な役割を担っていることから、年収が低くても多くのやりがいがありそうですが、具体的にどんなやりがいがあるのでしょうか?

鳶職のやりがいにはスキルアップの実感」、「チームワークでの達成感」、「社会への貢献」、「身体能力の向上」、「危険への挑戦」、「若手職人の育成」が挙げられます。

具体的な内容についてみていきましょう。

スキルアップの実感

鳶職は高度な技術とバランス感覚が要求されるため、成長も感じやすく、大きなやりがいになるようです。

狭い場所や高所での作業を任せられるようになると自分の成長をより実感しますよね。

チームワークでの達成感

建設現場ではチームでの作業が多く、チームメンバーとの協力が不可欠ですね。

お互いにコミュニケーションを取り、危険な場所でも支え合いながら作業を進めることは、達成感がうまれるでしょう。

また、橋梁やビルなどの大きな建設に長い年月をかけて取り組むものほど、完成したときの満足感は大きいようです。

社会への貢献

日本の橋やビルなどを一から建築したり、直していくなど、社会へ貢献している実感も感じられるようです。

建築した後、“これを自分が作ったんだ”という気持ちになりますよね。

身体能力の向上

鳶職は強そうな人が多いというイメージ通り、体力を使う仕事なので、日々の作業を通じて身体能力が自然と向上していきます。

仕事が筋トレみたいなものかもしれません。
働きながら筋トレできるなんて、体力づくりしたい人にはもってこいですね

健康で強い体を維持できることも、鳶職の仕事の一つのようです。

危険への挑戦

高所作業など危険を伴う作業も多い仕事ではありますが、それを乗り越えることで得られる達成感は大きいようです。

スリリングさもありつつ、安全に作業できたときはやりがいを感じますよね。

怖いことが苦手な人は難しそうです。

 

若手職人の育成

下積み時代は大変なイメージがありますが、それを乗り越えて経験を積んだ鳶職は、若手職人の指導者の役割を担うことがあります。
若手職人を育成し、自分の知識と技術を伝えていくことは、次世代への貢献として大きなやりがいを感じるでしょう。

現場は厳しい縦社会のようにも思えますので、教える側になったときに、ついに自分も教える立場になったんだなと実感することもありそうですよね。

このように鳶職は多くのやりがいがあるようです。

低めの年収ではある一方で、気持ち的な面での成長や達成感を大きく感じる仕事です

 

鳶職の収入をアップさせるには?

鳶職人として、やりがいはあるとはいえ「年収をアップさせたい」「年収をアップするためにはどうしたらいい?」と考える人も多いはずです。

そんな方向けに収入をアップさせる方法を紹介します。

技術・資格を身につける

鳶職は会社員や公務員の年功序列とは異なり、完全に実力主義です。

日々の業務の中で技術を磨けば磨くほど評価をしてくれるでしょう。

特に、特殊な資格を持つ鳶職は、より評価され様々な現場で働くことができます

資格を取得し、専門性を高めることも重要になってきますね。

では鳶職人はどのような資格を取得していると良いのでしょうか。

 

具体的な資格

  • 玉掛け技能講習(クレーンを動かす現場で活躍)
  • 足場組立て等作業主任者(足場の組み立てと解体の際に活躍)
  • 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者(5m以上の鉄骨を扱う建物建設に関する足場の組み立て・解体作業の作業主任者)
  • とび技能士1〜3級(国家資格)               など

 

これらの資格があると、他の鳶職人とは差が付き年収アップにつながります

資格手当がある会社もあるようなので、持っていて損はないですね。

 

経験を積む

会社員のような年功序列ではないものの、経験年数が多いほど、より複雑でより高度なプロジェクトに携わることができます。

様々な現場で経験を積み実績を作ることで年収アップにつながりますね。

独立して業務を行う

少しハードルは高いと感じますが、自分で事業を立ち上げ、独立して業務を請け負うことで、より高い収入を得ることが可能です。

独立後の平均年収約500万円から600万円と言われており、年収1,000万円を超える人もいるようです。

ただ開業資金やノウハウも必要ですので、資格や経験を積んだのちに独立することをおすすめします

専門性を身につける

特定の建築スタイルや技術に特化することで、その分野で高い需要を得ることができ重宝されるようです。

例えば、伝統的な木造建築や現代的な高層ビル建設などですね。幅広い知識を身につけた後に自分に何が向いているか見極めて、

特定の分野に特化した技術知識を1つ身につけることも良いかもしれません。

まとめ

これまで鳶職の平均年収をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

鳶職の平均年収は他の業種と比較すると危険と隣り合わせの仕事であるにもかかわらず「やや低い」と言えます。

しかし、資格を取得したり、スキルを磨くことで大きなプロジェクトに携わる機会も増えるので工夫次第では年収アップの道もあります。

年収はやや低いとはいえますが、鳶職の仕事は他業種の仕事に比べてやりがいも多い仕事であることが分かりました。

長い年月をかけて建築していく中での達成感など、気持ち面での満足感は大きい仕事のようですね。

とはいえ、鳶職の仕事は体力を使うことからも若手が必要であり、少子高齢化の今だからこそ、よりよい労働環境になっていくことが大事になるでしょう。

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