パイロットは「高収入の職業」の代表格として、子どもの将来の夢から大人の転職先まで、幅広い世代の関心を集めてきました。実際に厚生労働省のデータでは、パイロットの平均年収は1,600万円とされ、日本人の平均年収を大きく上回っています。憧れを抱く人が多い一方で、「実際にどれくらい稼げるのか」「役職や年代でどう変わるのか」「就職先によって差はあるのか」といった具体的な疑問に、はっきり答えてくれる情報は意外と多くありません。
この記事では、パイロットの年収・月収を、役職別・年代別・男女別・就職先別といった複数の切り口から、公的データをもとに整理しました。あわせて、医師や弁護士といったほかの高収入職業との比較、パイロットになるための資格やルート、年収を上げるための具体的な方法までを、図解を交えて解説します。パイロットという職業の収入の全体像を一枚の地図のように把握できる内容を目指しました。
なお、本記事で扱う年収・月収・人数などの数値は、すべて厚生労働省「日本版O-NET」や国税庁の統計、各種公的資料に基づく公表値です。図解もこれらの数値を視覚化したものであり、根拠のない推測値は用いていません。パイロットへの就職・転職を検討している方はもちろん、職業としての収入構造に関心がある方も、ぜひ参考にしてみてください。
パイロットの平均年収はいくら?
パイロットの平均年収は、厚生労働省のデータによると1,600万円です。年収にはボーナスも含まれているため、実際の毎月の支給額とは一致しませんが、単純に12か月で割るとひと月あたりの給料はおよそ133万円という計算になります。一般的な会社員の月給と比べると、まさに桁違いの水準だと言えるでしょう。
この金額がどれほど高いのかは、日本全体の平均と並べてみるとよく分かります。国税庁による「令和4年民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は458万円。パイロットの平均年収1,600万円は、これの実に3倍以上にあたります。下のグラフは、日本人の平均年収とパイロットの平均年収を並べたものです。バーの長さの差が、そのまま収入水準の違いを表しています。
| 日本人平均 | ██████ | 458 |
| パイロット | ██████████████████████ | 1,600 |
もっとも、この1,600万円という数字はあくまで全体の平均値です。パイロットの年収は、役職・年代・男女・就職先といった条件によって大きく変動します。同じ「パイロット」という肩書きでも、駆け出しの副操縦士と、長年の経験を積んだ大手航空会社の機長とでは、収入に二倍以上の開きが生じることも珍しくありません。ここからは、それぞれの条件別にパイロットの年収を詳しく見ていきましょう。
また、同じ航空業界で働く人の収入が気になる方は、大手航空会社の給与水準をまとめたANAの平均年収の記事も、パイロットの年収を理解する手がかりになります。航空会社という「組織全体」の給与体系のなかに、パイロットという職種がどう位置づけられているのかを掴むことができます。
パイロットの役職別の平均年収
パイロットには、大きく分けて機長と副操縦士(副機長)という役職があります。同じコックピットに乗り込む立場でありながら、担う責任の重さが異なり、それが年収にもはっきりと反映されています。
機長は、飛行機の操縦に関するすべての責任を背負う立場です。事前に組まれたフライトプランに沿って操縦を行うことはもちろん、キャビンアテンダント(客室乗務員)への指揮をとることも仕事のうちに含まれます。乗客・乗員の命を預かる最終責任者であり、その重責に見合って機長の年収は2,000万円以上と高い傾向にあります。一般的には副操縦士として経験を積んだうえで機長へと昇格しますが、昇格には試験などを通過する必要があり、年数を重ねれば誰でもなれるというわけではありません。パイロットを志す多くの人が憧れる、まさに到達点というべきポジションです。
一方の副操縦士は、主に機長のサポートが仕事の中心となります。航空管制官との通信を担当したり、機長に代わって操縦を行ったりすることも業務のひとつです。副操縦士の年収は1,000万〜1,500万円程度とされており、機長には及ばないものの、この時点で既に日本人の平均年収を大きく上回っています。副操縦士もまた、専用の訓練を経て資格を得なければ就けない、簡単になれる役職ではありません。下の図は、副操縦士と機長の年収レンジを並べたものです。機長になることで、年収の下限・上限ともに大きく引き上がる構造が読み取れます。
| 副操縦士 | ████████████████████ | 1,000〜1,500 |
| 機長 | ██████████████████████ | 2,000以上 |
パイロットの年代別の平均年収
パイロットの年代別の平均年収を、厚生労働省による職業情報提供サイト「日本版O-NET」のデータを参考にまとめると、次の表のようになります。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代 | 307〜945万円 |
| 30代 | 1,092〜1,322万円 |
| 40代 | 1,751〜2,086万円 |
| 50代 | 2,366〜2,530万円 |
| 60代 | 1,320〜1,081万円 |
この表からは、パイロットの年収が年代を重ねるごとに上昇し、50代でピークを迎えるという、はっきりとした右肩上がりの傾向が読み取れます。同じ動きをグラフにすると、その伸び方がより直感的に分かります。下の図は、各年代の年収レンジ(最小〜最大)を横棒で示したものです。20代から50代にかけてバーがぐんぐん右へ伸び、60代でやや縮む様子が一目で確認できます。
| 20代 | ██████████████████████ | 307〜945 |
| 30代 | ████████ | 1,092〜1,322 |
| 40代 | ████████████ | 1,751〜2,086 |
| 50代 | ██████ | 2,366〜2,530 |
| 60代 | ████████ | 1,081〜1,320 |
注目したいのは、20代のスタート地点です。20代前半では平均307万円からのスタートとなりますが、これは訓練期間や経験の浅さを反映したもの。それが20代後半には945万円まで跳ね上がり、この時点で既に日本人の平均年収を大きく上回ります。20代の10年間だけで年収が3倍近くに伸びる職業は、そう多くありません。長く続けることで役職が上がり、各種手当が積み重なっていく構造が、この急カーブの背景にあります。
60代で年収がやや下がるのは、定年や役職定年により第一線のフライトから退くケースが増えること、勤務形態が変わることなどが影響していると考えられます。それでも60代の平均年収は1,000万円を超えており、生涯を通じて高い収入を維持しやすい職業であることに変わりはありません。
パイロットの男女別の平均年収
パイロットの平均年収を男女別に見ると、その差は非常に大きくなっています。男性は1,736万円と高い水準であるのに対し、女性は547万円。実に1,000万円以上もの開きがあります。この差が生まれる主な理由としては、産休や育休によるフライトタイム(飛行時間)の減少が挙げられます。パイロットの収入は飛行時間に連動する手当の比重が大きいため、ライフイベントによる勤務の中断が、そのまま年収に表れやすい構造になっているのです。
| 男性 | ██████████████████████ | 1,736 |
| 女性 | ███████ | 547 |
また、パイロットは大半が男性で占められており、女性のパイロットは全体の1%程度しかいません。近年は女性の社会進出を背景に女性パイロットの割合も増加傾向にありますが、依然として男女比には大きな差があります。
女性が少ない理由のひとつとして考えられるのが、身体条件です。令和6年度の航空大学校学生募集要項では、出願資格として身長158cm以上という条件が記されています。このことからも、パイロットの試験には一定の身体条件が設けられていることがうかがえ、小柄な女性にとっては身長要件が壁となり、選択肢が狭まっている可能性も指摘できます。とはいえ、身体条件をクリアして第一線で活躍する女性パイロットは確実に増えており、男女差は今後さらに縮まっていくことが期待されます。
就職先によるパイロットの年収の違い
ひとくちにパイロットといっても、その活躍の場は旅客機だけではありません。自衛隊や海上保安庁といった官公庁に所属するパイロット、報道や物資輸送を担うヘリコプターのパイロットなど、就職先は多岐にわたります。そして当然ながら、就職先によって年収には違いが生じます。ここからは、主な就職先ごとのパイロットの年収を見ていきましょう。下の図は、就職先別の年収レンジをまとめて並べたものです。大手航空会社が頭ひとつ抜けている一方、どの就職先でも日本人の平均年収を上回っている点に注目してください。
| 大手航空会社 | ████ | 1,850〜1,980 |
| LCC | █████████████ | 1,000〜1,400 |
| 自衛隊・海保 | ███████████ | 650〜1,000 |
| 民間ヘリ | ██████████████████████ | 300〜1,000 |
大手航空会社のパイロットの平均年収
飛行機に乗ったことのない人でも名前を知っている、ANA(全日本空輸株式会社)やJAL(日本航空株式会社)。これらが日本を代表する大手航空会社です。こうした大手航空会社に勤めるパイロットの平均年収は、1,850〜1,980万円程度となっています。就職先別で見ると、最も高い水準です。
国内最大規模を誇るANAや、日本で最も長い歴史を持つJALは、会社としての規模も大きく、ブランド力も抜群です。年収が高いだけでなく安定性や福利厚生も整っているため、「ここで働きたい」と考える人が後を絶たず、必然的に採用倍率も高くなります。就職難易度が高い分、業界知識を蓄えておくことに加えて、入念な企業研究が欠かせません。航空大手の給与体系や評判をより深く知りたい方は、ANAの平均年収を年齢・学歴別に解説した記事も、対策の材料として役立ちます。
LCCのパイロットの平均年収
LCCとは「Low Cost Carrier」の略称で、いわゆる格安航空会社のことを指します。日本国内では、スターフライヤーやスプリング・ジャパンなどが知られています。こうした格安航空会社のパイロットの平均年収は、おおよそ1,000〜1,400万円です。先述した大手航空会社と比較すると低めの水準ではありますが、それでも日本人の平均年収を大きく上回っています。「運賃が安いから給料も安い」というイメージを抱きがちですが、実態はまったく異なるのです。
むしろLCCには、大手にはない利点もあります。JALやANAと比べて昇格しやすいと言われており、早く機長を目指したい人にとっては魅力的な選択肢になり得ます。組織の規模が大手ほど大きくない分、若手にチャンスが回ってきやすい環境だと言えるでしょう。なお、LCCを志望する場合でも、業界知識をしっかり身につけておくことが選考突破の鍵となります。
自衛隊や海上保安庁のパイロットの平均年収
自衛隊や海上保安庁のパイロットとして働く場合、その身分は公務員になります。旅客機のパイロットとは役割が大きく異なり、事故や災害が発生したときに人命を救助するために飛ぶ、という使命を帯びた職業です。
公務員の給料は法律によって定められており、年齢や階級に応じて年収が決まります。基本となる給与に飛行手当や航空手当が加わることで収入は底上げされ、平均年収は650〜1,000万円程度と高い傾向にあります。自衛隊のパイロットには戦闘機パイロットやヘリコプターパイロットなどさまざまな種類がありますが、機種による年収の違いはありません。また、海上保安庁のパイロットは乗船手当に加えて航空手当も支給されるため、一般の乗船員よりも年収が高くなる仕組みです。公務員ならではの安定した身分と、人命救助という社会的意義の大きさが、この就職先の特徴と言えるでしょう。自衛隊の給与体系を階級別・学歴別にさらに詳しく知りたい方は、自衛隊の年収・給料事情を網羅した記事もあわせて確認してみてください。
民間のヘリコプターのパイロットの平均年収
遊覧飛行をはじめ、報道取材や物資輸送など、さまざまな民間企業に所属して活躍するのが、ヘリコプターのパイロットです。勤める企業によって年収は大きく異なりますが、慢性的な人員不足を背景に、日本人の平均年収よりも高い傾向にあります。ベテランになると、平均年収はおおよそ800〜1,000万円程度に達します。
ただし、ヘリコプターパイロットの年収は、所属する企業だけでなく操縦スキルにも大きく左右されるのが特徴です。そして、そのスキルは飛行時間の長さで判断されます。経験が浅い駆け出しの頃の平均年収は300万円程度と決して高くはなく、最初から高収入を狙える職種ではありません。飛行時間を着実に積み重ね、スキルを証明していくことで、初めて高い年収へとつながっていくのです。同じパイロットでも、就職先によって収入カーブの描き方が大きく異なる点は、進路を考えるうえで押さえておきたいポイントです。
パイロットの年収を他の高収入な職業と比較
パイロットのほかにも、世の中には高収入と言われる職業が数多く存在します。医師、弁護士、大学教授といった、いわゆる「難関職業」たちです。パイロットの年収は、これらの職業と比べてどのあたりに位置するのでしょうか。日本版O-NETのデータをもとに比較してみましょう。
| 職業 | 平均年収 |
|---|---|
| パイロット | 1,600万円 |
| 医者 | 1,428万円 |
| 大学教授 | 1,065万円 |
| 弁護士 | 971万円 |
| 税理士・公認会計士 | 746万円 |
表を見れば一目瞭然ですが、パイロットの平均年収1,600万円は、これら高収入職業のなかでもトップに位置しています。誰もが高収入だと認める医師(1,428万円)を上回り、弁護士(971万円)と比べると600万円以上も高い水準です。同じデータをグラフにすると、パイロットがいかに抜きん出ているかがより鮮明になります。
| パイロット | ██████████████████████ | 1,600 |
| 医者 | ████████████████████ | 1,428 |
| 大学教授 | ███████████████ | 1,065 |
| 弁護士 | █████████████ | 971 |
| 税理士・会計士 | ██████████ | 746 |
表に並んだ職業は、どれも就職難易度が高く、資格の取得や高度な専門知識・技術を必要とするものばかりです。これらの職業が高収入である理由のひとつには、責任が重く、心身への負担も大きいという共通点があります。パイロットはまさにその典型で、何百人もの乗客の命を預かり、長時間にわたるフライトをこなすことは、肉体的にも精神的にも極めて過酷な仕事です。高い年収は、その重責と引き換えに支払われる対価だと言えるでしょう。
なお、比較対象として挙げた職業については、それぞれ個別に年収の内訳を解説した記事もあります。たとえば弁護士の平均年収を年代別に整理した記事を読むと、同じ高収入職業でも、年収が伸びるタイミングやキャリアの積み方がパイロットとはまったく異なることが見えてきます。複数の職業を横断的に比較したい方は、年収が高い職業ランキングの記事も俯瞰的な視点を与えてくれます。
パイロットになるにはどうすればいいのか?
これだけ高収入なパイロットですが、その道のりは決して平坦ではありません。パイロットになるには、一般的にパイロット養成の課程がある大学に入学するか、航空会社に入社したのちに養成訓練を受けるかのいずれかのルートをたどります。いずれの場合も、数多くの試験を突破し、必要な資格を取得しなければなりません。ここでは、パイロットになるために必要な資格と、就職実績のある大学について解説します。
パイロットになるための必要な資格
旅客機を操縦するパイロットになるためには、「事業用操縦士」という資格が必要です。これはビジネス目的で飛行機を操縦するために不可欠なライセンスです。操縦士の資格はこれだけではなく、ほかにも「自家用操縦士」や「定期運送用操縦士」など、複数の種類が存在します。
名称が示す通り、自家用操縦士はビジネス目的ではなく、自分自身が飛行機を操縦するための資格です。一方、定期運送用操縦士は、航空関係のライセンスのなかでも最も難しいとされる最高峰の資格で、定期運航する大型旅客機の機長になるためには、この資格が必須となります。
定期運送用操縦士の資格は、いきなり取得できるものではありません。まず事業用操縦士の資格を取得し、そのうえで一定の飛行経験を積むことで、ようやく受検資格が得られる仕組みになっています。つまり、機長というゴールに到達するまでには、資格を段階的に積み上げていく長い道のりが待っているのです。
パイロットの就職実績がある大学
パイロットを目指すうえで一般的な就職ルートとなるのが、パイロットの就職実績がある大学に通うことです。ただし、日本国内にはパイロットの養成コースを設けている大学は少なく、その数は限られています。
たとえば、千葉科学大学や桜美林大学にはパイロット養成コースがあり、パイロットになるための専門知識を学んだり、実際の飛行訓練を受けたりできるのが特徴です。また、日本で最初にパイロット養成コースを設けた東海大学では、ANAや国土交通省からの支援を受けながら教育が行われています。
大学によって学べる内容や、飛行訓練を受けられる場所、カリキュラムの構成などは大きく異なります。進学先を選ぶ際には、自分の希望する就職先や学びたい分野と照らし合わせ、本当に自分に合っているのかをよく検討することが重要です。学費も決して安くはないため、卒業後のキャリアまで見据えた慎重な判断が求められます。
パイロットのキャリアアップをするには
パイロットとしてキャリアアップを果たすには、豊富な実務経験と高度な専門知識が欠かせません。一般的に、副操縦士からスタートして最終的に機長になるまでには、10〜15年程度の年月がかかるとされています。何百人もの命を預かる機長という立場には、それだけの経験と信頼の蓄積が求められるということです。下の図は、パイロットの基本的なキャリアの流れを示したものです。各段階を着実に積み上げていく、長期戦のキャリアであることが分かります。
このように、パイロットはとんとん拍子に昇進できる職業ではありません。一段ずつ着実にステップを踏んでいく、忍耐力の必要なキャリアだと言えます。しかし近年は、状況に変化も生まれています。世界的にパイロット不足が深刻な問題となっており、その背景には飛行機の小型化や格安航空会社の増加があります。便数が増える一方でパイロットの供給が追いつかないため、若手パイロットの短期養成や、高待遇によるパイロットの確保が積極的に行われるようになりました。パイロットが潤沢にいた時代と比べると、現在はキャリアアップのチャンスがつかみやすくなっているとも言えるでしょう。
パイロットとしての年収を上げるには
パイロットの年収は、キャリアアップによって着実に上がっていきます。副操縦士から機長へと昇格すれば、前述の通り年収は大きく跳ね上がります。しかし、年収を上げる方法は役職の昇格だけではありません。
ひとつは、フライトの内容です。国内線の短距離フライトよりも、国際線の長距離フライトのほうが勤務時間が長くなり、それに応じて手当も多くつくため、収入アップにつながります。長時間のフライトは体力的にハードですが、その分が報酬に反映される仕組みになっているのです。
もうひとつは、勤務先や操縦する機種の選択です。国内の航空会社とは異なり、海外の航空会社に勤めると、操縦する機種によって収入が変わってきます。小型機種と大型機種では、同じフライト時間でも大型機種を操縦するほうがより多くの収入を得られる仕組みになっているのが特徴です。つまり、より大型の機材を扱える資格と経験を積むことが、収入アップの一手になります。
こうした年収アップの道筋を考えるうえで、客観的に「いま自分の経験やスキルがどれくらいの市場価値を持つのか」を把握しておくことは欠かせません。航空業界は専門性が高く転職市場が特殊なため、業界事情に精通したプロの視点を借りることで、見落としていた選択肢や好条件のポジションが見えてくることもあります。次のセクションで、航空業界・専門職の転職に強いサービスを紹介します。
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パイロットに関するよくある質問
ここからは、パイロットという職業に関してよく寄せられる質問にお答えします。身近にパイロットがいれば直接話を聞くこともできますが、なかなかそうもいきません。パイロットの仕事について抱きがちな疑問を、ひとつずつ解消していきましょう。
パイロットの将来性は安定している?
記憶に新しいのが、新型コロナウイルスの影響です。数年前のコロナ禍では国際線が大幅に停止され、パイロットの仕事は激減しました。しかし現在では旅客数も回復傾向にあり、一度は減少したパイロットの需要も、コロナ前の水準に戻りつつあります。
むしろ中長期的に見れば、パイロットの将来性はむしろ明るいと言えます。若手人材の減少や、前述した格安航空会社の増加・飛行機の小型化などにより、航空業界は深刻な人材不足を抱えており、世界的にパイロットの需要は今後さらに高まっていくと予想されています。加えて、パイロットの仕事をAIに完全に置き換えることは技術的にも制度的にも困難だと考えられています。離着陸時の繊細な判断や、不測の事態への臨機応変な対応は、依然として人間の操縦士に委ねられているのです。これらの点から、パイロットは将来にわたって安定した職業だと言えるでしょう。
パイロットの仕事内容は?
パイロットの仕事は、飛行機を操縦することだけではありません。フライトの前には、ディスパッチャー(運航管理者)とともに飛行計画を綿密に組み立て、エンジンや操縦装置の点検を行うことも重要な任務です。飛行中は、飛行計画に沿って運航しながら、通信モニターや各種計器を監視し、地上の管制機関との通信もこなします。空の安全は、こうした地道な作業の積み重ねによって支えられているのです。
旅客機の場合、機長と副操縦士の2人体制で操縦を行います。それぞれに役割が割り振られているため、円滑に連携をとるためのコミュニケーション能力は欠かせません。さらに、急な悪天候や、機内で急病人が出るといった不測の事態に備える対応力も強く求められます。高い操縦技術はもちろんのこと、冷静な判断力とチームワークが、パイロットには不可欠な資質なのです。
パイロットの月収はいくら?
パイロットの平均年収1,600万円を単純に12か月で割ると、ひと月あたりの給料はおよそ133万円になります。ただし、この金額にはボーナス(賞与)も含まれているため、毎月実際にこの額が支給されるわけではありません。賞与を別途まとまった額として受け取り、月々の給料はそれより低めになるのが一般的です。あくまで「年収を月割りした場合の目安」として捉えておくとよいでしょう。
まとめ
パイロットは、高収入と言われる職業のなかでもトップクラスの年収を誇る職業です。平均年収1,600万円という水準は、医師や弁護士をも上回ります。本記事の要点を整理すると、次の通りです。
- パイロットの平均年収は1,600万円で、日本人平均(458万円)の3倍以上、月収換算で約133万円
- 役職別では機長が2,000万円以上、副操縦士が1,000〜1,500万円程度
- 年代別では50代がピーク(2,366〜2,530万円)で、20代前半の307万円から急カーブで上昇する
- 就職先別では大手航空会社が最も高く1,850〜1,980万円、LCC・自衛隊・民間ヘリでも平均を上回る
- 男女差が大きく、男性1,736万円に対し女性547万円。女性パイロットは全体の1%程度
- 機長になるまでには10〜15年かかるが、世界的なパイロット不足で需要は高まっている
1,600万円という高い年収を得るためには、就職後も副操縦士から機長へとスキルアップを重ねていく必要があります。年収が高い反面、就職難易度は高く、労働環境も精神的・肉体的に厳しい職業です。何百人もの命を預かるという責任の重さや、国際線では長時間に及ぶ勤務時間など、相応の覚悟が求められます。それでも、世界的なパイロット不足を背景に、かつては狭き門だったパイロットへの道は、今後さらに目指しやすくなっていくかもしれません。航空業界や専門職としてのキャリアを真剣に考えるなら、まずは自分の経験やスキルが市場でどう評価されるのかを、転職のプロに相談しながら把握することから始めてみてはいかがでしょうか。





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