国会議員 年収

選挙の際に家族が投票所へ向かう姿を目にしたことがあるでしょう。

18歳になれば選挙権を得るため、初めての投票を控えている方もいるはずです。

国民の代表として国会で重要な決定を下すのが国会議員の役割です。

もし将来、国会議員として社会に貢献する道を選んだ場合、どのくらいの収入が得られるのでしょうか。

国会議員の年収

国会議員の平均年収は約2,000万円に達します。この収入は主に月額の「歳費」と年2回の「期末手当」で構成されています。

さらに、議員には追加の手当が支給されます。「文書通信交通滞在費」として月額100万円、「立法事務費」として月額65万円が支給されます。

これらの手当を含めると、国会議員の年間総収入は4,000万円近くに達することもあります。

これらの収入に加え、JR線の無料利用や航空券の月4往復分無料、秘書3人の雇用費用（年間2,000万～3,000万円）なども支給されています。

このように、国会議員の実質的な収入は基本年収を大きく上回る可能性があります。

種類	特徴
歳費	月ごとに支払われる
期末手当	年2回支払われる
調査研究広報滞在費	政治活動に対して支払われる
立法事務費	所属する政治団体に支払われる

歳費

国会議員の歳費は月単位で支給され、法律で金額が規定されています。

議長は217万円、副議長は158万4,000円と定められており、役職に就くとより高額になります。

議長は国会の代表者として議事を進行し、副議長はその補佐役を務めます。両者とも国会議員の中から選挙で選出されます。

歳費額は法定されていますが、国の状況により変動することがあります。

例えば、2020年以降は新型コロナウイルスの影響を受け、国会議員の歳費が削減されました。

過去には東日本大震災の復興財源確保のため、一時的に歳費が減額されたこともあります。

このように、国会議員の報酬は国の情勢を反映して調整されることがあります。

2023年6月には、議会雑費の支給対象から常任委員長や特別委員長を除外する法改正が行われるなど、国民の代表としての立場を考慮した見直しが行われています。

歳費制度は、国会議員の活動を支える重要な仕組みですが、同時に国の財政状況や社会情勢に応じて柔軟に対応することが求められています。

国民の理解と支持を得られるよう、適切な運用が継続的に検討されているのです。

期末手当

期末手当は公務員に年2回、通常6月と12月に支給される手当で、民間企業のボーナスに相当します。

国会議員の期末手当は毎年公表され、例年約300万円が各回で支払われ、年間合計で約600万円となります。

調査研究広報滞在費

調査研究広報滞在費は、国会議員の政治活動を支援するために支給される費用です。

この手当は、国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動のために使用されます。

以前は「文書通信交通滞在費」と呼ばれ、議員1人当たり月額100万円が支給されていました。

近年、この手当の使途の透明性や支給方法に関して議論が活発化しています。

2022年の通常国会で名称が変更され、日割り支給が導入されましたが、使途の公開や未使用分の返還など、残された課題についての与野党協議は進展していません。

一部の政党は使途の公開や未使用分の返還を含む法案を提出していますが、審議入りの見通しは立っていない状況です。

立法事務費

立法事務費は、国会議員の法律制定に関する調査研究を支援するための資金です。

この費用は、議員個人ではなく、所属する政治団体に一括して支給されます。

月額65万円が1人分として計算され、団体に対して議員数に応じた総額が支払われる仕組みとなっています。

国会議員は国民の意思を代表する重要な職務を担っています。その報酬は比較的高額ですが、就任までのハードルは高く、選挙で有権者の支持を得る必要があります。

当選後も国民の付託に応える重責を負います。この職には、リーダーシップや政治・社会に関する深い知識が求められます。

将来、国会議員として社会に貢献したいと考える高校生は、大学での学びを含め、長期的な視点で自己研鑽の計画を立てることが大切です。

国会議員の国別の平均年収

ここまで日本の国会議員の平均年収をご紹介しましたが、その一方で海外の議員はどれくらいの報酬を得ているのでしょうか。

海外の議員の報酬の目安をご紹介します。

国際比較において、日本の国会議員報酬は高水準に位置しています。

シンガポールでは、高額報酬と厳格な汚職防止法により優秀な人材を政府に引き付ける制度が存在します。

一方、ナイジェリアの場合、一般市民の所得が低いため、相対的に政治家の報酬が突出して高く見えるという事情があります。

各国で報酬額の決定方法や使途の公開ルールは異なります。

例えば、日本では文書通信交通滞在費の使途報告義務がないことが問題視されています。

一方で、欧州諸国では報酬が一人当たりGDPの2倍以下の国も多く、スイスでは0.8倍と低水準です。

報酬の妥当性を評価する際は、単純な金額比較だけでなく、各国の経済状況や政治システム、透明性確保の仕組みなども考慮する必要があります。

国民の理解を得るためには、報酬の決定プロセスや使途の透明化が重要な課題となっています。

国会議員の輩出実績のある大学一覧

ここでは国会議員を多く輩出している大学に焦点を当てます。各大学の卒業生で国会議員となった方々の名前も併せてご紹介いたします。

東京大学

東京大学は、文京区に位置する日本屈指の国立大学です。

明治期に国内初の近代的大学として設立され、政界に多大な影響を与えてきました。

国会議員輩出数では国内随一を誇り、現職議員にも著名な東大卒業生が数多く存在します。

特に法学部は、日本の法学・政治学の最高学府としての地位を今なお保持しています。

東大出身の国会議員には様々な顔ぶれがあり、与野党を問わず要職に就く者も少なくありません。

彼らの多くは法学部出身ですが、他学部の卒業生も見られます。

早稲田大学

早稲田大学は多くの政治家を輩出してきました。特に政治経済学部の政治学科は、政治学を専門的に学ぶ場として知られています。また、法学部出身者も政界で活躍しています。

慶應義塾大学

慶應義塾大学は、東京都港区三田に本部を置く名門私立大学です。1858年に福澤諭吉が創立し、1920年に大学として設置されました。

政界に多大な影響力を持つ人材を輩出しており、現役国会議員の中にも数多くの卒業生が存在します。

特に法学部政治学科や経済学部経済学科の出身者が目立ちます。

彼らは大学で培った知識と人脈を活かし、日本の政治の最前線で活躍しています。

慶應義塾大学は、政治家の登竜門としての役割も果たしているのです。

京都大学

京都大学は、京都府京都市左京区に本部を置く国立大学法人です。

1897年に創立された旧帝国大学の一つで、日本を代表する研究大学として知られています。

特に法学部と経済学部は、多くの国会議員を輩出してきました。

京都大学出身の国会議員としては、例えば以下のような著名人が挙げられます。

明治大学

明治大学は東京都千代田区に本部を置く私立大学で、1881年に創立されました。

政治経済学部は同大学の主要学部の一つで、年間約1500もの多様な講義を提供しています。

政治学科では、歴史・制度・文化など多角的な視点から政治学を学ぶことができます。

キャンパスは東京都心を中心に4箇所に分散しており、駿河台キャンパスが本部です。

明治大学は多くの著名な卒業生を輩出しており、政界でも活躍する人物が少なくありません。国会議員にも多数の明治大学出身者がおり、様々な政党や立場で活動しています。

法政大学

法政大学は東京都千代田区に本部を置く私立大学です。

政治学科の特徴として、1年次から専門科目を履修できるカリキュラムがあり、政治学の基礎を早期に学習できます。

法政大学は1880年に創立された歴史ある大学で、「自由を生き抜く実践知」を教育理念に掲げています。

市ケ谷キャンパスには超高層の「ボアソナード・タワー」があり、都市型キャンパスの象徴となっています。

同大学は環境への取り組みも積極的で、1999年に総合大学として日本初のISO14001を取得しました。

また、キャリア支援や国際化にも力を入れており、多様な学びの機会を提供しています。

法政大学の卒業生には様々な分野で活躍する人物がおり、国会議員を輩出していることでも知られています。

同窓会組織「法政大学校友会」を通じて、卒業生同士のネットワークも広がっています。

日本大学

日本大学は、東京都千代田区に本部を置く私立の総合大学です。16の多彩な学部を擁し、各キャンパスには様々な専攻の学生が集まっています。

政界では、法学部政治経済学科や経済学部の卒業生が特に目立ちます。

国会議員の中にも日本大学出身者が複数おり、政治の舞台で活躍しています。

例えば、法学部出身の現職議員や、経済学部を卒業した元大臣などが挙げられます。

日本大学は、政治家の輩出においても一定の存在感を示しているのです。

中央大学

中央大学は、東京都文京区に本部を置く私立大学です。1885年に創立された「英吉利法律学校」を起源とし、法学教育に定評があります。

特に法学部は伝統ある学部で、政治学科も注目を集めています。

政治学科では、政治学、法学、経済学をバランスよく学び、現代社会の課題に取り組む力を養成します。

卒業生の進路は多岐にわたり、民間企業や公務員、ジャーナリスト、教員など幅広い分野で活躍しています。

政界でも多くの卒業生が活躍しており、国会議員を輩出しています。

国会議員の年収に関するよくある質問

国会議員の年収が高い理由

国会議員になるためには選挙に立候補することが必須ですが、その過程で相当な資金が必要となります。

立候補者は「供託金」という費用を法務局に預ける必要があります。

金額は選挙の種類により異なりますが、300万円から600万円程度です。

さらに、選挙活動には選挙カーやポスター作成など追加の費用がかかるため、候補者の経済的負担は大きくなります。

これらの高額な費用が、国会議員の報酬が比較的高く設定されている一因となっています。

当選後も、国会議員の業務は膨大であり、サポートスタッフが必要不可欠です。

スケジュール管理、電話対応、各種手続きなどを担当する秘書や事務職を雇用することが一般的です。

国費で給与が支払われる「公設秘書」は議員1人につき3人までと定められており、それ以上の人員が必要な場合は議員自身が給与を負担しなければなりません。

このように、国会議員の給与は高額な傾向にありますが、その背景には立候補時の多額の費用や、議員活動を維持するための継続的な支出があることを理解する必要があります。

国会議員の年収はどこから支払われている？

国会議員の給与は、私たち国民が納める税金を主な原資としています。

税金は、社会の発展と福祉向上のために、国民全体で分担する資金です。

例えば、個人の収入に課される「所得税」や、企業に課される「法人税」など、多様な税金が存在します。

まとめ

国会議員の年収について、ここまで詳しく説明してきました。

一般的に、議員の平均年収は約2,000万円程度で、比較的高額だと認識されています。

しかしながら、選挙活動や議員としての職務遂行には、相当な経費がかかることも事実です。

さらに、国民の代表者として活動するには、幅広い支持を集められるリーダーシップや、政治に関する深い専門知識が不可欠です。

これらの要素が、議員報酬の水準に反映されているとも考えられます。