プロの野球選手はどのくらいお金を稼ぐの?
小学生の将来の夢ランキングで、いつも上位に入るプロ野球選手。野球が大好きだという思いが一番大切だと思いますが、給料のことも気になりますよね。
何となく高い給料をもらっているイメージがありますが、実際にはどのくらいなのか知りたいと思います。
そこで、2022年のプロ野球選手の平均給料について、くわしく説明していきます。
また、チームごとの平均給料や、一番高い給料と一番低い給料、給料に関するよくある質問についても触れていきます。
2024年のプロ野球選手平均年収は4,713万円
平均年俸は昨年と比べて245万円(5.5%)増えました。1988年に今の調べ方になってから、最も高い金額になりました。
716人の選手の真ん中の年俸(中央値)は1800万円で、去年より200万円多くなりました。
引用:nippon.com
平均年俸の変化を見てみましょう。
1986年に1000万円を超え、その後も上昇を続けました。1994年には2000万円台に、1998年には3000万円台になりました。
2000年代半ばから約10年間はほとんど変わりませんでしたが、2020年に4000万円を超えました。最近では3年続けて平均年俸が上がっています。
12球団全体の年俸総額を比べると、1994年は181億1240万円でしたが、2024年には337億4551万円になりました。この30年間で、ほぼ2倍に増えたことになります。
ソフトバンクが平均6806万円で首位
球団ごとの平均年俸を見てみましょう。ソフトバンクが6806万円で、2年ぶりに12球団の中で1位になりました。
去年1位だった巨人は6243万円で2位に下がりました。
昨シーズン優勝した阪神は5595万円で3位になり、前の年の7位から大きく順位を上げました。
阪神の選手61人の平均年俸は、去年より1200万円以上も増えたそうです。
12球団の選手716人のポジションごとの内訳を見てみましょう。
投手が355人、捕手が76人、内野手が165人、外野手が120人でした。
平均年俸は、投手が4383万円、捕手が3709万円、内野手が5664万円、外野手が5017万円でした。
選手会は、契約更改についてのアンケートも行いました。「満足」や「とても満足」と答えた選手の割合が最も高かったのはソフトバンクで、62.79%でした。次に高かったのは順に、阪神、ロッテ、DeNA、巨人でした。
給料の仕組み
プロ野球選手の給料は1年ごとに決まります。毎年11月頃、シーズンが終わると、各チームは選手の活躍を見て、来年のお給料を決めます。
試合でよい成績を残し、チームに役立った選手は、給料が上がる可能性があります。
反対に、あまり活躍できなかった選手は、給料が下がることもあります。
外国から来た選手や、自由に移籍できる権利を持つ選手は、給料が高くなる傾向があります。
給料の額は、試合に出た回数や、打率、個人で獲得した賞、選手のグッズがどれだけ売れたかなどによって変わります。
税金はどのくらい?
プロ野球選手が1億円の年俸をもらっても、実際に手元に残るお金はその半分くらいだと言われています。
税金として、所得税や住民税、事業税などが引かれるので、手元に残るのは約5,000万円程度になるそうです。
つまり、もらった年俸の半分近くを税金として納めていることになります。
例えば、ある年に高い年俸をもらっても、次の年にケガなどで急に年俸が下がってしまうことがあります。
そんな時、前の年の高い収入に基づいて計算された住民税を払わなければならず、大変な思いをすることもあるのです。
プロ野球12球団の平均年収・年俸ランキング
1位 巨人 6,807万円
2位 ソフトバンク 6,763万円
3位 楽天 5,353万円
4位 ヤクルト 4,797万円
5位 西武 4,579万円
6位 DeNA 4,399万円
7位 阪神 4,345万円
8位 広島 3,819万円
9位 オリックス 3,525万円
10位 ロッテ 3,485万円
11位 中日 3,383万円
12位 日本ハム 2,569万円
参考資料:日刊スポーツ
2024年の平均年俸を見てみましょう。
1位はソフトバンクで6806万円となり、2年ぶりに12球団のトップに戻りました。去年1位だった巨人は6243万円で2位になりました。
2023年に日本一に輝いたオリックスは、4538万円で5位でした。前の年の9位から大きく順位を上げています。
阪神は5595万円で3位となり、去年の7位から順位を上げました。
プロ野球選手とは
仕事内容
プロ野球選手は、日本野球機構に所属するチームと契約を結んだ人たちのことです。
主な仕事は、公式の試合に出ることです。
チームの優勝を目指して、毎日の練習や合宿、自分で決めたトレーニングなどに励みます。
プロ野球選手になれても、すぐに試合に出られるわけではありません。
まずはベンチに座る選手になり、そこから試合に出る選手を目指すのが普通です。
試合で活躍すれば、試合に出る機会が増えるでしょう。逆に、良い成績が出せないと、試合に出られなくなることもあります。
プロ野球は実力が大切な世界で、一番上まで行くのは簡単ではありません。
試合以外にも、ファンのためのイベントに参加したり、社会のためになる活動をしたりすることもあります。
有名になると、テレビなどに出ることもよくあります。
どうやってなれる?
プロ野球選手を目指す人は、高校生なら地域の高校野球連盟に、大学生なら所属する大学の野球連盟にプロ志望の届け出をする必要があります。
応募の条件は球団によって違います。
身長や年齢などの細かい決まりがあるので、興味のある球団の情報を調べてみるといいでしょう。
プロ野球選手になる一般的な方法は、年に1回行われるドラフト会議で選ばれることです。
12チームのどこかに選ばれると、プロ野球選手として活躍するチャンスが生まれます。
そのためには、高校や大学の野球で活躍して成績を残し、各チームの選手を探す人(スカウト)に注目されることが大切です。
スカウトは、高校、大学、社会人の野球選手を見て、将来活躍しそうな人を選びます。
また、各チームが毎年行う入団テスト(プロテスト)に合格してプロ野球選手になる方法もあります。
年収・年俸を上げる野球選手の特徴は?
交渉力がある
プロ野球選手としてデビューした後、大切なのは契約交渉です。
プロ野球選手は各チームと契約を結ぶ個人事業主です。契約の内容は選手の将来やお金に大きく影響します。
新人年を終えると、毎年秋に契約の更新があります。チームの幹部と話し合って、来年の給料が決まります。
アメリカでは代理人を立てて交渉するのが一般的ですが、日本ではまだそこまで広まっていません。
交渉が上手な選手ほど、給料が上がりやすい傾向があります。
ベテランが多いチームに所属している
ベテラン選手はチームの精神的な支えとして欠かせない存在です。
また、ベテランが多いと若手選手の成長も早くなり、試合の結果にも良い影響があります。
2023年のシリーズでは、40歳以上の選手が両リーグで9人出場しました。
これらの選手は若手を励ましたり、チームをまとめたりする役割も担っています。
海外で活躍している
最近では、日本のトップ選手たちが次々とアメリカのメジャーリーグ(MLB)に移っています。
大谷翔平選手が10年で約1015億円という大きな契約でドジャースに移籍したニュースは、まだ記憶に新しいでしょう。
世界最高レベルの野球界で活躍すると、日本では考えられないほど高い給料を得ることができます。
日米比較:プロ野球の市場規模
プロ野球選手は多くの人に希望と感動を与える仕事です。しかし、その裏側にはいろいろな問題もあります。
実際、日本とアメリカのプロ野球選手の給料には大きな差があります。
日本の選手の平均給料が4000万円台なのに対し、アメリカは約5.6億円です。
アメリカの球団は利益を出して球団の価値を高めることを一番大切にしているので、成績が悪いと選手を減らしたり、野球に関連した新しい事業を次々と始めたりしています。
また、IT技術の活用や、試合の放送権、商品のライセンスなど、球場以外でもお金を稼いでいます。
日本の多くの球団は、親会社からの支援がないと運営が難しく、利益を出すのが難しい状況です。
言い換えれば、アメリカほど冒険せず、去年と同じくらいの収入があればいいという考え方です。
ただし、例外もあります。広島東洋カープは親会社がなく、自分たちで運営しています。
また、DeNAは野球を中心に積極的に事業を展開しています。
規模で比べるとアメリカには及びませんが、2022年のNPBの1試合あたりの観客数は2万4558人でした。
MLBは1万8651人なので、観客数は日本のほうが多いことになります。
最近は、日本のプロ野球を経ずに直接アメリカのMLBを目指す日本の中高生が増えているようです。MLBに入るための野球教室も出てきています。
こういった才能ある選手が海外に行ってしまうことも、日本のプロ野球界の課題といえるでしょう。
これからの若い野球選手たちが日本に残るか海外に行くかは、球団のやり方や、NPBの仕組みによって大きく変わってくるかもしれません。
まとめ
プロ野球選手を目指す人は、給料のことが気になるでしょう。
プロ野球選手の収入は、所属するチームや活躍する国によってかなり違います。
最新の情報は常に変わっているので、時々調べてみるといいでしょう。
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