最近よく聞く「今日も今日とて」という言葉ですが、その正しい意味や使い方をちゃんと理解していますか?
なんとなく言葉の響きから意味を想像できるかもしれませんが、詳しく知っている人は少ないでしょう。
この記事では、「今日も今日とて」の意味や使い方について説明します。
また、似た表現や使用例についても紹介しますので、適切に使えるようになりましょう。
今日も今日とての意味
「今日も今日とて」という表現は、「いつもと同じような一日」を意味します。
昨日と似たような今日、変化のない毎日の様子を表現しています。
この言い回しは、アニメだけでなく、有名な古典文学にも出てくる伝統的な表現です。
言葉の響きがよいため、漫画や小説、ブログなど、さまざまな場面で使われるようになりました。
「今日も今日とて」の元ネタは
「今日も今日とて」という表現は、普段の会話や仕事の場面ではあまり聞かれない言葉ですよね。
「とて」という言い方は、古くから存在しているため、どこか古風な雰囲気を感じさせます。
最近では、ブログやTwitterなどのインターネット上で、この表現を目にする機会が増えてきました。
流行りの由来は、おそらく漫画やアニメ、映画や小説などが関係しているでしょう。
「とて」とは
「今日も今日とて」という表現の中で、「とて」という言葉が気になります。
「とて」は、あまり多く使われない珍しい言い回しで、馴染みが薄いと言えるでしょう。
「とて」には、主に3つの意味があります。
1つ目は、何かの文章や状況を例として挙げたい時に、「~といって」のように使う引用を表す意味です。
2つ目は、前の文を否定したり、逆の事柄を述べたい時に、「~とはいえ」のように使う逆説を表す意味です。
3つ目は、ある行動や状況が常に変わることなく、滞りなく続くことを表現したい時に、「~だって」のように使う係助詞としての意味です。
良い意味にも悪い意味にも使える
結論から申し上げますと、「今日も今日とて」は、状況や使い方によって、良い意味にも悪い意味にも解釈できる表現です。
文脈によって、異なる印象を与えることができるフレーズなのです。
ただし、この表現の意味がすぐには分かりにくいと感じていらっしゃる方もいるかもしれません。
そこで、もう少し詳しく説明させていただきます。
「今日も今日とて」は良い意味でも使える
「今日も今日とて」は良い意味でも使えます。
「今日も今日とて」自体には、良い意味も悪い意味もありません。
使い方によって、どちらの意味にも捉えることができます。
「今日も今日とて」の後ろに良い意味の言葉や文を繋げれば、良い意味の一文を作ることができます。
「今日も今日とて」にポジティブなイメージを持たせるには、前後の文や言葉の繋がりが大切です。
「今日も今日とて」は悪い意味にも使える
「今日も今日とて」は悪い意味でも使えます。
良い意味とは反対に、前後に繋がる文や言葉が悪いものであれば、「今日も今日とて」にも悪い意味が付けられます。
「今日も今日とて」悪いことをしている、となれば、「今日も今日とて」は悪いイメージを強調するフレーズとして捉えられます。
このように、「今日も今日とて」自体はポジティブでもネガティブでもありませんが、前後関係によっては、そのイメージを大きく変えることができます。
ここでは、「今日も今日とて」がどのように使われるのか、例文を交えてご紹介します。
今日も今日とての類語
来る日も来る日も
毎日同じことが繰り返されている状態を意味し、やや否定的なニュアンスで使われます。
毎日頑張っているのに報われないといった使い方が一般的で、「来る日も来る日も練習に励みましたが、レギュラーになれませんでした」のように使います。
ポジティブな意味で「今日も今日とて」を言い換える際は、この表現は適していないかもしれません。
相も変わらず
「相も変わらず」と「今日も今日とて」は、同じような意味を持つ言葉として知られています。
この表現は、良い意味でも悪い意味でも解釈できますが、どちらかというとネガティブな印象が強いので、使う際は気をつける必要があります。
過去から変わらず同じ状況や行動が続いている時に使える言葉です。
とても使いやすく、日常会話でもよく耳にする表現だと言えるでしょう。
明けても暮れても
毎日太陽が同じように昇っては沈む様子から、変わらない日々を表現する言葉です。
毎日起こることを意味する点では「今日も今日とて」と似ていますが、比喩的な表現である点が異なります。
また、太陽が昇ってから沈むまでの一日の出来事を想像させるので、一日中何かに取り組んでいる様子を表現するのに適しています。
代わりばえしない
いつもと同じという意味を持っていますが、変化のなさに退屈を感じる場合によく使われます。
「今日も今日とて」には特にマイナスな意味はないので、変わらない日々をどのように表現したいかを考えるといいでしょう。
ルーティン
「今日も今日とて」はニュートラルな意味で使えるので、プラスでもマイナスでもない使い方であれば、似たようなニュアンスを表現できます。
また、ルーティンは単独の単語よりも、他の言葉と組み合わせて使うことが多いです。
「ルーティンワーク」や「モーニングルーティン」のような定型的な表現がよく使われます。「ルーチン」と略されることもあります。
「今日も今日とて」の例文
ポジティブな使い方をしたいとき
明るい気持ちを表現したいときは、うれしい内容の文章と一緒に使います。
変わらない日々の中にある喜びを伝えることができます。
代わりばえのない毎日を表現するとき
毎日の変わらない様子を簡単に伝えることができます。
「今日も今日とて仕事に行きます」「今日も今日とて朝ごはんはパンです」のように、日課になっている行動を書いてみましょう。
ネガティブな使い方をしたいとき
逆に、気持ちが沈んでいるときにも使えます。
「今日も今日とて仕事で失敗しました」「今日も今日とて好きな人に会えませんでした」など、憂鬱な気持ちを素直に表現することができます。
間違った使い方
「今日も今日とて」という表現は、どんな場面でも気軽に使えるわけではありません。
使い方を間違えると、まったく意味が通じなくなってしまいます。
例えば、日常的に行われていない出来事には使えません。
「今日も今日とて限定セールで新しい服を買った」というような言い方をすると、「限定セール」は毎日行われているわけではないので、意味が通じません。
また、一回限りの行動にも適していません。
「今日も今日とて落とし物をしてしまった」というような使い方をすると、いつも落とし物をしているように聞こえてしまい、意味が通じません。
今日も今日とてを使うときに注意すること
自分の行動を対象にすることが多い
自分が毎日同じように行っていることや、自分の日課を対象に使うことが多く、相手の動作を表現するのは少し適切ではありません。
誰かにとって変わらない日常であるかどうかは判断が難しく、自分の日常についてしかわからないでしょう。
そのため、「あなたは今日も今日とて仕事に行く」という使い方はせず、基本的には自分の行動を対象にして使います。
この言葉だけではよい印象も悪い印象も与えない
「今日も今日とて」自体には、プラスの意味もマイナスの意味も含まれていません。
どこかぼんやりした印象を受けるかもしれませんが、「毎日変わらない」といった意味しかもっていないのです。
もし、プラスの印象やマイナスの印象をもつ文章にしたい場合は、「今日も今日とて」に続けてプラスの意味やマイナスの意味をもつ文章を使いましょう。
次に続く文章を強調するために使う
「今日も今日とて」は、日常の継続性を表現する定型句で、後に続く文章の感情的なニュアンスを際立たせる特徴を持っています。
この表現は、日々の変わらない状況に対する話者の内面的な感情を効果的に伝えることができます。
今日も今日とての英語表現
day after day
「来る日も来る日も」に似た表現で、毎日続く同じ日課に退屈を感じているときに使います。
「Day after day, I go to school」と使えば、毎日学校に通うことに退屈や憂鬱を感じていることを伝えられます。
everyday
最もシンプルで使いやすい表現ですが、単に「毎日」という意味の言葉です。
「I eat breakfast everyday」とすれば、毎日朝食を食べるのが日課だということが分かります。
day in and day out
「明けても暮れても」のようなニュアンスで、1日中作業しているときなどに使えます。
「Day in and day out I`m busy」とすれば、いつも忙しくしている様子を伝えることができます。
まとめ
アニメや漫画、小説などでよく使われている「今日も今日と」という表現は、昔から使われてきた言葉です。
古い文章の特徴を持っていますが、言葉の響きがよいため、物語の中でよく使われるようになりました。
少しもの悲しいような感じを与えますが、この言葉自体は特別な意味はなく、良くも悪くもありません。
ただし、どのような文章と一緒に使うかによって、前向きな感じにもネガティブな感じにも変わるので、単調な日々をどのように表現したいのかを考えてみてください。
似たような表現を知っておくことで、変わらない毎日を描写する文章に深みが出るでしょう。
昔から伝わる表現を使って、詩的な文章を作ってみましょう。
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