「今日も今日とて」の意味は?例文や使い方・由来も徹底解説【2026年最新版】

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最終更新: 2026年5月7日 / 言葉の用法・例文を随時更新
本記事の要点

「今日も今日とて」は「(良くも悪くも)今日もいつも通り・相変わらず」を表す、古風でやわらかな言い回しです。本記事では意味・由来・「とて」の用法・類語・場面別の例文・誤用しやすいポイント・英語表現までを、実際に使えるレベルで体系的に解説します。

最近、SNSやブログなどで「今日も今日とて」という言葉を目にしたことはありませんか。なんとなく響きから雰囲気はつかめても、正しい意味や使い方を説明できる人は意外と少ないものです。

この表現は、使い方を少し間違えると「意味が通じない」「不自然」と受け取られてしまう、少しクセのある言い回しでもあります。逆に勘所さえつかめば、変わらない日常をやわらかく、ときに詩的に切り取れる便利なフレーズです。

この記事では、「今日も今日とて」の意味・由来・「とて」の文法的な役割・類語との使い分け・ポジティブ/ネガティブそれぞれの例文・誤用の典型パターン・英語での言い換えまでを、ひと通り使いこなせるように整理して解説します。

言葉の意味だけでなく、敬語やビジネス文書で使ってよいかどうかといった実務的な注意点や、似た語彙の整理にも触れています。あわせて、言い換え表現を磨きたい方は「目から鱗」の類語・正しい使い方の解説も参考になります。

はじめに、この記事の読み方を簡単に示しておきます。前半では「今日も今日とて」が何を意味し、どこから来た言葉なのか、そして「とて」という耳慣れない助詞がどう働いているのかを、文法のレベルまで掘り下げて説明します。後半では、実際に書くときの例文を、ポジティブ・中立・ネガティブの三つのトーン別に並べ、さらに誤用しやすいパターンや、ビジネス文書で使ってよいかどうかという実務的な疑問にも答えます。最後に英語での言い換えや、FAQ形式での要点整理まで用意しました。気になるところだけを拾い読みしても構いませんが、通して読めば「意味は分かるけれど自分では使いこなせない」という状態から、確実に一歩抜け出せるはずです。

言葉は、意味を知っているだけでは使えるようになりません。どんな場面で、誰に向けて、どんなトーンで使うのかという「運用のルール」を理解して、はじめて自分のものになります。「今日も今日とて」はとくにその傾向が強い表現です。意味自体はシンプルなのに、使いどころを外すと途端に不自然になる。だからこそ、本記事ではただ意味を並べるのではなく、判断に迷ったときのチェックポイントや、近い表現との細かな違いまで、できるだけ実践的に整理することを心がけました。

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目次

「今日も今日とて」の意味

「今日も今日とて」という表現は、「いつもと同じような一日」「今日も相変わらず・いつも通り」を意味します。昨日と似たような今日、変化のない毎日の様子をやわらかく述べる言い回しです。

ポイントは、「反復」と「継続」を含意していることです。今日だけの単発の出来事ではなく、「昨日もそうだったし、今日もまた同じ」という、繰り返されている日常を前提とした表現だと押さえておくと、誤用を避けやすくなります。

この言い回しは、アニメや漫画だけでなく、古典文学にも登場する伝統的な表現です。言葉の響きがよいため、小説・ブログ・SNSなど、さまざまな場面で使われるようになりました。

図1:「今日も今日とて」が含む3つのニュアンス
反復 昨日もそうだったし、今日もまた同じ=繰り返されている
継続 変わらず・滞りなく続いている状態を述べる
中立+古風 語そのものは良し悪しを持たず、やわらかく雅な印象
この3点を満たす場面で使うと自然になる
図:意味を構成する3つの要素。「単発」「断定的な評価」とは相性が悪い。

「今日も今日とて」の元ネタは

「今日も今日とて」という表現は、普段の会話や仕事の場面ではあまり聞かれない言葉です。「とて」という言い方は古くから存在しているため、どこか古風な雰囲気を感じさせます。

主に文学作品や物語で使われることが多く、徒然草や土佐日記にも登場するほど歴史のある表現です。

最近では、ブログやTwitterなどのインターネット上で、この表現を目にする機会が増えてきました。流行の由来は、漫画やアニメ、映画や小説などで印象的に使われたことが関係しているとみられます。

言葉のリズムが心地よく、口に出したときの収まりがよいため、思わず使いたくなる人が増えているのかもしれません。とくに「日常の何気ない一コマ」を切り取りたいときに、ちょうどよい温度感を持っている点が支持されています。

現代の会話では「今日もいつも通り」「今日も相変わらず」と言えば済む場面が大半です。それでもあえて「今日も今日とて」を選ぶ人がいるのは、この表現が持つ独特の余韻のためです。語末の「とて」が生むやわらかな響きと、どこか達観したような距離感が、平凡な日常をひとつの情景として立ち上がらせます。ありふれた毎日を、少し引いた視点から眺めているような味わいが生まれるのです。

そのため、淡々とした事実の報告にも、しみじみとした感慨にも、軽い自嘲にも寄り添える懐の広い表現として親しまれています。書き手の気分や文脈によって表情を変えるこの柔軟さこそが、長く使われ続けている理由だと言えるでしょう。

「とて」とは

「今日も今日とて」の中で、もっとも分かりにくいのが「とて」という言葉です。「とて」は現代の会話ではあまり多く使われない珍しい言い回しで、馴染みが薄いと言えるでしょう。「とて」には、主に3つの意味があります。

1つ目は、何かの文章や状況を例として挙げたいときに、「~といって」のように使う引用を表す意味です。

2つ目は、前の文を否定したり、逆の事柄を述べたいときに、「~とはいえ」のように使う逆説を表す意味です。

3つ目は、ある行動や状況が常に変わることなく、滞りなく続くことを表現したいときに、「~だって」のように使う係助詞としての意味です。

「今日も今日とて」で働いているのは、おおむね2つ目・3つ目に近いニュアンスです。「今日といっても(特別なことはなく)」「今日もやはり同じように」という含みで、「今日も今日とて=今日もまた、いつもと変わらず」という意味合いが立ち上がります。

図2:「とて」の3つの意味と例
引用「~といって」 「行くとて出かけた」逆説「~とはいえ」 「子供とて油断できない」
係助詞「~だって/やはり」 「今日とて(今日もやはり)変わらない」← これが「今日も今日とて」の核
「今日も今日とて」では、3つ目(係助詞)の用法が中心に働く
図:「とて」の用法整理。例文は一般的な文例。

「とて」は古文に親しんだ人にはなじみのある助詞で、現代語の「といって」「といえども」「だって」のいずれにも姿を変えて現れます。「今日も今日とて」では、この古めかしい「とて」がそのまま残っているために、全体が文語調の落ち着いた響きを帯びるのです。同じ「いつも通り」でも、「今日もいつも通り」が淡々とした口語であるのに対し、「今日も今日とて」はどこか物語の一節のような趣を持ちます。

「今日」という言葉を二度重ねている点も、この表現の面白さです。「今日も」で時間を示し、「今日とて」で「ほかの日と同じく、今日もまた」という反復の含みを重ねています。同じ語を畳みかけることで、変わり映えのしない日々がゆっくりと続いていく感覚が、言葉のかたちそのものから伝わってくるのです。意味を覚えるだけでなく、こうした語の成り立ちまで知っておくと、使う場面でのニュアンスの微調整がしやすくなります。

古文に触れたことがある人なら、「とて」が物語や随筆のなかで頻繁に登場する助詞だと気づくでしょう。「行くとて」「知らずとて」のように、動詞や形容詞のあとに付いて「~といって」「~としても」という意味を添えます。この「言いさし」のような余韻が、現代語にはない含蓄を生みます。「今日も今日とて」が単なる「いつも通り」よりも一段深い味わいを持つのは、この古語の余韻を背負っているからです。普段は意識しなくても、私たちは無意識のうちに、この言葉の奥にある古典的な響きを感じ取っているのかもしれません。

なお、口語で「きょうもきょうで」という似た言い方を耳にすることがあります。これは「今日も今日とて」がくだけて変化したものと考えられ、意味はほぼ同じですが、より日常会話に溶け込んだ砕けた響きになります。文章として整った印象を出したいなら「今日も今日とて」、会話の中で軽く言いたいなら「きょうもきょうで」と、場面によって自然に使い分けられると、表現の幅がぐっと広がります。

良い意味にも悪い意味にも使える

結論から申し上げますと、「今日も今日とて」は、状況や使い方によって、良い意味にも悪い意味にも解釈できる表現です。文脈によって、異なる印象を与えることができるフレーズなのです。

これは「今日も今日とて」という言葉そのものが、感情の色を持たない中立的な定型句だからです。プラスにもマイナスにも染まる「容れ物」のような表現だと考えると分かりやすいでしょう。そこで、もう少し詳しく説明します。

「今日も今日とて」は良い意味でも使える

「今日も今日とて」自体には、良い意味も悪い意味もありません。使い方によって、どちらの意味にも捉えることができます。

「今日も今日とて」の後ろに良い意味の言葉や文を繋げれば、良い意味の一文を作ることができます。たとえば「今日も今日とて、おだやかに過ごせた」のように続ければ、変わらない日々の中にある満ち足りた気持ちが伝わります。

「今日も今日とて」にポジティブなイメージを持たせるには、前後の文や言葉の繋がりが大切です。後ろに置く言葉の感情の色が、そのまま全体の印象を決めます。

「今日も今日とて」は悪い意味にも使える

良い意味とは反対に、前後に繋がる文や言葉が悪いものであれば、「今日も今日とて」にも悪い意味が付けられます。

「今日も今日とて悪いことをしている」となれば、「今日も今日とて」は悪いイメージを強調するフレーズとして捉えられます。「変わらず、また」という反復の含意が、ネガティブな内容を強める働きをするためです。

このように、「今日も今日とて」自体はポジティブでもネガティブでもありませんが、前後関係によっては、そのイメージを大きく変えることができます。

良い意味としても悪い意味としても使えるフレーズですから、これから紹介する例文を通して使い方をしっかり理解し、正確に使えるようにしましょう。

今日も今日との類語・言い換え

「今日も今日とて」と似た意味を持つ表現は複数ありますが、それぞれニュアンスが微妙に異なります。代表的な類語を、どんな場面に向くかとあわせて整理します。

来る日も来る日も

毎日同じことが繰り返されている状態を意味し、やや否定的なニュアンスで使われます。「毎日頑張っているのに報われない」といった文脈で使われることが多く、「来る日も来る日も練習に励みましたが、レギュラーになれませんでした」のように使います。

ポジティブな意味で「今日も今日とて」を言い換えたいときには、この表現は適さないことがあります。変わらない日々をどう表現したいかを考えて選びましょう。

相も変わらず

「相も変わらず」と「今日も今日とて」は、同じような意味を持つ言葉として知られています。

彼は相変わらず約束を守らない。

この表現は良い意味でも悪い意味でも解釈できますが、どちらかというとネガティブな印象が強いので、使う際は気をつける必要があります。過去から変わらず同じ状況や行動が続いているときに使える言葉です。

とても使いやすく、日常会話でもよく耳にする表現だと言えるでしょう。

明けても暮れても

毎日太陽が同じように昇っては沈む様子から、変わらない日々を表現する言葉です。毎日起こることを意味する点では「今日も今日とて」と似ていますが、比喩的な表現である点が異なります。

また、太陽が昇ってから沈むまでの一日の出来事を想像させるので、一日中何かに取り組んでいる様子を表現するのに適しています。例えば「明けても暮れても部活の練習に励みました」のように使います。

代わりばえしない

いつもと同じという意味を持っていますが、変化のなさに退屈を感じる場合によく使われます。「今日も今日とて」には特にマイナスな意味はないので、変わらない日々をどのように表現したいかを考えるといいでしょう。

ルーティン

ルーティンは、毎日決まっているタスクや日課、決められた一連の動作や作業のことを指します。

「今日も今日とて」はニュートラルな意味で使えるので、プラスでもマイナスでもない使い方であれば、似たようなニュアンスを表現できます。

また、ルーティンは単独の単語よりも、他の言葉と組み合わせて使うことが多いです。「ルーティンワーク」や「モーニングルーティン」のような定型的な表現がよく使われ、「ルーチン」と略されることもあります。

ただし、「ルーティン」はカタカナ語で現代的・実務的な響きを持つため、「今日も今日とて」が持つ古風でやわらかな情緒とは肌触りが異なります。同じ「毎日繰り返していること」を指していても、「今日も今日とてジョギングする」と「日課のルーティンとしてジョギングする」では、前者に情感が、後者に効率や習慣の管理といったニュアンスが乗ります。言い換えるときは、伝えたいのが「気分・情景」なのか「事実・仕組み」なのかを見極めると、選ぶ言葉を誤りません。

こうして並べてみると、類語はどれも「変わらない毎日」という同じ核を共有しながら、退屈・徒労感・比喩性・情緒・実務性といった付加的なニュアンスで枝分かれしていることが分かります。「今日も今日とて」はそのなかでも、もっとも中立で、もっとも情緒に寄りやすい位置にあります。だからこそ、後ろに置く言葉ひとつで自在に表情を変えられるのです。言い換え候補をいくつか手元に持っておけば、文章のトーンや読み手に合わせて最適な一語を選べるようになります。

図3:類語の使い分け早見表
表現印象の傾き向く場面
今日も今日とて中立(前後で変化)日常の反復をやわらかく
来る日も来る日もやや否定的報われない反復
相も変わらずややネガティブ変わらぬ行動への評価
明けても暮れても中立(比喩的)一日中の没頭
代わりばえしない退屈・否定的単調さへの不満
ルーティン中立(外来語)日課・作業を指す
図:類語の印象の傾きと向く場面の早見表。

類語の幅を広げておくと、文章のトーンに合わせて言い換えがしやすくなります。ビジネスの場で自分を表現する言い換えを磨きたい方は、「縁の下の力持ち」の言い換えで自己アピールを成功させる解説もあわせて読んでみてください。

「いつも通り」系の表現とのこまかな違い

「今日も今日とて」と意味が近い表現は数多くありますが、それぞれが醸し出す空気は少しずつ違います。ここでは、混同しやすい近い表現とのこまかな違いを整理し、迷わず選べるようにしておきましょう。

まず「いつも通り」「相変わらず」は、もっとも一般的で中立的な口語です。会話でもビジネスでも違和感なく使えますが、そのぶん文章に色を添える力は弱めです。これに対して「今日も今日とて」は、同じ意味を伝えながらも、古風でやわらかな余韻を加えられます。淡々とした事実報告に少しだけ情緒を足したいときに向いています。

「例によって」は、やや皮肉や呆れのニュアンスを帯びやすい表現です。「例によって彼は遅刻した」のように、繰り返される困った事態を半ばあきらめ気味に述べる場面でよく使われます。「今日も今日とて」も同じように使えますが、より中立で角が立ちにくい点が異なります。

「日々」「毎日」といった素朴な言葉は、淡白で事務的です。情景や感情を込めたいなら「今日も今日とて」、ただ事実を述べたいなら「毎日」と、伝えたいトーンによって選び分けると文章が引き締まります。同じ内容でも、選ぶ言葉ひとつで読み手が受け取る印象は大きく変わるのです。こうした語感の違いを意識する習慣は、ほかの言い換え表現を学ぶときにも応用できます。

「今日も今日とて」の例文

ここからは、ニュアンス別に具体的な例文を見ていきます。いずれも一般的な文例として示すものです。

ポジティブな使い方をしたいとき

明るい気持ちを表現したいときは、うれしい内容の文章と一緒に使います。

「今日も今日とて幸せでした」「今日も今日とて母の手料理はおいしかったです」など、日常生活で幸せに感じていることを書いてみましょう。変わらない日々の中にある喜びを伝えることができます。

ほかにも「今日も今日とて、好きな仕事に打ち込めた」「今日も今日とて、家族みんなが元気だった」のように、当たり前のように続く幸せをかみしめるトーンで使うと、温かみのある一文になります。

ポジティブに使うときのコツは、後ろに置く言葉を「特別ではないけれど満ち足りている」内容にすることです。劇的な出来事よりも、繰り返される小さな幸せのほうがこの表現とよくなじみます。「今日も今日とて、いつもの散歩道がきれいだった」のように、日常に潜む静かな喜びを拾い上げると、しみじみとした余韻のある一文に仕上がります。

代わりばえのない毎日を表現するとき

毎日の変わらない様子を、感情を込めずに淡々と伝えることもできます。「今日も今日とて仕事に行きます」「今日も今日とて朝ごはんはパンです」のように、日課になっている行動を書いてみましょう。

自分の行動や日常の様子を中立的に伝えたいときは、事実をそのまま並べると自然です。良し悪しの評価を加えず、淡々とした語り口にすることで、独特の落ち着いた雰囲気が出ます。

ネガティブな使い方をしたいとき

逆に、気持ちが沈んでいるときにも使えます。

変わらない毎日にうんざりしていたり、つらい日々が続いているときに表現できます。

今日も今日とて仕事で失敗しました」「今日も今日とて好きな人に会えませんでした」など、憂鬱な気持ちを素直に表現することができます。語感がやわらかいぶん、深刻になりすぎず、どこか自嘲気味のニュアンスで気持ちを表せるのが特徴です。

ネガティブに使う場合でも、「来る日も来る日も」「相も変わらず」ほど重くならないのが「今日も今日とて」の持ち味です。同じ不満を述べるにしても角が立たず、聞き手や読み手に重苦しさを与えにくいのです。たとえば「今日も今日とて電車が遅れた」と言えば、苛立ちを直接ぶつけるよりも、半ばあきらめながら受け流しているような、こなれた印象になります。愚痴をユーモアに変えたいときに向いた表現だと覚えておくとよいでしょう。

間違った使い方

「今日も今日とて」という表現は、どんな場面でも気軽に使えるわけではありません。使い方を間違えると、まったく意味が通じなくなってしまいます。

例えば、日常的に行われていない出来事には使えません。

「今日も今日とて限定セールで新しい服を買った」というような言い方をすると、「限定セール」は毎日行われているわけではないので、意味が通じません。

また、一回限りの行動にも適していません。「今日も今日とて落とし物をしてしまった」というような使い方をすると、いつも落とし物をしているように聞こえてしまい、意味が通じません。

このように、「今日も今日とて」は「繰り返し起きていること」が前提です。一度きりの出来事や、特別なイベントには使えない、と覚えておきましょう。

もうひとつ、見落とされがちな誤用が「強すぎる断定や評価語と直結させてしまう」パターンです。「今日も今日とて最高に幸せだ」「今日も今日とて絶望的だ」のように、感情の振れ幅が大きすぎる言葉を後ろに置くと、淡々とした語感とちぐはぐになり、どこか芝居がかった印象になってしまいます。この表現の持ち味は、あくまで「日常をやわらかく眺める距離感」にあります。喜びも嘆きも、少し抑えたトーンで添えるほうが、言葉とよくなじみます。

また、敬語表現の中に混ぜ込むのも避けたほうが無難です。「今日も今日とて、ご対応いただきありがとうございます」のように丁寧語と組み合わせると、古風で砕けた「今日も今日とて」とかしこまった敬語が衝突し、文体が不安定になります。フォーマルさが求められる文脈では、後述するように別の言い回しに置き換えるのが得策です。誤用の多くは「単発に使う」「相手の行動に使う」「強い評価語と直結させる」「敬語に混ぜる」という四つに集約できます。逆に言えば、この四つを避けるだけで、自然な使い方の大半はカバーできるということです。

今日も今日とてを使うときに注意すること

自分の行動を対象にすることが多い

自分が毎日同じように行っていることや、自分の日課を対象に使うことが多く、相手の動作を表現するのは少し適切ではありません。

誰かにとって変わらない日常であるかどうかは判断が難しく、自分の日常についてしかわからないからです。

そのため、「あなたは今日も今日とて仕事に行く」という使い方はせず、基本的には自分の行動を対象にして使います。

この言葉だけではよい印象も悪い印象も与えない

「今日も今日とて」自体には、プラスの意味もマイナスの意味も含まれていません。どこかぼんやりした印象を受けるかもしれませんが、「毎日変わらない」といった意味しかもっていないのです。

もし、プラスの印象やマイナスの印象をもつ文章にしたい場合は、「今日も今日とて」に続けてプラスの意味やマイナスの意味をもつ文章を使いましょう。

使い方次第で印象が変わる言葉なので、どう使いたいのかをよく考えてみてください。

次に続く文章を強調するために使う

「今日も今日とて」は、日常の継続性を表現する定型句で、後に続く文章の感情的なニュアンスを際立たせる特徴を持っています。

この表現は、日々の変わらない状況に対する話者の内面的な感情を効果的に伝えることができます。前置きとして「いつも通り」という枕を置くことで、後ろに来る出来事や感情がより印象的に浮かび上がるのです。

これは文章のリズムの面でも効いています。いきなり本題を述べるよりも、「今日も今日とて」という一拍を置いてから続けたほうが、語りに落ち着いた呼吸が生まれます。エッセイや日記、SNSの投稿で文章にひと味加えたいとき、この枕詞のような働きはとても役立ちます。読み手をいったん日常の風景に引き込んでから、本当に伝えたい一言を差し出す。そうした緩急のつけ方ができるのも、この表現の魅力です。

図4:使う前のチェックリスト
□ それは「繰り返し起きている」ことか(単発ならNG)
□ 対象は「自分の行動・日常」か(相手の動作は避ける)
□ 後ろに置く言葉で良し悪しの色を付けているか
□ フォーマルな文書ではないか(敬語・公的文には不向き)
□ 強すぎる断定・評価語と直結させていないか
図:「今日も今日とて」を使う前に確認したい5項目。

ビジネスやフォーマルな場面で使ってよいか

結論として、ビジネスメールや報告書などのフォーマルな文書では、原則として使わない方が無難です。「今日も今日とて」は口語的・修辞的な言い回しで、改まった文章には不向きだからです。

業務上のやり取りで「いつも通り」を表したいときは、「本日も平常どおり」「本日も引き続き」「例によって」といった、より落ち着いた表現に置き換えましょう。これらは事務的な文脈にもなじみます。

一方で、社内チャットの雑談、SNS、ブログ、日記、エッセイなどのくだけた・私的な文脈では十分に使えます。場面のフォーマル度に応じて使い分けるのがポイントです。

使い分けの目安として、相手や読み手が「初対面」「目上」「社外」のいずれかに当てはまる文章では避け、気心の知れた相手や自分のための記録ではのびのび使う、と考えると判断に迷いません。同じ「変わらない日常」を述べる場合でも、誰に向けた文章なのかを意識するだけで、選ぶべき言葉は自然と定まってきます。

もう少し具体的に考えてみましょう。たとえば取引先へのメールで「今日も今日とてお世話になっております」と書くと、定型のあいさつである「いつもお世話になっております」を、あえて崩したような違和感が生まれます。受け取った相手は、馴れ馴れしさや軽さを感じるかもしれません。こうした場面では、素直に「平素より大変お世話になっております」と書くほうが、礼儀にかなっています。一方で、長く付き合いのある同僚へのチャットや、自分のブログの書き出しであれば、「今日も今日とて締め切りに追われています」といった一文は、肩の力が抜けていて親しみやすく響きます。

つまり、この表現が向くかどうかは、言葉そのものの良し悪しではなく、文章全体が許容する「砕け具合」によって決まります。文書のフォーマル度を測る習慣を持っておくと、「今日も今日とて」に限らず、口語的な言い回し全般を適切に扱えるようになります。言葉選びは、相手との距離感を測る作業でもあるのです。迷ったときは「この文章を声に出して相手に直接言えるか」を想像してみると、ちょうどよい温度感が見つかります。

なお、「今日も今日とて」を避けたうえで丁寧な依頼や報告をしたい場面では、敬語の言い回しそのものを整えることも大切です。ビジネス文章での丁寧な依頼表現に迷ったときは、「教えてください」を敬語でいうと?の解説もあわせて確認しておくと安心です。

図5:場面で選ぶ「いつも通り」の言い換え
私的・くだけた(SNS/日記) → 「今日も今日とて」「いつもどおり」
やや改まった(社内連絡) → 「例によって」「本日も引き続き」
フォーマル(社外文書) → 「本日も平常どおり」「平素どおり」
図:フォーマル度に応じた言い換えの分岐。

今日も今日との英語表現

「今日も今日とて」は日本語ならではのニュアンスを持つため、英語に直訳するのは難しく、文脈に合わせて言い換えるのが基本です。代表的な表現を紹介します。

day after day

「来る日も来る日も」に似た表現で、毎日続く同じ日課に退屈を感じているときに使います。「Day after day, I go to school」と使えば、毎日学校に通うことに退屈や憂鬱を感じていることを伝えられます。

everyday

最もシンプルで使いやすい表現ですが、単に「毎日」という意味の言葉です。

日課や日常的なことを表現したいときに使えます。「I eat breakfast everyday」とすれば、毎日朝食を食べるのが日課だということが分かります。

day in and day out

「明けても暮れても」のようなニュアンスで、一日中作業しているときなどに使えます。「Day in and day out I’m busy」とすれば、いつも忙しくしている様子を伝えることができます。

as usual / same as always

「いつも通り」「相変わらず」をやわらかく表したいときは、「As usual, …」や「Same as always today.」「Another day, same routine.」といった言い回しが便利です。会話のなかで「今日も今日とて」に近い温度感を出せます。

どの表現も似たような意味で使われますが、それぞれ少しずつニュアンスが違うので、伝えたい内容によって使い分けることをおすすめします。

まとめ

アニメや漫画、小説などでよく使われている「今日も今日とて」という表現は、昔から使われてきた言葉です。古い文章の特徴を持っていますが、言葉の響きがよいため、物語の中でよく使われるようになりました。

少しもの悲しいような感じを与えますが、この言葉自体に特別な意味はなく、良くも悪くもありません。後ろに続く言葉によって、前向きにもネガティブにも姿を変えます。

使うときは、「繰り返し起きていること」「自分の行動」を対象にすること、そしてフォーマルな文書では避けることを意識しましょう。単調な日々をどのように表現したいのかを考えながら、後ろに続く言葉を選ぶのがコツです。

最後に、使いこなしの全体像をもう一度押さえておきましょう。意味は「今日も相変わらず・いつも通り」、その核には「反復」と「継続」があります。言葉そのものは中立で、良し悪しは後ろに続く言葉が決めます。対象は自分の日常に向け、繰り返し起きていることに使い、フォーマルな文書では別の言い回しに置き換える。この4点さえ守れば、誤用はほとんど避けられます。

そのうえで、ポジティブにもネガティブにも、あるいはまったく感情を込めずにも使えるという柔軟さを楽しんでみてください。同じ「変わらない毎日」を、温かくも、もの悲しくも、淡々とも描けるのがこの表現の醍醐味です。語彙の引き出しが増えると、書く文章にも話す言葉にも、自分らしい色合いが生まれます。

似たような表現を知っておくことで、変わらない毎日を描写する文章に深みが出ます。昔から伝わる表現を上手に取り入れて、詩的で味わいのある文章を作ってみてください。

「今日も今日とて」の意味・使い方に関するFAQ

「今日も今日とて」はどんな意味?

「(良くも悪くも)今日も相変わらず・いつも通りに」という意味の古風でやわらかな言い回しです。日常の反復や慣例になっている行いを、やや文学調に述べるときに使います。

ニュアンスはポジティブ?ネガティブ?

文脈依存です。微笑ましい反復にも、うんざり感のある「またか」にも使えます。語感自体はやわらかく、やや古風・雅な印象です。

例文を教えて(カジュアル)

① 今日も今日とて猫が日向で丸くなる。/② 今日も今日とて終電まで残業。/③ 今日も今日とて朝はパンと珈琲。

ビジネスメールやレポートで使ってOK?

原則おすすめしません。 口語的・修辞的で、フォーマルな文書には不向きです。業務文では「本日も平常どおり」「本日も引き続き」などに置き換えましょう。

言い換え・類語は?(口語〜フォーマル)

口語:今日も相変わらず/きょうもきょうで|やや改まって:本日も引き続き/本日も平常どおり/例によって|文語風:今日もまた/例のごとく

語源・成り立ちは?

「今日も」+「今日とて(=今日といえども)」の結合です。「とて」=「といっても/といえども」に由来する古風な助詞的表現に支えられています。

誤用になりやすいポイントは?

強い断定・評価語と直結させるとトーンがちぐはぐになります(例:×今日も今日とて最悪極まりない)。②初出の出来事には不適(反復の含意があるため)。③敬語文に混ぜると違和感が出ます。

SNSでの使い方のコツは?

日常の定番ネタを軽く自嘲・ユーモラスに切り取るときに向きます。語感が柔らかいので、皮肉や不満も角を立てずに言えます。投稿の冒頭に置いて読み手を日常の風景に引き込み、後ろに本題を続ける使い方が定番です。写真や短い感想と組み合わせると、肩の力の抜けた親しみやすい投稿になります。

英語だと何と言う?

直訳は難しく、文脈で言い換えます。例:「Same as always today.」「As usual, …」「Another day, same routine.」など。

似た表現・反対の表現は?

似た表現:例によって/いつもどおり/相も変わらず|反対:今日はひと味違う/今日は特別に/たまには

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