【2024年最新】保育士の年収と給料はいくら?年代別や勤務先別の違いも解説

保育士の平均年収は?

保育士の平均年収は382万円前後

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は約382万円となっています。国税庁の調査による同年の民間給与所得者の平均年収が約433万円であることを考えると、保育士の年収は一般的な水準を下回っていることがわかります。保育士は国家資格を持つ専門職でありながら、年収面での待遇が十分とは言えない状況にあります。

年齢が上がるほど年収は上昇

同調査で年代別の保育士の年収を見ると、20代前半で約312万円、50代前半で約434万円となっており、年齢が上がるほど年収が上がる傾向が見て取れます。経験を積むことで技術が向上し、役職に就くなどの昇進があるためと考えられます。しかし、50代後半以降は年収が頭打ちになる傾向もあるようです。

男性保育士の年収は女性を上回る

• 男性保育士の平均年収：約421万円
• 女性保育士の平均年収：約380万円
• 保育士全体の構成比から見ると、男性は5%程度と少数派
• 男女間の年収格差は、他の職種と同様の傾向

年代	男性保育士年収	女性保育士年収
20代	約327万円	約310万円
30代	約401万円	約395万円
40代	約466万円	約421万円

出典：令和3年賃金構造基本統計調査

※この情報は2024年4月時点のものです

年代別の保育士の年収はどう違う?

年代による年収の違いが明確

保育士の年収は年代によって大きく変わってくることが分かっています。20代前半では年収が300万円台と比較的低めですが、30代後半から50代にかけては400万円台と年収が上がっていきます。経験を積むほど年収アップの機会が増えるため、このような年収カーブが描かれるのです。

20代と50代前半の年収ギャップが121万円

最も年収に開きがあるのが、20代前半の312万円台と50代前半の434万円台で、実に121万円もの差が生じています。保育士として長く勤め続けることで、着実に年収アップを図れる職業だと言えるでしょう。しかし一方で、若手保育士の給与水準が低いことも指摘できます。

70歳以降も高年収を維持できる可能性

• 保育士は70歳を過ぎても資格を持っていれば就業可能
• 70歳以上の保育士でも年収は400万円台を維持
• 長期的にキャリアを積むことで高年収を実現できる
• 定年後も働き続けられるメリットがある
• 高齢者雇用の受け皿としても期待されている

年代	平均年収
20代前半	312万円
50代前半	434万円
70歳以上	422万円

出典：令和3年賃金構造基本統計調査

※この情報は2024年4月時点のものです

男女別の保育士の年収の違い

男女間の年収格差の概要

保育士の職場では、男女間で年収に差がみられます。厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、男性保育士の平均年収は約420万円で、女性保育士の平均年収約380万円を上回っています。しかし、保育士全体に占める男性の割合はわずか4.7%と非常に低い数値となっています。年齢が上がるにつれ、男女間の年収格差は縮小していく傾向にあります。

男女別の具体的な年収データ

令和3年度の保育士の年収データを男女別に見ると、男性保育士の平均年収は約421万円、女性保育士は約380万円と、男性の方が年収が高いことがわかります。この差は約41万円となっています。しかし、保育士全体に占める男性の割合はわずか4.7%と非常に少数派です。

男女年収格差の詳細分析

• 20代後半では男女間の年収差が最も大きくなる傾向にある
• 30代後半以降は徐々に年収差が縮小していく
• 50代以降はほぼ年収が拮抗する
• 管理職などの役職手当が影響している可能性がある
• 育児休暇の取得率の違いが影響している可能性もある

年齢層	男性年収	女性年収	差額
20代後半	約370万円	約340万円	約30万円
30代後半	約430万円	約400万円	約30万円
40代後半	約450万円	約420万円	約30万円

出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

※この情報は2024年4月時点のものです

勤務先による保育士の年収の違い

保育士の年収は勤務先によって大きく変わる

保育士の年収は、勤務先の設置者や規模によって大きく異なります。一般的に、公立保育園で働く保育士の方が私立保育園勤務の保育士よりも年収が高くなる傾向にあります。また、大手企業が設置する企業内保育所で働く保育士の年収は比較的高水準にあるとされています。加えて、都市部と地方では年収の格差も大きく、東京都内の保育士の平均年収は全国平均を上回っています。

公立保育園と私立保育園の年収格差は2倍以上

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、公立保育園に勤務する保育士の平均年収は約485万円でした。一方、私立保育園勤務の保育士の平均年収は約339万円と、公立と私立では約146万円もの年収格差がありました。この差は、公立保育園が自治体の給与規程に基づいて支給されるのに対し、私立保育園は各園の裁量で給与を決定することが主な要因と考えられます。

地域や設置者による年収格差の詳細

• 東京都内の私立保育園勤務保育士の平均年収は約390万円と高水準
• 一方、北海道の私立保育園勤務保育士は約300万円と低め
• 大手企業の企業内保育園勤務保育士は約450万円前後が多い
• 病院内の院内保育園勤務保育士は約380万円前後
• 小規模保育事業所勤務は約330万円前後と比較的低め

勤務先	平均年収	備考
公立保育園	約485万円	自治体の給与規程による
私立保育園	約339万円	各園の裁量で決定
企業内保育園	約450万円	大手企業が設置

出典：令和3年賃金構造基本統計調査

※この情報は2024年4月時点のものです

保育士の初任給はどのくらい?

初任給は勤務先によって異なる

保育士の初任給は、勤務先となる施設の種類によって大きく異なります。公立保育園で働く場合は、地方公務員として各自治体の給与規定に基づいた給料が支給されます。一方、私立保育園に就職した場合は、施設ごとに給与水準が異なり、一般的には18万円から20万円程度が初任給となります。税金や保険料を差し引くと、手取り額は約15万円程度になることもあります。

公立保育園での初任給の例

公立保育園に就職した場合の初任給の例を見てみましょう。東京都の場合、短大卒の初任給は約20万円、大学卒は約22万円程度となっています。地域によっても差があり、例えば静岡県の短大卒初任給は約18万円、大学卒は約20万円となっています。大都市圏では比較的高めの初任給となる傾向にあります。

私立保育園の初任給に影響する要因

• 施設の規模や経営状況
• 立地する地域の経済状況
• 求人状況や人材確保の難易度
• 同業他社との賃金水準の違い
• 応募者の学歴や経験年数

勤務先	初任給の目安
公立保育園	自治体の規定に基づく(18万円〜23万円程度)
私立保育園	18万円〜20万円が一般的
企業内保育施設	20万円前後が多い

出典：保育士の年収・給料はいくら？ 手取り額や初任給も解説

※この情報は2024年4月時点のものです

保育士の年収アップ方法は?

資格取得でスキル向上と給与アップを狙う

保育士の給与を上げる最も確実な方法は、保育に関連する資格を取得することです。保育士以外の国家資格や民間資格を取得することで、スキルが向上し処遇改善につながります。例えば、幼稚園教諭や児童指導員、保健師、管理栄養士などの資格を取得すると、給与面でメリットが生まれます。単に保育業務だけでなく、子育て支援や食育、健康管理など、様々な分野で活躍の場が広がり、高給与が期待できるようになるのです。

キャリアアップを意識し役職に就く

保育現場での経験を積み重ね、主任保育士や園長代理、園長といった役職に就くことで、給与アップが見込めます。園の運営業務に携わるようになれば、高い報酬が期待できます。園長の平均年収は約500万円前後と言われており、キャリアアップを意識することが年収アップに直結します。また、公立保育園では勤続年数に応じて昇給する仕組みがあり、長く働けば働くほど年収が上がっていきます。

賃金水準の高い職場を選ぶ

• 公立保育園や大手企業の保育施設
• 手当てが充実している施設
• 処遇改善加算を受けている施設
• 都市部や高年収エリアの施設
• 民間の認可保育園や認定こども園

雇用形態	平均年収
正規雇用	約400万円
非正規雇用	約250万円
自営業	約280万円

出典：令和3年賃金構造基本統計調査

※この情報は2024年4月時点のものです

まとめ

保育士の平均年収と一般の給与水準との比較

令和3年度の厚生労働省の調査によると、保育士の平均年収は約382万円でした。一方、国税庁の調査による令和2年度の民間の平均給与は約433万円でしたので、保育士の平均年収は一般の給与水準よりも約50万円ほど低いことがわかります。保育士は専門性の高い国家資格を持つ職業にも関わらず、給与面での待遇が十分でないことが伺えます。

年齢別の保育士の年収の推移

年齢別に保育士の年収を見ると、20代から30代前半にかけては300万円台ですが、30代後半から50代にかけては400万円台へと上がっていきます。70歳以上になっても400万円を超える年収を得られる可能性があり、資格を持ち続ける限り長く就労できる魅力的な職業であることがわかります。一番年収に開きがあるのは、20代前半の約312万円と50代前半の約434万円で、約122万円の差があります。

保育士の男女別の年収格差

• 男性保育士の平均年収は約421万円
• 女性保育士の平均年収は約380万円
• 男女間で約41万円の年収格差がある
• 保育士全体に占める男性の割合は4.7%と少数派
• 男性保育士は経験年数が短い傾向にある

性別	平均年収	平均年齢
男性	421万円	33歳
女性	380万円	38.4歳

出典：令和3年賃金構造基本統計調査

※この情報は2024年4月時点のものです