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客先常駐はつらい?就職前に知っておきたいメリット・デメリットを徹底解説!

28分で読めます
江藤 圭一 監修

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IT業界での仕事探しでは、しばしば「客先常駐」という単語が目に入ります。 業界固有の勤務形態ではありませんが、需要も高いためにIT業界でピックアップされることが多いです。 今回は、ITエンジニアが客先常駐をするメリット・デメリット、派遣社員との違いなどを詳しく解説します。 客先常駐の仕事を検討している人は、是非この記事を参考にしてください。

客先常駐とは

客先常駐は、IT業界ではよく見かける勤務形態です。 簡単に言ってしまえば、自分が本来所属している会社ではなく、指定された顧客となる会社に出社して業務を行います。
客先常駐をするエンジニアのことをSES(システムエンジニアリングサービス)やSIer (システムインテグレーター) と呼ぶこともあります。
エンジニアとして派遣された会社で、その会社から指示された業務をこなすのが客先常駐の主な仕事です。 形態こそ特殊ですが、俗にいう派遣の仕事に近く、こなす業務はシステム開発やソフトウェア開発などのエンジニアの仕事がメインなことは変わりません。 自分が所属している会社に出社せず、一定期間とはいえ別の会社に出社し続けるのに違和を感じる人もいるかもしれませんが、客先常駐の仕事にはメリットも多いです。

メリット・デメリットを把握した上で客先常駐の仕事を選べば、トラブルも少なく、スムーズに仕事ができるでしょう。

客先常駐をするメリット

まずは客先常駐のメリットですが、以下のようなものがあります。
客先常駐をする主なメリット
  • 様々な会社に勤務できる
  • 未経験やキャリアが短くても就職しやすい
  • 一般的なエンジニアより残業が少ない傾向
  • 人間関係のトラブルで困ることが少ない
主なメリットには、一つの会社に居続けなくても良いことや、決まった期間・待遇の勤務になるためトラブルが少ないことが挙げられます。 1つずつ見ていきましょう。

様々な会社に勤務できる

自分の希望の会社に常駐できる訳ではありませんが、勤務地や業務内容などある程度の希望は考慮された上で、半年から長くても数年程度は派遣された客先で勤務することになります。 10社以上に常駐したことがあるエンジニアも多く、様々な会社に勤務し、経験を積めるのは客先常駐のメリットの一つといえます。

様々な会社で様々な業務をこなすというのは良い経験であると同時に、よい刺激にもなり、仕事にもハリがでてくるでしょう。

常駐先での評価が高ければ、別プロジェクトもお願いしたいと指名を受けて勤務延長となり、働き甲斐がある仕事となる場合もあります。 参考:客先常駐が楽しいと感じる職場環境とは?客先常駐のメリットも解説 | SES業務管理の統合ツール Fairgrit®公式サイト

未経験やキャリアが短くても就職しやすい

エンジニアの客先常駐を行っている会社の求人を見てみると「未経験歓迎」「職歴不問」や「研修制度あり」となっているところが多い傾向にあります。

そのため、他業種からの転職であっても比較的敷居が引く、就職しやすいというのも一つのメリットといえます。

研修で基礎的な部分をしっかり教わった上で客先常駐を任されるケースが多く、あまりパソコンを触ったことがないという人でも研修に加えてしっかり自己研鑽をしていけば問題なく勤務できます。 また、IT業界の経験がある人であれば特におすすめできます。経験や持っているスキルを考慮して常駐先を検討してもらえるので、無理なく働ける可能性が高いといえます。

一般的なエンジニアより残業が少ない傾向

IT業界の経験者であれば知っての通り、エンジニアは残業時間が多くなりがちという傾向にあります。残業時間が長すぎて転職を検討している人も少なくありません。 前項の「未経験やキャリアが短くても就職しやすい」でも触れましたが、IT業界の経験者で転職を考えている場合は客先常駐という勤務形態はおすすめです。

客先常駐で残業をする場合は、時間ごとに超過料金が発生するケースが多く、基本的には残業を求めない常駐先が多いといえます。

多忙な際でも極力客先常駐している社員には残業をさせず、正規の社員だけで対応をするという会社も多く、エンジニアにありがちな残業だらけというイメージからは遠い勤務形態になりやすいといえます。

人間関係のトラブルで困ることが少ない

先述の通り、客先常駐で働く場合、半年から長くても数年程度です。 2年以内で契約が終了するケースが圧倒的に多く、人間関係のトラブルに巻き込まれるよりも別の会社に常駐することになる方が早いというケースが多いといえるでしょう。 通常の勤務形態であれば、上司や同僚との人間関係に悩んで転職を考える人も少なくありません。

客先常駐の場合は、常駐先でトラブルが起きても少し待てば別の会社に常駐になると考えれば乗り切れると思える人も多いでしょう。

人間関係が原因で転職を考えている人には、客先常駐である程度勤務先を転々とするほうが向いていると感じる人もいると思います。

客先常駐をするデメリット

一方で客先常駐のデメリットといえるものもいくつか考えられます。主なデメリットは以下の通りです。
客先常駐をする主なデメリット
  • 長期的な仕事や重要な仕事に携われない可能性がある
  • 帰属意識が薄くなりがちで長期的な人間関係が築けない
  • スキルアップが難しい場合もある
  • 正しい評価をされない場合もある
メリットの裏返しともいえるデメリットもあり、両方の特徴をしっかり把握しておくことが重要です。

長期的な仕事や重要な仕事に携われない可能性がある

客先常駐で仕事をする場合、基本的には常駐先の会社の指示に従って作業をすることになります。 ただし、あくまで期間限定の客先常駐となるのが基本のため、数年から10年を超えるような長期的な仕事には関われないケースが多いです。

関われるとしても大きなプロジェクトの一部にあたる単純作業の積み重ねになる部分のみとなりがちです。

また、常駐先の会社の中でも社外秘になるような特に重要なプロジェクトは正社員だけで行っている会社も少なくありません。 どちらにしても関われるとしても単純作業の積み重ねになるような部分しか関われず、大きなプロジェクトの根幹に携われずに単純作業の経験しか積めないというデメリットが考えられます

帰属意識が薄くなりがちで長期的な人間関係が築けない

客先常駐を続けていると、本来所属している会社に出社することはほとんどありません。 そのため、所属している会社の同僚や上司といわれてもほとんど会話したことがないというケースも珍しくありません。

自分が所属している会社といわれもほとんど実感はなく、直接会うことが少ない部下の顔を覚えていない上司がいるということも珍しくありません。

本来所属している会社との関係も希薄になりがちですが、常駐している客先でもあまり人間関係は築けません。 短ければ半年から1年程度で契約が終わってしまうので、長期的な人間関係を築くのは難しいといえます。 職場で人間関係を構築したいと思わない人であれば適正はありますが、同僚と呼べる存在と関係を続けにくいのは一つのデメリットです。

スキルアップが難しい場合もある

「長期的な仕事や重要な仕事に携われない可能性がある」でも触れましたが、長期的なプロジェクトや最新技術を用いた重要なプロジェクトに関われず、単純な作業ばかりになってしまうという可能性も客先常駐のデメリットです。 文字通り客先に常駐して、客先の指示に従って業務を行うことになりますが、契約期間が終われば居なくなる社員ですので、経験を積ませたり教育をしたりということはほぼありません

常に自己研鑽が必要で、自分から積極的に新しい技術や手法を学んでいかないと、スキル不足で常駐できる会社すらなくなってしまう可能性も考えられます。

元々自分の力で成果を出すしかない仕事でもありますので、自主的に学ぶことは必須ではありますが、最新技術に触れる機会が少ない可能性があるのはやはりデメリットともいえます。 また、本来であれば経験を積んでプロジェクトマネージャーなど管理側に回っていくものですが、客先常駐で言われたことをしているだけの社員の場合、こういったスキルアップも難しいという側面があります。

正しい評価をされない場合もある

もちろん所属会社や客先の会社にもよりますが、自分がしっかり仕事をしていても評価が低いと感じる場合もあるでしょう。 所属会社からすれば客先からのフィードバックがすべてで、自社からわざわざ客先常駐している社員の様子を見に行くことは非常に稀です。 また、客先となる会社では常駐している社員が高いスキルを持っていても単純かつ時間のかかる作業ばかり任せていて、誰にでもできる仕事をしている程度という評価とされてしまうケースも考えられます。

中には、定期的に所属会社の上司との面談や、客先への視察を積極的に行っている会社もあります。

高い評価が受けられず、より高度な技術を必要とされる常駐先へ行くことができないと、キャリアアップが難しくなりがちです。所属する会社はよく検討しておくことも重要です。

客先常駐と派遣社員の違い

ここまで客先常駐について詳しく解説してきましたが、自分の所属会社に出勤せずに客先で勤務をするという形態は派遣社員と何が違うのかと思う人は多いでしょう。 ここでは客先常駐と派遣社員との違いについて詳しく解説します。

派遣社員の特徴

派遣社員は自身を人材派遣会社に就職しますが、実際は客先になる企業に勤務する点は客先常駐と同じです。

ただし、人材派遣会社は様々な企業に対して人材を派遣するため、業務は多岐に渡り、必ずしも自分の専門知識を活かせる仕事があるとは限らない点は注意が必要です。

この点で言えば客先常駐するエンジニアを募集している会社の方が、自分の専門知識やスキルを活かす仕事が見つけやすく、また雇用してくれる会社自体もエンジニアに対する理解が深いというメリットもあります。 未経験から始める場合であっても、IT業界に入るためのフォローが手厚いのはエンジニアの客先常駐を行っている会社といえます。 ただし、IT業界に限らず仕事を探している場合は幅広い業種の仕事に応募できる人材派遣会社の方がチャンスが多いともいえるので一長一短といえるでしょう。

客先常駐と派遣社員の違い

エンジニアの客先常駐を行っている会社の方が専門性が高く、エンジニアに対する理解は深いといえますが、どちらも客先に常駐している勤務形態という意味では違いはさほどありません。 何が違うのかを具体的にまとめると、以下のようになります。
客先常駐と派遣社員の主な違い
  • 雇用形態の違い
  • 働く場所の違い
  • 業務内容の違い
  • 雇用期間の違い
細かく見ると違う部分はあるため、詳しく説明していきます。

雇用形態の違い

客先常駐の場合はあくまで所属している会社の正社員として派遣されるので、待遇も正社員に準じるものとなります。 一方で派遣社員の場合は派遣先の会社に派遣社員として登録されることになりますが、時給制になっていることが多く、むしろアルバイトと比較されることすらあるという違いもあります。

ただし、社会保険や有休などはしっかり付与されるので、正社員とアルバイトの間のような扱いが近いといえます。

派遣の場合の雇用形態は、派遣会社や派遣先によって大きく異なるケースも珍しくないので、一概には言えませんが、安定性でいえば客先常駐のエンジニアの方が安定しているとはいえるでしょう。

働く場所の違い

客先常駐のエンジニアの場合は文字通り客先のオフィスに常駐します。 エンジニアですのでデスクワークが基本になり、これはほぼ変わりません。

一方で派遣社員の場合は必ずしもデスクワークとは限らず、派遣された先によっては毎日同じ場所に出勤するとは限らないという違いがあります。

派遣であってもエンジニアとして派遣される場合は違いがないともいえますが、全く同じと思いこまないようにしましょう

業務内容の違い

エンジニアとしての仕事であれば、どちらもシステム開発やソフトウェア開発という意味では同じですが、業務内容には若干の違いがあります。 派遣の場合は派遣されている企業側に指揮権がありますが、客先常駐の場合は所属会社の方に指揮権があります。

内容としては近いところがありますが、指揮権の兼ね合いで若干業務内容が異なる場合が多い傾向です。

この違いはトラブルに繋がることもあるので、客先常駐や派遣社員として働く前に必ず確認しておきましょう

雇用期間の違い

期間の違いもあります。もっとも条件によっては客先常駐と派遣で期間が一致することはありますが、法で定められている違いは存在します

派遣社員の場合は「派遣先は、同一の事業所において派遣可能期間(3年)を超えて派遣を受け入れることはできません。」という制限が労働者派遣法によって定められています。

一方で客先常駐には特に制限はありませんが、プロジェクト単位で決められていることが多く、半年から1年程度となるケースが多い傾向にあります。 派遣の場合は法律で3年までと定められていますが、客先常駐の場合は3年を超えることもあると覚えておきましょう

客先常駐でうまく仕事をするコツ

客先常駐のエンジニアとして仕事をしていく上で、これはおさえておきたいというコツがいくつかあります。主なコツは以下の通りです。
客先常駐でうまく仕事をする主なコツ
  • 適切なコミュニケーションをとる
  • 業務内容の作法を知る
  • 進捗管理を徹底して行う
  • 自己管理をおろそかにしない
  • 柔軟な判断を下せるようにする
客先常駐に限らないところもありますが、客先常駐という勤務形態だからこそ気を付けなければならないこともあります。1つずつ確認していきましょう。

適切なコミュニケーションをとる

客先常駐では外部企業の社員と一緒に業務を行うため、円滑なコミュニケーションが非常に重要です。

常駐先はあくまでお客様です。お客様の言葉をしっかりと聞き、適切なタイミングで自分の意見を述べることが大切です。

指揮権があるのは所属会社のため、現場の意見に耳を傾けないという客先常駐のエンジニアもいますが、柔軟に対応することが客先常駐という勤務形態をうまくこなすコツといえます。

業務内容の作法を知る

常駐先のシステムや業務内容について深く理解することが重要です。 業務に必要な知識や技術を習得し、業務に必要な情報を正確に把握することが求められます。

同じ業務をこなすにしても業務の順番や、報告方法1つとっても会社によって異なります。

客先の作法をしっかりと理解することが、客先常駐の仕事をこなしていくコツの1つといえます。

進捗管理を徹底して行う

常駐先企業とのコミュニケーションを密に取りながら、業務の進捗状況を把握し、スケジュール通りに進めるようにすることが重要です。 進捗状況を報告し、常駐先企業との折衝を行いながら、スムーズに業務を進めるようにしましょう。

指揮権はあくまで所属会社にありますので、所属会社への報告なども必要に応じて行いましょう。

エンジニア共通のコツといえますが、報告する先が複数ある点が一般的なエンジニアと異なります

自己管理をおろそかにしない

客先常駐では自宅から遠く離れた場所で働くことが多いため、自己管理が重要です。 健康管理や時間管理を徹底し、ストレスや疲れを溜めずに業務をこなせるようにしましょう

エンジニアの仕事は進捗が非常に重要です。客先に迷惑をかけないように、心がけて勤務しましょう。

客先常駐の仕事は残業が少ない傾向にありますので、決して難しいコツではないはずです。

柔軟な判断を下せるようにする

外部企業の業務内容やスケジュールは予期せぬ変更が生じることがあります。

そのような場合、柔軟に対応して状況に応じたアプローチをとることが重要です。

所属先、客先の間で業務をこなしていくことになりますので、「客先には指揮権がないから」「こういう契約だから」と頑なにならないような対応が必要です。 ただし、偽装請負のようなケースもありますので、柔軟かつ正しい判断ができるよう心がけましょう

客先になる企業側のメリット・デメリット

客先常駐のエンジニアを希望する企業にとっても常駐してくれるエンジニアにはメリットもありますが、デメリットもいくつかあります。 勤務する側ではあっても、それぞれについて把握しておけば望まれている業務などが見えてくるでしょう。

企業側のメリット

新しいシステムやサービスの立ち上げ時には様々なトラブルや、思ってもいない対応をしなければならないことが多く、人員が足りないというケースがあります。
必要な状況で即戦力になる社員を確保できるのは客先常駐や派遣社員の強みといえます。
また、システム開発やソフトウェア開発が本業ではない会社の場合はエンジニア自体が少ないこともあるので、必要なときにエンジニアを増やせるというのは本当に大きなメリットです。 うまく関係を築ければ、1つのプロジェクトが終わったあとも継続して別のプロジェクトを依頼できる可能性もあるというのもメリットといえるでしょう。

企業側のデメリット

客先となる企業側のデメリットとしては、指揮権がないエンジニアが自社で業務をすることになるので、依頼時にしっかりと内容を定めておかないと余計なトラブルになってしまう可能性があります。
また、自社エンジニアが十分におらず、客先常駐に頼りすぎていると、いざというときに対応ができなかったりするケースもあります。
また常駐する社員も毎回同じレベルの社員が来てくれるとは限らず、質のばらつきがあることも考慮しなければなりません。 どれだけ頼りになる人が来ても自社の社員ではないため、いつまでも頼りにできるわけではないというのもデメリットといえます。

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まとめ

今回は客先常駐という勤務形態でのエンジニアの仕事について、メリットやデメリットなどを詳しく解説しました。 所属している会社で勤務を続けるのではなく、常駐先を転々とする勤務形態になるためメリット・デメリット共に複数ある、IT業界ならではの働き方ともいえるでしょう。 メリット・デメリットをしっかり把握した上で、客先常駐という勤務形態を選ぶことが重要です。 IT業界から転職であれば、キャリアアップ・スキルアップは自力でし続ける必要はありますが、残業などの待遇面のトラブルは起きにくい状態で働けるためおすすめできます。 今回ご紹介したIamITEngineerは、エンジニアの転職・就職を目指す人をサポートとするサービスを提供しています。 20代や第二新卒者のサポートにも力を入れているので、ぜひ検討してみてください。

客先常駐(常駐/オンサイト)という働き方FAQ

最終更新:2025年10月9日

「客先常駐」とは何ですか?契約形態とどう関係しますか?

客先常駐は“働く場所”の言い方で、契約形態(派遣/請負・準委任(SES)など)とは別の概念です。派遣は「派遣先の指揮命令下で就労」する仕組みで、労働者派遣法の適用対象です。請負・準委任は、請負側(受託側)が工程や成果物に責任を負い、指揮命令は請負側にあります(現場が同じでも法的取り扱いが異なります)。

派遣と請負/準委任(SES)の違いは?偽装請負とは?

派遣=指揮命令は派遣先、請負/準委任=指揮命令は請負側。この区分に反して実態が派遣なのに請負等の形式を取ると「偽装請負」とされ、労働者派遣法違反になり得ます。国は「区分基準(37号告示)」とQ&Aを出し、判断ポイントを示しています。

派遣のとき、指揮命令・勤怠管理・労基法の適用は誰が担いますか?

指揮命令は派遣先、雇用・賃金・36協定などの労基法上の義務は派遣元が中心です。ただし派遣先にも安全衛生や均等・均衡待遇への協力などの責務が生じます(受入れ時の留意点が公表されています)。

派遣の「同一労働同一賃金」はどう決まりますか?(方式の違い)

派遣元は「派遣先均等・均衡方式」または「労使協定方式」のどちらかで待遇を決定します。均等・均衡方式は派遣先の通常労働者との均等・均衡、労使協定方式は統計に基づく一般賃金以上となるよう労使協定で決定します。

派遣の「3年ルール」(期間制限)はどう考えれば良いですか?

同一の事業所・同一の組織単位での受入れには原則3年の期間制限があります。延長は過半数労組等への意見聴取など所定の手続きが必要です(個人単位・事業所単位の整理に注意)。

「二重派遣」や無許可派遣の受入れは問題になりますか?

はい、違法となり得ます。派遣は許可制で、派遣先は無許可派遣の受入れ禁止や期間制限の順守など、法令に基づく対応が求められます。

客先常駐での情報セキュリティは何に注意すべき?

「持込端末・データ持出・画面/紙の取り扱い・権限管理」を契約と社内規程に明文化し、客先ルールとの整合を取ることが重要です。IPAのガイドラインは中小企業向けの実務的対策を整理しており、常駐時の社内ルール整備・教育の必要性を指摘しています。

客先常駐で起こりがちな法令リスクは?

「指揮命令の実態が派遣になっていないか(偽装請負)」「派遣なら期間制限や待遇決定方式が順守されているか」が代表的です。契約書・業務指示系統・評価/勤怠の持ち方など、実態が法の定義に適合しているかを必ず確認しましょう。

契約前に最低限チェックしておく項目は?

①契約形態(派遣/請負・準委任) ②指揮命令系統 ③派遣なら待遇決定方式(均等・均衡or労使協定) ④期間制限・延長手続 ⑤セキュリティ/NDA・持込端末 ⑥トラブル時の連絡先(元請・派遣元・客先)を文書で明確化しておくと安全です。

トラブル時の相談窓口はどこですか?

まずは都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」へ。派遣・職業紹介の専用相談窓口も案内されています(各局サイト/フリーダイヤルあり)。

監修

江藤 圭一

合同会社Radineer マーケティング支援事業部

2017年に合同会社Radineerにジョインし、未経験者向けITエンジニア転職支援サービス「I am IT engineer」の責任者として、20代・第二新卒のIT業界転職を多数支援。現在はマーケティング支援事業部でWebマーケティング事業の統括・ディレクションを担当。

保有資格

未経験エンジニア転職支援「I am IT engineer」元責任者Webマーケティングディレクターオウンドメディア運営7年以上

専門領域

未経験からのIT転職エンジニア転職転職サイト・エージェント活用20代・第二新卒の転職

監修方針:本記事は、江藤 圭一が専門的知見に基づき、内容の正確性と実用性を確認しています。 情報は定期的に見直しを行い、最新の転職市場動向を反映しています。

CB
監修

CareerBoost編集部

転職・キャリア領域の専門メディア。人材業界経験者、キャリアコンサルタント資格保有者が在籍。 累計1,000記事以上の転職コンテンツを制作・監修。

編集部の専門性

  • 人材業界での実務経験5年以上
  • キャリアコンサルタント資格保有
  • 転職支援実績1,000名以上