「ANAの年収はどれくらい?」「航空業界の中でANAの給与水準は高いの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
ANA(全日本空輸)は、日本最大級の航空会社として国内外に広大な路線網を持ち、ANAホールディングスとしてグループ全体で約4万5,000人以上の従業員を擁する巨大企業です。航空業界は華やかなイメージがある一方で、職種によって年収に大きな差があるのも特徴です。
本記事では、ANAの有価証券報告書や口コミサイト(OpenWork・転職会議)、転職エージェントの公開データをもとに、ANAの平均年収・職種別年収・年代別年収・役職別年収を徹底的に解説します。さらに、JALなど競合他社との比較や、ANAへの転職難易度・選考フローについても紹介しますので、転職を検討中の方もぜひ参考にしてください。
【結論】ANAの平均年収は約829万円|業界平均を大きく上回る
まず結論から述べると、ANAホールディングスの有価証券報告書(2025年3月期)によると、従業員の平均年収は約829万円です。これは国内の航空業界平均や、日本の給与所得者全体の平均年収と比較しても高い水準にあります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ANAホールディングス 平均年収(有報) | 約829万円 |
| 全日本空輸(単体)推定平均年収 | 約750万円 |
| 航空業界 平均年収 | 約610万円 |
| 日本の給与所得者 平均年収 | 約460万円 |
| ANAの平均年齢 | 約46.2歳 |
| ANAホールディングス 従業員数(連結) | 約45,000人 |
ANAホールディングスの平均年収829万円は、航空業界平均(約610万円)を約200万円以上上回り、日本の給与所得者平均(約460万円)と比較すると約1.8倍の水準です。ただし、有報の数値はホールディングスの本社勤務社員(管理職含む)が中心であるため、グループ全体の平均とは異なる点に注意が必要です。
実際に全日本空輸(航空事業の中核子会社)単体では、パイロット・CA・地上職など幅広い職種の社員が含まれるため、推定平均年収は約750万円前後とされています。それでも航空業界の中ではトップクラスの給与水準であることは間違いありません。
ANAの職種別年収|パイロットは2,000万円超、職種で大きな差
ANAは職種によって年収に大きな差があります。パイロット(運航乗務員)は国内でも屈指の高年収である一方、客室乗務員(CA)や地上職はそれよりも低い水準です。以下に、OpenWorkの口コミデータや転職サイトの情報をもとにした職種別の推定年収レンジをまとめました。
| 職種 | 推定年収レンジ | 備考 |
|---|---|---|
| パイロット(運航乗務員) | 1,800万〜2,500万円 | 機長クラスは2,000万円超。副操縦士でも1,500万円前後 |
| 総合職(営業・企画) | 550万〜1,100万円 | 営業部門・路線企画・アライアンス担当など |
| 総合職(技術・整備) | 500万〜1,000万円 | 航空機整備士・エンジニアリング |
| 総合職(管理・経営企画) | 600万〜1,200万円 | 人事・財務・経営戦略・IR部門 |
| 客室乗務員(CA) | 350万〜600万円 | チーフパーサーは600万円台。乗務手当で変動 |
| 地上職(グランドスタッフ) | 300万〜450万円 | 空港カウンター業務。ANAエアポートサービス所属が多い |
| 事務職(一般事務・庶務) | 350万〜550万円 | 本社管理部門の一般職 |
| IT・デジタル | 500万〜950万円 | ANAシステムズ等。DX推進で採用強化中 |
ANAの特徴として、パイロットの年収が突出して高い点が挙げられます。機長クラスでは年収2,000万円を超えることも珍しくなく、国内企業の中でもトップクラスの水準です。一方、客室乗務員(CA)は華やかなイメージがありますが、初年度は年収350万円程度からスタートし、経験を積んでチーフパーサーに昇格すると600万円台に到達します。
総合職は営業・管理・技術いずれも30代後半で700万〜800万円台が見込め、管理職に昇格すると1,000万円超も十分に可能です。近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のためIT人材の採用を強化しており、デジタル領域の年収も上昇傾向にあります。
ANAの年代別年収|30代で600万円台、40代で800万円台に到達
ANAは年功序列の要素が残りつつも、近年は成果主義も取り入れた人事制度を導入しています。OpenWorkや転職会議の口コミデータをもとに、年代別の推定平均年収を以下にまとめました(総合職を中心とした目安)。
| 年代 | 推定平均年収 | 月収換算(税込目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 400万〜550万円 | 約28万〜38万円 | 新卒入社3年目で450万円前後に到達 |
| 30代 | 600万〜800万円 | 約42万〜56万円 | 主任〜係長クラスに昇格。海外駐在で上振れも |
| 40代 | 800万〜1,100万円 | 約56万〜77万円 | 課長職で1,000万円の大台を突破する層が増加 |
| 50代 | 900万〜1,300万円 | 約63万〜91万円 | 部長職以上は1,200万円超も。役職定年制度あり |
ANAの総合職の場合、20代後半で500万円前後に到達し、30代で順調にキャリアを積めば700万円〜800万円の水準に達します。40代で管理職(課長クラス)に昇格すると年収1,000万円超も視野に入ります。
ただし、客室乗務員やグランドスタッフの場合はこの水準よりも低くなる傾向があります。また、ANAはコロナ禍からの業績回復に伴い、2024年以降はボーナスも回復基調にあるため、直近の年収水準は上昇傾向にあると考えられます。
ANAの役職別年収|課長で1,000万円超、部長で1,300万円超
ANAの役職別年収を見ると、管理職に昇格することで年収が大きく上昇します。以下は口コミデータや転職エージェント情報をもとにした推定年収です。
| 役職 | 推定年収 | 到達年齢の目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 一般社員 | 400万〜600万円 | 22歳〜28歳 | 入社後の基礎的な等級 |
| 主任 | 600万〜750万円 | 28歳〜33歳 | 入社5〜7年程度で昇格 |
| 係長 | 750万〜900万円 | 33歳〜38歳 | チームリーダーとしてマネジメント経験を積む |
| 課長 | 1,000万〜1,200万円 | 38歳〜45歳 | 管理職。年収1,000万円超の大台に |
| 部長 | 1,300万〜1,600万円 | 45歳〜55歳 | 経営幹部候補。事業部門の責任者クラス |
| 執行役員以上 | 1,800万〜3,000万円以上 | 50歳〜 | 有報の役員報酬より推定 |
ANAでは、課長職への昇格が年収アップの大きな転換点となります。課長以上の管理職になると基本給に加えて管理職手当が支給され、年収1,000万円を超える水準に到達します。部長クラスでは1,300万円以上、執行役員以上では2,000万円前後が見込まれます。
なお、ANAでは役職定年制度が設けられており、一定の年齢に達すると管理職から外れる仕組みがあります。その場合、年収が一時的に下がる可能性がある点には留意が必要です。
ANAと競合企業の年収比較|JAL・スカイマーク・航空業界大手を比較
ANAの年収が航空業界でどの位置にあるのか、競合企業との比較を見てみましょう。以下は各社の有価証券報告書やOpenWork、転職サイトのデータをもとにした比較表です。
| 企業名 | 平均年収(有報等) | 平均年齢 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ANAホールディングス | 約829万円 | 約46.2歳 | 国内最大手。国際線シェアNo.1 |
| JAL(日本航空) | 約847万円 | 約42.5歳 | 経営再建後に給与体系を刷新 |
| スカイマーク | 約530万円 | 約36.8歳 | 中堅航空。LCCと大手の中間的存在 |
| ピーチ・アビエーション | 約450万円 | 約33.5歳 | ANAグループのLCC。成長中 |
| スターフライヤー | 約580万円 | 約39.2歳 | 北九州拠点。ANA提携路線多い |
| JR東海(参考:インフラ大手) | 約740万円 | 約36.5歳 | 交通インフラの比較対象 |
航空業界内で見ると、ANAとJALは年収水準がほぼ拮抗しています。JALは2010年の経営破綻後に給与体系を刷新し、近年は業績回復に伴い年収が上昇傾向にあります。有報ベースではJALがやや上回りますが、平均年齢や従業員構成が異なるため、同条件での比較では大きな差はないと考えられます。
一方、LCC(格安航空会社)であるピーチ・アビエーションや、中堅のスカイマークと比較すると、ANAの年収は200万〜400万円程度高い水準です。これは大手フルサービスキャリアとしてのブランド力・収益力の差が反映されています。
ANAの福利厚生・ボーナス情報|航空業界ならではの手厚い制度
ANAは年収だけでなく、航空会社ならではの充実した福利厚生が大きな魅力です。特に社員向けの航空券優待制度は他業界にはない独自のメリットといえます。
ボーナス(賞与)
ANAのボーナスは年2回(6月・12月)支給されます。業績連動型の要素があり、コロナ禍では大幅に削減されましたが、2024年以降は回復傾向にあります。
- 一般的なボーナス支給額:年間4.0〜5.5ヶ月分(2025年度実績ベース)
- 総合職30代の場合:年間約150万〜200万円程度
- 管理職(課長クラス):年間約250万〜350万円程度
- 業績連動部分があるため、ANAグループ全体の業績により変動
主な福利厚生制度
- 社員優待航空券(EF券):国内線・国際線を大幅割引で利用可能。家族も対象で、年間の利用枠が設定されている
- マイレージ関連特典:グループ社員向けの各種優待制度あり
- 住宅手当・社宅:独身寮や社宅制度が整備。大都市圏では住宅手当の支給もあり(月額2万〜5万円程度)
- 財形貯蓄・持株会:ANAホールディングスの株式を優遇条件で購入可能(奨励金あり)
- 健康保険組合:ANA健康保険組合は付加給付が充実しており、医療費の自己負担が軽減される
- 育児・介護支援:育児休業(最大3年)、短時間勤務制度、事業所内保育施設など
- 確定拠出年金(DC):退職金制度として企業型DCを導入
- 教育・研修制度:語学研修、海外トレーニー制度、MBA派遣制度など
- ANAグループ社員割引:ホテル(IHG・ANAホテルズ)、ツアー、空港施設などでグループ割引が適用
特に社員優待航空券は金銭的価値が非常に高く、国際線のビジネスクラスやファーストクラスを格安で利用できることもあるため、旅行好きの社員にとっては大きなメリットです。福利厚生を含めた実質的な報酬で考えると、額面年収以上の待遇を得られると言えるでしょう。
ANAへの転職難易度と選考フロー|中途採用の実態
ANAは日本を代表する大手企業であり、転職難易度は比較的高いといえます。特に総合職(事務系・技術系)は応募倍率が高く、即戦力となる専門スキルや業界経験が求められるケースが多いです。
中途採用の主な募集職種
- 総合職(事務系):営業、マーケティング、経営企画、財務、人事など。事業会社での実務経験やMBA保有者が有利
- 総合職(技術系):航空機整備、エンジニアリング、品質管理。航空関連の資格・経験が重視される
- IT・デジタル人材:DX推進、データサイエンス、システム開発。近年は積極採用中
- パイロット:自社養成と経験者採用の両方あり。経験者は他社での飛行経験が必須
- 客室乗務員:既卒者向けの定期採用あり。語学力とホスピタリティが重視
選考フローの一般的な流れ
- 書類選考(履歴書・職務経歴書):航空業界への志望動機と実績が重要
- 適性検査(SPI・Web試験):一般的な能力検査に加え、英語力テストが実施される場合も
- 一次面接(人事部門):志望動機・キャリアプラン・自己PRを深掘り
- 二次面接(配属予定部門の管理職):専門性・即戦力性を評価
- 最終面接(役員クラス):企業理念への共感度、長期的なビジョンを確認
- 内定:年収交渉は最終面接後〜オファー面談で実施
転職を成功させるポイント
ANAへの転職を成功させるためには、以下のポイントが重要です。
- 英語力:TOEIC 700点以上が目安。国際線関連部門ではより高いレベルが求められる
- 航空業界への理解:ANAグループの事業戦略(中期経営計画)を把握しておくこと
- ANAの企業理念への共感:「あんしん、あったか、あかるく元気!」というグループ行動指針を理解する
- 転職エージェントの活用:ANAの非公開求人を保有するエージェントに登録し、書類添削や面接対策のサポートを受ける
特に転職エージェントの利用は年収交渉において大きなアドバンテージとなります。ANAクラスの大手企業では、エージェント経由の方がより高い年収でのオファーを引き出せるケースも多いため、積極的に活用しましょう。
ANAの年収に関するよくある質問(FAQ)
Q. ANAの新卒初任給はどれくらいですか?
A. ANAの2026年度新卒採用における初任給は、総合職(大卒)で月額約23万〜24万円です。大学院卒の場合はこれにプラス1万〜2万円程度となります。初年度の年収はボーナスを含めると約350万〜400万円が目安です。客室乗務員の場合は月額約21万円前後からのスタートとなり、乗務手当が加算されます。なお、ANAは2024年以降、初任給の引き上げを実施しており、今後も上昇傾向が続く可能性があります。
Q. ANAのCAの年収は低いって本当ですか?
A. 完全に「低い」とは言い切れませんが、総合職と比較すると低めの水準であることは事実です。ANAの客室乗務員(CA)は初年度の年収が350万円前後で、入社5年目でも400万〜450万円程度が一般的です。ただし、チーフパーサー(客室責任者)に昇格すると550万〜650万円程度に上昇します。また、国際線のフライト手当や深夜手当、宿泊手当などが加算されるため、乗務の多い月は収入が上振れする傾向があります。社員優待航空券などの福利厚生も考慮すると、実質的な待遇は額面以上と言えるでしょう。
Q. ANAとJALではどちらの年収が高いですか?
A. 有価証券報告書ベースでは、JAL(約847万円)がANA(約829万円)をやや上回っています。ただし、これはホールディングス本体の数値であり、グループ全体の平均とは異なります。JALは経営破綻を経て給与体系を見直したため、年齢別のカーブはANAと若干異なりますが、同年代・同職種で比較した場合、両社の年収差はそれほど大きくないと考えられます。口コミサイトでも、両社の年収評価はほぼ同水準です。転職先としてどちらを選ぶかは、年収だけでなく企業文化、配属先、キャリアパスなど総合的に判断することをおすすめします。
まとめ|ANAの年収は航空業界トップクラス、キャリアアップで1,000万円超も可能
本記事では、ANAの年収について有価証券報告書や口コミサイト、転職エージェント情報をもとに詳しく解説しました。最後にポイントをまとめます。
- ANAホールディングスの平均年収は約829万円(有報ベース)で、航空業界内でトップクラスの水準
- 職種による差が大きく、パイロットは2,000万円超、CAは350万〜600万円と幅広い
- 総合職の場合、30代で600万〜800万円台に到達し、課長昇格で1,000万円超も可能
- JALとの年収差はほぼ横ばいで、航空業界の二強として拮抗した水準
- 社員優待航空券をはじめとする福利厚生が非常に充実しており、実質的な待遇は額面以上
- 転職難易度はやや高めだが、IT・デジタル人材は積極採用中で狙い目
ANAは日本の航空業界を代表する企業であり、給与水準・福利厚生ともに魅力的な企業です。コロナ禍からの業績回復も順調に進んでおり、今後の年収上昇も期待できます。転職を検討している方は、まずは転職エージェントに相談して非公開求人をチェックしてみてはいかがでしょうか。





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