宅建士の年収(給料)はいくら?平均年収についてや働き方など徹底解説【2024年11月最新】

(※マイナビを含む一部プロモーションが含まれています)

宅建士は人気の高い国家資格のひとつです

不動産取引において必須の資格で、みなさんの中でも取得してみたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、そんな宅建士の年収がどれくらいあるのかご存じな方はそう多くはいないのではないでしょうか

今回は、そんな疑問を解決すべく宅建士の年収について調べてみました。

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目次

宅建士の平均年収は?

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/164652/

宅建士の平均年収はいくらくらいあるのでしょうか。

宅建士といっても、さまざまな人が所有しており、年収も異なってきます。

今回は宅建士の年収をより具体的にしっていただけるように、いろいろなジャンルでの年収をお伝えします。

企業に勤務している場合の年収

まずは企業に所属して宅建士の資格を生かしながら働いている方々の年収をみていきましょう。

年齢別年収

年齢別の年収を見てみましょう。

年齢が上がるにつれて、職能給が上乗せたり、経験豊富で成績も上がることから歩合給が高額であったりなどという要因で高くなる傾向があります。

そして60代は管理職となった場合、歩合給が付かなくなるので年収が減る可能性があります

年齢層

平均年収

20代

300~380万円

30代

400~480万円

40代

500~600万円

50代

600~650万円

60代

450~600万円

出典:ユーキャン

男女別年収

男女別の平均年収では、男性の方が女性より高めとなっています

これは、出産などで現場から離れることで、復帰後は非正規雇用となったり、職能給の上乗せタイミングが男性より遅くなったりなどといった要因があります。

男女別

平均年収

男性

381~713万円

女性

278~538万円

出典:ユーキャン

地域別年収

地域により宅建士の平均年収は異なります。

都市部は他業界の年収も高いので年収が必然的に高くなります。

さらに不動産物件相場が高いので歩合給も多くなりがちです。

一方、地方では他業界の年収が比較的低めで、不動産物件相場も都市部より安いことから歩合給も少ない傾向があります

都道府県

平均年収

東京都

756万円

大阪府

648万円

愛知県

594万円

青森県

432万円

宮崎県

432万円

沖縄県

432万円

出典:ユーキャン

企業規模別年収

企業規模別の年収です。

大企業は信用度が高く、扱う不動産物件も大規模なものが多い傾向があるため平均年収が比較的高くなります

中規模・小規模の企業になると、大企業と比較して扱う不動産規模が小さめのものとなるので、平均年収が少なめとなります

企業規模

平均年収

大企業

626万円

中規模企業

518万円

小規模企業

470万円

出典:ユーキャン

職種別年収

宅建士が多く就業している不動産業界で、事務職と営業職の求人募集での月収を比較してみました。

営業職は営業手当や歩合給などが付くことから事務職より高くなっています。

不動産業界での職種

求人募集月収

事務職

20~30万円

営業職

25~50万円

出典:資格の大原

学歴別年収

最後に最終学歴別の年収です。

企業の求人と同様大学院卒が最も高く、中学卒が最も低くなります

しかし、いずれも全業種全体の平均年収よりも高いです

不動産業界は歩合給が付くことが多いので必然的に高くなります。

最終学歴

平均年収

中学卒

497万円

高校卒

546万円

専門学校卒

563万円

高専・短大卒

469万円

大学卒

635万円

大学院卒

759万円

出典:通信教育・通信講座のフォーサイト

独立している場合の年収

独立している場合の宅建士の年収は、個々の能力などによって大きく異なるので一概には言えません

独立した場合、売買するためや貸すための不動産を自分で仕入れる営業力が必要となってきます

独立前に不動産業界にいた場合、その際の人脈などで物件を確保できる可能性があり、開業すぐにでも収入を得られる場合がありますが、そのようなルートが無い場合は、収入を得るのに時間を要するかもしれません

なお独立した場合は、収入源は不動産売買や不動産賃貸における手数料です。

以下は不動産売買や賃貸における手数料となります。

取引

仲介手数料の上限

不動産売買

売買価格×3%+6万円+消費税

賃貸

家賃×1ヵ月分×消費税

独立した場合、店舗の家賃や、人を雇っていたら人件費などといった経費がかかる点にも留意が必要です

宅建士の資格手当

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/932261/

企業に勤務していると各種資格を取得している場合、資格手当が付く場合があります

宅建士も例に違わずです。

そして宅建士の資格手当は月5,000~30,000円が相場です

手当の額は企業により異なりますが、宅建士の資格が必要のない企業や職種の場合は、手当が付かない場合が多いでしょう。

宅建士が人気な理由

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/2462015/

宅建士は国家資格の中でも人気が高いことで知られています。

その人気の理由を探っていきましょう。

宅建士にしかできない独占業務がある

宅建士にしかできない業務があるというのは、それだけ必要とされる機会がある証です

以下が宅建士しかできない独占業務です。

独占業務

詳細

重要事項の説明

重要事項の説明は、不動産の売買や賃貸契約の際に、取引におけるトラブル防止のための重要事項を買主、売主双方に説明することです。特に売買のおいては高額取引となるため重要事項説明は義務となっています。

重要事項説明書の記名捺印

上記「重要事項説明」を買主、売主へ行ったことを証明するためにおこないます。

契約内容書面への記名捺印

建物の引渡し時期や、瑕疵担保責任などといったことなどが記載されている契約書に記名捺印します。

上記のような独占業務があるほか、宅地建物取引業者は、1事業所において5人に1人は宅建士を置かなければならないことになっており、宅建士の需要の高さが窺えます

不動産業界以外でも需要がある

不動産業界以外でも不動産の知識が必要な業者や職種があるので、宅建士が必要視されます

以下のような業種では宅建士の資格が重宝されます。

業種

備考

住宅メーカー

住宅メーカーは不動産の仕入から住宅建築に関する法律などの知識が必須です。

銀行など金融業

融資における担保となる不動産に関する知識が必須です。

各企業の資産管理部

不動産を所有する企業において不動産の知識は必要です。

営業の武器になる

宅建士を所有していると営業の武器となります

特に不動産を取り扱う業務において、宅建士取得者は不動産に関する知識が豊富であることがアピール材料となります。

そして取引相手は不動産に関する国家資格所有者ということで信頼を得られやすいのです。

資格手当がつく

前項でも掲載していますが、宅建士を所有していると資格手当がもらえる企業があります。

宅建士の資格手当は月5,000~30,000円が相場といわれています。

就職に有利となる

学生は新卒での就職、そして中途採用の場合でも、宅建士を必要とする業界への就職では宅建士を取得していると就職に有利となる可能性があります。

特に宅地建物取引業者では事業所には5人に1人の割合で宅建士を置かなければならないので、未経験者でも将来を見据えて欲しい人材と見込まれる場合があります。

更新が不要

宅建士は更新という概念がなく、一生使える国家資格です。

ただし、資格登録後に交付される「宅地建物取引士証」は5年ごとの更新であり、更新時には法定講習の受講が必要となります。

宅建士で年収1,000万円を目指すポイント

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/4386431/

宅建士を所有して年収1,000万円を得ることは可能です

しかし、それにはさまざまな努力をしたり、押さえておくべきポイントがあります。

歩合給を得る

不動産会社や住宅メーカーなどでは、毎月入る固定給のほかに、1件契約を取ることで歩合給(インセンティブ)を得られる場合があります。

企業によって歩合給の割合は異なります。

そして、固定給の比率を低めにして歩合給の比率が高い企業もあります。

不動産会社の歩合給は仲介手数料の5%ほどと言われています。

仲介手数料は契約金額の3%+6万円なので5,000万円の案件だと約156万円となります。

歩合給はその5%ということで、78,000となります。

固定給が500万円の会社だと、年間で合計約33億円程度の契約を取らないと年収1,000万円に到達しません。

かなり多くの案件を獲得するか、高額案件を獲得することで1,000万円となります。

一方、住宅メーカーだと契約金額(請負金額)の3~10%程度のインセンティブが得られるのです。

たとえば、固定給が年収ベースで500万円の企業で、1件契約を取ると契約金額の5%の歩合給が得られる場合だと、1年で合計1億円分の契約を取ると年収1,000万円となるのです。

中には完全歩合制の契約の場合もあるでしょう。

完全歩合制だと歩合の比率は高くなります。

契約を取ればとるほど年収は上がっていきますが、契約金額が少額であったり、契約が全く取れなかった場合は、収入が少なかったり、全く無かったりする場合があるので注意が必要です

大手不動産会社で働く

大手不動産会社の従業員の平均給与は1,000万円ほどになる場合があります。

各不動産大手の有価証券報告書によると、三菱地所が約1,246万円(2022年度 有価証券報告書 (mec.co.jp))、三井不動産が約1,269万円(2022年度 有価証券報告書YUHO_2303.pdf (mitsuifudosan.co.jp)といずれも1,000万円を超える平均給与です。

宅建士を取得し、不動産業に日々勤しむことでこの地位に就き、高収入を得られるのです。

時代は変化しているので、不動産業に関わる最新情報を得たり、知識習得の努力はかかせません

東京など大都市で働く

不動産の仲介手数料割合は全国一律です。

しかし、不動産価格は東京など大都市で高値で取引されています。

同じ大きさの不動産を取引するなら大都市の不動産を取引する方が仲介手数料が大きくなり、その結果歩合給も高くなります

各都道府県の公示価格には大きな開きがあります(以下におもな都道府県の公示価格表掲載)。

【おもな都道府県別2023年公示価格 基準地価平均価格】

順位 都道府県名 基準地価平均(㎡)
1 東京都 1,159,668円
2 大阪府 318,991円
3 京都府 284,908円
4 神奈川県 269,925円
5 愛知県 223,247円
10 宮城県 155,897円
20 鹿児島県 70,442円
30 富山県 49,514円
40 福島県 41,476円
47 秋田県 25,462円

参考:https://tochidai.info/public-price_prefecture-ranking/

1㎡あたりの基準地価平均価格は東京都が群を抜いています

100㎡の土地の取引をおこなう場合、東京都の土地だと契約金額が約1億1,596万円となり、仲介手数料は353万8,800円、そして歩合が5%だと約18万弱となります。

しかし、2位の大阪府だと歩合給は約5万円、47位の秋田県だと7千円弱です。

大都市の場合は競争相手も多く、契約を取るのも苦労するでしょう。

そして仲介手数料の「3%+6万円」はあくまでも上限でなので競争となればそれより安くすることもあるでしょう。

しかしそれでも高収入を得られる可能性はあります

独立開業する

独立開業した場合はどうでしょうか。

独立すると仲介手数料は全額手元に入ります

不動産取引での仲介手数料の上限は、契約金額の3%+6万円です。

契約金額3,000万円の契約が取れたとすると、仲介手数料は96万円となります。

年収1,000万円の仲介手数料を得ようと思うと、年間で合計約3億円の契約を取る必要があります

そして、独立すると、事務所の家賃や経費などはこの仲介手数料から引くことになります。

宅建士になるには

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/106399/

宅建士になるには、どういった過程を経ることになるのでしょうか。

順を追ってみていきましょう。

受験する

宅建士になるには、まず受験することから始まります。

毎年6月、試験の実施告知がおこなわれます。

7月には申し込みが始まり、8月に試験会場通知の送付を受けます。

そして10月中旬に試験がおこなわれるのが通例のスケジュールです。

合格する

合格発表は例年11月下旬におこなわれます。

そして合格証書を受けることができるのです。

宅建士登録する

宅建士は試験に合格するだけでは資格取得したとみなされず、都道府県知事の登録をおこなうことで資格取得したとみなされます。

そうすると独占業務をおこなうことができるのです。

登録は受験地の都道府県知事から受け、宅建士証を受け取ります。

宅建士の登録自体に更新はありませんが、宅建士証は5年ごとの更新が必要です。

更新しないと独占業務がおこなえなくなる恐れがあるので、必ず更新をおこないましょう。

原則2年の実務経験が必要

上記の宅建士登録をおこなうには、原則2年の実務経験が必要となります

これは合格前の実務経験も含まれるので、2年の実務経験を経たうえで受験すると合格後すぐに登録できることになります。

実務経験とは具体的には、不動産の物件調査や、顧客に対する不動産の説明、契約書の作成、帳簿の作成などです。

不動産業に関する実務がなければ重要事項の説明などもおこなえないのです。

それは多額の契約になる不動産取引をおこなう上で当然といえば当然でしょう。

宅建士合格のポイント

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/316466/

宅建士の試験合格のためのポイントはどこにあるでしょうか。

宅建士試験の詳細

宅建士試験では50問の問題が出題され、すべて4択マークシートです。

合格点は決められていませんが、おおむね35点あたりが合格ラインと言われています。

問題は以下のような科目ごとの配分となっています。

試験科目 詳細 出題数
民法 不動産の所有権や抵当権、売買や賃貸借の契約など 14問
宅建業法 土地・建物の円滑で公正な取引の促進や就業関係法規など 20問
法令上の制限 専門用語が多い 8問
その他関連知識 不動産取引においての税金など 8問

宅建士は多くの問題集や過去問、参考書が販売されています。

そして、予備校や通信教育などの教育機関も多く存在します。

独学・通学いずれにしても、一通り出題科目を勉強して基礎を身に付けたら、過去問で出題傾向を把握してみましょう。

法改正があったら、出題される可能性があるので押さえておきましょう。

令和5年度試験の合格率

令和5年におこなわれた宅建士試験の合格率など詳細をみてみましょう。

合格者詳細 内容
合格者数 40,025人(男25,105人、女14,920人)
合格率 17.2%(男16.5%、女18.3%)
平均年齢 35.6歳(男36.0歳、女35.0歳)
職業別構成比 不動産業35.2% 金融業8.2% 建設業8.8% 他業種25.0%
学生10.9% 主婦4.0% その他7.9%

参考:https://www.retio.or.jp/exam/pdf/result.pdf

まとめ

出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/250659/

今回は宅建士の年収に関することについて記してきました。

宅建士は士業の国家資格の中では比較的合格率が高く、しかも高収入が得やすい資格です。

独占業務があったり、高インセンティブが得られる可能性があったりするなど、安定と夢のある資格であるといえます。

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