「教頭の年収はどれくらい?」「教頭になると給料はどのくらい上がるの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。教頭は学校運営の要として、校長を補佐しながら教職員の管理・指導、保護者対応、行政との連絡調整など多岐にわたる業務を担う重要な管理職です。
本記事では、2026年最新のデータをもとに、教頭の平均年収を学校種別・年代別・地域別に徹底解説します。総務省「地方公務員給与実態調査」や文部科学省の統計データ、各自治体の給与条例などの公的資料に加え、OpenWorkや転職サイトの口コミ情報も参考にしながら、教頭のリアルな給与水準をお伝えします。教頭への昇進を目指している方、私立学校への転職を検討中の方はぜひ参考にしてください。
【結論】教頭の平均年収は約750万〜850万円
教頭の平均年収は、公立学校で約750万〜850万円が相場です。これは一般教諭の平均年収(約600万〜700万円)と比較して100万〜150万円ほど高い水準となっています。ただし、学校種別(小学校・中学校・高等学校)、設置主体(公立・私立)、勤務する都道府県によって大きな差があります。
| 項目 | 教頭(公立) | 教頭(私立) | 一般教諭(参考) |
|---|---|---|---|
| 平均年収 | 約780万円 | 約720万〜950万円 | 約650万円 |
| 月額給与(税込) | 約45万〜50万円 | 約42万〜58万円 | 約35万〜42万円 |
| 賞与(年間) | 約180万〜200万円 | 約150万〜250万円 | 約150万〜170万円 |
| 管理職手当 | 月額約5万〜7万円 | 学校により異なる | なし |
| 教育業界平均との比較 | +約130万円 | +約70万〜300万円 | 基準 |
※出典:総務省「地方公務員給与実態調査(令和6年)」、文部科学省「学校教員統計調査」、各自治体の給与条例をもとに編集部が算出。私立学校は学校法人の規模・地域により大きく異なります。
教頭は教育公務員特例法に基づく管理職であり、一般教諭とは異なる「教育職給料表(二表)」や管理職手当の適用を受けます。これにより、基本給に加えて月額5万〜7万円程度の管理職手当が支給されるため、年収ベースで見ると一般教諭より100万円以上高くなるケースがほとんどです。
教頭の学校種別・職種別年収
教頭の年収は、勤務する学校の種別によって異なります。高等学校は生徒指導や進路指導の複雑さ、部活動の管理など業務範囲が広いため、小学校・中学校と比較してやや高い傾向にあります。また、特別支援学校の教頭は専門性が求められるため、手当が加算されるケースがあります。
| 学校種別 | 推定年収レンジ | 月額給与目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 小学校教頭 | 720万〜800万円 | 約43万〜48万円 | 保護者対応が多い、地域連携重視 |
| 中学校教頭 | 740万〜830万円 | 約44万〜50万円 | 部活動管理、生徒指導の統括 |
| 高等学校教頭 | 770万〜880万円 | 約46万〜53万円 | 進路指導統括、入試業務 |
| 特別支援学校教頭 | 760万〜870万円 | 約45万〜52万円 | 特別支援教育手当あり、専門性重視 |
| 私立小中学校教頭 | 680万〜900万円 | 約40万〜55万円 | 法人規模により大きく変動 |
| 私立高等学校教頭 | 750万〜1,050万円 | 約45万〜65万円 | 有名校は高水準、経営参画も |
※出典:総務省「地方公務員給与実態調査」、文部科学省「学校教員統計調査」、OpenWork・転職会議の口コミ情報をもとに編集部が推計。
公立学校の教頭は地方公務員であるため、各都道府県・政令指定都市の教育職給料表に基づいて給与が決定されます。東京都や神奈川県、大阪府など大都市圏では地域手当(最大20%)が加算されるため、地方と比べて年収が50万〜100万円程度高くなる傾向があります。
一方、私立学校の教頭は学校法人ごとに給与体系が異なります。進学校として知名度の高い私立学校では年収1,000万円を超えるケースもありますが、経営基盤が弱い小規模校では公立学校を下回ることもあるため、転職時には個別の待遇確認が重要です。
教頭の年代別年収
教頭への昇進は一般的に40代半ば以降となるため、20代・30代で教頭職に就くケースはごくまれです。ここでは、教頭への昇進前の教諭時代の年収も含めて、教育職のキャリアにおける年代別の年収推移をまとめました。
| 年代 | 推定年収 | 役職の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 350万〜450万円 | 教諭 | 新任〜若手教員期間。教職経験を積む時期 |
| 30代 | 500万〜650万円 | 教諭・主幹教諭 | 中堅教員。主任や主幹教諭への昇任も |
| 40代 | 700万〜830万円 | 主幹教諭・教頭 | 教頭昇任試験を受ける時期。40代後半で教頭就任が多い |
| 50代 | 800万〜900万円 | 教頭・校長 | 教頭経験を経て校長昇任も。給料表の上位号給に到達 |
| 60代(定年前後) | 500万〜850万円 | 校長・再任用教頭 | 定年60歳→65歳引上げ中。再任用は給与減額あり |
※出典:総務省「地方公務員給与実態調査」、人事院「国家公務員給与等実態調査」をもとに編集部が推計。公立学校教員の場合。
教頭への昇進年齢は自治体によって異なりますが、全国平均では48〜52歳が教頭就任の中央値とされています。近年は管理職のなり手不足が深刻化しており、一部自治体では40代前半での教頭登用を積極的に進めています。文部科学省の調査によると、教頭の平均年齢は約51歳で、在職年数は平均4〜5年です。
なお、教頭は管理職であるため、一般教諭に支給される「教職調整額(給料月額の4%)」に代わり、「管理職手当」が支給されます。2025年度の法改正により教職調整額が段階的に10%へ引き上げられる予定ですが、管理職手当との差額は依然として教頭が有利な水準を維持する見込みです。
教頭の役職別年収
教育職のキャリアパスにおける各役職と年収の関係を整理します。教頭は校長に次ぐナンバー2の管理職であり、一般教諭から教頭になるまでにはいくつかのステップがあります。
| 役職 | 推定年収 | 昇進の目安年齢 | 主な職務内容 |
|---|---|---|---|
| 教諭(一般) | 400万〜650万円 | 22歳〜 | 授業・学級担任・校務分掌 |
| 主任教諭 | 550万〜700万円 | 30代後半〜 | 学年主任・教科主任・若手指導 |
| 主幹教諭 | 650万〜780万円 | 40代前半〜 | 校務の一部を整理・校長教頭の補佐 |
| 教頭(副校長) | 750万〜880万円 | 40代後半〜 | 学校運営全般・校長の補佐・教職員管理 |
| 校長 | 850万〜1,000万円 | 50代〜 | 学校経営の最終責任者・対外代表 |
※出典:総務省「地方公務員給与実態調査」、各自治体の教育職給料表をもとに編集部が推計。
教頭と副校長は法律上の位置づけが異なります。副校長は「校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行う」権限を持つのに対し、教頭は「校長を助け、校務を整理する」立場です。東京都のように副校長制度を採用する自治体では、副校長の方がやや高い給与水準となる場合があります。
また、教頭は管理職であるため時間外勤務手当(残業代)が支給されません。これは「管理監督者」に該当するためですが、実態としては早朝から夜遅くまで働くケースも多く、「時給換算すると一般教諭より低い」という声もOpenWork等の口コミサイトで散見されます。このため、近年は教頭職を敬遠する教員も増えており、「教頭のなり手不足」が全国的な課題となっています。
教頭 vs 他の教育職・管理職の年収比較
教頭の年収を、教育業界の他の職種や学校管理職と比較してみましょう。教頭は学校組織内では高い給与水準にありますが、民間企業の管理職と比較するとどのような位置づけになるのでしょうか。
| 職種・役職 | 平均年収 | 教頭との差額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 公立学校教頭 | 約780万円 | — | 基準 |
| 公立学校校長 | 約900万円 | +約120万円 | 管理職手当が教頭より高額 |
| 私立学校教頭(大規模校) | 約900万〜1,050万円 | +約120万〜270万円 | 有名進学校・大学附属校 |
| 塾・予備校教室長 | 約500万〜700万円 | -約80万〜280万円 | 大手塾の管理職クラス |
| 大学准教授 | 約750万〜850万円 | ほぼ同等 | 国立大学法人の場合 |
| 教育委員会指導主事 | 約700万〜780万円 | -約0万〜80万円 | 行政職給料表適用の場合もあり |
| 民間企業課長(全業種平均) | 約750万円 | -約30万円 | 厚労省「賃金構造基本統計調査」 |
| 民間企業部長(全業種平均) | 約900万円 | +約120万円 | 厚労省「賃金構造基本統計調査」 |
※出典:総務省「地方公務員給与実態調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、文部科学省「学校教員統計調査」、OpenWork口コミ情報をもとに編集部が推計。
教頭の年収は、民間企業の課長クラスとほぼ同等の水準です。ただし、公務員としての安定性、退職金の充実、共済年金の手厚さを加味すると、生涯賃金ベースでは民間の同等クラスを上回るケースが多いとされています。特に退職金は勤続35年以上で2,000万円を超える自治体がほとんどであり、これは教頭職の大きな経済的メリットといえるでしょう。
教頭の福利厚生・ボーナス情報
教頭は公務員(公立学校の場合)であるため、充実した福利厚生が整っています。民間企業からの転職を検討する方にとっては、年収だけでなくこれらの待遇を含めた「総報酬」で比較することが重要です。
ボーナス(期末・勤勉手当)
公立学校教頭のボーナスは、年間約4.5ヶ月分(2025年人事院勧告基準)が支給されます。内訳は期末手当と勤勉手当に分かれ、勤勉手当は勤務成績に応じて差がつきます。教頭の月額給与が約45万〜50万円の場合、年間ボーナスは約200万〜225万円となります。
私立学校の場合はボーナスの支給月数が学校法人によって異なり、2ヶ月分〜6ヶ月分と幅があります。経営状態が良好な有名私立校では6ヶ月分以上の賞与が支給されるケースもある一方、経営難の学校ではカットされることもあります。
各種手当
教頭に支給される主な手当は以下のとおりです。
- 管理職手当:月額約5万〜7万円(自治体・学校規模により異なる)
- 地域手当:勤務地に応じて給料月額の0〜20%(東京都特別区は20%)
- 通勤手当:実費支給(上限あり、月額5万5,000円程度)
- 住居手当:賃貸の場合、月額最大2万8,000円
- 扶養手当:配偶者6,500円、子ども1人あたり10,000円(第3子以降15,000円)
- 寒冷地手当:対象地域に勤務する場合、11月〜3月に支給
- へき地手当:へき地校勤務の場合、給料の4〜25%を加算
福利厚生・休暇制度
公立学校教頭の福利厚生は地方公務員の制度に準じており、非常に充実しています。
- 年次有給休暇:年20日(繰越含め最大40日)
- 夏季休暇:5日間
- 病気休暇:90日間(有給)
- 育児休業:最長3年間取得可能
- 介護休暇:6ヶ月間取得可能
- 共済組合:健康保険・年金・福祉事業を一体的に運営
- 退職金:勤続35年以上で約2,100万〜2,300万円
- 公務員住宅:自治体によっては教職員住宅を低額で利用可能
- 互助会:レクリエーション補助、慶弔見舞金、健康診断補助など
特筆すべきは退職金の水準です。教頭まで昇進した場合、定年退職時の退職金は2,100万〜2,300万円程度が一般的です。さらに校長まで昇進すれば2,300万〜2,500万円に達することもあります。民間企業の平均退職金(大企業で約1,800万円、中小企業で約1,000万円)と比較しても高い水準にあります。
ただし、教頭は管理職であるため時間外勤務手当が支給されない点には注意が必要です。実態としては、保護者対応、教育委員会への報告書作成、学校行事の準備など、勤務時間外の業務が多く、「教頭の多忙化」は社会問題にもなっています。文部科学省の調査では、教頭の1日あたりの在校時間は平均11時間以上というデータもあり、労働時間に対する報酬という観点では課題が残ります。
教頭への転職難易度と選考フロー
教頭になるルートは、大きく分けて「公立学校での昇進」と「私立学校への転職」の2つがあります。それぞれの難易度と選考プロセスを解説します。
公立学校の教頭昇任試験
公立学校の教頭になるためには、各都道府県・政令指定都市の教育委員会が実施する「管理職選考試験(教頭選考)」に合格する必要があります。受験資格・選考内容は自治体ごとに異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
【受験資格の目安】
- 教員免許状を保有していること
- 教職経験年数が原則15年以上(自治体により10〜20年)
- 現任校の校長からの推薦があること
- 年齢制限なし(ただし実質的には40歳以上が多い)
【選考の流れ】
- 一次選考:筆記試験(教育法規、学校経営、教育課題に関する論文)
- 二次選考:面接試験(個人面接・集団面接・ロールプレイ型面接など)
- 合格発表:翌年度4月の人事異動で教頭に任命
競争倍率は自治体によって大きく異なりますが、近年は1.5〜3倍程度が多く、かつての5倍以上と比べると大幅に低下しています。これは前述の「教頭のなり手不足」を反映したもので、一部の自治体では受験者数が定員を下回る「定員割れ」も発生しています。
私立学校教頭への転職
私立学校の教頭ポストは、公募されることもありますが、多くは内部昇進や学校法人の理事会による選任で決まります。外部から教頭として転職する場合のルートは主に以下のとおりです。
- 日本私学教育研究所の求人情報
- 各都道府県の私学協会の求人掲示板
- 転職エージェント(教育業界特化型のリクルート・マイナビなど)
- 学校法人の公式サイトでの直接公募
- 人脈・紹介(教育界は紹介採用が多い)
私立学校への教頭転職で求められるのは、教員としての十分な実績に加え、学校経営・マネジメントの視点です。少子化による生徒獲得競争が激化する中、広報戦略や入試改革、ICT教育の推進といったスキルを持つ人材が特に求められています。
また、近年は「民間人校長」のように教員免許を持たない管理職の登用も一部で進んでいますが、教頭についてはほとんどの場合、教員免許と一定の教職経験が必須要件となっています。
教頭を目指す方へのアドバイス
教頭昇任を目指すなら、以下のポイントを押さえておくと有利です。
- 主幹教諭・主任経験を早めに積む(学年主任、教務主任、生徒指導主任など)
- 教育委員会への出向経験(指導主事など)はプラス評価になりやすい
- 大学院での学び直し(教職大学院の管理職養成コースなど)
- 複数校種での勤務経験を持つと視野の広さがアピールできる
- 校長からの推薦を得るために、日頃から学校運営に積極的に関わる
よくある質問(FAQ)
Q. 教頭と副校長の違いは?年収に差はある?
教頭と副校長は法律上の位置づけが異なります。副校長は学校教育法第37条に基づき「校長を助け、命を受けて校務をつかさどる」とされ、校長の権限の一部を委任されて独自に意思決定できる立場です。一方、教頭は「校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる」とされ、校長の指示のもとで業務を行います。
年収面では、副校長の方がやや高い傾向にあります。東京都の場合、副校長の管理職手当は教頭より月額1万〜2万円程度高く設定されており、年収ベースで15万〜30万円程度の差があります。ただし、多くの自治体では教頭と副校長を同一の給料表で運用しており、実質的な年収差はほとんどない場合もあります。
Q. 教頭は残業代が出ないって本当?
はい、教頭は管理職であるため、労働基準法上の「管理監督者」に該当し、時間外勤務手当(残業代)は支給されません。その代わりに管理職手当(月額約5万〜7万円)が支給されます。
しかし、実態としては一般教諭以上に長時間労働になりがちです。文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」によると、教頭・副校長の1週間あたりの在校等時間は平均約56時間(小学校)〜57時間(中学校)で、これは一般教諭を上回る数値です。保護者からの連絡対応、教育委員会への書類作成、教職員の勤怠管理など、授業以外の業務が教頭に集中する傾向にあります。
この問題を受けて、文部科学省は「学校における働き方改革」の一環として、教頭の業務負担軽減策を推進しています。具体的には、事務職員の校務運営参画や、統合型校務支援システムの導入などが進められています。
Q. 教頭の年収は地域によってどのくらい違う?
教頭の年収は勤務する都道府県によって最大100万円以上の差があります。最も大きな要因は「地域手当」で、東京都特別区では給料月額の20%が加算されるのに対し、地域手当が0%の地域もあります。
例えば、同じ経験年数・同じ号給の教頭でも、東京都23区勤務なら年収約850万〜900万円となる一方、地域手当なしの地方勤務では年収約720万〜770万円程度になることがあります。ただし、地方では住居費や物価が低いため、実質的な生活水準は地域手当だけでは判断できません。
主な都市部の地域手当率は以下のとおりです:東京都特別区(20%)、大阪市(16%)、名古屋市(15%)、横浜市(16%)、さいたま市(15%)。これらの地域手当率は給料月額・管理職手当・扶養手当の合計に対して適用されるため、年収への影響は大きくなります。
まとめ
教頭の平均年収は公立学校で約750万〜850万円、私立学校では学校規模によって約720万〜1,050万円と幅があります。一般教諭と比較すると100万〜150万円程度高い水準にあり、教育業界の中では高い給与水準といえるでしょう。
本記事のポイントをまとめると以下のとおりです。
- 公立学校教頭の平均年収は約780万円。管理職手当(月額5万〜7万円)が上乗せされる
- 高等学校教頭は小中学校より年収がやや高い傾向。私立の有名校では年収1,000万円超も
- 年代別では40代後半〜50代での就任が一般的。50代教頭で年収800万〜900万円
- 民間課長クラスとほぼ同等だが、退職金・年金を含む生涯賃金では公務員が優位
- 残業代は支給されないが、福利厚生・退職金は非常に充実している
- なり手不足により昇任試験の倍率は低下傾向。キャリアアップのチャンスは拡大中
- 地域差は最大100万円以上。東京都特別区が最も高水準
教頭は多忙な職種ではありますが、学校運営の中核として教育に貢献できるやりがいのあるポジションです。年収面でも安定した高水準が期待でき、定年後の退職金も充実しています。教頭への昇進や転職を検討している方は、まずは現在の年収と比較して、キャリアプランを検討してみてはいかがでしょうか。





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