「造詣が深い」の正しい使い方は?例文・誤用の注意点も詳しく解説!【2026年最新版】

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最終更新: 2026年5月7日 / 言葉の使い方を定期的に見直し
本記事の要点

「造詣が深い(ぞうけいがふかい)」は、ある分野について知識・理解・教養が非常に豊かであることを、敬意をこめて述べる褒め言葉です。本記事では正しい読み方と意味、目上の人への使い方、ビジネスメールでの例文、類語・言い換え、誤用しやすいポイント、英語表現までを、例文中心にわかりやすく整理します。

「造詣が深い」という言葉は、聞いたことはあっても、いざ自分で使おうとすると「読み方は合っているだろうか」「目上の人に使って失礼にならないか」と迷いがちな表現です。本記事では、この言葉の意味・読み方・正しい使い方を、たくさんの例文とともに丁寧に解説します。類語との使い分けや、間違えやすいポイントもまとめましたので、ビジネスの場面でも自信を持って使えるようになります。

この表現は、ある分野や物事に対する知識や理解が非常に豊かであることを意味する褒め言葉です。芸術、学問、趣味などの特定の領域で深い造詣を持つ人は、その分野について詳しく、専門的な知識や鑑識眼を備えていることを示します。

読み方は「ぞうけいがふかい」で、間違えやすい言葉の一つです。目上の人に対して使う場合でも、適切な文脈であれば失礼にはなりません。むしろ「賢いですね」「よくご存じですね」といった直接的な褒め言葉よりも、相手の知性や教養を上品に讃えることができます。ただし、相手との関係性や状況に応じて、丁寧に使う必要があります。

正確に使うためには、その人の専門性や深い理解を本当に感じた場合に使うことが大切です。単なる社交辞令として安易に多用するのではなく、相手の知識や経験を心から評価する場面で使いましょう。

「造詣が深い」基本情報の早見表
項目内容
読み方ぞうけいがふかい(「ぞうし」は誤読)
意味ある分野の知識・理解・教養が非常に深いこと
基本の形「(分野)に造詣が深い」
使う相手他人・目上にも可。自分には使わない
図1:「造詣が深い」のポイントをひと目で確認できる早見表

芸術、文学、音楽、歴史など、特定の分野における深い知識や洞察力を表現するのに適した言葉です。

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目次

「造詣が深い」とは

「造詣が深い」の読み方

『造詣が深い』という表現を使うときは、『ぞうけいがふかい』と読むことを覚えておいてください。

多くの人が『ぞうしがふかい』と間違えて読んでしまいがちです。

これは、『詣』の字が『旨』や『指』のような『し』と読む漢字と似ているからだと考えられます。「詣」という漢字は、神社へお参りする「初詣(はつもうで)」でも使われますが、この熟語では「ケイ」と音読みする点に注意しましょう。

正確な読み方を身につけることが大切です。口頭で読み間違えると、せっかく相手を褒めているのに、かえって自分の教養を疑われてしまうことにもなりかねません。声に出して「ぞうけい」と何度か練習しておくと安心です。

「造詣が深い」の意味

「造詣が深い」という言葉は、ある特定の分野について、とても詳しい知識を持っていることを表現します。

学問や芸術、技術、医療などの分野で、その道に精通している人のことを指します。単に「知っている」という量的な多さだけでなく、対象を深く理解し、本質を見抜く眼を持っているというニュアンスを含むのが特徴です。

ここがほかの「詳しい」を表す言葉との大きな違いです。たとえば「物知り」と言えば知識の幅広さを指しますが、「造詣が深い」は一つの分野を掘り下げて極めている、という奥行きの方に重きが置かれます。広く浅くではなく、狭く深く——その分野の歴史的背景や成り立ち、細やかな違いまで理解している人にこそふさわしい言葉だと考えると、使う場面を選びやすくなります。

また、「造詣が深い」には、単なる知識を超えた「鑑賞する眼」や「味わう力」というニュアンスも含まれます。たとえば美術に造詣が深い人は、作品名や作者を知っているだけでなく、その作品の良し悪しや時代背景を自分の言葉で語ることができます。こうした「知識+審美眼」を一語で表せるのが、この言葉の魅力です。

例えば、「彼は日本の歴史について、とても詳しい知識を持っています」のように使うことができます。「造詣が深い」は、こうした内容をひと言で、しかも敬意をこめて言い表せる便利な表現だと言えるでしょう。

『造形』と『造詣』の違い

『ぞうけい』の読み方には注意が必要です。同じ読み方をする別の言葉があるのです。

造形:具体的な創造のプロセスに焦点を当てています。抽象的な概念や観念から、様々な素材や手法を用いて、実際に形のあるものを生み出す行為を指します。

造詣:知識や技能の深さを表現する言葉。特定の学問、芸術、技術の分野において、非常に高度な理解や卓越した技量を持っていることを意味します。

実は、『造形』という言葉も『ぞうけい』と読みます。『造詣』と同じ読み方なのです。そのため、変換ミスや書き間違いが起こりやすく、文章で使うときは特に注意が必要です。

『造形』は芸術などで、形を作ることを意味する言葉です。「粘土で人物を造形する」「造形作家」のように、目に見える「かたち」をつくる場面で使います。

一方、『造詣』は、ある分野の知識や理解が非常に深い状態を表します。

『造詣』の特徴は、目に見えない知識や理解について使う点です。「形」をつくるのが造形、「教養」の深さを表すのが造詣、と覚えると区別しやすくなります。

似ている言葉で迷ったときは、漢字をよく確認すると、間違いを防ぐことができますよ。

「造詣」と「造形」の使い分け
観点造詣(ぞうけい)造形(ぞうけい)
対象目に見えない知識・教養目に見える形・かたち
表すもの理解の深さ・技量創造の行為・プロセス
歴史に造詣が深い粘土で像を造形する
図2:同じ「ぞうけい」でも対象がまったく異なる

造詣が深いの語源

実は、「造詣」を構成するこの2つの漢字、【造】と【詣】は、どちらも『至る』という意味を共有しているんです。

もともと『至る』という言葉自体が、行く、進む、到着するといった意味を持っていて、簡単には到達できない高い水準や特定の地点に到達することを意味しています。

これらの意味合いが強く影響して、「造詣」は深い理解や優れた技量を表す言葉になったのです。「容易にはたどり着けない高みまで到達している」というイメージを持つと、なぜこの言葉が強い敬意を含むのかが腑に落ちるはずです。

「造詣が深い」は目上には失礼?

「造詣が深い」は、目上の方に対しても適切に使える素敵な表現です。

この言葉には敬意と賞賛の意味が込められているので、安心して使うことができます。知識や教養を高く評価する言い回しであり、相手を見下すような響きが一切ないためです。

例えば、「賢いですね」や「よく知っていますね」といった表現は、目上の方に使うと、評価する側に立っているように聞こえ、失礼に感じられることがあります。

そんなときに、「造詣が深い」を使うと、相手への敬意を示しつつ、その方の知識や理解の深さを上手に褒めることができます。

例文として、「さすが、造詣が深くていらっしゃるんですね」や「絵画の歴史について、造詣がおありなのですね」のような言い方をすると、とても丁寧で洗練された表現になります。語尾に「いらっしゃる」「おありになる」といった尊敬語を添えると、さらに丁寧さが増します。

なぜ「造詣が深い」が目上の人にも失礼にならないのか、もう少し掘り下げてみましょう。ポイントは、この言葉が相手の「努力の積み重ね」を認める表現だという点にあります。「賢い」「頭がいい」は生まれ持った能力を評価するニュアンスがあり、評価する側・される側という上下関係を意識させがちです。一方、「造詣が深い」は、長い時間をかけて学びや経験を重ねてきたからこそ到達できる境地を讃える言葉です。相手の積み重ねへの敬意がにじむため、目上の人に向けても自然に響くのです。

とはいえ、どんなに上品な言葉でも、棒読みで形だけ口にすると相手には伝わりません。相手のどの部分に感心したのかを具体的に添えると、より誠実な褒め言葉になります。たとえば「歴史だけでなく当時の社会背景まで踏まえてお話しされていて、造詣の深さに感服しました」のように、感じた理由とセットで伝えると、心のこもった一言になります。

なお、目上の人をより自然に立てる言い回しは、敬語表現全般の考え方ともつながります。基本の敬語を整理したい方は「教えてください」を敬語でいうと?正しいビジネス文章・例文を詳しく紹介もあわせて確認しておくと、場面に応じた使い分けがしやすくなります。

「造詣が深い」の使い方・例文

ここからは、実際の文章の中での使い方を例文で確認していきましょう。いずれも一般的な文例であり、特定の実在人物の発言ではありません。基本は「(分野)に造詣が深い」という形を覚えておけば、さまざまな場面に応用できます。

例文①

美術評論家の山田さんは、日本の伝統工芸、特に京焼の造詣が深い。

長年にわたり陶芸の歴史を研究し、その技法や美学について詳細な知識を持っている。

彼女の著書や講演は、専門家からも高く評価され、伝統工芸の魅力を広く一般に伝える重要な役割を果たしている。

その深い造詣は、単なる知識にとどまらず、作品の背景にある文化的な意味合いまで理解している点で際立っている。

例文②

音楽プロデューサーの鈴木氏は、ジャズ音楽に造詣が深い。

幼少期から音楽に親しみ、アメリカのジャズの歴史を徹底的に研究してきた。

有名なミュージシャンへのインタビューや、貴重なレコードコレクションを通じて、ジャズの本質的な魅力を理解している。

彼の造詣は、単なる音楽愛好家の域を超え、ジャズの文化的、社会的背景まで深く理解していることで知られている。

例文③

茶道の家元である田中先生は、茶道の歴史と精神性に造詣が深い。

数十年にわたり茶道を実践し、その奥深い世界を探求してきた。

単に茶を点てる技術だけでなく、茶道に込められた禅の精神、季節の移ろい、美意識などを深く理解している。

彼の造詣は、茶道具の選び方から、茶室の設えに至るまで、伝統的な美学を体現している点で、茶道界で高く評価されている。

会話・スピーチでの例文

口頭で誰かを紹介する場面でも、「造詣が深い」は重宝します。社内のセミナーや講演会、会食の席などで、登壇者やゲストの専門性を上品に伝えたいときにぴったりの表現です。いずれも一般的な文例として挙げます。

  • 「本日お招きした〇〇様は、日本の近現代史に造詣が深く、テレビや書籍でもご活躍されています。」
  • 「部長は若いころからワインに造詣が深く、産地や品種のお話をうかがうたびに勉強になります。」
  • 「彼女は建築デザインに造詣が深いので、店舗の内装については真っ先に相談しています。」

このように、相手の得意分野を具体的に示しながら「造詣が深い」と添えると、ただ「すごい人です」と言うよりも、ぐっと説得力と品が増します。紹介の冒頭で使うと、その後の話を聞く側の期待感も高まります。

ビジネスメールでの例文

仕事のメールで使うと、相手や取引先を立てる丁寧な印象を与えられます。自分や自社を持ち上げる用途には向かないため、あくまで「相手・第三者」を主語にして使いましょう。

  • 「サステナビリティ報告に造詣が深い貴社に、ぜひご相談申し上げたく存じます。」
  • 「当該分野に造詣の深い〇〇様のご高見を賜れますと幸いです。」
  • 「〇〇分野に造詣が深い先生をお招きし、社内勉強会を開催いたします。」

このように、相手の専門性に敬意を払いながら依頼や紹介を行う場面で、文章全体の格を上げてくれる表現です。

英語の例文

「familiar」は英語で使う言葉で、熟達していることや精通していることを表現できます。

ただし、親しんでいるという意味でも使えるので、注意が必要です。

「be familiar with〜」という形で使います。

例えば、「He is familiar with modern art.」は「彼は現代アートに造詣が深い」という意味になります。

同様に、「well-versed」も熟達している、精通しているという意味の英語表現で、「be well versed in〜」の形で使います。

例えば、「She is well versed in political technology.」は「彼女は政治技術に造詣が深い」という意味になります。

このほか、「have a deep knowledge of 〜」「possess profound insight into 〜」「expertise in 〜」なども、文脈に応じて「造詣が深い」に近いニュアンスを伝えられます。フォーマルな文章では「well-versed」や「profound insight」が、ビジネスの実務では「expertise」がなじみやすいでしょう。

英語に訳すときに気をつけたいのは、日本語の「造詣が深い」に含まれる「敬意」や「教養の深さ」というニュアンスが、単語一つでは伝わりにくいという点です。たとえば「He knows a lot about art.(彼は美術についてよく知っている)」と訳してしまうと、知識の量は伝わっても、鑑識眼や文化的な理解の深さまでは表現しきれません。そのため、文脈によっては「He has a profound understanding of art and its cultural background.」のように、説明を補って訳すと、原文のニュアンスにより近づきます。ビジネスの紹介文であれば「a recognized expert in 〜」と書くことで、第三者からの評価という含みも自然に表現できます。

「造詣が深い」の類語・言い換え

「造詣が深い」はやや改まった表現のため、相手や場面によっては、もう少し砕けた言い方が自然なこともあります。代表的な類語と、その使い分けを見ていきましょう。

精通している

「精通している」は、ある分野について詳しく理解していることや、高い技術を持っていることを表す言葉です。

「造詣がある」と比べると、もっと幅広く使いやすい表現だと言えます。実務的に隅々まで知っている、というニュアンスが強いのが特徴です。

  • 彼女は日本のアニメについてよく知っています。
  • 彼は着物の歴史に詳しいです。
  • ピアノの演奏に詳しい方を知りませんか?
  • 彼は仕事の関係で、車の部品について詳しいです。

「造詣がある」はより丁寧な言い方ですが、もっと気軽にその人のことを説明したい場合は、「精通している」の方が使いやすいと言えます。

学識がある

「学識がある」は、学問の分野で知識や理解が豊かであることを意味します。

この表現は学問の世界に特化しているため、芸術や文化の場面では使いにくい点に注意が必要です。具体的には、次のような使い方ができます。

A君は学問に優れた学生です。

また、「学識がある」という言葉は、学問全体だけでなく、特定の分野や学科に関する深い知識を表現するときにも使えます。

彼女は日本建築について深い知識を持っています。

漢文を学びたければ、学問に精通しているB君に質問するとよいでしょう。

熟知している

「熟知している」は、ある事柄について詳しく理解していることを示す言葉です。

「造詣が深い」と似た意味ですが、「熟知している」は自分自身についても使える点が大きな特徴です。

  • 私は、この地域の地理についてよく知っています。
  • 彼は私のことをよく理解しています。
  • 彼女はフランス料理に詳しいです。

「熟知している」は、自分を含めて、人や物、場所など、幅広い対象について使うことができます。

蘊蓄(うんちく)が深い

「うんちくが深い」は、「うんちくがふかい」と読みます。「造詣が深い」を使うときと比べると、より雑学に近いものを対象にするときに使われます。

  • 彼は花言葉に関するうんちくが深いです。
  • 動物の生態系に関するうんちくが深いです。

また、「うんちくを披露する」「うんちくを傾ける」などの使い方もされます。

「造詣が深い」と比べると、より日常的な会話や内容のときに使いやすい言葉だと言えるでしょう。場面に応じて言葉を選び替える発想は、自己アピールや言い換え全般にも役立ちます。表現の引き出しを増やしたい方は【例文】縁の下の力持ちの言い換えで自己アピールを成功させる!注意点も紹介もあわせてご覧ください。

類語の使い分け早見表
言葉ニュアンス自分に使える?
造詣が深い教養・鑑識眼まで含む敬意の表現使えない
精通している実務的に隅々まで知る・幅広く使える使える
学識がある学問分野に限定された知識の豊かさ場面による
熟知している事柄を詳しく理解・対象が広い使える
蘊蓄が深い雑学寄り・日常会話向き場面による
図3:類語の対象範囲と「自分に使えるか」で整理

『造詣が深い』の誤用に気を付ける

自分には使えない

知識や理解の程度を褒める意味のある言葉なので、自分自身には使えません。

自分で自分の知識の深さを誉めるのは、どこか変な感じがしますよね。聞き手には「自慢」や「尊大」と受け取られかねないため、避けるのが無難です。

『造詣が深い』という言葉は、自分ではなく、他の人のことを紹介する際に、その人が博学であることの素晴らしさを表現する場合に使う言葉です。履歴書や職務経歴書で自分の強みを書きたい場合は、「〇〇に精通」「〇〇に関する実務経験が豊富」のように具体的な表現に置き換えると、自然で説得力のある書き方になります。

造詣が浅い・無いという表現はしない

そもそも「造詣」という言葉には、ある分野に関する深い知識や専門的な技量があることを意味する意味合いがあります。

そのため、「造詣が浅い」や「造詣が無い」といった表現は、言葉の本質的な意味から成り立たなくなってしまいます。「造詣」という語の中にすでに「深さ」が含まれているため、「浅い造詣」は矛盾した言い方になるのです。

普通の人は、誰もが簡単に持つことができないような特別な知識や技能について、わざわざ「知識や技量がないね」と言うようなことはあまりしないでしょう。

したがって、「造詣」という言葉の対義語を無理に表現する必要はないと考えられます。

『造詣が深い』の反対語

『造詣が深い』の反対の意味に当たる言葉を一緒に考えてみましょう。

知識がない、理解が浅いことに対して、『造詣が浅い』という表現は使いません。

これは『造詣』という言葉に、良い意味が込められているからです。

では、知識が浅いことをどのように表現できるでしょうか。次のような語が、対になる意味として挙げられます。

反対の意味を確認することで、『造詣が深い』という言葉についてもさらに理解を深めましょう。

浅薄(せんぱく)

考えが浅はかで、深みのない軽薄な状態を指す。

知識や理解が表面的で、本質的な洞察に欠けていることを意味する。

浅学(せんがく)

学問や知識が浅く、十分な教養や学識を持っていない状態を表す。

自身の知識の不足を謙遜する際によく使われる表現である。

無知

知識や学問が不足している状態。知恵や理解力に欠け、物事の本質を理解できていないことを意味する。

知識の欠如や理解の浅さを表現する。

素人

特定の分野で経験が浅く、専門的な技能や知識を持っていない人。

本業としていない、または未熟な状態を指す言葉である。

「造詣が深い」を使うときのチェックリスト

実際に使う前に、次のポイントを確認しておくと、誤用や違和感を防げます。

使う前のセルフチェックリスト
読み方は「ぞうけい」になっているか(ぞうしは誤り)
「(分野)に造詣が深い」の形になっているか
主語は他人・第三者か(自分には使わない)
「浅い・無い」と否定で使っていないか
「造形」と書き間違えていないか
図4:5つを満たせば、ほぼ間違いなく自然に使える

この5項目をクリアできていれば、口頭でも文章でも安心して使えます。特に「読み方」と「自分には使わない」の2点は、つい見落としがちなので意識しておきましょう。

もう一つ、実務で意識したいのが「使いどころのバランス」です。「造詣が深い」は格調の高い表現なので、一つの文章やスピーチの中で何度も繰り返すと、かえってわざとらしく感じられてしまうことがあります。同じ人物について複数回触れるなら、最初は「造詣が深い」と丁寧に述べ、二度目以降は「詳しい」「精通している」と軽い表現に言い換えると、文章全体のリズムが整います。言葉は「ここぞ」という場面で使ってこそ、その効果が際立ちます。

こんなときは使わない方がよい

逆に、次のような場面では「造詣が深い」を避けた方が無難です。一つ目は、相手の知識がまだ浅い段階のときです。励ましやお世辞のつもりで「造詣が深いですね」と言ってしまうと、相手によっては「過大評価された」と気まずく感じることがあります。二つ目は、ごく日常的・軽い話題のときです。「ラーメンに造詣が深い」のように、本来は雑学に近い対象に使うと、大げさで滑稽な印象になりがちです。こうした場面では「詳しい」「好きでよく食べている」といった素直な表現の方がしっくりきます。

つまり、「造詣が深い」は本当に専門性や教養を感じたときに、少し改まった場面で使うのが、最も自然で効果的だと言えるでしょう。

「造詣」を使ったその他の言い回し

「造詣が深い」以外にも、「造詣」という言葉を使った表現はいくつかあります。あわせて知っておくと、文章の幅が広がります。

一つ目は「造詣がある」です。「造詣が深い」よりもやや控えめな言い方で、「ある程度の理解や知識を備えている」という意味になります。「彼は西洋音楽にも造詣がある」のように使い、断定的に持ち上げすぎたくないときに便利です。

二つ目は「造詣の深い〇〇」という連体修飾の形です。「茶道に造詣の深い先生」「日本画に造詣の深い収集家」のように、人物を紹介する際の説明として自然に組み込めます。文章の中で名詞を修飾する形にすると、紹介文や経歴の説明がすっきりまとまります。

三つ目は「造詣を深める」という能動的な使い方です。これは他人を評価する「造詣が深い」とは異なり、自分や誰かが学びを通じて理解を深めていくという意味で使えます。「留学を通じて現代美術への造詣を深めた」のように、自分のことに使っても不自然になりません。「造詣が深い」は自分に使えませんが、「造詣を深める」なら自分の努力や成長を語る場面で使える、という違いを覚えておくと便利です。

場面別・言い換え早見

同じ「詳しい」という内容でも、相手や場面によって最適な言葉は変わります。フォーマル度を意識して使い分けると、より洗練された印象になります。

場面別・どの言葉を選ぶか
場面適した言い回し
目上・取引先を立てる「〜に造詣が深くていらっしゃいます」
同僚・社内のカジュアルな会話「〜に詳しい」「よく知っている」
自分の強みを書く(履歴書)「〜に精通」「実務経験が豊富」
図5:相手と場面に応じて言葉を選ぶ

このように、伝えたい内容は同じでも、フォーマル度や相手との関係によって最適な言葉は変わります。場面に合わせて使い分けられると、表現の引き出しが一気に広がります。

まとめ

「造詣が深い」という言葉の意味や使い方について、読み方から例文、類語、誤用の注意点まで詳しく解説しました。

この表現を理解すれば、ビジネスの場面だけでなく、普段の会話でも自然に使うことができます。ポイントは、「ぞうけい」と正しく読むこと、「(分野)に造詣が深い」の形で使うこと、そして自分ではなく相手・第三者を立てるときに使うことの3つです。

さまざまな場面で表現の幅を広げられるよう、例文を通じて使い方をマスターしてください。一度使い方を身につけてしまえば、紹介・推薦・依頼など、相手を立てたいさまざまな場面で応用が利きます。語彙が一つ増えるだけで、文章や会話の印象は大きく変わります。「造詣が深い」を自分のものにして、相手に伝わる上品なコミュニケーションを目指しましょう。

言葉の奥深さを知ることで、コミュニケーション能力を高めることができます。ほかの言葉の意味や使い方も、関連記事でぜひ確認してみてください。

「造詣が深い」の意味と使い方・言い換えFAQ

「造詣が深い」はどういう意味ですか?読み方は?

特定分野について、知識や理解・技量が優れていることを敬意をもって述べる語です。読みはぞうけい。多くは「〜に造詣が深い」の形で使います。

正しい文型は?「〜に造詣が深い」で合っていますか?

はい。「分野+に+造詣が深い」が基本です(例:日本美術に造詣が深い)。人を主語にし、対象分野を「に」で示します。

「博識」「精通」「詳しい」「知見が深い」との違いは?

ニュアンスの違いとして、「造詣が深い」は教養・鑑賞眼・理解の深さまで含意し敬意がこもります。「博識」は知識量が多い一般評価、「精通する」は実務的に隅々までよく知る、「詳しい」は口語の中立表現、「知見が深い」はやや硬い学術・ビジネス文脈で使われます。

ビジネスメールでの丁寧な言い方は?

例として、「◯◯分野に造詣が深い貴社にご相談申し上げたく、」や、「△△に造詣の深い◯◯様のご高見を賜れますと幸いです。」などがあります。自分を持ち上げる用途は避け、相手・第三者を立てるときに使います。

自己PRで使っても大丈夫?注意点は?

自称はやや尊大に響くことがあります。履歴書・職務経歴書では、「◯◯に精通」「◯◯に関する実務経験が豊富」などの具体表現が無難です。第三者推薦があるときは「◯◯に造詣が深いと評価され…」の受け身が自然です。

誤用しやすいポイントは?

誤字の「造形」は別語(つくりかた・形づくり)。正しくは造詣です。「◯◯について造詣が深い」は不自然で、「◯◯に造詣が深い」が基本。人ではなく分野にを取りましょう。

由来・語源は?どんな分野に使うのが自然?

「造」「詣」はどちらも「至る」の意を持ち、容易には到達できない高みに達しているイメージから「深い理解・技量」を表すようになりました。芸術・文化・学術・専門実務など鑑識や教養を感じさせる領域と相性がよいです。

英語では何と言う?

be well-versed in ◯◯ / have a deep knowledge of ◯◯ / possess profound insight into ◯◯ などが近い訳です。文脈により expertise instrong command of も使えます。

例文をいくつかください(ビジネス/広報/論文調)。

ビジネスでは「同氏はサステナビリティ報告に造詣が深く、実務と国際基準の双方に通じる。」、広報では「◯◯教授(□□学に造詣が深い)を招聘し、公開講座を開催します。」、論文調では「先行研究に造詣の深い査読者から有益な示唆を得た。」などが使えます。

言い換え(やわらかめ/カジュアル)は?

文脈に応じて、「詳しい」「よく知る」「第一人者」「エキスパート」「豊富な知見がある」「長年の研究・実務経験がある」などへ言い換え可能です。相手を立てる場面では「造詣が深い」が上品です。

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