実業家の年収はどれくらい?平均年収と最高値を徹底解説【2026年最新版】

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最終更新: 2026年5月7日 / 月次でデータ更新
本記事の要点

実業家の年収は固定給ではなく、事業の売上から経費を差し引いた利益で決まります。個人事業主の平均年収は約490万円、中小企業経営者は約480万円、上場企業役員は平均約1億円と幅が非常に大きいのが特徴です。本記事では推定根拠・キャリア構造・関連データを公開資料ベースで解説します。

「実業家」と一口に言っても、その内実は街の小さな飲食店を切り盛りする個人事業主から、数千人規模の企業を率いる上場企業の経営者まで実に多様です。そのため「実業家の年収はいくらか」という問いに一つの数字で答えることはできません。会社員のように毎月決まった給与が振り込まれるわけではなく、年収はあくまで事業活動の結果として後から決まるものだからです。本記事では、立場ごと・業種ごとに公開資料が示す年収の目安を整理しながら、実業家という働き方の収入構造そのものを丁寧に読み解いていきます。あわせて、これから起業を視野に入れる人や、経営に近いキャリアへ進みたい人が押さえておくべき考え方も解説します。

まず前提として理解しておきたいのは、実業家の年収には「会社の利益」と「自分の手取り」を分けて考える視点が欠かせないという点です。事業として大きな売上を上げていても、それがそのまま個人の収入になるとは限りません。個人事業主であれば経費を差し引いた残りが、法人経営者であれば自分で設定した役員報酬が年収になります。この構造を理解しておくと、後段で紹介する各種の平均値が「どのレイヤーの数字なのか」を見誤らずに読み取れるようになります。

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目次

実業家の年収とは

  • 実業家の年収は事業の規模や業績に大きく左右される
  • 個人事業主と法人経営者では年収の考え方が異なる
  • 年収は売上から経費を差し引いた利益に応じて決まる

実業家の年収の概要

実業家の年収は、会社員のように固定給与があるわけではありません。事業から得られる収益が年収となるため、事業の規模や業績によって大きく変動します。個人事業主の場合、年間の売上高から必要経費を差し引いた金額が年収となります。一方、法人経営者の場合は会社から支払われる役員報酬が年収となり、必ずしも会社の利益とリンクしているわけではありません。

ここで重要なのは、年収の「上限」と「下限」が会社員に比べて極端に広いという点です。会社員であれば、職種や勤続年数からおおよその年収レンジが見通せます。しかし実業家の場合、事業が大成功すれば青天井に近い収入を得られる一方で、事業が傾けば収入がゼロ、あるいはマイナス(自己資金の持ち出し)になることもあり得ます。この振れ幅の大きさこそが、実業家の年収を語るうえで最初に押さえておくべき性質です。年収という一つの数字の背後に、事業リスクをどこまで引き受けているかという文脈が常に存在していると理解しておきましょう。

個人事業主の年収例

例えば、飲食店を経営する個人事業主で、年間売上高が2,000万円、必要経費が1,500万円だった場合、年収は500万円(2,000万円 – 1,500万円)となります。個人事業主の年収は年間の売上高から経費を差し引いた利益の金額なので、売上を伸ばし経費を抑えることが重要です。

この例からわかるように、同じ売上規模でも経費構造が変われば手元に残る年収は大きく変わります。原価率の高い飲食業と、仕入れの少ないコンサルティング業とでは、同じ売上でも年収が大きく異なるのはこのためです。実業家を目指すなら、売上の大きさだけに目を奪われず、「どれだけ利益として残せる事業か」という利益率の視点を早い段階から持つことが、安定した年収につながります。

図1:個人事業主の年収の成り立ち(飲食店の例)
██████████████████████売上高 2,000万円
████████████████経費 1,500万円
██████年収500万円
図:売上から経費を差し引いた利益が個人事業主の年収となる。

実業家の年収に影響する要因

  • 事業の売上高や利益率
  • 経費の効率的な管理
  • 法人化の有無と役員報酬の設定
  • 事業の成長性と将来性
  • 起業家自身のビジネススキル

これらの要因のうち、特に見落とされやすいのが「法人化の有無と役員報酬の設定」です。事業が一定規模を超えると、個人事業主のまま全額を所得として受け取るより、法人化して役員報酬を設計したほうが税負担や社会保険の面で有利になる場合があります。逆に言えば、法人化していても役員報酬を低く設定すれば、見かけ上の年収は会社の業績ほど高くなりません。実業家の年収を比較するときは、こうした制度設計の意図が数字の裏にあることを念頭に置く必要があります。

項目 詳細
平均年収(個人事業主) 約490万円(国税庁調べ)
平均年収(中小企業経営者) 約480万円(日本政策金融公庫調べ)
平均年収(上場企業役員) 約1億円(東京証券取引所調べ)

この3つの数字を並べると、実業家の世界が「個人事業主・中小企業経営者の層」と「上場企業役員の層」に大きく二極化していることが見えてきます。前者の平均はおおむね数百万円台にとどまる一方、後者の平均は桁が変わって約1億円に達します。つまり実業家の平均年収を語るとき、ごく一部の高収入層が全体平均を引き上げているため、「平均」と「多くの実業家が実際に手にしている額(中央値に近い感覚)」には大きな開きがあると理解しておくことが大切です。

サラリーマンの平均年収と比較

  • 起業家の平均年収は300万円~420万円と推定される
  • 若手(20代)起業家の平均年収は約300万円前後
  • サラリーマンの平均年収は436万円、若手は317万円

起業家の年収はサラリーマンより低い傾向

一般的にサラリーマンの方が起業家より年収が高い傾向にあります。国税庁の調査によると、サラリーマン全体の平均給与は約436万円とされています。一方で起業家の平均年収は、日本政策金融公庫の調査から概算すると300万円~420万円程度と推定されます。若手(20代)に限れば、サラリーマンが317万円に対し、起業家は300万円前後と考えられています。

意外に思われるかもしれませんが、「起業すれば一気に稼げる」というイメージは平均値で見るとむしろ逆です。起業家の年収分布は、ごく一部の成功者と、平均を下回る多数の層に分かれており、平均そのものはサラリーマンを下回る水準にとどまります。起業を検討する際は、この現実を踏まえたうえで、自分が目指すのは「安定した中間層」なのか「リスクを取って上位層を狙う」のかを明確にしておくと、資金計画や生活設計を現実的に組み立てられます。

起業直後は収入が不安定な場合も

起業した当初は安定した収入を得られないケースも少なくありません。事業が軌道に乗るまでは経費の方が収入を上回ることも珍しくありません。起業家の年収は事業の業績次第で変動するため、一概に高いか低いかと言えない面もあります。大手企業の経営者になれば高収入が期待できますが、中小企業経営者の平均年収は480万円程度と報告されています。

起業家の平均年収は480万円(中小企業庁調べ)

起業のメリット・デメリットを理解する

  • メリット:自由度が高く、やりがいを感じられる
  • メリット:能力次第で高収入が望める
  • デメリット:初期は収入が不安定
  • デメリット:長時間労働が避けられない
  • デメリット:経営リスクを背負う必要がある

メリットとデメリットは表裏一体です。「自由度の高さ」は同時に「すべての判断と結果が自分に返ってくる責任」を意味し、「能力次第で高収入が望める」ことは「能力や市況次第で収入が大きく落ち込むリスク」と隣り合わせです。起業を考える人は、これらを単なる箇条書きとしてではなく、自分の価値観や生活スタイルに照らして一つずつ吟味することをおすすめします。とりわけ家族の生活がかかっている場合は、当面の生活防衛資金をどれだけ確保できるかが、精神的な余裕と冷静な経営判断を支える土台になります。

項目 サラリーマン 起業家
平均年収 436万円 300万円~420万円
若手(20代)平均 317万円 約300万円
労働時間 8時間~10時間 10時間以上が多い
図2:サラリーマンと起業家の平均年収(万円)
サラリーマン全体██████████████████████436万円
起業家(上限目安)█████████████████████420万円
起業家(下限目安)███████████████300万円
20代サラリーマン████████████████317万円
図:平均で見ると起業家はサラリーマンを下回る傾向。上位層が全体平均を押し上げる構造に注意。

個人事業主の平均年収

個人事業主の年収は、事業の売上から経費を差し引いた金額
確定申告時の収入金額と年収は異なることに注意
業種や経営年数によって個人事業主の平均年収は大きく変わる

概要説明

個人事業主の年収は、その年の事業収入から必要経費を差し引いた金額となります。つまり、年間の売上から経費を引いた利益が個人事業主の年収に相当します。確定申告の際の「収入金額」は売上高を指すため、年収とは異なることに注意が必要です。個人事業主の平均年収は、国税庁の調査によると約490万円とされていますが、業種や経営年数によって大きな開きがあります。

具体例

例えば、飲食店を経営する個人事業主Aさんの場合、2023年の売上高が2,500万円で、材料費や人件費、光熱費など経費が1,800万円だったとします。この場合、Aさんの2023年の年収は、売上高2,500万円から経費1,800万円を差し引いた700万円となります。一方、確定申告時の収入金額は売上高の2,500万円となり、年収とは異なることになります。

この「収入金額(売上高)」と「年収(利益)」の混同は、個人事業主の収入を語るときに最もよく起きる誤解です。SNSなどで「年商◯◯万円」という言葉が独り歩きしがちですが、年商はあくまで売上であって、そこからどれだけ手元に残るかは別の話です。金融機関の融資審査や賃貸契約の審査などでも、見られるのは売上ではなく所得(利益)であることが多く、自分の事業の「本当の年収」を正確に把握しておくことは実務上も非常に重要です。

詳細分析

  • 個人事業主の平均年収は業種によって大きく異なる
  • 経営年数が長いほど平均年収は高くなる傾向がある
  • 年収は売上高だけでなく経費の状況にも左右される
  • 青色申告の場合は一定の経費が差し引かれるため実質年収は低くなる
  • 個人事業主の年収からさらに所得税や住民税、社会保険料が差し引かれる

最後の項目は特に見落とされがちです。個人事業主の場合、ここで言う年収(所得)からさらに所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金などを自分で納める必要があり、会社員のように源泉徴収や労使折半の恩恵がありません。同じ額面の年収でも、会社員と個人事業主とでは手元に残る可処分所得が異なるという点は、起業前に必ず理解しておきたいポイントです。手取りベースで生活設計を考えることで、「思ったより手元に残らない」という起業初期によくある誤算を避けられます。

業種 平均年収
製造業 約610万円
卸売・小売業 約510万円
サービス業 約420万円
図3:個人事業主の業種別平均年収(万円)
製造業██████████████████████610万円
卸売・小売業██████████████████510万円
サービス業███████████████420万円
図:同じ個人事業主でも業種により平均年収には差がある。

業種による差は、原価構造や顧客単価、参入のしやすさといった事業特性を反映しています。製造業は設備投資や仕入れの負担が大きい反面、付加価値の高い製品を継続的に供給できれば安定した利益につながりやすい構造があります。一方でサービス業は初期投資を抑えて始めやすい反面、価格競争に巻き込まれやすく、利益率を確保しづらい場面もあります。自分がどの業種で勝負するかは、得意分野だけでなく「その業種の収益構造が自分の目指す年収と合っているか」という観点でも検討する価値があります。

ここで一度、給与所得者全体の年代別の平均水準を参考として確認しておきましょう。実業家の年収は事業特性で大きく上下しますが、会社員として働き続けた場合の年代別の目安を知っておくと、起業による収入の振れ幅を相対化して捉えやすくなります。

参考: 全国・年代別の平均年収 (給与所得者全体)

実業家の年収と比較する際の全国基準値です。特定職業ではなく給与所得者全体の数値のため、職業特性で大きく上下します。

年代平均年収
20代331万円
30代444万円
40代506万円
50代542万円
60代445万円

出典: 国税庁「民間給与実態統計調査」令和4年分 — 年齢階級別の平均給与から算出。

起業直後の年収は低い傾向

  • 起業直後は事業が軌道に乗るまで収入が不安定
  • 初期投資や経費がかさむため利益が出にくい
  • 報酬が入るまでに時間を要する業種も多数

起業家の平均年収は就業者平均を下回る傾向

起業直後の年収は一般就業者の平均を大きく下回る傾向にあります。日本政策金融公庫の調査によると、起業1年目の年商は平均で480万円程度。必要経費を差し引くと、起業家の平均年収は300万円前後と推計されています。一方、一般の就業者の平均年収は436万円(国税庁調べ)と高い水準にあります。事業が軌道に乗るまでは年収が伸び悩むことが多いようです。

起業初期に収入が伸びにくい背景には、認知の獲得や顧客基盤の構築に時間がかかるという普遍的な事情があります。どれほど優れた商品やサービスを持っていても、それが知られ、信頼され、継続的に選ばれるようになるまでには助走期間が必要です。この期間をどう乗り切るかが、事業を「軌道に乗せる」段階の最大の山場になります。多くの先輩経営者が、起業前に十分な運転資金を準備しておくこと、そして最初の顧客を早く獲得する動線を設計しておくことの重要性を語るのはこのためです。

個人事業主の平均所得は100万円を切る

個人事業主に限れば、その実態はさらに厳しくなります。中小企業庁の調査では、女性起業家の約7割が年収100万円以下という結果が出ています。確定申告をしていない低所得者を加えれば、この比率はさらに高くなると考えられます。経営の安定に時間を要することや、事業拡大に向けた投資が利益を圧迫する要因と推測されます。

個人事業主の平均所得は約490万円(国税庁調べ)

「平均は約490万円」なのに「7割が年収100万円以下」という、一見矛盾するような数字が並ぶのも、実業家の収入分布の特徴をよく表しています。少数の高収入層が平均を大きく押し上げる一方、多くの個人事業主は副業的・小規模な形で事業を営んでおり、その層が分布の厚みを作っています。自分がどの層を目指すのかを意識せずに「平均」だけを見ると、現実とのギャップに戸惑うことになりかねません。数字は必ず「分布のどこを見ているか」とセットで読み解く習慣をつけたいところです。

収入が安定するまでに時間を要する業種も

  • 士業(税理士、弁護士など)は顧客開拓に時間がかかる
  • フリーランスは報酬が入るまでにリードタイムが生じる
  • コンサルティングは案件獲得に労力を要する
  • 飲食業は人件費や初期投資が重荷となる
  • 小売業は知名度構築に時間を要する
業種 年収安定までの目安
士業 5年程度
フリーランス 2~3年程度
小売・飲食業 3年程度

この「安定までの目安」は、起業を考える人が資金計画を立てるうえでの現実的な物差しになります。たとえば収入が安定するまでに数年を要する業種であれば、その期間を生き延びるための運転資金と生活費を逆算して準備しておく必要があります。逆に、比較的早期に売上が立ちやすい業種であっても、初期の波を乗り越えるまでは収入の上下を前提に家計を設計しておくと安心です。「いつ黒字化するか」を楽観的に見積もりすぎないことが、結果的に事業を長く続けられる体力につながります。

中小企業経営者の平均年収

事業の業績によって大きく変動する
個人事業主と法人経営者で計算方法が異なる
サラリーマンよりも高い年収を得られる可能性がある

中小企業経営者の年収の概要

中小企業経営者の平均年収は、事業規模や業種、個人事業主か法人経営者かによって大きく異なります。国税庁の調査によると、個人事業主の平均所得金額は約490万円、一方で法人経営者の平均年収(役員報酬)は規模によってさまざまですが、上場企業の役員であれば平均で1億円を超えるケースもあります。中小企業経営者は一般的にサラリーマンよりも高い年収を得られる可能性がありますが、事業の失敗リスクも高いことに留意が必要です。

個人事業主と法人経営者の年収の違い

個人事業主の場合、年収は「年間の売上高から必要経費を差し引いた所得金額」となります。一方、法人経営者の年収は「役員報酬」と呼ばれ、会社の業績に基づいて決められます。個人事業主は自身の事業の利益がそのまま年収となりますが、法人経営者は会社が大きな利益を上げていても、役員報酬が低ければ年収は低くなる可能性があります。個人事業主の平均年収は約490万円、中堅企業の役員報酬は約1,200万円が相場とされています。

役員報酬の設定には経営戦略が反映されます。会社にできるだけ利益を内部留保して事業の成長投資に回したい局面では、あえて役員報酬を抑える経営者も少なくありません。逆に、安定期に入った企業では役員報酬を厚くするケースもあります。つまり法人経営者の年収は、その人の「稼ぐ力」だけでなく「会社をどう成長させたいか」という意思の表れでもあるのです。年収の数字を見るときは、その背後にある経営判断まで想像すると、実業家という働き方の奥行きが見えてきます。

項目 詳細
個人事業主平均年収 約490万円
中堅企業役員報酬 約1,200万円
上場企業役員報酬 平均約1億円超

上場企業役員の平均年収

上場企業の役員報酬は企業業績に大きく左右される
役員報酬は株主総会で決定される金額が上限となる
役員報酬の平均額は企業規模によって大きく異なる

役員報酬の仕組み

上場企業の役員報酬は、毎年の株主総会で承認される報酬総額の範囲内で、取締役会で個別の支給額が決定されます。報酬総額は企業業績や役員数、同業他社の水準などを勘案して株主総会で議決されます。企業業績が良ければ報酬総額を増額する案が提案され、業績不振なら減額が提案されることになります。つまり役員報酬は企業の収益に大きく左右されるのが特徴です。

近年は、役員報酬を「固定報酬」だけでなく「業績連動報酬」や「株式報酬」と組み合わせる企業が増えています。これは、経営者の利益と株主の利益を一致させ、中長期的な企業価値の向上を促す狙いがあります。そのため上場企業役員の年収は、単年度の固定額だけでは語れず、株価や業績の動向によって実際の受取額が大きく変動することがあります。役員報酬が高いということは、それだけ大きな経営責任と、結果が出なければ報酬が下がるという緊張感を引き受けていることの裏返しでもあります。

上場企業役員の平均報酬額

上場企業の役員報酬額は企業規模によって大きく異なります。東京証券取引所が公表した2022年3月期の上場内国企業の役員報酬の平均額は以下の通りです。

– 東証プライム:平均約1億1,200万円
– 東証スタンダード:平均約4,300万円
– 東証グロース:平均約2,700万円
– マザーズ:平均約1,900万円

図4:上場区分別の役員報酬平均額(万円・2022年3月期)
東証プライム██████████████████████1億1,200万円
東証スタンダード████████4,300万円
東証グロース█████2,700万円
マザーズ████1,900万円
図:上場区分が上がるほど役員報酬の平均額も大きくなる傾向(出典:東京証券取引所)。

企業規模別の役員報酬の傾向

  • 大手上場企業の役員報酬は高額で、最高額は10億円を超えるケースも
  • 中堅・中小企業の役員報酬は1,000万円前後が一般的
  • ベンチャー企業の役員報酬は数百万円が平均的
  • 役員報酬以外に役員持株会や株式報酬型ストックオプションなどのインセンティブ報酬制度がある
  • 企業不祥事の責任を負う場合は役員報酬が減額・返上されることも

注目したいのは、最高額が10億円を超える一方で、ベンチャー企業の役員報酬は数百万円が平均的という、同じ「役員」でも桁違いの開きがあることです。創業期のベンチャー経営者は、目先の報酬を抑えて事業の成長に資源を集中させ、将来の企業価値向上(株式の価値)に賭けるという選択をしていることが多くあります。実業家の年収を語るとき、「いま受け取っている報酬」と「将来得られるかもしれない資産価値」を分けて考える視点が欠かせません。

企業規模 平均役員報酬額
大手上場企業 1億円以上
中堅・中小上場企業 1,000万円前後
ベンチャー企業 数百万円

実業家・経営者を目指すキャリアの考え方

ここまで見てきたように、実業家の年収は「立場」「業種」「事業の成長段階」で大きく姿を変えます。では、これから実業家や経営に近いキャリアを目指す人は、どのような道筋を描けばよいのでしょうか。ここでは、特定の数字に頼らず、キャリア形成の考え方として押さえておきたい点を整理します。

いきなり独立せず、経営の近くで経験を積む選択肢

実業家になる道は、必ずしも「会社を辞めて即起業」だけではありません。事業会社の経営企画やコンサルティング、ベンチャーの中核ポジションなど、経営の意思決定に近い場所で経験を積んでから独立する人も多くいます。こうしたポジションでは、事業計画の立て方、数字の読み方、組織のマネジメントといった、独立後にそのまま役立つスキルを実地で学べます。リスクを抑えながら経営の解像度を高めたい人にとって、「経営の近くで働く」という選択は有力な準備期間になります。

数字よりも「続けられる事業設計」を優先する

起業の成否を分けるのは、最初の事業アイデアの華やかさよりも、むしろ「資金が尽きる前に軌道に乗せられるか」という地味な持続力です。前述のとおり、多くの業種で収入が安定するまでには数年単位の時間がかかります。だからこそ、初期は小さく始めて検証を重ね、手応えのある領域に資源を集中させるという慎重な進め方が、結果的に高い年収につながりやすいのです。一発の大勝負よりも、撤退ラインを決めたうえで小さく試行錯誤を回す姿勢が、長く事業を続けるための土台になります。

転職エージェントを情報源として活用する

「いずれ起業したいが、まずは経営に近い職種で力をつけたい」という人にとって、転職エージェントは有力な情報源になります。経営企画やコンサルティング、ベンチャーの幹部候補など、経営の意思決定に関わるポジションは一般の求人サイトに出回らない非公開求人として動くことも多く、エージェント経由でしか出会えない案件があります。登録や相談は無料で、自分の経歴がどの程度評価されるのか、どんなキャリアパスが現実的かを客観的に把握する材料が得られます。すぐ転職するつもりがなくても、市場での自分の立ち位置を確認する目的で活用する価値があります。

経営の近くで経験を積みたいなら、まずは事業全体を俯瞰する職種から検討するのも一つの道です。詳しくは経営企画の平均年収はいくら?年代別データと業界比較【2026年最新】もあわせてご覧ください。

選考対策と情報収集の進め方

経営に近いキャリアへ進む場合でも、まずは選考を突破する必要があります。ここでは数字に依存しない、選考対策の一般的な考え方を整理します。

職務経歴書では「成果」と「再現性」を語る

経営に近い職種ほど、応募者には「何をしてきたか」だけでなく「どんな考えで成果を出したか」が問われます。職務経歴書では、担当業務を羅列するのではなく、課題に対してどう仮説を立て、何を実行し、結果どうなったかをセットで記述すると説得力が増します。とりわけ、その成果が偶然ではなく「再現できる力」によるものだと伝わる書き方を意識すると、経営判断を任せる相手としての信頼につながります。

面接では「事業への当事者意識」を示す

面接では、与えられた仕事をこなす姿勢だけでなく、「自分ならこの事業をどう伸ばすか」という当事者目線の発言が評価されやすい傾向があります。応募先の事業や業界について事前に調べ、自分なりの仮説を持って臨むと、受け身ではない姿勢が伝わります。経営に近いポジションを目指すなら、面接は「評価される場」であると同時に「自分が経営者として何を考えているかを示す場」でもあると捉えると、準備の質が変わってきます。

口コミ・評判は定性的な傾向として読む

企業の口コミサイトや評判は、応募前の情報収集に役立ちます。ただし、投稿は個人の主観や在籍時期に左右されるため、特定の評価を鵜呑みにするのは禁物です。複数の声に共通して見られる傾向、たとえば「裁量が大きい」「成長スピードを求められる」といった定性的な特徴を拾い、自分の価値観と照らし合わせる使い方が現実的です。良い評判も悪い評判も、あくまで「自分に合うかどうか」を判断する材料として捉えましょう。

働き方・待遇は総合的に見る

実業家・経営者に近いキャリアでは、目先の年収だけでなく、裁量の大きさ、得られる経験、将来の独立につながるネットワークなど、金銭以外の価値も重要な判断材料になります。短期的な待遇が多少見劣りしても、数年後に大きく飛躍できる経験が積める環境であれば、長期的なキャリアにとっては有利になることもあります。条件は一つの軸ではなく、複数の軸を総合して評価する姿勢が、後悔の少ない選択につながります。

投資やファイナンスの観点から経営に関わるキャリアに興味がある人は、成田悠輔の年収は1億円超!大学教授×起業家の収入源を解説【2026年最新版】のような、複数の収入源を持つ実業家の事例も参考になります。

まとめ

起業家の平均年収は事業規模や業界によって大きく異なる
起業直後は収入が少ない傾向にあるが、事業が軌道に乗れば年収は上がる
起業するには労働時間の増加やストレスなどのリスクを理解しておく必要がある

起業家の年収は事業規模で大きく変わる

起業家の年収は、個人事業主か法人経営者かによって考え方が異なります。個人事業主の場合は「年間売上高から必要経費を差し引いた所得金額」が年収となり、法人経営者は「役員報酬」が年収になります。一般的に事業規模が大きくなるほど年収も高くなる傾向にあります。国税庁の調査では、個人事業主の平均年収は約490万円となっています。

起業直後は収入が少ないケースが多い

起業したばかりの経営者は、年収が100万円以下の割合が70%近くに上るという調査結果もあります。事業が軌道に乗るまでは売上が伸び悩み、十分な収入を得られないケースが多いためです。しかし、中小企業経営者の平均年収は480万円程度、上場企業役員では1000万円を超えるなど、事業が成長すれば年収アップの可能性は高まります。

起業にはリスクも存在する

  • 労働時間が大幅に増加する
  • しばらく報酬がない期間がある
  • 今までに経験したことのないストレスを感じる
  • 事業が失敗すれば収入が途絶える
  • 経営者としての責任が重い
経営者の立場 平均年収
個人事業主 約490万円
中小企業経営者 約480万円
上場企業役員 1000万円超

実業家の年収は、リスクと裏表の関係にあります。会社員のような安定はない代わりに、事業を成長させれば年収の上限は大きく広がります。大切なのは、華やかな成功例だけを見るのではなく、収入が安定するまでの期間や分布の実態を冷静に理解したうえで、自分が引き受けられるリスクの範囲で挑戦することです。経営の近くで経験を積む、小さく始めて検証する、専門家やエージェントを情報源として活用するといった現実的な準備を重ねることが、実業家として持続的な年収を築く近道になります。

主要参照データ・出典
  • 国税庁「民間給与実態統計調査」 公式
  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 公式
  • EDINET (有価証券報告書) 公式
  • 各種業界団体・企業公式IR・上場企業ガバナンス報告書

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監修・編集

CareerBoost編集部 / キャリア統計リサーチチーム
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本記事の年収数値は公開資料からの推定であり、個人/企業/年度により実数と異なる場合があります。正確な数値は公式発表をご確認ください。

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