第一三共は、国内製薬業界のトップ企業の一つとして知られ、がん領域を中心としたグローバル展開で急成長を遂げています。転職市場でも常に人気の高い企業ですが、「実際の年収はどのくらいなのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、有価証券報告書やOpenWork(旧Vorkers)、転職サイトの口コミデータをもとに、第一三共の平均年収・職種別・年代別・役職別の給与水準を徹底的に解説します。競合他社との比較や福利厚生、転職難易度まで網羅していますので、第一三共への転職を検討している方や、製薬業界の年収相場を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
【結論】第一三共の平均年収は約1,113万円|業界トップクラスの給与水準
まず結論からお伝えすると、第一三共の平均年収は約1,113万円です。これは有価証券報告書(2024年3月期)に記載されている数値であり、国内の上場企業全体で見てもトップクラスの水準となっています。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 有価証券報告書の平均年収 | 約1,113万円(2024年3月期) |
| 平均年齢 | 約45.1歳 |
| 平均勤続年数 | 約20.5年 |
| 従業員数(単体) | 約5,765人 |
| 製薬業界の平均年収 | 約750万円 |
| 業界平均との差 | +約363万円 |
製薬業界の上場企業平均年収が約750万円であることを考えると、第一三共はそれを約363万円も上回る高水準です。日本の上場企業全体の平均年収(約630万円)と比較すると、およそ1.8倍の給与水準を誇ります。
この高い年収水準の背景には、抗体薬物複合体(ADC)技術を核としたがん領域での急成長があります。主力製品である「エンハーツ」のグローバル売上拡大により、業績が大きく伸びていることが社員への還元にもつながっています。
第一三共の職種別年収|MR・研究職・管理職の給与レンジ
第一三共の年収は職種によっても大きく異なります。OpenWorkや転職サイトの口コミデータをもとに、主要職種ごとの推定年収レンジをまとめました。
| 職種 | 推定年収レンジ | 補足 |
|---|---|---|
| MR(営業) | 650万〜1,200万円 | 日当・営業手当が充実。全国転勤あり |
| 研究職 | 700万〜1,400万円 | 博士号取得者は初任給から高水準 |
| 開発職(臨床開発) | 700万〜1,350万円 | グローバル治験の経験で上昇 |
| 生産技術・品質管理 | 600万〜1,100万円 | 工場勤務手当あり |
| 管理部門(経理・人事・法務) | 650万〜1,250万円 | 本社勤務が中心 |
| IT・デジタル | 700万〜1,300万円 | DX推進により採用強化中 |
| メディカルアフェアーズ | 800万〜1,500万円 | 医師資格保有者はさらに高水準 |
第一三共では、どの職種でも業界平均を大きく上回る年収水準が期待できます。特に研究職とメディカルアフェアーズは年収の上限が高く、専門性の高いポジションほど報酬が手厚い傾向にあります。
MR(営業職)は基本給に加えて日当や営業手当が充実しており、実質的な手取りは額面以上になるケースも少なくありません。また近年は、がん領域に特化したオンコロジーMRの需要が高まっており、専門知識を持つMRは特に高い年収を得られる傾向があります。
研究職については、第一三共が最も力を入れているADC(抗体薬物複合体)技術に関連する分野の研究者は社内でも高く評価されやすく、昇給・昇格のスピードが早いとの口コミもあります。
第一三共の年代別年収|20代〜50代の年収推移
第一三共の年収は年齢とともに着実に上昇していく傾向があります。OpenWorkや口コミサイトに投稿された実際の社員データをもとに、年代別の推定年収をまとめました。
| 年代 | 推定年収 | 月収換算(税引前) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 20代前半 | 450万〜600万円 | 約28万〜38万円 | 新卒入社。初任給は修士卒で約27万円 |
| 20代後半 | 600万〜800万円 | 約38万〜50万円 | 昇格試験を経て年収アップ |
| 30代 | 800万〜1,100万円 | 約50万〜69万円 | 主任〜係長クラス。年収1,000万円超も |
| 40代 | 1,100万〜1,400万円 | 約69万〜88万円 | 課長クラスが中心。管理職手当あり |
| 50代 | 1,200万〜1,600万円 | 約75万〜100万円 | 部長クラス。役員候補はさらに高水準 |
第一三共では、30代前半で年収1,000万円に到達する社員も珍しくありません。これは大手製薬企業の中でも早いペースと言えます。
20代でも基本給に加えてボーナスが年間6ヶ月分以上支給されるため、入社数年で600万円台に到達するケースが多いです。OpenWorkの口コミでは「20代後半で年収750万円」「30代前半で年収1,050万円」といった投稿が複数見られます。
40代以降は管理職への昇格が年収を大きく左右します。課長職に就けば1,200万円以上、部長職では1,500万円を超えるケースもあり、実力と成果次第でさらなる年収アップが見込めます。
なお、第一三共では2020年代に入り人事制度改革が進められており、従来の年功序列型から成果・役割ベースの報酬体系へと移行が進んでいます。そのため、若手であっても成果を出せば早期に高い報酬を得られる環境が整いつつあります。
第一三共の役職別年収|一般社員から部長までの給与水準
第一三共の役職別年収について、口コミや転職サイトの情報をもとに推定値をまとめました。管理職への昇格が年収に大きく影響するため、キャリアプランを考える際の参考にしてください。
| 役職 | 推定年収 | 到達目安年齢 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 一般社員 | 450万〜700万円 | 22歳〜27歳 | 新卒〜入社5年目程度 |
| 主任 | 750万〜950万円 | 28歳〜33歳 | 昇格試験に合格が必要 |
| 係長 | 950万〜1,150万円 | 32歳〜38歳 | チームリーダーとしての役割 |
| 課長 | 1,200万〜1,450万円 | 38歳〜45歳 | 管理職。残業代は支給対象外 |
| 部長 | 1,500万〜1,800万円 | 45歳〜55歳 | 経営層に近いポジション |
| 執行役員 | 2,000万円以上 | 50歳〜 | 有価証券報告書に個別記載 |
第一三共では、課長クラスで年収1,200万円以上が一般的な水準です。課長職は管理職扱いとなるため、残業代は支給されませんが、基本給と管理職手当が大幅にアップします。
注目すべきは、非管理職の段階でも年収1,000万円前後に到達できる点です。係長クラスでは年収1,000万円を超える社員も多く、「管理職にならなくても高年収が得られる」という点は第一三共の大きな魅力です。
また、専門性の高い研究職やメディカル職では、管理職ルートとは別に「専門職」としてのキャリアパスも用意されており、マネジメントに進まなくても相応の報酬を得られる仕組みがあります。
第一三共 vs 競合企業の年収比較|大手製薬メーカーとの差は?
第一三共の年収が業界内でどのような位置づけにあるのか、国内大手製薬メーカーの有価証券報告書データをもとに比較しました。
| 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 第一三共との差 |
|---|---|---|---|
| 第一三共 | 約1,113万円 | 45.1歳 | — |
| 武田薬品工業 | 約1,097万円 | 42.8歳 | +16万円 |
| アステラス製薬 | 約1,062万円 | 42.5歳 | +51万円 |
| エーザイ | 約1,050万円 | 44.3歳 | +63万円 |
| 中外製薬 | 約1,214万円 | 43.4歳 | -101万円 |
| 大塚ホールディングス | 約1,040万円 | 44.0歳 | +73万円 |
| 田辺三菱製薬 | 約870万円 | 44.7歳 | +243万円 |
| 小野薬品工業 | 約934万円 | 43.5歳 | +179万円 |
第一三共の平均年収は、国内製薬大手の中で第2位の水準です。トップの中外製薬(ロシュグループ)には及ばないものの、武田薬品工業やアステラス製薬を上回っています。
注目すべきは、第一三共の年収上昇トレンドです。数年前までは武田薬品の後塵を拝していましたが、エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)をはじめとするADC製品のグローバル展開が成功し、業績拡大に伴って給与水準も急上昇しています。
中外製薬がトップに位置する理由は、ロシュグループの一員として外資系に近い報酬体系を採用している点にあります。一方、第一三共は純粋な日系企業としてはトップクラスの年収水準であり、日系企業特有の福利厚生の充実度も加味すると、実質的な処遇は業界最高水準と言えるでしょう。
第一三共の福利厚生・ボーナス情報
第一三共は年収の高さだけでなく、福利厚生の充実度でも業界トップクラスの評価を得ています。具体的な制度を見ていきましょう。
ボーナス(賞与)
第一三共のボーナスは年2回(6月・12月)支給されます。口コミ情報をもとにすると、一般的な支給額は以下の通りです。
- 一般社員:基本給の約6〜7ヶ月分
- 管理職:基本給の約5〜6ヶ月分(業績連動比率が高い)
OpenWorkの口コミでは「ボーナスだけで200万円を超える」「業績が好調な年は7ヶ月分以上出た」という声も見られます。特に近年はエンハーツの好調な売上を背景に、賞与水準が上昇傾向にあります。
住宅関連手当
- 借上社宅制度:会社が賃貸物件を借り上げ、自己負担は家賃の約2〜3割程度。特に若手社員にとって大きなメリット
- 住宅手当:社宅を利用しない場合、月額数万円の住宅手当を支給
- 転勤時の支援:引越し費用の全額負担、赴任手当の支給
この借上社宅制度は実質的に年間100万円以上の価値があり、額面年収以上の恩恵を受けられると社員からも高く評価されています。
その他の福利厚生
- 退職金制度:確定給付企業年金と確定拠出年金の併用。勤続30年で数千万円規模
- 持株会:会社から奨励金あり(拠出額の10%前後)
- 育児支援:育児休業(最大2年)、短時間勤務制度、事業所内保育所の設置
- 健康支援:年1回の人間ドック、メンタルヘルスケアプログラム
- 自己啓発:語学研修、MBA留学制度、資格取得支援
- カフェテリアプラン:年間数万円分のポイントを福利厚生メニューから選択して利用可能
- 有給休暇:初年度から20日付与。取得率も高い(平均70%以上)
- フレックスタイム制度:コアタイムなしのフルフレックスを導入
- 在宅勤務:コロナ以降、リモートワークが定着。週2〜3日の在宅勤務が一般的
第一三共の福利厚生は、製薬業界の中でも特に手厚いと評判です。特に借上社宅制度と退職金制度は金額的なインパクトが大きく、生涯年収ベースで考えると他社との差はさらに広がります。
また、働き方改革にも積極的で、フルフレックスやリモートワークの導入により、ワークライフバランスを重視する社員からの満足度も高くなっています。OpenWorkの「待遇面の満足度」スコアは製薬業界トップレベルです。
第一三共への転職難易度と選考フロー
第一三共は製薬業界の中でも転職難易度が非常に高い企業です。高い年収と充実した福利厚生を背景に応募者が殺到するため、選考は厳しく、しっかりとした準備が求められます。
転職難易度
第一三共の転職難易度を5段階で評価すると★★★★★(5/5)です。その理由は以下の通りです。
- 応募倍率が高い:人気企業のため、1つのポジションに数十〜数百名が応募
- 高い専門性が求められる:特に研究・開発職は博士号やグローバル経験が求められることが多い
- 英語力が必須:グローバル展開を強化しているため、多くのポジションでTOEIC800点以上が目安
- 離職率が低い:待遇の良さから既存社員が辞めにくく、そもそもポジションの空きが少ない
一般的な選考フロー
第一三共のキャリア採用(中途採用)の選考フローは、一般的に以下のステップで進みます。
- 書類選考:履歴書・職務経歴書の提出。通過率は約20〜30%と言われている
- 一次面接:人事部門と現場マネージャーによる面接。職務経験やスキルの確認が中心
- 適性検査:SPI形式のWebテストや性格検査を実施
- 二次面接:部門長クラスとの面接。より深い専門知識や志望動機が問われる
- 最終面接:役員面接。企業カルチャーとのフィット感が重視される
- 内定・条件提示:年収交渉の余地あり。前職年収がベースとなる
選考期間は書類提出から内定まで約1.5〜2ヶ月が目安です。
転職成功のポイント
- 製薬業界での経験を活かす:同業他社からの転職が最も多いパターン。業界知識と専門性をアピール
- 第一三共の強み(ADC技術、がん領域)への共感:「なぜ第一三共なのか」を論理的に語れることが重要
- グローバル経験・英語力:海外との協業が増えており、英語でのコミュニケーション能力は大きなアドバンテージ
- 転職エージェントの活用:非公開求人が多いため、製薬業界に強いエージェントの利用が効果的
第一三共は直接応募も可能ですが、転職エージェント経由の方が選考に関する詳細な情報を得られるほか、年収交渉のサポートも受けられるため、積極的に活用することをおすすめします。
第一三共の年収に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 第一三共の新卒初任給はいくらですか?
第一三共の新卒初任給は、学歴別に以下の通りです(2025年度実績)。
- 学士卒:約24.5万円
- 修士卒:約27.3万円
- 博士卒:約31.8万円
これに加えて各種手当やボーナスが支給されるため、初年度の年収は学士卒で約400万円、修士卒で約450万円、博士卒で約500万円程度が目安です。製薬業界の新卒としてはトップクラスの水準です。
Q2. 第一三共で年収1,000万円に到達するのは何歳ぐらいですか?
口コミや社員データをもとにすると、30代前半(30〜34歳)で年収1,000万円に到達するケースが多いです。順調に昇格した場合、入社8〜10年程度で1,000万円の大台に届くイメージです。ただし、職種や評価によって個人差はあります。MR職の場合は各種手当込みで20代後半から実質1,000万円に近い水準になることもあります。
Q3. 第一三共は今後も年収が上がり続けますか?
第一三共の年収水準は、主力製品「エンハーツ」の売上成長に大きく連動しています。エンハーツは複数のがん種で適応拡大が進んでおり、2026年以降もグローバルでの売上増が見込まれています。また、後続のADCパイプライン(DS-7300、DS-6000など)も臨床開発が進んでおり、中長期的にも業績拡大が期待されます。
ただし、製薬業界は特許切れ(パテントクリフ)のリスクがあるため、長期的には新薬の開発状況次第という側面もあります。とはいえ、現時点でのパイプラインの充実度から判断すると、今後数年間は高水準の給与が維持される可能性が高いと考えられます。
まとめ|第一三共は製薬業界トップクラスの高年収企業
本記事では、第一三共の年収について職種別・年代別・役職別に詳しく解説してきました。最後に要点を整理します。
- 平均年収は約1,113万円で、製薬業界トップクラスの水準
- 30代前半で年収1,000万円到達が一般的なキャリアパス
- ボーナスは年間6〜7ヶ月分と非常に手厚い
- 借上社宅や退職金など、福利厚生も業界最高水準
- エンハーツを中心としたADC事業の成長により、今後も年収上昇が期待できる
- 転職難易度は非常に高いが、専門性と英語力があればチャンスあり
第一三共は「高年収×充実した福利厚生×成長企業」という三拍子が揃った、製薬業界を代表する優良企業です。転職を検討している方は、まずは自分の市場価値を把握したうえで、製薬業界に強い転職エージェントに相談してみることをおすすめします。





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