「退職代行って違法じゃないの?」「法律的に問題はないの?」——退職代行サービスの利用を検討する方からよく聞かれる疑問です。結論から言えば、退職代行サービス自体は違法ではありません。ただし、運営元の種類によって対応できる範囲が異なり、その範囲を超えた行為は違法となる可能性があります。
本記事では、退職代行の法的な位置づけを弁護士・労働組合・民間業者の違いから詳しく解説し、利用者が知っておくべきリスクについてお伝えします。
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退職代行サービスは違法ではない
まず大前提として、退職代行サービスそのものは違法ではありません。日本国憲法第22条は職業選択の自由を保障しており、民法第627条では期間の定めのない雇用契約はいつでも解約を申し入れることができると規定されています。退職する権利は労働者に認められた正当な権利であり、その意思を第三者が代わりに伝えること自体に法的な問題はありません。
運営元の種類による法的な違い
民間企業の退職代行ができること・できないこと
民間企業の退職代行は、退職の意思を会社に「伝達」する「使者」としての役割のみを担えます。これは法的に問題ありません。しかし、会社との「交渉」を行うことは弁護士法第72条(非弁行為の禁止)に抵触する可能性があります。有給消化の交渉、退職日の調整、退職金の交渉などは「交渉」に該当するため、民間企業が行うと違法となる恐れがあります。
労働組合の退職代行ができること
労働組合は、労働組合法に基づく「団体交渉権」を有しています。これにより、使用者(会社)との交渉が法的に認められています。有給休暇の消化交渉、退職日の調整、未払い賃金の交渉などを適法に行うことができます。ただし、訴訟の代理や法的な紛争解決は行えません。
弁護士の退職代行ができること
弁護士は法律事務全般を取り扱えるため、退職に関するあらゆる法的対応が可能です。会社との交渉はもちろん、損害賠償請求への対応、訴訟の代理、未払い残業代の請求、慰謝料の請求なども行えます。法的リスクが高い場合は弁護士に依頼するのが最も安全です。
非弁行為とは?違法になるケース
弁護士法第72条は、弁護士でない者が報酬を得て法律事務を取り扱うことを禁止しています。これを「非弁行為」と呼びます。民間企業の退職代行が会社と交渉を行った場合、この非弁行為に該当する可能性があります。
具体的には以下のような行為が非弁行為に当たる恐れがあります。
- 有給休暇の消化について会社と交渉する
- 退職日について会社と調整・交渉する
- 退職金の金額や支払い条件を交渉する
- 未払い賃金の支払いを会社に請求する
- 損害賠償請求に対して反論・交渉する
利用者側のリスクはあるのか
退職代行サービスを利用すること自体に、利用者側の法的リスクはほとんどありません。非弁行為の責任は業者側にあり、利用者が罰せられることはありません。ただし、非弁行為を行う業者に依頼した場合、交渉が法的に無効となる可能性はあります。確実に退職手続きを進めるためにも、適法なサービスを選ぶことが重要です。
安全な退職代行サービスの選び方
- 交渉が必要な場合は、労働組合または弁護士のサービスを選ぶ
- 労働組合の場合は、労働委員会の認証を受けているか確認する
- 民間企業の場合は、交渉行為を行わないことを明示しているか確認する
- 弁護士監修と弁護士運営は異なるため、違いを理解する
まとめ:適法なサービスを選べば安心
退職代行サービス自体は違法ではありませんが、運営元によって対応できる範囲が法律で定められています。民間企業は伝達のみ、労働組合は交渉まで、弁護士はすべての法的対応が可能です。自分の状況に応じて適切なサービスを選び、安心して退職手続きを進めましょう。





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