「退職代行って違法じゃないの?」「利用すると法的に問題がある?」——退職代行サービスの利用を検討する方からよく聞かれる疑問です。
目次
結論から言えば、退職代行サービスそのものは違法ではありません。しかし、運営元の種類(民間企業・労働組合・弁護士)によって法的に対応できる範囲が厳密に定められており、その範囲を超えた行為は違法となる可能性があります。
本記事では、退職代行の法的根拠から、3種類の運営主体の法的な違い、非弁行為のリスク、実際のトラブル事例と安全な選び方まで、法律の観点から徹底解説します。
この記事の結論:退職代行サービスは適法ですが、運営主体によって対応できる範囲が異なります。交渉が必要なら労働組合以上、法的トラブルがあるなら弁護士を選びましょう。
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退職代行サービスが違法でない法的根拠
退職代行サービスが合法である根拠は、日本の法律に明確に規定されています。
憲法第22条:職業選択の自由
日本国憲法第22条は「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と定めています。退職する自由は職業選択の自由に含まれ、労働者は自らの意思で自由に退職できる権利を有しています。
民法第627条:退職の自由
民法第627条第1項は「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。これにより、正社員(無期雇用)は2週間前に申し出れば退職できることが法的に保障されています。
退職の意思を第三者が伝えることの適法性
退職の意思を本人の代わりに第三者が「伝達」すること自体は、法律で禁止されていません。これは法的には「使者」としての行為であり、代理行為とは区別されます。例えば、家族が本人の代わりに会社に連絡することと法的には同じ位置づけです。
退職に関する主要な法律一覧
| 法律 | 条文 | 内容 | 退職代行との関係 |
|---|---|---|---|
| 日本国憲法 | 第22条 | 職業選択の自由 | 退職の権利の根拠 |
| 民法 | 第627条 | 2週間前の申し出で退職可能 | 退職の基本ルール |
| 民法 | 第628条 | やむを得ない事由で即日退職可能 | 即日退職の根拠 |
| 弁護士法 | 第72条 | 非弁行為の禁止 | 民間企業の交渉を制限 |
| 労働組合法 | 第6条 | 団体交渉権の保障 | 労組の交渉権の根拠 |
| 労働基準法 | 第39条 | 有給休暇の権利 | 有給消化交渉の根拠 |
3種類の運営主体の法的な違い【比較表】
退職代行サービスは運営主体によって法的にできることが明確に分かれます。以下の表で違いを把握しましょう。
| 対応項目 | 民間企業 | 労働組合 | 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 退職意思の伝達 | ○ | ○ | ○ |
| 退職届の提出代行 | ○ | ○ | ○ |
| 有給消化の交渉 | × 非弁行為の恐れ | ○ 団体交渉権 | ○ |
| 退職日の調整・交渉 | × 非弁行為の恐れ | ○ 団体交渉権 | ○ |
| 未払い賃金の請求交渉 | × 非弁行為の恐れ | ○ 団体交渉権 | ○ |
| 退職金の交渉 | × 非弁行為の恐れ | ○ 団体交渉権 | ○ |
| 損害賠償請求への対応 | × | × | ○ |
| 訴訟・裁判の代理 | × | × | ○ |
| 慰謝料の請求 | × | × | ○ |
| 内容証明郵便の作成 | × | × | ○ |
| 法的根拠 | 使者としての伝達のみ | 労働組合法・団体交渉権 | 弁護士法 |
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民間企業の退職代行の法的位置づけ
民間企業が運営する退職代行サービスは、退職の意思を会社に「伝達」する「使者」としての役割のみを担えます。
民間企業ができること
- 本人に代わって退職の意思を会社に伝える
- 退職届の提出を代行する(本人作成の書類を届ける)
- 退職に必要な事務的な連絡を行う
- 退職後の書類送付について会社に依頼する
民間企業ができないこと(非弁行為に該当する恐れ)
- 有給休暇の消化について会社と交渉する
- 退職日について会社と調整・交渉する
- 退職金の金額や支払い条件を交渉する
- 未払い賃金の支払いを会社に請求・交渉する
- 損害賠償請求に対して反論・交渉する
- 会社からの引き止めに対して交渉で対抗する
民間企業が交渉すると何が問題?
民間企業が上記の交渉行為を行った場合、弁護士法第72条(非弁行為の禁止)に抵触する可能性があります。非弁行為とは、弁護士でない者が報酬を得て法律事務を取り扱うことであり、2年以下の懲役または300万円以下の罰金という厳しい罰則が定められています。
労働組合の退職代行の法的位置づけ
労働組合が運営する退職代行サービスは、労働組合法に基づく団体交渉権を行使して会社と交渉できます。
団体交渉権とは
日本国憲法第28条は「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と定めています。労働組合は、この憲法上の権利に基づいて使用者(会社)と交渉する権利を持っています。
重要なのは、会社は正当な労働組合からの団体交渉申し入れを拒否できない(不当労働行為に該当する)という点です。つまり、労働組合の退職代行は法的に会社に交渉を強制できる立場にあります。
法適合組合と非法適合組合の違い
ただし、すべての労働組合が法的に有効な団体交渉権を持つわけではありません。労働組合としての要件を満たしていない「名ばかり労組」の場合、交渉の法的効力が認められない可能性があります。
| 確認ポイント | 法適合組合 | 非法適合組合 |
|---|---|---|
| 労働委員会への届出・認証 | あり | なし |
| 組合規約の整備 | あり | 不十分 |
| 組合員からの会費徴収 | あり | なし or 不明確 |
| 独立した組合運営 | あり | 業者と一体化 |
| 団体交渉の法的効力 | あり | 疑問あり |
労働組合系の退職代行を選ぶ際は、労働委員会の認証を受けているかどうかを必ず確認しましょう。退職代行ガーディアン(東京都労働委員会認証)などが安心です。
弁護士の退職代行の法的位置づけ
弁護士は弁護士法に基づいてすべての法律事務を取り扱う権限を持っています。退職に関するあらゆる法的対応が可能であり、最も対応範囲が広い選択肢です。
弁護士だけができること
- 損害賠償請求に対する反論・交渉・訴訟対応
- 裁判の代理人としての活動
- 内容証明郵便の作成と送付
- ハラスメントに対する慰謝料請求
- 労働審判の代理
- 競業避止義務に関する法的アドバイス
弁護士監修と弁護士運営の違いに注意
「弁護士監修」と「弁護士運営」は全く異なります。弁護士監修は弁護士がサービス内容をチェックしているだけで、実際の対応は民間企業や労働組合のスタッフが行います。弁護士運営は弁護士自身がサービスを運営し、直接対応します。法的トラブルへの対応が必要な場合は、弁護士「運営」のサービスを選びましょう。
非弁行為とは?具体的なリスクと事例
非弁行為(弁護士法第72条違反)について、より詳しく解説します。
非弁行為の定義
弁護士法第72条は以下のように規定しています。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
退職代行における非弁行為の具体例
以下のようなケースが非弁行為に該当する可能性があります。
- 民間企業の退職代行が有給消化日数について会社と交渉した
- 民間企業の退職代行が退職金の金額について会社と協議した
- 民間企業の退職代行が会社からの損害賠償請求に対して反論した
- 民間企業の退職代行が退職条件(退職日・退職理由)について交渉した
- 民間企業の退職代行が未払い残業代について請求書を送った
非弁行為が行われた場合のリスク
非弁行為が行われた場合、以下のようなリスクがあります。
- 業者側のリスク:2年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 利用者側のリスク:交渉が法的に無効となり、合意が取り消される可能性
- 退職手続きへの影響:会社側が「違法な交渉だった」と主張し、手続きが振り出しに戻る可能性
実際に起きたトラブル事例5選
| 事例 | 原因 | 損害・影響 | 回避策 |
|---|---|---|---|
| 交渉が無効に | 民間業者の非弁行為 | 退職やり直し+二重費用 | 労組 or 弁護士を選ぶ |
| 名ばかり労組問題 | 未届出の労働組合 | 交渉が膠着 | 労働委員会認証を確認 |
| 詐欺的業者 | 悪質な業者に依頼 | 料金だけ取られた | 口コミ・実績を確認 |
| 弁護士監修の誤解 | 監修≠運営の理解不足 | 交渉不可と判明 | 弁護士「運営」を選ぶ |
| 会社が弁護士対抗 | 会社の法的対応 | 追加弁護士費用 | 最初から弁護士を選ぶ |
事例1:民間業者が交渉して退職が無効に
民間企業の退職代行が有給消化の交渉を行い、会社側が「非弁行為だ」と指摘。交渉内容が無効となり、退職手続きがやり直しになった事例があります。利用者は改めて弁護士に依頼し直し、二重に費用がかかりました。
事例2:名ばかり労組の交渉が問題に
労働委員会に届出をしていない「名ばかり労組」が運営する退職代行を利用。会社が団体交渉権の正当性を争い、交渉が膠着状態になった事例があります。結果的に弁護士の介入が必要となりました。
事例3:悪質業者による詐欺的行為
極端に安い退職代行サービスに料金を支払ったが、会社への連絡がされず、業者とも連絡が取れなくなった事例。お金だけ取られて退職もできないという最悪のケースです。
事例4:弁護士監修を弁護士運営と誤解
「弁護士監修」の退職代行に法的交渉を期待して依頼したが、実際には民間企業のスタッフが対応しており、交渉行為は行えなかった事例。弁護士監修と弁護士運営の違いを理解していなかったことが原因です。
事例5:会社が弁護士を立ててきた
労働組合の退職代行が会社と交渉を始めたところ、会社側が顧問弁護士を立てて対抗。労働組合では法的な反論ができず、利用者が別途弁護士に依頼する事態になりました。会社が法的手段を取るリスクがある場合は、最初から弁護士を選ぶべきです。
安全な退職代行サービスの選び方
法的リスクを避け、安全に退職代行を利用するためのポイントを整理します。
運営主体の確認方法
- 公式サイトの「運営者情報」「特定商取引法に基づく表記」を確認する
- 労働組合の場合は、労働委員会の認証番号が記載されているか確認する
- 弁護士の場合は、弁護士会の所属番号が明記されているか確認する
- 会社概要ページで法人登記情報を確認する
自分の状況に合った選択チャート
以下のフローで最適なサービスを選びましょう。
| あなたの状況 | 最適な運営主体 | 料金の目安 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 退職の意思を伝えるだけでOK | 民間企業 | 1〜3万円 | 交渉不要なら最安値で十分 |
| 有給消化や退職日を交渉したい | 労働組合 | 2〜3万円 | 団体交渉権で合法的に交渉可能 |
| 未払い残業代を請求したい | 弁護士 | 5〜10万円 | 法的請求は弁護士のみ対応可 |
| 損害賠償や訴訟リスクがある | 弁護士 | 5〜10万円 | 訴訟対応は弁護士のみ |
| パワハラ慰謝料も請求したい | 弁護士 | 5〜10万円 | 慰謝料請求は弁護士業務 |
| 公務員である | 弁護士 | 5〜10万円 | 任命権者との法的交渉が必要 |
利用者側に法的リスクはあるのか
利用者が罰せられることはない
退職代行サービスを利用した場合、利用者側が法的に罰せられることは基本的にありません。非弁行為の責任は業者側にあり、利用者は処罰の対象外です。
会社から損害賠償を請求される可能性
退職代行を使ったことを理由に損害賠償を請求されるケースは極めて稀です。ただし、引き継ぎを一切行わずに突然退職した場合や、機密情報の持ち出しがあった場合など、退職代行の利用とは別の理由で損害賠償を請求される可能性はゼロではありません。
懲戒解雇になるリスク
退職代行の利用自体を理由とした懲戒解雇は不当解雇に該当します。ただし、退職前の無断欠勤が長期化した場合は、就業規則上の懲戒事由に該当する可能性があるため、退職代行に依頼する際は速やかに手続きを進めることが重要です。
退職代行の合法性に関するよくある質問(FAQ)
Q. 退職代行サービスは違法ですか?
A. 退職代行サービスそのものは違法ではありません。退職の意思を第三者が伝えること(使者行為)は法律で禁止されていません。ただし、民間企業が交渉行為を行うと弁護士法第72条に抵触する可能性があります。
Q. 非弁行為とは何ですか?
A. 弁護士でない者が報酬を得て法律事務を取り扱うことです。退職代行の文脈では、民間企業が有給消化や退職金の交渉などの「交渉行為」を行うことが非弁行為に該当する恐れがあります。罰則は2年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
Q. 労働組合の退職代行はなぜ交渉できるのですか?
A. 憲法第28条で保障された団体交渉権に基づいて交渉を行えるためです。労働組合法により、使用者は正当な労働組合からの団体交渉を拒否することができません。
Q. 退職代行を使ったら会社から訴えられますか?
A. 退職代行の利用自体を理由に訴えられることは極めて稀です。ただし、引き継ぎの不備や機密漏洩などの理由で損害賠償を請求される可能性はゼロではありません。心配な場合は弁護士の退職代行を選びましょう。
Q. 民間企業の退職代行が交渉するとどうなりますか?
A. 非弁行為として、交渉内容が法的に無効になる可能性があります。会社側が非弁行為を指摘した場合、退職手続きが振り出しに戻り、改めて弁護士や労働組合に依頼し直す必要が出てきます。
Q. 弁護士監修と弁護士運営の違いは?
A. 弁護士監修はサービス内容を弁護士がチェックしているだけで、対応は民間スタッフが行います。弁護士運営は弁護士が直接サービスを提供し、法的対応まで可能です。法的トラブル対応には弁護士「運営」を選びましょう。
Q. 退職代行を使って懲戒解雇になることはありますか?
A. 退職代行の利用自体を理由とした懲戒解雇は不当解雇に該当します。ただし、長期の無断欠勤などが就業規則上の懲戒事由に該当する可能性はあるため、退職代行の利用は速やかに手続きを進めましょう。
Q. 就業規則に「退職は3ヶ月前に申し出ること」とありますが有効ですか?
A. 民法第627条の2週間ルールが優先されます。就業規則で3ヶ月前と定められていても、法的には2週間前の申し出で退職が可能です。裁判例でも民法の規定が優先されるとの判断が多いです。
Q. 契約社員でも退職代行は使えますか?
A. はい、利用可能です。ただし有期雇用(契約社員)の場合、民法第628条により「やむを得ない事由」がないと契約期間中の退職は原則できません。パワハラや体調不良などのやむを得ない事由がある場合は退職可能です。
Q. 公務員は退職代行を使えますか?
A. 利用可能ですが、公務員には国家公務員法・地方公務員法が適用されるため注意が必要です。任命権者の承認が必要であり、団体交渉権も制限されているため、弁護士の退職代行を選ぶべきです。
Q. 退職代行に違法な業者がいると聞きましたが?
A. 残念ながら、非弁行為を行う民間業者や、実態のない名ばかり労組を使う悪質な業者は存在します。公式サイトで運営者情報・法人情報・労働委員会認証の有無を必ず確認してください。
Q. 退職代行を利用しても退職届は自分で書く必要がありますか?
A. はい、退職届自体は本人が作成する必要があります。多くの退職代行サービスではテンプレートを提供してくれるため、記入自体は簡単です。弁護士の場合は代筆も可能です。
Q. 退職代行を利用した場合、退職理由は「自己都合」になりますか?
A. 基本的に自己都合退職となります。ただし、パワハラや給与未払いなど会社側に原因がある場合は、ハローワークでの手続き時に「会社都合」への変更が認められる場合があります。
Q. 退職後に会社から連絡が来たらどうすればいいですか?
A. 退職代行サービスが窓口となって対応してくれるケースがほとんどです。直接の連絡があった場合は対応せず、退職代行に報告しましょう。弁護士の場合は法的に会社からの直接連絡を禁止することも可能です。
Q. 労働基準監督署に相談してから退職代行を使うべきですか?
A. パワハラや給与未払いなどの労働法違反がある場合は、先に労働基準監督署に相談・通報しておくと証拠として有利になります。ただし、労基署の対応には時間がかかるため、並行して退職代行を利用することも選択肢です。
まとめ:退職代行は適法——正しいサービス選びが鍵
退職代行サービスは、適切な運営主体を選べば完全に合法です。ポイントは以下の3つです。
- 交渉が不要な場合:民間企業でもOK(ただし伝達のみ)
- 交渉が必要な場合:労働組合(団体交渉権で合法的に交渉可能)
- 法的トラブルが予想される場合:弁護士一択(訴訟対応まで可能)
非弁行為のリスクを避けるためには、自分の状況に合った運営主体を選ぶことが最も重要です。迷った場合は、まず労働組合系のサービスに無料相談し、必要に応じて弁護士を紹介してもらう方法が賢い選択です。
退職代行に関する判例まとめ
退職代行の合法性について、関連する判例や法的見解をまとめます。退職代行は適切に利用すれば完全に合法ですが、一部のサービスでは法的リスクがあることも事実です。
関連法規と判例
退職代行に関連する法律と、過去の判例を整理しました。退職の自由は憲法で保障されており、退職代行の利用自体は違法ではありません。
| 法律 | 条文 | 退職代行との関係 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 民法627条 | 期間の定めのない雇用契約の解約 | 2週間前に申告すれば退職可能 | 退職代行の法的根拠 |
| 弁護士法72条 | 非弁行為の禁止 | 民間企業は交渉不可 | 労働組合は適用外 |
| 労働基準法5条 | 強制労働の禁止 | 退職を妨害する行為は違法 | 会社の引き止めにも限度がある |
| 憲法22条 | 職業選択の自由 | 退職の自由は憲法で保障 | 最も基本的な法的根拠 |
合法的な退職代行の見分け方
退職代行サービスの中には、法律の範囲を超えた行為を行うリスクのある業者も存在します。以下のチェックリストで合法的なサービスかどうかを見分けましょう。
| チェック項目 | 合法 | 違法リスクあり | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| 退職意思の伝達 | ○(代理人として伝達) | — | 基本サービスとして提供 |
| 有給消化の交渉 | 労働組合・弁護士のみ | 民間企業が交渉した場合 | 運営元を確認 |
| 退職金の交渉 | 労働組合・弁護士のみ | 民間企業が交渉した場合 | 運営元を確認 |
| 損害賠償対応 | 弁護士のみ | 民間企業・労組が対応した場合 | 法的手続きは弁護士に |
| 退職届の代筆 | ×(本人作成が原則) | 代筆を行う業者 | テンプレート提供は可 |
退職後の社会保険・税金の手続き完全ガイド
退職後は健康保険・年金・税金の手続きを自分で行う必要があります。手続きの期限を過ぎると不利益を被ることもあるため、スケジュールを把握しておきましょう。
退職後に必要な手続き一覧
退職日の翌日から各種保険の資格を喪失するため、速やかに手続きを行う必要があります。特に健康保険は、手続きが遅れると医療費が全額自己負担になる可能性があります。
| 手続き | 届出先 | 期限 | 必要書類 | 手続きしないとどうなるか |
|---|---|---|---|---|
| 健康保険(国保加入) | 市区町村役所 | 退職後14日以内 | 離職票or退職証明書・マイナンバーカード | 医療費全額自己負担 |
| 健康保険(任意継続) | 健保組合 | 退職後20日以内 | 任意継続被保険者資格取得申出書 | 加入不可になる |
| 国民年金への切替 | 市区町村役所 | 退職後14日以内 | 年金手帳・離職票 | 未納期間が発生 |
| 雇用保険(失業給付) | ハローワーク | 離職票受領後速やかに | 離職票・証明写真・通帳 | 給付開始が遅れる |
| 住民税の支払い方法変更 | 市区町村役所 | 退職翌月以降 | 普通徴収への切替通知 | 一括請求される場合あり |
| 所得税の確定申告 | 税務署 | 翌年2/16-3/15 | 源泉徴収票・各種控除証明書 | 還付金を受け取れない |
健康保険の3つの選択肢
退職後の健康保険は大きく3つの選択肢があります。それぞれの特徴を比較して、自分に最適な選択をしましょう。
| 選択肢 | 保険料の目安 | メリット | デメリット | おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 前年所得に基づく(月1-5万円) | 扶養家族も加入可能 | 前年所得が高いと保険料が高い | 前年所得が低い人 |
| 任意継続 | 退職時の標準報酬月額×保険料率(月2-4万円) | 退職前と同じ保険が使える | 2年間の期限あり・途中脱退不可 | 在職時の保険料が安かった人 |
| 家族の扶養に入る | 0円 | 保険料負担なし | 年収130万円未満の制限あり | 配偶者や親の扶養に入れる人 |
退職代行を使う前に確認すべきチェックリスト
退職代行サービスに申し込む前に、以下のチェックリストを確認しておくことで、スムーズな退職を実現できます。準備不足のまま退職代行を利用すると、退職後にトラブルになるケースもあります。
退職前の準備チェックリスト
| カテゴリ | チェック項目 | 確認方法 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 書類 | 雇用契約書のコピーを保管しているか | 手元に控えがあるか確認 | ★★★ |
| 書類 | 給与明細(直近6ヶ月分)を保管しているか | 給与明細ファイルを確認 | ★★★ |
| 書類 | 就業規則の退職規定を確認したか | 社内イントラor人事部に確認 | ★★☆ |
| 金銭 | 退職金の有無と金額を確認したか | 就業規則or人事に確認 | ★★★ |
| 金銭 | 未払い残業代がないか確認したか | タイムカードと給与明細を照合 | ★★☆ |
| 金銭 | 3ヶ月分の生活費を確保しているか | 銀行口座の残高を確認 | ★★★ |
| 手続き | 有給休暇の残日数を確認したか | 給与明細or人事に確認 | ★★★ |
| 手続き | 住民税の支払い方法を確認したか | 経理部に確認 | ★★☆ |
| 物品 | 返却すべき会社備品をリストアップしたか | PC・社用携帯・入館証等 | ★★★ |
| 物品 | 個人の私物を持ち帰ったか | デスク周り・ロッカーを確認 | ★★☆ |
| データ | 個人データのバックアップを取ったか | 私用メール・連絡先等 | ★★☆ |
| 転職 | 転職エージェントに登録したか | 2-3社に登録推奨 | ★★★ |
退職代行に伝えるべき情報
退職代行サービスをスムーズに進めるために、以下の情報を事前にまとめておきましょう。
| 情報 | 内容 | 必要な理由 |
|---|---|---|
| 会社名・住所・電話番号 | 正式名称と代表番号 | 退職代行が連絡するため |
| 直属の上司の氏名 | 退職を伝える相手 | 最初に連絡する相手の特定 |
| 人事部の連絡先 | 人事担当者の氏名と電話番号 | 退職手続きの窓口 |
| 希望退職日 | いつ退職したいか | 退職通知に記載するため |
| 有給残日数 | 正確な残日数 | 有給消化の交渉のため |
| 退職理由 | 簡潔な理由 | 会社への説明に使用 |
| 返却物リスト | 社用品の一覧 | 郵送返却の手配のため |
参考文献・出典
本記事の作成にあたり、以下の公的機関のデータ・資料および外部情報を参考にしています。
官公庁・公的機関の資料
- 厚生労働省「モデル就業規則」
- 厚生労働省「労働条件の明示」
- 厚生労働省「雇用保険制度」
- 厚生労働省「労働基準法に関するQ&A」
- 厚生労働省「退職手続きに関するガイドライン」
- e-Gov法令検索「民法」
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- e-Gov法令検索「労働組合法」
- e-Gov法令検索「弁護士法」
- e-Gov法令検索「雇用保険法」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
- e-Gov法令検索「労働者派遣法」
- 厚生労働省「未払賃金立替払制度」
- 厚生労働省「パワーハラスメント防止措置」
- 厚生労働省「個別労働紛争解決制度の施行状況」
- 国税庁「中途退職と確定申告」
- 国税庁「退職所得の計算方法」
- 国税庁「源泉徴収票の交付義務」
- 日本年金機構「国民年金への加入手続き」
- 日本年金機構「厚生年金保険の概要」
- 厚生労働省「健康保険の任意継続」
- 総務省統計局「労働力調査」
- 厚生労働省「雇用保険の給付」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナー」
- 裁判所「労働審判制度」
- 厚生労働省「有給休暇の付与」
- 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較」
- 厚生労働省「働き方改革特設サイト」





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