尾田栄一郎といえば漫画ONE PIECEの作者として有名な漫画家で、その連載は1997年に開始され、2023年現在でも続いており、アニメ化や映画化もされています。
では尾田栄一郎の年収は一体いくらで、どのような形で得られているのでしょうか。
ここでは尾田栄一郎の年収とその内訳、そして他の人気作家の年収との比較を行っていきます。
尾田栄一郎の年収は31億円
出典:https://heikinnenshu.jp/creative/oda.html
尾田栄一郎の年収は、31億円といわれています。
しかし、その全てが週刊少年ジャンプに連載している原稿料から得られているわけではありません。
ここでは、尾田栄一郎の31億円にも上る収入の内訳について解説していきます。
尾田栄一郎の年収の内訳は?
年収の内訳は、以下のような収入の合計になります。
原稿料
原稿料は、原稿に対して支払われる対価で、一回限りの支払いとなっています。
漫画の場合、一般的には1ページ当たりいくらという形で支払われることがほとんどです。
尾田栄一郎のONE PIECE1ページ当たりの原稿料は5万円で、1週間に一度発売される週刊少年ジャンプの場合、20ページ程度のページ数を執筆することになります。
週刊少年ジャンプは年に48冊発売されるため、以下の計算式から尾田一郎が年間に手にする原稿料を計算することができます。
5万円(1ページ当たりの原稿料)×20ページ×48週=4800万円
これだけでも1年間の収入としては驚きの金額ですが、この原稿料以外の収入が尾田栄一郎の31億円という年収の源となっています。
印税
印税とは出版事業に著作者も協働に参加しその利益を分配するというもので、出版物の価格と販売された部数に比例して作者が受け取る報酬のことを言います。
漫画の場合の印税は、一冊の単価×販売部数×印税率で計算することができます。
印税率は10%程度が基準になります。
この式にONE PIECEの販売部数を当てはめると、尾田栄一郎が受け取る印税は以下のようになります。
単行本一冊の価格484円×年間売り上げ部数3234万部×印税率10%=約15億6500万円
原作使用料
ONE PIECEはアニメや映画として放送・上映されたり、舞台として上演されたりしています。
このように、他の媒体でONE PIECEを使用する場合には、原作者である尾田栄一郎に原作使用料を支払う必要があります。
ONE PIECEの原作使用料は、アニメ1話につき30万円×1年間の放送回数50週=1500万円、映画一本につき100万円程度なので、これらを合計して1600万円程度となります。
原作使用料は、印税や原稿料と比較すると低い金額に見えます。
しかしこれによりグッズなどの販売が促進されるため、原作者の収入が増える可能性が高くなるので、あながちバカにはできないものなのです。
海外からの収入
現在ONE PIECEは、世界42カ国以上の国で単行本やDVDが発売されており、テレビ放送が行われている国もあります。
それらの印税や原作使用料を合計すると、推定で2億円が尾田栄一郎の収入の一部になっています。
キャラクターグッズの売り上げ
ONE PIECEは国内外でキャラクターグッズが販売されていて、そのグッズの種類にはカードホルダーやぬいぐるみ、缶バッジといった子供向けのものだけではなく、ゴルフ関連など大人向けのグッズも販売されています。
さらにキャラクターグッズは、カードケースだけでもONE PIECEのメインとなるキャラクターの数だけ販売されているため、膨大な種類に及びます。
このようなグッズは、当然ながら誰もが勝手に作って良いものではありません。
必ず原作者に許可を得る必要があり、これを怠り無許可でキャラクターグッズを製作及び販売すると、著作権法違反という罪に問われてしまいます。
原作者にきちんと許可を取り販売しなければいけませんが、その際の売上金の一部を原作者に支払う必要があります。
ONE PIECEの場合にはキャラクターグッズやDVDの小売価格の1%から5%が尾田栄一郎に支払われ、その金額は年間で推定15億円といわれています。
専属契約料
専属契約料とは、出版社から原作者に支払われるお金です。
これは「うちで連載している間は、他の雑誌で描かない」という意味を込めて支払われます。
ONE PIECEは週刊少年ジャンプの看板ともいえる漫画なので、少なくとも数百万円以上といわれていますが、尾田栄一郎の年収に占める割合で言えば、微々たるものといえるでしょう。
尾田栄一郎の年収が高額な理由
ONE PIECEが大ヒットし、尾田栄一郎が31億円の年収を得ている理由には、読者の年齢層が非常に幅広いことが挙げられます。
子どもだけにヒットしている漫画であれば、コミックやキャラクターグッズに使用される金額も低くなってしまいますが、自分の収入がある大人にもヒットすることで、単行本やキャラクターグッズ、DVDなどの売り上げ数が多くなり尾田栄一郎の高収入につながります。
尾田栄一郎の生涯年収は?
31億円もの年収を得ている尾田栄一郎の生涯年収が気になる方も多いのではないでしょうか。
実際の生涯年収は、900億円に上ると言われています。
ONE PIECEの連載は今後も継続され、尾田栄一郎本人が2026年前後で連載を終了すると示唆していることから、連載開始の1997年からの収入で考た場合
年収31億円×連載年数29年(1997年~2026年)の式で考えると、899億円となります。
この計算式から導き出された金額は、あくまで推定の金額です。
ただし不確定要素も多いため、一概にこの金額と言い切ることはできません。
しかしどのような考え方をしても、尾田栄一郎の総資産は庶民にとっては天文学的な金額であるということができるでしょう。
税引き後の手取り額は?
尾田栄一郎の収入は31億円と高額なものですが、働いて一定の収入を得ている人には納税の義務が課されています。
そのため、31億円をそのまま全額尾田栄一郎が手にするわけではなく、この中から税金を支払うことになります。
税金を支払った後に手元に残った金額を手取りといいますが、尾田栄一郎の手取り額は現在の税率を適用すると、17億円~19億円となります。
誰のころでアシスタントをしていた?
ONE PIECEの大ヒットで一躍大人気作家となった尾田栄一郎ですが、当然のことながらアシスタントとしての下積み時代がありました。
では、どのような漫画家のもとでアシスタントをしていたのでしょうか。
LIAR GAMEの甲斐谷忍
ドラマ化されたLIAR GAMEで有名な甲斐谷忍の代表作は、LIRE GAME以外にもこちらもドラマ化されたソムリエ、そしてONE OUTSなどがあります。
1994年に週刊少年ジャンプで連載が開始された翠山ポリスギャングでデビューしました。
その後、1991年に第42回手塚賞で準入選賞を受賞しています。
ジャングルの王者ターちゃん♡の徳弘正也
徳弘正也は、漫画の神様といわれた手塚治虫にあこがれて漫画家を志しました。
1982年に第17回赤塚賞を受賞し、翌年の1983年に週刊少年ジャンプでシェイプアップ乱で連載デビューを果たしました。
代表作はジャングルの王者ターちゃん♡です。
当時アシスタントをしていた尾田栄一郎は、徳弘正也を「本当のプロ」「一生の恩人」として慕っています。
るろうに剣心~明治剣客浪漫~の和月伸宏
和月伸宏は高校在学中に、ティーチャー・ポンで第33回手塚治虫賞の佳作に入選し、デビューしました。
高校を卒業した後に上京、アシスタントを務めていました。
ヒットしたのは週刊少年ジャンプで連載している、るろうに剣心です。
その中でも特に代表作であると言えるのが、るろうに剣心~明治剣客浪漫譚~でしょう。
それ以外の代表作には、アニメ化された武装錬金があります。
現在は週刊少年ジャンプではなく、ジャンプスクエアで活躍しています。
尾田栄一郎のアシスタント料
尾田栄一郎は、7人のアシスタントを抱えています。
アシスタントの年収も、気になるところです。
一般的なアシスタントの年収は約600万円ですが、31億もの年収がある尾田栄一郎のアシスタントの年収は、なんと1億円。
その分実力があるアシスタントであることが伺えますが、尾田栄一郎の31億円という年収も桁違いなら、アシスタントの年収もまた桁違いであると言えるでしょう。
他の有名漫画家の比較
尾田栄一郎の年収がいかにずば抜けたものであるか、他の漫画家と比較してみましょう。
鳥山明・ドラゴンボール
鳥山明といえば知らない人はいないと思われる大ヒット漫画ドラゴンボールシリーズの作者で、アニメ化もされています。
そのため、原稿料以外にも多額の収入を得ていたことが推測されます。
鳥山明は1980年~1990年代の週刊少年ジャンプの全盛期を支えた立役者とも呼べる存在で、週刊少年ジャンプの発行部数600万部達成の快挙は、鳥山明なしでは考えられなかったと言われています。
鳥山明の年収は、推定で14億8300万円です。
岸本斉史・ナルト
岸本 斉史の代表作は、週刊少年ジャンプで1999年から2014年まで連載されたNARUTO~ナルト~です。
1996年にカラクリで第132回2月期ホップ☆ステップ賞で佳作に入選し、デビューを果たしました。
その後1999年に週刊少年ジャンプでNARUTO~ナルト~の連載を開始し、2014年に完結させました。
その成果が認められ、2015年に芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しています。
このような経歴を持つ岸本 斉史の年収は、推定7億円です。
高橋和希・遊☆戯☆王
高橋和希は1981年に第8回小学館新人コミック賞を受賞し、その後さまざまな作品を書いていましたが、1996年に週刊少年ジャンプに遊☆戯☆王の連載を始め、テレビ朝日系でアニメ化されました。
1999年には、長者番付の文化人部門で第1位になっています。
高橋和希の年収は、推定6億円です。
吾峠呼世晴・鬼滅の刃
吾峠呼世晴の代表作は、コロナ禍の中映画化され大ヒットした鬼滅の刃です。
鬼滅の刃は、映画化以外にアニメ化もされています。
吾峠呼世晴の年収は、推定で5億円です。
藤子・F・不二夫・ドラえもん
藤子・F・不二夫といえば、知らない人はいない国民的キャラクターであるドラえもんの生みの親です。
長年アニメが放映され、グッズも多く販売されています。
藤子・F・不二夫の年収は、推定で4億5600万円です。
金額的に少ないと思う方も多いと思いますが、連載開始当初の貨幣価値が現在と異なるため、一概に低い金額とは言えないかもしれません。
荒川弘・鋼の錬金術師
荒川弘は、1999年にエニックス主催の第9回エニックス21世紀漫画大賞で大賞を受賞し、月間少年ガンガンで1999年にデビューしています。
2001年に同誌で鋼の錬金術師の連載を開始し、アニメ化やゲーム化されるなどのヒット作になりました。
荒川弘の年収は、推定で4億5000万円です。
長谷川町子・サザエさん
こちらもドラえもんと並ぶ国民的アニメ、サザエさんが代表作の長谷川町子。
女性初のプロ漫画家で、サザエさんの他にもいじわるばあさんといった代表作があります。
1935年に見開き2パージの狸の面でデビュー、サザエさんは戦後間もない1946年に連載が開始され、数度の休載を挟みながら連載が続いていましたが、1974年に休載のあと連載が再開されることはありませんでした。
長谷川町子の年収は、推定で2億700万円です。
しかしこちらも連載の期間が長く、連載開始時と現在の貨幣価値が異なることから、決して少額であるとは言えないでしょう。
やなせたかし・アンパンマン
やなせたかしといえば、アンパンマンの作者として有名で代表作もこの作品となります。
アンパンマンの連載開始は1969年で、当初は青年向けのものでした。
アンパンマンにはいくつかのシリーズがありますが、これらの連載は作者の健康上の問題により1994年に連載終了となりました。
ただし、テレビアニメの放送は現在でも続いています。
やなせたかしの年収は、推定で2億7000万円です。
諌山創・進撃の巨人
諌山創は、2006年に講談社のマガジングランプリで進撃の巨人が佳作に入選していて、この作品が諌山創の代表作といえるでしょう。
しかし進撃の巨人はデビュー作ではなく、同年にマガジンSPECIALで連載を開始したorzがデビュー作となります。
進撃の巨人はアニメ化や実写映画化されています。
諌山創の年収は、推定で2億6000万円です。
井上雄彦・スラムダンク
井上雄彦の代表作は、SLAM DUNK、バガボンド、リアルなどです。
1988年に手塚賞を受賞し、週刊少年ジャンプで原作付きのカメレオンジェイルで連載デビューしています。
代表作のひとつであるSLAM DUNKは、日本国内のバスケットボール人気の火付け役となりました。
井上雄彦の年収は、推定で2億円です。
秋元治・こちら葛飾区亀有公園前派出所
秋元治の代表作はこちら葛飾区亀有公園前派出所で、こち亀と略されることもあります。
このこち亀が秋元治のデビュー作で、連載が開始されたのは1976年。
予想以上に人気が出てきたことから、2016年までなんと40年もの長い期間連載が続くこととなりました。
秋元治の年収は、推定で1億2100万円です。
弘兼憲治・島耕作シリーズ
弘兼憲史の代表作は、島耕作シリーズ、人間交差点、黄昏流星群です。
松下電器産業で3年間勤務した経歴があるため、作品にはその経歴を生かしたものもが多い傾向があります。
弘兼謙史の年収は、推定1億700万円です。
まとめ
ここまで、尾田栄一郎の年収について解説してきました。
尾田栄一郎は現在の年収は31億円ですが、そこに至るまでは当然のことながらアシスタントとして修業をした時代もありました。
漫画家は、才能だけで大ヒット作を生み出せるわけではなく、多くの場合は有名漫画家のもとでアシスタントをしながら漫画家としての画力やセンスを磨いています。
ONE PIECEの大ヒットによる尾田栄一郎の莫大な年収は、彼の才能と努力の賜物であると言えるでしょう。
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