SESでコールセンター派遣？ブラック企業の手口と回避方法

コールセンター派遣の実態

コールセンター業務の実態

コールセンター業務は、エンジニアとしての技術を全く活かせる仕事ではありません。主な業務は電話対応やマニュアル通りの作業で、プログラミングやシステム設計・開発は一切関係ありません。エンジニアとしてのスキルは身につかず、単なる事務作業となってしまいます。

低賃金と将来性のなさ

コールセンター業務は一般的に低賃金です。平均年収は300万円前後と言われています。また、エンジニアとしてのキャリアアップの機会もほとんどなく、将来性が見込めません。本来のエンジニアとしての成長が止まってしまう可能性が高いのです。

抜け出すのが非常に困難

• 一度コールセンター業務に就いてしまうと、そこから抜け出すのが非常に困難です。
• SES企業によっては、わざと他の部署への異動を認めないケースもあります。
• コールセンター経験しかないと、エンジニア転職が極めて難しくなります。
• 年齢を重ねるごとに転職の選択肢が狭まっていきます。
• 結果的に、コールセンター地獄から抜け出せなくなる恐れがあります。

項目	詳細
平均年収	300万円前後
キャリアアップ	ほとんどない
転職難易度	非常に高い

なぜコールセンター派遣が起きるのか

コストカットのため

SES企業の中には、人件費を抑えるためにコールセンター業務に未経験者を派遣する会社があります。コールセンター業務は比較的単純作業が多く、未経験者でも短期間で対応できるためです。これにより人件費を大幅に削減できるので、企業の利益確保につながります。しかし、未経験者のスキル向上は期待できず、長期的な視点に欠けています。

未経験者を搾取するため

悪質なSES企業の中には、未経験者を騙して安価な労働力として搾取する手口があります。「エンジニア研修」を名目にコールセンター業務に就かせ、将来の約束を持ちかけます。しかし実際はスキルアップの機会はなく、低賃金で働かされ続けるケースが多々あります。未経験者の約6割がこうした搾取的な環境に置かれているという報告もあります。

人材不足対策のため

• IT人材の需要が高まる中、SES企業は人材確保が困難になっている
• 未経験者をコールセンターで一時的に雇用することで人員を補填する
• コールセンター経験者の中から、将来のエンジニア候補を見つける目的もある
• しかし、コールセンター勤務ではエンジニアスキルは身に付かない
• 適切な研修・キャリアパスを用意しない企業が多い

項目	詳細
IT人材不足率	2023年度で23.1%と過去最高水準
コールセンター従業員数	約65万人(2022年)
平均年収	319万円(エンジニア) / 278万円(コールセンター)

コールセンター派遣のデメリット

エンジニアとしての成長が見込めない

コールセンター業務ではプログラミングやシステム設計・開発など、エンジニアに必須のスキルを身につけることができません。単なるユーザーサポート業務に従事するだけで、エンジニアとしての経験を積むことはできません。エンジニアを目指す未経験者にとって、コールセンター勤務は無意味な時間の無駄に過ぎません。

具体的な事例

Aさんは大手SES企業に入社し、未経験エンジニア研修でコールセンター業務を強いられました。1年半が経過しても研修は終わらず、コールセンターからの抜け出すことができませんでした。結局、転職して1年半の時間を無駄にしてしまったことになりました。

キャリア形成の障壁

• プログラミングスキルが身につかない
• 開発経験がない
• 技術力の証明が難しい
• 希望年収の交渉が困難
• 転職先の選択肢が限られる

項目	詳細
スキル不足	コールセンター業務ではエンジニアスキルが身につかない
経験不足	実務経験がないため転職が難しい
年収アップ難	スキルや経験がないため高年収を望めない

ブラック企業の見分け方

ブラック企業の定義

ブラック企業とは、労働環境が劣悪であったり、従業員を搾取するような企業のことを指します。エンジニアとして採用されたにもかかわらず、コールセンター業務に従事させられたり、長時間残業を強いられたりするケースがあります。未経験者を狙い、実態を隠して入社させるブラック企業も存在するので、入社前に企業の実態を確認する必要があります。

コールセンターや家電量販店への派遣が目的

ブラック企業の中には、エンジニアとして採用した未経験者をコールセンターや家電量販店に派遣することが目的の企業があります。エンジニアとしてのスキルを身につけさせる機会がなく、単なる人件費の確保が目的とされています。求人票には「未経験OK」と書かれていますが、実際にはエンジニア教育は行われません。

未経験エンジニアの7割がコールセンター業務に就かされている

ブラック企業の見分け方

• 求人票に「未経験OK」「初心者大歓迎」と書かれている
• 面接が1回だけでWEBテストがない
• 取引先にコールセンターや家電量販店が含まれている
• 学歴不問・職歴不問の求人である
• 給与水準が非常に低い

項目	詳細
面接回数	1回のみの場合は要注意
取引先	コールセンターや量販店が含まれていれば危険
求人内容	「未経験OK」と書かれていれば要確認

ブラック企業を回避する方法

コールセンター研修の実態

一部のブラックSES企業は、未経験者を騙して「エンジニア研修」と称しコールセンター業務に従事させています。プログラミングやシステム開発の実習はほとんどなく、単なるコールセンター員として働かされる実態があります。未経験者は待遇も低く、技術を身に付けられない環境に置かれてしまいます。

企業の口コミを徹底チェック

転職サイトの企業口コミや評判を入念にチェックし、コールセンター勤務の実態がないか確認しましょう。「コールセンター」「家電量販店」などのキーワードがないか注意深く見ていく必要があります。口コミに「研修＝コールセンター」といった記述があれば、その企業は避けるべきでしょう。

転職エージェントを上手に活用する

• 優良な転職エージェントに相談し、ブラック企業を見分ける目を養う
• エージェントの力を借りて、研修内容や配属先を事前に確認する
• 未経験者に寄り添ったサポートを行うエージェントを選ぶ
• 複数のエージェントと相談し、客観的な視点を持つ
• エージェントとの面談で、疑問点を徹底的に質問する

項目	詳細
研修内容	プログラミング、システム開発の実習がメインか
配属先	自社内開発部門や優良クライアントか
評判	転職サイトの口コミで悪評がないか

おすすめの転職サービス

転職エージェントの利点

転職エージェントは企業と求職者の橋渡し役を務め、求職者にとって様々なメリットがあります。非公開求人情報にアクセスできるため、自力では見つけにくい優良企業に転職できる可能性が高まります。また、キャリアアドバイザーが適切な企業を選定し、面接対策などきめ細かいサポートを行ってくれるため、スムーズな転職活動が期待できます。

おすすめ転職エージェントの事例

代表的な転職エージェントとして、「マイナビエージェント」と「ユニゾンキャリア」が挙げられます。マイナビエージェントは国内最大級の規模を誇り、20代・30代の転職に強みがあります。一方、ユニゾンキャリアはIT業界に特化した転職サポートを行っており、未経験からITエンジニアを目指す人にも適しています。

転職エージェントの選び方

• 求職者の経験や希望に合った企業を紹介してくれるか
• キャリアアドバイザーの対応が丁寧か
• 求人数が豊富で、非公開求人にもアクセスできるか
• 年収アップの実績があるか
• サポート体制が充実しているか

エージェント	特徴	年収アップ率
マイナビエージェント	国内最大級の規模、20代・30代に強み	64.8%
ユニゾンキャリア	IT業界に特化、未経験者向けのサポート充実	75.1%
ワークポート	IT未経験者に強み、定着率が高い	68.9%

まとめ

コールセンター業務ではエンジニアスキルは身に付かない

コールセンター業務はサポート業務が中心で、プログラミングやシステム開発などのエンジニアスキルは一切身につきません。コールセンター経験を積んでも、エンジニアとしての成長は望めません。未経験からエンジニアを目指すのであれば、コールセンター業務は避けるべきです。

悪質なSES企業の手口にご用心

一部の悪質なSES企業は、未経験者に「エンジニア研修」と偽ってコールセンター業務に従事させる手口を使っています。研修期間中から実際の配属先までコールセンター業務が続き、抜け出すのが困難になります。こうした企業に入社してしまうと、エンジニアスキルが全く身につかない状態が長期化してしまう恐れがあります。

優良SES企業の見極め方と対処法

• 求人情報や企業HPで「コールセンター」「家電量販店」などの文言がないか確認する
• 転職難易度が低すぎる企業は避ける(面接が1回だけ、WEBテストがないなど)
• 未経験者向けの求人で「未経験OK」「初心者歓迎」などと書かれていないか注意する
• 転職エージェントに相談し、優良SES企業を紹介してもらう
• 既にコールセンター業務に就いている場合は、すぐに転職を検討する

データ	詳細
81%	転職エージェント「Geekly」の年収アップ率(2023年1月時点)
93.6%	転職サイト「ウズカレIT」の入社後の定着率
No.1	「ワークポート」のIT未経験者向け転職決定人数